端 居 2   100句

めくら子の端居さびしき木槿かな    白雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕端居けふの仕事を諾ひつ 宮尾直美 200211
聞き役の夫は今亡し夕端居 塩谷はつ枝 馬醉木 200212
川音へ端居ごころの椅子を置く 岡本眸 200307
端居して隠居の愚痴を聞いてをり 高木昌子 築港 200308
喜寿前の紫煙ゆたかに端居かな 岡本明美 雲の峯 200308
旅果の最上川の蒼き夕端居 加瀬美代子 200308
饒舌の曽孫の相手や端居して 神田一瓢 雨月 200309
鶏頭のまだ芽の見えぬ夕端居 滝本香世 百鳥 200309
夕端居ひとりで居ればみな白く 後藤志づ あを 200309
自適とは云ひ難き身を端居かな 若山実 雲の峰 200310
夕端居物言いたげに猫が寄る 西村咲子 六花 200310
ゆく船のはや灯りたる端居かな 影山わこ 百鳥 200310
大根と下ろし金来る端居かな 沖増修治 百鳥 200310
黒髪の白髪となりし端居かな 沖増修治 百鳥 200310
端居して仰ぐ木姿晴すがた 吉本伊智朗 円虹 200310
按配が悪くて太り夕端居 戸田和子 200310
余るほど笑まふ遺影や夕端居 門馬貴美子 京鹿子 200310
人としてたまたま生まれ端居かな 杉山真寿 200310
繰り返すバイエル聞いている端居 津田霧笛 ぐろっけ 200310
端居して留守居頼まれ生返事 津田霧笛 ぐろっけ 200310
水遣りを終へてそのまま夕端居 大西まりゑ 酸漿 200311
だんまりの子と根比べ夕端居 半田順子 馬醉木 200311
夕端居らしくしんみりしてをりし 吉田昭二 200311
爪を切るとき後向く端居かな 達山丁字 200312
端居とは微かに老いの匂ひ持つ 池田崇 200401
望郷の端居に夜風立ちにけり 冨田みのる 200403
端居して心地よき死を望みをり 細川知子 ぐろっけ 200406
ねそびれしうら淋しさの端居かな 岡本眸 200407
病人と端居してをり諭されをり 岡本眸 200407
山を誉め風をほめゐる端居かな あさなが捷 200408
やや肩を下げ端居のかたちさだまれり 岡田鉄 200408
端居して夕日大きくなりゐたり 竹川せつ子 草の花 200408
三毛猫に餌せがまれし端居かな 赤座典子 あを 200408
屈葬の形に目瞑る夕端居 橘澄男 山景 200408
衰ふる五感しみじみ夕端居 橘澄男 山景 200408
愚陀佛庵の端居に句帳置き忘れ 品川鈴子 ぐろっけ 200408
片辺に考の来てをる夕端居 栗栖恵通子 200409
問はず語りの風くるところ夕端居 細川洋子 200409
マンゴーの種が皿の上夕端居 吉田島江 火星 200409
走り根に端居の足を遊ばする 松井倫子 火星 200409
爪切りに父が来さうな夕端居 藤田さち子 対岸 200409
目をつぶるままに端居の刻移る 村越化石 200409
灯さずに端居楽しむ誕生日 遠藤止観 200409
変りなき景にも飽かず夕端居 高畠英 河鹿 200409
師系図の端居めくなり己が名も 伊藤白潮 200409
夕端居草にも季の移りをり 長崎桂子 あを 200409
三鬼論とどのつまりの端居酒 山中宏子 200410
母親に呼ばるるまでの端居かな 太田佳代子 春燈 200410
子の髪がくちびるにつく夕端居 中村洋子 風土 200410
夕風の湖より起る端居かな 林裕子 風土 200410
口出さぬことにも馴れて夕端居 橋添やよひ 風土 200410
漁止めて海を背中の夕端居 清水公治 200410
耳遠くなりしと思ふ端居かな 若山実 雲の峰 200410
眼つむれば仏間近き端居かな 藤原時子 雨月 200410
病める身の匂ひ伴ふ夕端居 原和善 築港 200410
空耳に経政の琵琶夕端居 芝尚子 あを 200410
夕端居母の口より死後のこと 淵脇護 河鹿 200411
母逝きし日よりの父の端居かな 長谷英夫 馬醉木 200411
夕端居指折る平均余命など 玉川悠 遠嶺 200411
点滴の管付けをりし端居かな 堀義志郎 火星 200411
髪梳いて人待つこころ夕端居 生方ふよう 200411
妻呼べば犬が来てゐる夕端居 内藤ゑつ ゑつ 200411
雑念を流す雨脚見て端居 辻口静夫 ホトトギス 200412
うつしみに脱け殻となる夕端居 瀬下るか 200501
生真面目を貫きし父夕端居 松井洋子 ぐろっけ 200501
端居してゐて考へる時間かな 稲畑汀子 ホトトギス 200507
岳麓の風降りて来し端居かな 稲畑汀子 ホトトギス 200507
風通しよき端居とは猫のもの 稲畑汀子 ホトトギス 200507
ふるさとの風に寝ころぶ端居かな 中村房枝 六花 200507
旅ごころ募りてをりし端居かな 鈴木榮子 春燈 200508
端居して塒へ急ぐ鳥送る 鈴木壷山 200508
端居して何とはなきに独り言 清水裕子 200508
然りげ無く子の癖さとす夕端居 神宮きよい 馬醉木 200509
逝きし人の今ある如し夕端居 泉喜代美 200509
生き死にの話を少し夕端居 師岡洋子 ぐろっけ 200509
頼られしことも昔や夕端居 鈴木栄子 酸漿 200509
端居せり夫と残照見ることも 井上幸子 酸漿 200509
夕端居心遊ばせゐたりけり 内山定子 築港 200509
碁敵の一人逝きたる端居かな 野坂民子 馬醉木 200510
夕端居少し間のある返事して 大見川久代 馬醉木 200510
湯上がりの心地よき風夕端居 今中道子 200510
星々に水の香のする端居かな 近藤喜子 200510
端居して虚心坦懐山に向く 三浦如水 ぐろっけ 200510
端居して高野の風をまとふなり 師岡洋子 ぐろっけ 200510
端居して見るともなしに細き腰 金國久子 遠嶺 200510
夕端居膝に収まるマンドリン 芦澤一醒 百鳥 200510
検診を了へし胃の腑や夕端居 有島夛美 河鹿 200510
端居しておぼろおぼろと童歌 服部早苗 200510
ただならぬ世を離しみる夕端居 長谷川春 200510
映像の宇宙に端居ときめける 安藤しおん 200510
老健を囃されてゐし夕端居 浅井青陽子 ホトトギス 200511
端居して奈良井の宿の五平餅 渡邉民子 200511
端居して天路歴程思ひをり 西村純 200511
ネクタイを後ろに回し夕端居 吉野のぶ子 遠嶺 200511
一岳を望み無口の端居なり 松本きみ枝 遠嶺 200511
南海の小島にありて夕端居 山田景司 遠嶺 200511
宗助に代助もゐる端居かな 川崎洋吉 遠嶺 200511
端居して糸の絡みを解きをり 鈴木栄子 酸漿 200511
古里の話となりし端居かな 浜和佳子 百鳥 200511
否応もなく父似なる夕端居 水野淳子 200511
端居 →3      

 

2021年7月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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