春 田     198句

遠き世の龜石と住み春田鋤く    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
峠越え春田明りの村に出づ
三輪温子
雨月
199901
葛飾に残る春田の畦を踏む
能村登四郎
199902
魂抜きし佛壇運ぶ春田かな
夏秋明子
火星
199905
山国にやつとの日差し春田打つ
佐々木東道
199906
春田打つ額田に勢ふ嶺の風に
佐藤淑子
雨月
199906
土を忌む子ばかり育て春田打つ
渡辺純
京鹿子
199906
潮騒のけふは遠くに春田打つ
田中蘇水
馬醉木
199908
午後を出て春田の何を繕ひし
湯橋喜美
200001
春田抜け遠き旅路でありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200003
忽然と越の春田に二の鳥居
白澤よし子
馬醉木
200007
春田打つ人やうしろの湖あかり
大東二三枝
200007
春の田を打つてをりけり元力士
山田六甲
六花
200103
放流の眼下に里の春田打ち
花島陽子
遠嶺
200105
春田打つ漢に星座生まれけり
小澤克己
遠嶺
200106
雲払ふ白き伊吹嶺春田打
山下佳子
200107
四隅より水の浸みくる春田かな
高橋とも子
200107
豪雪が嘘のやうなる春田かな
二瓶洋子
六花
200108
南国や雨の春田を飽かず見て
岡本眸
200108
葛飾に残る春田の畦を踏む
能村登四郎
羽化
200110
冠の鳧に近づく春田かな
岡井省二
200111
野の虹と春田の虹と空に合ふ
水原秋櫻子
馬醉木
200203
『霜林』
大神おおみわのお砂まきたる春田かな
加藤みき
200204
終生を麓にありて春田打
小澤克己
遠嶺
200205
菩提寺に隣る春田を打ちはじむ
池内淳子
春耕
200205
恵那山を父と崇めて春田打つ
椙山正彦
200206
山の神春田に下りて来たりけり
竹内悦子
200206
燠のまだくすぶつてをる春田かな
近藤きくえ
200206
木偶小屋の跡に隣れる春田打つ
小山香月
酸漿
200206
春田打海のにほひのしてきたる
谷口佳世子
200207
春田打一川遠くひびきけり
森園ムツ子
200207
三山は神の配りの春田道
門伝史会
風土
200211
春田打つ雲のひとつが通りすぎ
平子公一
馬醉木
200304
春田打ち終へひとひらの雲仰ぐ
竪ヤエ子
雲の峰
200305
春田打八ヶ岳より風のまつしぐら
宮坂恒子
200305
畦川の音よく春田まだ打たず
伊藤白悠
200305
春田打つ裾に海あり与謝郡
山本康夫
200306
春田打すませてきたる寝顔かな
高橋将夫
200306
大煙あげて農婦は春田中
井関祥子
酸漿
200306
春の田に舞ひ落つ羽根の白きかな
大久保廣子
火星
200306
里人の富士山を背に春田打つ
小林佐江子
雨月
200306
中山道春田を左右そうに分かちけり
谷泰子
ぐろっけ
200306
日本の屋根に位置して春田打
矢崎すみ子
200307
蜑たりし頃を眩しみ春田打つ
柴田近江
200307
畦踏めば水のしみ出る春田かな
海老原信男
築港
200307
春田打つ相離れゐて夫婦らし
宮田悦子
200307
千仞の谷の底ひの春田打つ
池田光子
風土
200311
抱き寄せて春田のものを刈りにけり
栗栖恵通子
200405
春の田に鴉高啼き徒党呼ぶ
西野通代子
築港
200405
土塊のすぐに乾きし春田打
金川眞里子
百鳥
200406
蛍田の春田に傾ぐ藁塚三つ
鈴木とおる
風土
200406
鍬使ふ一人の音を春の田に
櫻井多恵
200407
春田とは地上に水の色増やす
中島たまな
200407
春田打つ島のやうなる古墳背に
松井志津子
200407
父の背に雲の動ける春田かな
高倉和子
200503
潮鳴りのとどろく中の春田打ち
内海保子
万象
200505
春田打すませてきたる寝顔かな
高橋将夫
星の渦
200505
鋤き込みし草の香の春田かな
森藤千鶴
馬醉木
200506
一族の墓の見下す春田かな
鈴木實
百鳥
200506
春田打つ鍬に家紋を刻印し
高橋照子
雨月
200506
春の田を打つてをりけり元教師
鈴木多枝子
あを
200506
亀石の身ほとり春田鋤かれをり
河合佳代子
栴檀
200507
皇居跡守りつぐたつき春田打つ
東野鈴子
雨月
200507
鍬の柄を野衣桁として春田打つ
吉田裕志
200508
春田打つ紺絣の母若かりし
中道愛子
200508
春田打つ今年かぎりと子に伝ふ
大槻球子
遠嶺
200508
