蓮の実 2    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蓮の実の飛べば地に落つ甕育ち 青木陽子 酸漿 201101
日を経たる枯蓮の実の細りゆく 大橋敦子 雨月 201101
実を天に捧げて蓮の枯れにけり 伊藤一枝 酸漿 201102
蓮の実の飛び出す間合はかりけり 清水美子 春燈 201103
蓮実とぶ竪穴住居の土間湿る 池内結 ろんど 201112
蓮の実や欣求浄土の邃し 天野みゆき 風土 201112
蓮の実の飛んで反り橋音乾く 生田恵美子 風土 201112
蓮の実の飛ぶには青き花托かな 深澤鱶 火星 201112
蓮の実飛ぶ平家池源氏池 松本周二 かさね 201201
蓮の実の飛んで静もる湖畔かな 村上留美子 火星 201201
蓮の実の飛んでやうやく腹括る 笠井敦子 201201
蓮の実の飛んでゆきたる泥土かな 十川たかし 201201
飛び出して展く未来や蓮の実 矢口笑子 春燈 201201
古代人ごころに蓮の実を食べ 水谷靖 雨月 201202
蓮の実の飛んで化生の者となる 土居通子 ろんど 201202
蓮の実とぶ眠るかくごの二千年 井原美鳥 201202
長柄鎌触るれば蓮の実の飛べり 福島せいぎ 万象 201210
蓮の実をつまんでもどす指かな 根本ひろ子 火星 201210
閻魔堂の扉ひらきぬ蓮は実に 杉浦典子 火星 201210
蓮の実の飛んで真鯉の口開く 笠井敦子 201212
蓮の実の飛べる日和の静寂かな 橋場美篶 末黒野 201301
蓮の実の飛べり胡乱な世を問へば 高橋道子 201301
安心の日数を太る蓮の実 城孝子 火星 201301
終ゆることいくつ数へし蓮は実に 雨村敏子 201302
蓮の実の飛びたる穴のうすみどり 江見悦子 朴の青空 201307
首桶の中の蓮の実咲かせけり 森屋慶基 風土 201310
古代蓮その実をうつす水面かな 石橋邦子 春燈 201311
穴の中飛び出しさうな蓮の実 松本周二 かさね 201311
蓮の実の飛んで蕪村の与謝郡 田中佐知子 風土 201311
蓮実刈る舟に藻屑をからませて 豊田高子 万象 201311
一斉に宮鳩発てり蓮は実に 松本三千夫 末黒野 201311
宇宙まで蓮の実飛んでゆきにけり 岩下芳子 201311
蓮は実に濠をはさみて穢土浄土 池内結 ろんど 201312
蓮の実とぶ桂郎の来て明史来て 神蔵器 風土 201312
蓮の実の顔を出したる笑ひかな 竹内悦子 201312
不忍池に白鷺一羽蓮の実 須賀敏子 あを 201312
蓮の実の小粒に飛んで尼の寺 生田恵美子 風土 201401
余すなく池面を覆ひ蓮は実に 竹内涼子 末黒野 201402
四阿の迫り出す池や蓮は実に 菅野日出子 末黒野 201402
蓮の実の飛んでサーカス次の地へ 林昭太郎 201411
蓮の実いつしか揃ふ砂利の音 成田美代 201411
虚と実のはざまにゆれて蓮を見る 山本漾子 雨月 201411
蓮は実に城址公園風渡る 片岡久美子 201412
平石の一枚橋や蓮の実 成田美代 201412
蓮の実を食べ極楽の味したり 小林愛子 万象 201412
蓮の実の跳びそこねたる一つかな 金森教子 雨月 201412
蓮の実飛ぶヒップホップを踊ろうよ 鈴木みのり 201412
搦手の町のいざなふ蓮の実 コ田千鶴子 馬醉木 201501
蓮の実のとんで小暗き花頭窓 久布白文子 馬醉木 201501
蓮の実の飛ぶに平仄なかりけり 高橋道子 201501
蓮の実の飛んで波紋の先に鷺 松本三千夫 末黒野 201501
