春を待つ 3  100句

春を待つこころに鳥がゐてうごく   八田木枯   俳句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春を待つ雑貨屋に吊る弥次郎兵衛 宮田香 201004
春を待つ分身の句碑励まして 泉田秋硯 201004
直哉の木直哉の石も春を待つ 橋本榮治 馬醉木 201004
人形の首の細さよ春を待つ 加藤峰子 201004
春を待つこころを紙に漉き込んで 田中佐知子 風土 201004
十本の指の一つが春を待つ 根岸善行 風土 201004
をさなごは果実のごとく春を待つ 辻美奈子 201004
春を待つリバーシブルの色替へて 峰幸子 201004
水を吸ふキコン幾万春を待つ 栗栖恵通子 201004
枯野原伏しても春を待つ形 福田房子 末黒野 201004
小康を得てひたすらに春を待つ 山田しづ惠 201004
高く低く近く鳥来て春を待つ 近藤節子 201004
参道にしようじようばかま春を待つ 阿部ひろし 酸漿 201004
木蓮の蕾天指し春を待つ 落合きくゑ 酸漿 201004
春を待つ藍匠藍を育てつつ 小澤菜美 201005
駿馬の写真掲げて春を待つ喫茶 泉田秋硯 201005
春を待つわが心中の不発弾 松田都青 京鹿子 201005
親鸞を龍馬を読みつぎ春を待つ 小島禾汀 春燈 201005
春を待つ書肆に購ふ園芸書 松林順子 雨月 201005
新しきコーヒーカッブ春を待つ 田所洋子 雨月 201005
老父の言葉少なに春を待つ 中村ツヤ子 酸漿 201005
ランドセル並ぶ工房春を待つ 鈴木浩子 ぐろっけ 201006
チンパンジー嘆きの壁に春を待つ 長谷川鮎 ぐろっけ 201102
蘇れ麻痺の神経春を待つ 長谷川としゑ ぐろっけ 201102
一病の人の優しさ春を待つ 前川ユキ子 201103
朝日浴び大地の野草春を待つ 坂本鴻 六花 201103
庭隅に来て金縷梅と春を待つ 阿部ひろし 酸漿 201103
気の和む幼言葉や春を待つ 小松渓水 酸漿 201103
湯槽まで手摺めぐらせ春を待つ 柴田佐知子 201103
千体の羅漢それぞれ春を待つ 藤見佳楠子 201104
木の幹をたびたび撫でて春を待つ 太田具隆 春燈 201104
春を待つ焼却場の空なりけり 阿部泰子 春燈 201104
眼の下の病院の子と春を待つ 鈴木とおる 風土 201104
末吉のみくじを胸に春を待つ 竹生田勝次 風土 201104
臘梅や喜春城趾が春を待つ 田中みのる 火星 201104
楽聖のソナタを聴きて春を待つ 大橋晄 雨月 201104
春を待つ歩幅大きくあゆみけり 川崎良平 雨月 201104
あやとりの十指と十指春を待つ 林昭太郎 201104
色淡き服を箪笥に春を待つ 緑川啓子 馬醉木 201105
日にち薬日にち薬と春を待つ 丹生をだまき 京鹿子 201105
春を待つ甕の泥鰌に餌を落し 松岡水学 ぐろっけ 201105
リハビリを一の大事に春を待つ 島貫寿恵子 雨月 201105
震災の忌日を修し春を待つ 小田ひろ ホトトギス 201106
肩寄せて小さき地蔵春を待つ 今井千鶴子 ホトトギス 201106
田が休み畑が休み春を待つ 安武晨子 201106
春を待つブッセのうたを口ずさみ 山本康夫 201107
ちりめんの端切れ小箱に春を待つ 武生喜玖乃 雨月 201201
光る石拾ひ少年春を待つ 鈴木照子 201203
おがくづの残る切株春を待つ 都丸美陽子 春燈 201203
春を待つ医師はイケメン心療科 鈴木セツ 201203
春を待つ娘と向き合ひの喫茶店 井口ふみ緒 風土 201203
仲麻呂の望郷歌碑や春を待つ 藤井かもめ ぐろっけ 201203
陽だまりに命信じて春を待つ 森山子月 ぐろっけ 201203
老いて今やすらかに妻と春を待つ 安藤虎酔 かさね 201204
