八月 2      198句

八月に原子爆弾売りにゆく   鈴木六林男   雨の時代

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
八月やけいたい電話うしろ向き 堀内一郎 あを 200608  
八月の大河に雲のあるばかり 高倉和子 200609  
八月の前もうしろもなき日暮 橋本榮治 馬醉木 200610  
八月も末の宵宮の遠囃子 鈴木榮子 春燈 200610  
八月や僧侶総出の慰霊祭 井関祥子 酸漿 200610  
八月や蝿の生まるる音ひびく 吉弘恭子 あを 200610  
八月の浪音高し日本海 伊藤憲子 200611  
八月の闇を竿もて撹拝す 吉田明子 200611  
八月九日十一時二分米をとぐ 齋藤厚子 200611  
八月や引継ぐものに錆びし鍵 加藤峰子 200611  
八月の身を休まする旅にあり 小澤克己 遠嶺 200611  
人間の思ひそれぞれ八月は 万城希代子 200611  
八月の雨まぎれこむ月の山 竹内悦子 200611  
礁越す波や八月十五日 大島翠木 200611  
積み上げてもの皆黒き八月十五日 小形さとる 200611  
八月のあぢさゐ一輪あげたくて 天野きく江 200611  
つる草の地を這ふ八月十五日 浅田光代 風土 200611  
八月や塩も砂糖もただ白し 柴田佐知子 200611  
気負ひなどなし八月の水すまし 木内憲子 200611  
八月や続飯箆にのこるそくひ 吉弘恭子 あを 200611  
拭きこみし畳八月十五日 田口紅子 200612  
老残の想ひ出八月はや半ば 浅井青陽子 ホトトギス 200612  
蕉翁の目線に酒田八月尽 工藤ミネ子 風土 200612  
八月や雲は力を抜き初めし 山田弘子 ホトトギス 200701  
日の本は永遠に八月十五日 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708  
海に山に都心に里に八月よ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708  
八月や今年も甲子園熱し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708  
八月の街紫に暮れ残る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708  
八月や今日も移転の荷の増えて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708  
八月や鎮魂の鐘あまたたび 杉良介 200708  
八月や二日の風の涼やかに 山田六甲 六花 200708 辻享子さんを偲び
百日紅に八月二十八日来る 山田六甲 六花 200708 木曽岳風子さんを偲び
死者たちの八月へ向け言葉投ぐ 伊藤白潮 200709  
八月や尾を引く雲の連なりて 高倉和子 200709  
耳鳴りはあの八月の蝉しぐれ 中田みなみ 200709  
ハバロフスク小唄八月深夜便 鈴木榮子 春燈 200710  
祖国いとし国家いかめし八月来 北川英子 200710  
八月のタイルを滑りゆく石鹸 篠藤千佳子 200710  
嫁の身の覚悟八月迎へけり 久保田雪枝 雨月 200710  
八月や唇乾き目が乾き 田中藤穂 あを 200710  
玉音が古傷を刺す八月来 鴨下昭 200711  
八月大名腰痛へ貼薬 数長藤代 200711  
八月の横須賀海軍カレーかな 平田紀美子 風土 200711  
畳の目膝に八月十五日 浅田光代 風土 200711  
八月や錆の噴出す蝶番 樋口みのぶ 200711  
八月の影はビルマの野に忘る 宇都宮滴水 京鹿子 200711  
八月の青き地球の住み心地 舩越美喜 京鹿子 200711  
八月の折鶴にみずみず水 河内桜人 京鹿子 200711  
八月や飛行時計を胸に置く 本多俊子 200711  
広島は先考の故地八月来 今井妙子 雨月 200711  
八月六日ひと日を黙の文芸に 窪田佳津子 雨月 200711  
忘れ得ぬ忘れてならぬ八月来 稲次登美子 雨月 200711  
八月を油絵にせば赤と黒 遠藤逍遙子 風土 200712  
八月六日明けゆくラヂオ深夜便 北村香朗 京鹿子 200712  
詩のやうなわだつみのこゑ八月よ 真保喜代子 200712

