春隣(春近し・春信) 8     190句 

グリグリリボキボキボキリ春隣  秋塲たかを 獐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
春近き花屋がともし入れにけり 大島英昭 やぶれ傘 201503  
ドアノブの軽き回転春隣 峰崎成規 201503  
季語集の季語動き出す春隣 安居正浩 201503  
うつすらと色付く芝生春隣 高橋泰子 201503  
身を離れ鋭利なる爪春隣 今瀬一博 201504  
駐車場までの相傘春隣 松井志津子 201504  
荷役士の巻上げ合図春隣 小松誠一 201504  
一畝の分葱そよそよ春近し 鳥居美智子 ろんど 201504  
履き古りし下駄に左右や春隣 生田恵美子 風土 201504  
梵鐘の 一口二口いっこうにこう春隣 雨宮桂子 風土 201504  
春近し鐙瓦の蓮華文 内藤静 風土 201504  
春信の画集を膝に窓の雪 塩田博久 風土 201504  
くろがねのまだらに光る春隣 瀬川公馨 201504  
看護師の靴音をまつ春隣り 塩千恵子 201504  
悩み多き齢となる児春隣 森下康子 201504  
春隣光の瀧のなばな里 笠井清佑 201504  
阿字池の鯉動き初め春隣 伊藤純子 201504  
鳳凰の飛び立つ構へ春近し 伊藤純子 201504  
奈良墨の干場匂へり春隣 藤見佳楠子 201504  
朝刊にふるさと小さく春隣 堀田順子 馬醉木 201504  
春近し水をはなるる水の靄 成智いづみ 馬醉木 201504  
嬰一歩二歩三歩春近づけり 藤野力 馬醉木 201504  
流れゆく水の速さや春近し 永峰久比古 馬醉木 201504  
時計屋にアラームの音春隣 小山陽子 やぶれ傘 201504  
春隣五尺五寸の六年生 有賀昌子 やぶれ傘 201504  
観世音菩薩の余呉や春近し 石谷淳子 雨月 201504  
耳欹てまどろむ猫や春隣 斉藤裕子 あを 201504  
伸びしたまま寝入りし猫よ春隣 斉藤裕子 あを 201504  
路地行けば風の容に春近し 本多和子 201505  
繋ぎ船波と語らふ春隣 萩庭一幹 馬醉木 201505  
髭剃りし夫のかんばせ春隣 北元多加 馬醉木 201505  
大敷網に雨の日つづく春隣 岩木茂 風土 201505  
庭に来る二羽の山鳩春隣 大橋伊佐子 末黒野 201505  
鳥一羽梢にひかり春隣 黒滝志麻子 末黒野 201505  
通し土問の奥の裏山春隣 堺昌子 末黒野 201505  
春隣厚手の和紙に折る羊 堺昌子 末黒野 201505  
突堤の釣竿撓ふ春隣 中野久雄 末黒野 201505  
雨あとの木木の艶めき春隣 原和三 末黒野 201505  
潮風の運ぶ浪音春近し 川村亘子 末黒野 201505  
春近し牛舎に餌をきざむ音 斉藤マキ子 末黒野 201505  
一捌けの雲の雲呼ぶ春隣 府川昭子 春燈 201505  
返事して鳩の蹤きくる春隣 中田みなみ 201505  
春近しと言ふに大木横向きじゃ 佐藤恭子 あを 201505  
神の田の幣の震へも春隣 熊川暁子 201505  
惜命の杖思ふなり春隣 中島芳郎 201505  
川に沿ふパラグテイダー春隣 佐渡谷秀一 対座 201505  
春隣病床に見る白き雲 田中幹也 万象 201505  
マンホールの鯨潮吹く春隣り 河村啓花 ろんど 201505  
淡彩の絵はがきを選る春隣 中田のぶ子 ろんど 201505  
お多福の薯蕷饅頭春隣 山田夏子 雨月 201505  
春隣リハビリ室の輪投など 堀井英子 雨月 201505  
延々と癒えぬ病や春隣 米沢美幸 六花 201506  
庭先を鳥の行き交ふ春隣 白石正躬 やぶれ傘 201506  
川辺りに小さき足跡春近し 久世孝雄 やぶれ傘 201506  
どぶに沿ひねずみの走る春隣 高橋均 やぶれ傘 201506  
春信の宛名大きく着きにけり 遠山みち子 201506  
太巻の色の食み出す春隣 山本則男 201506  
あをあをと月の欠けゆく春隣 古川夏子 201508  
こぼれ米雨に膨らむ春隣 河原昭子 万象 201508  
船が船追いこすところ春隣 渡部ひとみ 船団 201508  
江ノ島の猫とたはむる春隣 篠藤千佳子 201510  
嘴の痕残る金柑春近し 原田達夫 箱火鉢 201511  
春隣パンツの縁切れぬ会 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601  
思はざる父の健啖春隣 コ田千鶴子 馬醉木 201602  
這ひはひの此処までおいで春隣 コ田千鶴子 馬醉木 201603  