どつと子等集まる日和春田かな
稲畑汀子
ホトトギス
200603
何か咲くものを遠目に見し春田
稲畑汀子
ホトトギス
200603
秩父路の春田のつづく車窓かな
稲畑汀子
ホトトギス
200603
春田より足抜かずゐる白鷺か
鷹羽狩行
200604
真向ひに筑波嶺据ゑて春田打つ
石川笙児
200604
手つかずの春田の畦を歩きけり
橋口礼子
河鹿
200605
消えやすき富士を涯に春田打
木山白洋
馬醉木
200605
足指も遊んでをらず春田打
藤井佐和子
200605
丹波路のまだ水引かぬ春田かな
中上馥子
春燈
200606
新しき風に触れよと春田打つ
高橋ひろ
万象
200606
杭打ちて春田に幟木偶芝居
博多永楽
雨月
200606
晩節の春田を打つてをりにけり
高橋将夫
200606
顔あげるたびに空あり春田打
橋口礼子
河鹿
200607
高天彦神見給ふや春田打
末吉治子
春燈
200607
春の田や胴震ひして月上がる
山田美恵子
火星
200607
根つからの農本主義者春田打つ
小林呼渓
200703
満面に日のゆきわたる春田かな
鷹羽狩行
200704
鶏糞の臭ふ春田を打ちにけり
山田六甲
六花
200704
一心に生きて春田を打ちにけり
成田なな女
春燈
200705
爺ちやんの鍬一丁の春田打
谷田部栄
万象
200705
父の忌の風の強さの春田打つ
小澤克己
遠嶺
200705
一本の道の行方や春田打つ
加藤たかね
風土
200706
脱ぎ置きし物を遠くに春田打つ
生田恵美子
風土
200706
鉾杉の影に入りたり春田打
赤松郁代
万象
200708
真ン中に能因島や春田打つ
小林輝子
万象
200708
重たげな煙這ひをり春田打
塩路隆子
200804
反禅かいや順禅の春田打
小澤克己
遠嶺
200805
塔二つ置きて春田の整ひぬ
山田天
雨月
200805
夕映の長き明日香の春田道
山田天
雨月
200805
一斉に蒸気を放つ春田かな
柳澤宗正
万象
200806
春田ともならず分譲十区画
長洲元子
200806
耕しの媼に春田広過ぎる
椋本一子
雨月
200806
春田打つ泥の夫婦の仲よくて
清水明子
遠嶺
200807
春田打つ孔明片雲仰ぎけり
小泉貴弘
筑波の道
200811
犬だけが通り抜けたる春田かな
稲畑汀子
ホトトギス
200903
畦抜けて春田抜ければ大通り
稲畑汀子
ホトトギス
200903
春田より春田へ誰も抜けぬ畦
稲畑汀子
ホトトギス
200903
孫帰農決めしと老の春田打
北尾章郎
200905
天涯の響ける春田打ちにけり
小澤克己
遠嶺
200905
園児らの声風となる春田道
大谷茂
遠嶺
200906
春田へと音たてて水走るなり
東芳子
酸漿
200906
春田荒れひのしきたり頽れつつ
山口キミコ
200907
夜の雲のしなやかに過ぐ春田かな
太田慶子
春燈
200907
佐保川の水の匂ひの春田打つ
宮木忠夫
200907
春田打つ人の繰り出す棚田かな
加藤長山
200907
鉄塔を繋ぐ架線や春田打
吉村摂護
200908
水郷ののんびり打たれある春田
八田木枯
晩紅
200908
カタピラーの轍の深き春田かな
杉良介
201003
捨て置かれすておかれ春田となれり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201003
江戸の世の労苦を偲ぶ春田かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
201003
日の匂ひ水の匂ひや春田打
木下忠雄
酸漿
201003
春田打ちつつおのが影鋤き込んで
久保東海司
201004
故郷に三日戻りて春田打つ
竪山道助
風土
201005
群雀春田に下りし雨上り
青木陽子
酸漿
201005
春田打ちエンジンの音日暮まで
長崎桂子
あを
201005
土の香にまみれて春田打ちにけり
林光興
201006
カンバスを塗りつぶすごと春田打
甕秀麿
201006
鐘一つ聞きつつ奈良の春田打つ
小澤昭之
201006
春田にはまだ素通りや水の音
青木陽子
酸漿
201007
風なりに草なびきゐる春田かな
丑久保勲
やぶれ傘
201008
春の田や働く前のひと休み
松村光典
やぶれ傘
201010
野良猫の一瞥受けし春田打
松岡和子
201105
大春田人影ふたつ鳥一羽
高瀬史
馬醉木
201105
早春の田にどっかりと耕運機
山田智子
201105
湖東なる春田や空を入れあます
豊田都峰
京鹿子
201105
廃線の奥の常陸の春田かな
上原重一
201105
春の田を打つは老人ばかりなり