悼 人間魚雷にて

戦死せし叔父

八月のファスナーまつすぐ背中割る 今川千鶴子 春燈 200801  
曳航というかたちして八月は 坪内稔典 船団 200801  
何を企む八月の赤き星 湯浅夏以 樹も鳥も 200806  
八月の罪なき雲の白さかな 杉良介 200808  
流星は八月十三日未明 稲畑汀子 ホトトギス 200808  
八月に入る点滴を離せずに 伊藤白潮 200809  
八月や溺れすぎたる岩一つ 宇都宮滴水 京鹿子 200809  
沸々と叔父の面影八月来 朝妻力 雲の峰 200809  
臍さらす少女等八月十五日 米山喜久子 200810  
寡黙なる八月が来る一輪車 鴨下昭 200810  
どこか疲れて八月の野の猛々し 酒本八重 200810  
八月の水八月の蛇口より 小林奈穂 200810  
八月の森黒々と尾を生やし 佐藤午後 炎環 200810  
息止めて八月の鶴折りにけり 毛利すみえ 炎環 200810  
八月や秩父ごろごろ木つ端神 山田庫夫 炎環 200810  
回天の友の忌八月十二日 緒方輝 炎環 200810  
八月三日水の如父逝けり 島青櫻 炎環 200810  
八月六日街中に風かすか 島青櫻 炎環 200810  
八月九日茜さす沖雲 島青櫻 炎環 200810  
八月十二日山に妻病みし 島青櫻 炎環 200810  
八月十五日瓦斯火の環青き 島青櫻 炎環 200810  
八月や北京五輪の夜の絵巻 阿部文子 酸漿 200810  
八月の夜を鳴りひびく雷のあり 渋谷ひろ子 酸漿 200810  
下駄履いて八月大名らしくなる 伊藤白潮 200810 『游』
雲の端の八月ひかる午後に入る 大崎紀夫 やぶれ傘 200810  
家主わが八月生れ獅子座なり 木村茂登子 あを 200810  
マウンドの砂塵八月十五日 常盤優 炎環 200811  
八月尽砂の上にて鳩交む 中村恭子 200811  
八月の甕割れてゐる草のなか 中村恭子 200811  
溌刺と八月の靴飛行機へ 数長藤代 200811  
戦病死の叔父の忌ひそと八月尽く 椿和枝 200811  
加害者の刑期と八月共に終ゆ 椿和枝 200811  
日めくりの八月十二日のまま 飛鳥由紀 200811  
貼り忘る切手八月十五日 荒井和昭 200811  
八月の総て持ち去る豪雨かな 荒木常子 200811  
八月や風を孕める太平洋 荒木甫 200811  
藁草履すり切れ八月十五日 荒木甫 200811  
高原のバス停八月十五日 緒方佳子 火星 200811  
八月の雑書の中におぼれけり 宮川みね子 風土 200811  
八月の沖雲にある余熱かな 宮川みね子 風土 200811  
八月や剥落はいまはじまりぬ 宮川みね子 風土 200811  
八月の双手さみしき観覧車 外川玲子 風土 200811  
八月の寝転ぶための畳かな 山田暢子 風土 200811  
八月の「地獄の門」の前に佇つ 松田延子 風土 200811  
移動図書館より間違ひ電話八月 松田延子 風土 200811  
八月やトランペットの校舎より 渡邉孝彦 やぶれ傘 200811  
八月が澤山ありぬまだなかば 佐藤喜孝 あを 200811  
波頭とがりて八月十五日 西山春文 200812  
燃ゆる土燃ゆる水八月六日 田口紅子 200812  
黙祷の多き八月果てにけり 吉岡一三 200812  
大いなる魚うらがへす八月十五日 小堀寛 京鹿子 200812  
人と人人人八月十五日 火箱游歩 船団 200901  
八月の月中天の碧さかな 山下青坡 200905  
八月へ胴太きわが万年筆 井上信子 200909  
約束の如八月十五日晴 早崎泰江 あを 200909  
八月の祈り静かに無言館 宮田香 200910  
八月の空の真芯へかなぶんぶん 上原重一 200910  
八月の木々をゆらせて風走る 柳生千枝子 火星 200910  
八月や丈草結ぶあそびして 浅田光代 風土 200910  
八月十五日が来る滑走路の果ての海 渡辺鶴来 春燈 200910  
虚子といふ大俳人と八月尽 佐田昭子 ぐろっけ 200910  
八月やむかしは深く考へず あさなが捷 200910  
八月に集ひて鶴を折る日あり 須賀敏子 あを 200910  
八月尽ロックを流すカーラジオ 森下康子 200911  
八月の砂浜すこしふくれけり 阿布里唯 炎環 200911  
八月のオフィスの少し空いてをり 飯沼邦子 炎環 200911  
八月尽解けし靴紐引きずれり 北島正太郎 炎環 200911  
八月の記憶の空の青きこと 村上沙央 200911  
八月の六日・九日・十五日 中村洋子 風土 200911  
八月の童の石の佛かな 石脇みはる 200911  
八月をつつむ風呂敷大きかり 本多俊子 200911  
八月の病者に作る風の道 浅野洋子 春燈 200911  
家中を点し八月十五日 井上春子 春燈 200911  