厚く白き点字の詩集春隣 熊丸淑子 馬醉木 201603  
春隣生家で弥撤に与る日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603  
瓦斯の炎のふと力抜く春隣 甲州千草 201603  
ゴムの木にやどる小草や春隣 高橋あさの 201603  
京極と謂ふ名はきらら春近し 鈴鹿仁 京鹿子 201603 京都新京極にて
春隣イサム・ノグチのこけし達 安永圭子 風土 201603  
再度奮起治験同意書春隣 斉藤裕子 あを 201603  
新築の子育て家族春隣 須賀敏子 あを 201603  
堰落つる水の耀ふ春隣 鈴木漱玉 馬醉木 201604  
通るたび猫ゐる出窓春隣 内山照久 201604  
銭湯のギャラリーとなる春隣 宮内とし子 201604  
落慶を待てぬ桧の香や春近し 峰崎成規 201604 水天宮新社殿
江ノ電は光の小筐春近し 佐々木よし子 201604  
春近しぽあんと浮かぶはぐれ雲 小川流子 201604  
玄関の一輪挿しや春隣 矢口笑子 春燈 201604  
日は決めぬ旅の話や春隣 篠原幸子 春燈 201604  
ふつくらと煮るがんもどき春隣 渡辺若菜 春燈 201604  
春近し坂ゆく人の白き靴 中村紀美子 春燈 201604  
春近し鳥影よぎる朝の卓 吉村さよ子 春燈 201604  
大川の水脈のきらめき春近し 荒井ハルエ 春燈 201604  
春隣知らぬ子犬の寄り来たる 白石正躬 やぶれ傘 201604  
蕭々と風の渡りて春隣 飯田ひでを 201604  
異国より独り息子や春隣 東正則 末黒野 201604  
添ひ寝の場猫に奪はれ春隣 斉藤裕子 あを 201604  
やんはりと犬に愚痴言ふ春隣 須賀敏子 あを 201604  
萎ゆる気を仕切り直すや春隣 斉藤裕子 あを 201604  
日本画の朦朧体や春近し 森高武 風土 201604  
春隣子への電話を孫が取り 大橋晄 雨月 201604  
子の婚を告ぐる娘の声春隣 堀田こう 雨月 201604  
鍬入れて土に香のたつ春隣 馬屋原純子 馬醉木 201605  
恋の句を詠みしは誰ぞ春隣 佐藤澄世 馬醉木 201605  
路線図の今ゐるところ春隣 篠藤千佳子 201605  
計画を予定に替へて春隣 塩野谷慎吾 201605  
行き戻る骨董市や春隣 坂本徹 201605  
図書館に新刊匂ふ春隣 池田光子 風土 201605  
尖塔の十字きらりと春隣 森田節子 風土 201605  
春近し木叢を移る鳥のかげ 小林愛子 万象 201605  
春近き墓地に音楽流れけり 福島せいぎ 万象 201605  
帯封の会報届く春隣 相良牧人 201605  
裏店の貝の標本春隣 宇都宮敦子 201605  
山襞に雲切り込めり春隣 安斎久英 末黒野 201605  
サーフィンの波の輝き春隣 原久栄 末黒野 201605  
ポスターの画鋲四色春近し 大霜朔朗 末黒野 201605  
春近し井堰の板の新しく 大霜朔朗 末黒野 201605  
オリオンを横切る雲の春隣 橋本くに彦 ホトトギス 201606  
春隣都心の土の濡れ色に 今橋眞理子 ホトトギス 201606  
スカートの重ね穿きなり春隣 中島陽華 201606  
水滴の次の音待つ春隣 古川夏子 201606  
手櫛にてちよつとそこまで春隣 田岡千章 201606  
言葉数日々増ゆる子や春隣 住田千代子 六花 201606  
リヤカーで運ぶ野菜や春隣 横田敬子 201607  
春隣声掛け合うて足場組む 久留島規子 万象 201608  
春隣筆先ぷわっと太らせて 黒田さつき 船団 201612  
三日月と金星の距離春隣 黒田さつき 船団 201612  
あなたから風邪をもらった春隣 黒田さつき 船団 201612  
ガリ勉も早弁もいて春隣 黒田さつき 船団 201612  
春隣アインシュタインから宿題 黒田さつき 船団 201612  
春隣計量スプーンの大中小 黒田さつき 船団 201612  
春隣天津甘栗ほうり込み 黒田さつき 船団 201612  
クレープをかじりかじらせ春隣 児玉硝子 船団 201612  
日表といふ富士五湖の春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
この風もこの水音も春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
対岸は風の溜り場春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