復興を誓ふ人々春を待つ 佐藤健伍 201204
春を待つべッドに近き東山 川端俊雄 火星 201204
吊籠のオウム相手に春を待つ 丹生をだまき 京鹿子 201204
八十を生かされてをり春を待つ 木村茂登子 あを 201204
歌舞伎座のつるりとむけて春を待つ 篠田純子 あを 201204
太陽の昇る窓開け春を待つ 吉村摂護 201205
バトンの子衣裳短かく春を待つ 向江醇子 ぐろっけ 201205
父病みて屋号継ぐ子や春を待つ 白石善子 雨月 201205
身構へも気構へもなく春を待つ 宮崎正 ホトトギス 201206
春を待つ老若ありて有馬の湯 中村吟子 ぐろっけ 201206
鉄板の外されし土春を待つ 小林あけみ 万象 201206
揺れてゐるどの吊革も春を待つ 松田都青 京鹿子 201206
ジーパンの干して二日目春を待つ 松本文一郎 六花 201206
壁補修やうやう終へて春を待つ 村田とくみ ぐろっけ 201207
街路樹の枝整へて春を待つ 後藤克彦 かさね 201207
春を待つことなく逝きし君のこと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
訃報相継ぎ春を待つ心はも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
春を待つ心みなぎりゆける雨 稲畑汀子 ホトトギス 201302
春を待つ幾十たび献杯し乾杯し 井上信子 201302
活力を何に得むかと春を待つ 大橋敦子 雨月 201303
句作の他吾にあらじと春を待つ 大橋敦子 雨月 201303
走り根は鰐のごとくに春を待つ 山田六甲 六花 201303
みちのくに槌音ひびく春を待つ 池田光子 201304
少年が心に棲みて春を待つ 柳川晋 201304
春を待つ持病の膝を庇ひつつ 石垣幸子 雨月 201304
山野草の名札新し春を待つ 前川美智子 末黒野 201304
悪相のウィルスの絵と春を待つ 原友子 201304
大欅天を仰ぎて春を待つ 吉本淳 ぐろっけ 201305
公園に鳩百羽ほど春を待つ 堀口香代子 ぐろっけ 201305
春を待つ水栽培の根の眩し 堀口香代子 ぐろっけ 201305
カフェオレのカップ大き目春を待つ 鈴木直枝 ろんど 201305
春を待つ子のえんぴつの鏡文字 すずき巴里 ろんど 201305
猫車扱ひ慣れて春を待つ 平居澪子 六花 201305
黒鍵といふ闇に触れ春を待つ 立村霜衣 ホトトギス 201306
川合うてふくらむ瀬音春を待つ 井上浩一郎 ホトトギス 201306
森の木々素肌になりて春を待つ 安藤虎酔 かさね 201306
うすづける日をなつかしみ春を待つ 瀧春一 花石榴 201312
春を待つ心に耐へて行けるもの 稲畑汀子 ホトトギス 201402
傍らに子くれし句帳春を待つ 斉藤裕子 あを 201403
飼育箱の数多の命春を待つ 岩下芳子 201403
辻地蔵の赤き前垂れ春を待つ 笹井康夫 201404
着古せるダウンジャケット春を待つ 塩田博久 風土 201404
新しき眼鏡作りて春を待つ 石川かおり 福袋 201404
侘助の一輪の紅春を待つ 安立公彦 春燈 201404
春を待つ園の木椅子に木の香り 金井裕子 風土 201404
老犬の足いたはりつ春を待つ 戸田澄子 末黒野 201404
絵馬に絵馬重ねて春を待ちにけり 矢口笑子 春燈 201404
春の曲流し続けて春を待つ 大橋晄 雨月 201404
重くなる嬰を抱きて春を待つ 竹内悦子 201404
四十年を愛づる盆栽春を待つ 笠井清佑 201404
春を待つ →4      

2021年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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