八月の竹のよしあし垣間見る 太田具隆 春燈 200911  
八月十五日コーヒーは無糖とす 田辺博充 200911  
八月や昔は布の米袋 柴田佐知子 200911  
八月の挿芽の安否日々覗く 荒井和昭 200911  
カレンダー八月へ繰る動悸かな 田村園子 200911  
窓拭いて八月の雨たしかむる 畑佳与 京鹿子 200911  
八月六日挽歌の句座に集ひけり 水田壽子 雨月 200911  
八月や渇きし魂に哲学書 山崎青史 ろんど 200911  
八月や真つ青な空と割烹着 下平誠子 ろんど 200911  
お握りとすいとん八月十五日 別府操 ろんど 200911  
八月の紫紺ふかめし遠き嶺 今井松子 遠嶺 200912  
八月の鮮やぐいろに樹も屋根も 安藤久美子 やぶれ傘 200912  
八月の白亜の街の渇きかな 仲田眞輔 ぐろっけ 200912  
八月の暑さのなかの阿蘇に立つ 小黒加支 酸漿 200912  
黙祷の子らに八月十五日 椋誠一朗 ホトトギス 201001  
八月に入るどの部屋も静かなり 竹下昌子 201001  
八月や「死ぬな殺すな」寺に貼り 木田千女 201009  
水鏡八月六日夢も見ず 中山純子 万象 201009  
八月の青い空見る禎子像 池田光子 201009  
梅干の塩噴く八月十五日 林昭太郎 201009  
八月の長崎の空まぶしかり 山口キミコ 201010  
八月の温泉の香の先にある被爆 鴨下昭 201010  
八月や水の匂ひのガラス瓶 鴨下昭 201010  
八月や耳傾ける原爆詩 吉沢陽子 201010  
成田屋へ掛け声八月歌舞伎かな 伊藤希眸 京鹿子 201010  
八月過ぐ多くの死者と向き合ひて 北川英子 201010  
気がつけば顎が掌の上八月尽 千田敬 201010  
八月や秋津根の鐘底心に 吉弘恭子 あを 201010  
八月や蝉ショワショワと昭和昭和と 篠田純子 あを 201010  
埒もなく金魚掬へり八月尽 宇治重郎 201011  
八月尽いつまで続く晴マーク 池田加寿子 201011  
八月や浪高まりし日本海 泉田秋硯 201011  
語り継ぐ八月自分史を重ね 鴨下昭 201011  
八月や大きく息をして九月 竹内悦子 201011  
八月六日襟足に汗の道 栗栖恵通子 201011  
八月をひつくり返すフライパン 大森春子 201011  
八月やみなはるかなる祀りして 深澤鱶 火星 201011  
煙草吸ふ少年八月十五日 涼野海音 火星 201011  
八月の使ひに渡る東京湾 柴田久子 風土 201011  
八月の牛のさびしき貌に会ふ 柴田久子 風土 201011  
鳥の発つ一樹八月十五目 中村洋子 風土 201011  
藷の飯炊いて八月十五日 橋添やよひ 風土 201011  
八月の空に入りたる奥穂高 根岸善行 風土 201011  
川の町広島にまた八月来 平野みち代 201011  
八月の暦を埋めし女文字 濱上こういち 201011  
八月や力を入るる足の裏 坂場章子 201011  
空爆の夜よ八月の星を見ず 丸井巴水 京鹿子 201011  
軍鶏の一と蹴り八月近くする 伊藤希眸 京鹿子 201011  
八月や夫かろやかな外出あり 渋谷ひろ子 酸奬 201011  
八月やいよよ箱田の穂孕みて 網野茂子 酸奬 201011  
人等あり畑八月の日の出前 伊藤一枝 酸奬 201011  
いたたまれなき八月が巡り来る 田中貞雄 ろんど 201011  
生きてゐる限り八月十五日 鶴巻誉白 ろんど 201011  
スカイツリー八月六日の空如何に すずき巴里 ろんど 201011  
八月や無為なる日々を過したり 早崎泰江 あを 201011  
八月の水に浮きたる昼餉かな 吉成美代子 あを 201011  
皮膚感覚の模糊と八月過ぎにけり 千田百里 201012  
八月はパッチワークの絵のやうに 冨松寛子 201012  
八月や食事のたびに祈る母 西山春文 201012  
八月が最も重き月と想う 北村香朗 京鹿子 201012  
人生の重き八月巡り来し 北村香朗 京鹿子 201012  
八月は途中で止まる十五日 松田都青 京鹿子 201012  
少年の樹液は充てり八月十五日 小堀寛 京鹿子 201012  
母逝くや八月尽の暑き日に 生田作 風土 201012  
八月の根菜類を噛み締める すずき巴里 ろんど 201012  
八月尽何事もなく爪のびる 武田ともこ ぐろっけ 201012  
満目の星八月の七日かな 梶浦玲良子 六花 201012  
八月の熱気まとへり月の暈 浅野恵美子 酸奬 201012  
八月や夜も白雲は嶺を越え 長憲一 201101  
八月や風が起これば風に謝し 奥田智久 ホトトギス 201102  
八月や野は潤ひを蓄へず 奥田智久 ホトトギス 201102 八月→ 3

 

2019年8月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。