端 居 1   100句

めくら子の端居さびしき木槿かな    白雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪舟の柱はいづこかと端居 鷹羽狩行 199809
目を病みて目つむりぐせの夕端居 岡本眸 199810
さりげなき身の上話夕端居 的場うめ子 ぐろっけ 199810
少し話しあとは思ひて夕端居 岡本眸 199905
二三日端居せずなる草の丈 山尾玉藻 火星 199908
舟頭の足白かりき夕端居 梅原悠紀子 遠嶺 199908
端居して齢思へば母の事 水田清子 199908
波音の静になりし端居かな 水田清子 199908
端居して七月二十六日ぞ 山田六甲 六花 199908
生死紙一重の生の端居かな 木村風師 馬醉木 199909
端居して星のおしやべり聴いてをり 小澤克己 遠嶺 199909
松島の島びと島を見て端居 鷹羽狩行 199909
間こえないふりといふ知恵夕端居 松本圭司 199909
肩書に元とつけ足し夕端居 明田和子 199909
置物の如くに置かれ夕端居 村越化石 199909
命得てけふのさいはひ夕端居 木谷尚子 俳句通信 199909
聞く耳をはるかに置いて端居せる 華明日香 銀化 199909
指先に宇宙波集め夕端居 小澤克己 遠嶺 199910
端居してゐるうち皆の偉くなる 利根川博 銀化 199910
母かこみ葬りのあとの端居かな 田中美幸 199911
面影の母の手を引き夕端居 板垣紫洋 馬醉木 199911
端居して入院待ちをぼそと言ふ 長谷川千枝子 199911
団欒にときをり応ふ端居より 能村登四郎 芒種 199911
鴎外居思はぬ長き端居して 能村登四郎 芒種 199911
端居とも行とも目玉動かさず 細野恵久 ぐろっけ 199911
夕端居やはり妥協は出来ぬもの 松井洋子 ぐろっけ 199911
善良そうに詐欺師の端居して 武井康隆 船団 199912
可も不可もなきひと日なり夕端居 三嶋八千穂 ぐろっけ 199912
端居して舅に似てきし夫の肩 田中藤穂 水瓶座 200002
端居かな回転椅子に子を回し 山田六花 六花 200005
端居せぬとも聾棧敷にゐるごとし 中原道夫 銀化 200006
夕端居豆腐屋ラッパの今はなく 保坂さよ いろり 200007
髪切つて兄に似てきし夕端居 朝妻力 俳句通信 200007
端居して星の歩みの時間かな 稲辺美津 夏椿 200007
泰然と明治をとこの端居かな 田中呑舟 火星 200008
笛を叱られてゐる端居かな 大山文子 火星 200008
世のことに疎くなりけり端居して 能村登四郎 200008
父とわれありしごとくに子と端居 大橋櫻坡子 雨月 200008
万策のひとつほぐるる端居かな 森谷彰 銀化 200008
子思ひ出を心にたたむ端居かな 水田清 200008
も一人の吾を句仲間夕端居 村越化石 200009
端居して仔犬と夫は話しをり 福田みさを いろり 200009
端居してアンドロメダへ髪を梳く 小澤克己 遠嶺 200010
端居していつしか纏ふ汐じめり 上田希実 遠嶺 200010
月蝕の暗転にある端居かな 山田弘子 円虹 200010
端居して亡き人ばかり寄りて来し 大場佳子 銀化 200010
病みしこと知らず電話の夕端居 保坂加津夫 いろり 200010
端居してつぎの言葉を期待して 保坂加津夫 いろり 200010
正面の山の暮れゆく端居かな 三井孝子 六花 200010
たつぷりと庭に水やり夕端居 小野喬樹 馬醉木 200010
端居して素顔となつてゆく心 村田明子 円虹 200011
妻魂のかたはらにあり夕端居 守屋井蛙 酸漿 200011
雨脚の弱まるを待つ端居して 桑垣信子 いろり 200011
竹に吹く夕風青き端居かな 高橋さえ子 200011
夕端居雲の行方を見てをりぬ 土田芳月 遠嶺 200012
端居してハーブの香ほしいまま 両角平 200101
赤松に夕日全き端居かな 加瀬美代子 200103
物言はで心の通ふ端居かな 泉田秋硯 月に逢ふ 200103
構想を練るによき日や端居して 桑垣信子 いろり 200108
幕末の三舟語る端居翁 脇本千鶴子 200108

 能村登四郎氏を悼みて

人の世の沖にて端居し給ふや

鷹羽狩行 200108
端居してこの世の端にをりにけり 瀬戸悠 風土 200109
問ひかけにハーブそよぐや夜の端居 土岐明子 遠嶺 200109
夕端居寡黙の夫と居て安し 土屋明子 百鳥 200109
端居して思ひなほせしこと一つ 下平しづ子 雨月 200109
端居してなだるるごとき月日あり 水野恒彦 200109
端居してどの世のおのれかと思ふ 山崎未可 銀化 200109
井戸替えもせぬままとなり端居して 小橋安子 いろり 200109
もう旅は無理か端居も更けにけり 岡本眸 200109
健やかに暮らすふたりの夕端居 寺田善樹 風土 200110
端居して老いの極みを探りをり 中西道子 百鳥 200110
端居して若者言葉聞いてをり 井関祥子 酸漿 200110
夕端居忘れた振りもさりげなく 岡田万壽美 俳句通信 200110
端居してかかはり避けし一話題 能村登四郎 羽化 200110
いつとなく話題の中にゐて端居 八田節子 ぐろっけ 200110
端居して日暮の雲と時過ごす 加賀富美江 遠嶺 200111
おんぶ好き端居の婆に走り来る 小林玲子 ぐろっけ 200111
夕心また旅心端居なる 梅田実三郎 円虹 200112
しばらくは瑞夢をたどる端居かな 山越勝美 遠嶺 200112
夕端居崩れさうなる土手見えて 加瀬美代子 200202
島びとの島の灯を見て端居かな 鷹羽狩行 200208
端居して子を呼ぶごとく犬を呼ぶ 沖祐里 200208
端居して過去に埋れてゐる齢 喜多初枝 雨月 200208
羽化の師に両膝を撫す夕端居 森田旅舟 200208
先延ばししたきことあり夕端居 能村研三 200209
問ひかけし言葉のすべる端居の背 うまきいつこ 200209
思ひ出の多きしあはせ夕端居 山岸治子 馬醉木 200209
一木に母のこゑある夕端居 城孝子 火星 200209
身ほとりに星下りて来て端居終ふ 鷹羽狩行 200209
もらひたる土鈴を鳴らす夕端居 前阪洋子 雲の峰 200209
身に添ひし暮し夕ベの端居かな 吉田眞弓 雨月 200209
端居して臍の緒月へ伸びるかな 朱間繭生 銀化 200209
端居してカレーの香の走り来る 関口ゆき あを 200209
端居して子には語らぬこともあり 菊地一枝 200209
草遊びしてものの怪の端居かな 桜井和子 遠嶺 200210
星一つ生まれる話夕端居 小田智恵子 200210
邪馬台国問答となる端居かな 大山文子 火星 200210
心電図取り付けしまま夕端居 坂中紀子 円虹 200211
話また遺言めいてきし端居 坂中紀子 円虹 200211
禁煙に禁酒に所在なき端居 坂中紀子 円虹 200211
端居→ 2      

 

2021年7月4日 作成

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