水音はひかりのかたち春隣 今井肖子 ホトトギス 201702  
日表といふ富士五湖の春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
この風もこの水音も春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
対岸は風の溜り場春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701  
水音はひかりのかたち春隣 今井肖子 ホトトギス 201702  
田に降りてちらばる雀春隣 根橋宏次 やぶれ傘 201703  
春隣洗濯物は揺れてゐる川 天野美登里 やぶれ傘 201703  
退任の花束受くる春隣 山本久枝 やぶれ傘 201703  
音立てて薄茶飲み乾す春隣 下田村園子 201704  
良き妻になれと肩に手春隣 加藤峰子 201704  
スカイツリー飛び立つごとし春隣 相良牧人 201704  
犬の餌を雀ののぞく春隣 苑実耶 201704  
宿木の黒き鈍色春隣 竹中一花 201704  
カレーの香みんな大好き春隣 中谷富子 201704  
作務衣みな膝よりやつれ春隣 大畑善昭 201704  
錠剤のあはきむらさき春隣 大川ゆかり 201704  
春隣ラー油の匙の小さくて 菊川俊朗 201704  
行けぬ地の地図を辿るや春隣 長谷川歌子 春燈 201704  
春隣手尺で計る機械工 金山雅江 春燈 201704  
春隣少し自分を甘やかす 小倉陶女 春燈 201704  
片髭の猫のまどろむ春隣 荒井慈 春燈 201704  
ボレロ聴く音色ラヴェルの春隣 中澤弘 春燈 201704  
ポスターの画鋲四色春近し 大霜朔朗 末黒野 201704  
目も耳も老いを感じて春隣 出口誠 六花 201704  
風鐸のかすかに揺るる春隣 江見悦子 万象 201704  
湧水に五指を沈める春隣 雨宮桂子 風土 201704  
空の青淀川の碧春近し 大橋晄 雨月 201704  
せせらぎに魚影たしかや春隣 阪上多恵子 雨月 201704  
語らひのフルーツパーラー春隣 落合絹代 雨月 201704  
腕折れむか「考へる人」に春近し 伊藤希眸 京鹿子 201705  
春隣日差しに白き艶生まる 上辻蒼人 風土 201705  
花摘みの案内や安房の春近き 岡村彩里 雨月 201705  
アカハラもシロハラもゐて春隣 須賀敏子 あを 201703  
モザイクは天使ミカエル春隣 中島陽華 201705  
夕茜鈴鹿峰染め春近し 長崎桂子 あを 201704  
板垣の釘のゆるみや春隣 中川句寿夫 ここのもん 201705  
新聞紙きりりと括る春隣 田原陽子 201705  
光りつつ川面の荒ぶ春隣 数長藤代 201705  
小鳥らの声なき行き来春近し 松本美簾 馬醉木 201705  
茶の畝の龍の勢ひ春近し 原田しずえ 万象 201705  
春近し女木地師の木屑飛ぶ 田勝子 万象 201705  
坂道をからすおりゆく春隣 大崎紀夫 やぶれ傘 201705  
春近し櫟の幹に日があたり 大島英昭 やぶれ傘 201705  
専用車でピアノを運ぶ春隣 丑久保勲 やぶれ傘 201705  
トラックに土載せてくる春隣 渡邊孝彦 やぶれ傘 201705  
春近き養鶏場に卵買ふ 瀬島洒望 やぶれ傘 201705  
春隣生くる手立ての血を貰ふ 宮井知英 201705  
春近づく指揮者が楽譜めくるたび 松尾龍之介 201705  
公園の遊具点検春近し 佐藤玲子 春燈 201705  
やはらかく弾む雀や春隣 森清堯 末黒野 201705  
近道を行けばぬかるみ春隣 森清堯 末黒野 201705  
鳴く牛の大きな声や春隣 大川暉美 末黒野 201705  
剽軽な話題展開春隣 植村蘇星 京鹿子 201706  
姿見のくもりを磨き春隣 田尻勝子 六花 201706  
会ひたいは好きといふこと春隣 和田華凛 ホトトギス 201706  
昇降機開きてしまりて春隣 今井千鶴子 ホトトギス 201706  
来る筈の人心待ち春隣 今井千鶴子 ホトトギス 201706  
この荒ぶ風を耐へなむ春隣 山田閏子 ホトトギス 201706  
空の青淀川の碧春近し 大橋晄 ホトトギス 201707  
春隣夫のなじみし甲斐ことば 野畑さゆり 201706  
紙の上の砂鉄のをどる春隣 樋口みのぶ 201706  
そんな気にさせ太陽春近し 木村享史 ホトトギス 201708 春隣→ 1

2020年2月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。