菩提寺の池の白蓮実を飛ばし 加P伸子 末黒野 201501
蓮の実飛ぶわたくしからの夢も飛ぶ 伊藤紀子 ろんど 201501
蓮の実とぶ安産守子に受くる 福島せいぎ 万象 201502
弁天の風の便りや実蓮飛ぶ 児玉有希 京鹿子 201503
蓮の実の飛んで落ちたが冥加の地 鳥居美智子 ろんど 201503
蓮の実のまだ青々とひしめけり 荒井和昭 201511
蓮の実の飛んで旅券の失効す 林昭太郎 201512
蓮実飛ぶ沼のほとりの嬥歌の碑 河口仁志 201512
蓮の実の飛んで抜けたき大気圏 峰崎成規 201512
蓮の実飛ぶ文箱に古りし夫の文 久布白文子 馬醉木 201512
蓮の実一つ残して飛びにけり 佐藤博重 春燈 201512
雲迅し蓮の実どこへ飛びしかな 阿部澄 万象 201512
良き傾ぎもて蓮の実飛びにけり 堀岡せつこ 201512
蓮の実の飛んで昭和に戻りましょ のざきまみこ 201512
蓮は実に相見謝絶の禅の寺 橋添やよひ 風土 201512
蓮の実の跳んで未来へつなぎけり 小泉貴弘 春燈 201601
そらにロケットわが眼前に蓮の実飛ぶ 本多遊方 春燈 201601
蓮の実の飛び尽したる虚空かな 水野恒彦 201602
蓮の実の穴の空白日がいやす 熊川暁子 201602
飛び出でし音は聞かずよ蓮の実 宮西修一 万象 201602
蓮の実や崩れかかりし寺の塀 今井春生 201602
日蓮の足跡慕ふ木の実踏み 松本三千夫 末黒野 201602
一人にはほどよき池よ蓮実とぶ 山田六甲 六花 201609
蓮は実を飛ばしてこころ静かなる 山田六甲 六花 201609
蓮の実の池を引きゆく水の音 山田六甲 六花 201609
蓮は実に水のねばりを根に纏ひ 成田美代 201612
空深し蓮の実まさに飛ぶかまへ 堺昌子 末黒野 201612
蓮の実が飛んで和服の父のこと 中川句寿夫 あを 201612
総立ちの蓮の実ときに凭れあふ 篠田純子 あを 201612
蓮の実の飛んで包帯巻きし指 鎌田光恵 201701
蓮実飛ぶをとこ誉めるに「あほやなあ」 田岡千章 201701
月光に触れて飛びたる蓮の実 林昭太郎 201701
この身いま風のひとひら蓮は実に 佐久間由子 201701
蓮の実の飛んで波紋の心字池 宮原悦子 雨月 201702
蓮の実が飛んで和服を着てみたし 中川句寿夫 ここのもん 201705
蓮の実飛ぶ日和を加賀の一の宮 中川句寿夫 ここのもん 201705
蓮の実の甘納豆に芒種かな 山田六甲 六花 201706
蓮の実の乾き切ったる音飛ばす 水谷靖 雨月 201711
蓮の実孫のピアスの穴五つ 平田和代 201712
蓮の実の飛べり老ゆるも愉しかり 菅谷たけし 201801
蓮の実の飛ぶよ本尊釈迦牟尼仏 吉田万喜子 雨月 201801
蓮は実に葉裏は雨の空のいろ 柿沼盟子 風土 201801
蓮の実とぶ奏楽堂に音のなく 小林共代 風土 201801
実を飛ばし尽くして蓮の化石めく 中根美保 風土 201801
西方を向く蓮の実の高さかな 森高武 風土 201801
蓮は実に掃き尽されし戒壇院 西住三惠子 201802
側にゐたし蓮の実の飛び尽くすまで 天谷翔子 201803
蓮の実のまだ瞑想のうすみどり 松本鷹根 京鹿子 201811
蓮の実とぶ水の余白に梵字置く 鷺山珀眉 京鹿子 201812
蓮の実 →3      

 

2021年10月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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