中島玉五郎
201105
春田打つ一筆書のごとくなり
辻直美
201105
継ぐ子なき老の一念春田打
河口仁志
201106
風渡る四方の春田の交差点
生田恵美子
風土
201106
春田打かなはぬ大地熟視する
服部早苗
201107
手の肉刺の父譲りなり春田打
西畑敦子
火星
201107
北アルプス映し春田の輝けり
鈴木照子
201108
ふるさとの山みなまろし春田打つ
コ田千鶴子
馬醉木
201204
遅れたるところも打たれ春田かな 布川直幸 201204  
泥光る春田切株残りをり 田中藤穂 あを 201204  
遠山は母のまなざし春田打ち 原友子 201205  
煩悩を生きる力に春田打 高橋将夫 201205  
雁の数急に減りたる春田かな 山田六甲 六花 201205  
光りたき水のありたる春田かな 近藤喜子 201206  
たばしれる比叡の水や春田打つ 浅田光代 風土 201206  
立春の田の水口を直しけり 渡邉孝彦 やぶれ傘 201206  
滔滔と用水満つる春田辺り 鈴木礼子 末黒野 201207  
春の田に張りたる水のかたさかな 榎本文代 万象 201210  
春の田を打つどちらかがエイリアン 梶浦玲良子 六花 201212  
春田打つ父を煙の通りけり 高倉和子 201304  
春の田となりて過疎村活気満つ 青野安佐子 201305  
春田打つ父を煙の通りけり 高倉和子 201305  
農は芸てふこだはりの春田打 松岡和子 201306  
郷愁の百万石の春田かな 大松一枝 201307  
ふるさとの春田昭和の色ならむ 鈴木セツ 201405  
土噛んで春田起しの鍬使ひ 能村研三 201405  
春田打終へ来し人の大きな手 河口仁志 201406  
畝なかば御幣捧げて春田打 松岡和子 201406  
昼月の大方解けし春田打ち 池端英子 ろんど 201406  
春田打つ音のひびきも奥吉野 橋添やよひ 風土 201407  
春の田の土塊黒き力秘め 落合由季女 雨月 201409  
春田打つ若き夫婦や乳母車 近昌夫 春燈 201412  
良識の人です春田打つてます 高橋将夫 201505  
草の根の起されてゐる春田かな 廣畑育子 六花 201505  
春田打つごとくに一句一句かな 高橋将夫 201506  
B面の土より蒸気春田打 加藤峰子 201507  
見覚えのある草ばかり春田道 渡邉孝彦 やぶれ傘 201507  
継ぐ者の決まり春田の息吹き濃し 大久保白村 ホトトギス 201508  
春の田の空は燕に所有権 八木健 八木健俳句集 201509  
春田抜け春田ぬけ句碑除幕へと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603  
魂を数多秘めたる春田かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603  
春田打ち終へて近づく地平線 稲畑汀子 ホトトギス 201603  
春田打つ南部牛追ひ唄歌ひ 森岡正作 201604  
耕運機置かれ春田の目覚めかな 中嶋昌子 春燈 201604  
春田とは呼ぶには早し南部領 新田秀子 風土 201604  
捨て野菜屑も混ぜ込み春田打つ 横田敬子 201605  
鳶の輪のなかの一村春田打つ 阪上多恵子 雨月 201605  
鍬の息乱れず春の田を打てり 住田千代子 六花 201606  
軽き音春田の中の耕運機 久世孝雄 やぶれ傘 201606  
水音に囲まれ春田打ちゐたり 川口崇子 万象 201607  
白銀を吸ひ尽したる春田かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702  
関ケ原古を知る春田かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702  
馬場均す男春田にふんごめり 江見悦子 万象 201705  
町中に残る春田や鋤き返す 佐藤まさ子 春燈 201705  
終日隠り脳内春田打つ 柳川晋 201706  
生き生きと黒々と土春田打つ 石黒興平 末黒野 201708  
股鍬の著き刃跡や春田打 石黒興平 末黒野 201708  
一直線ゆゑ退屈な春田道 園部蕗郷 春燈 201708  
大琵琶のひかり春田の真っ平 吉田万喜子 雨月 201708  
衿正すやうに春田の畦現るる 清水佑実子 201806  
掛樋を走る水音春田打つ 土江比露 春燈 201807  
鳶の輪は村の大きさ春田打つ 市村明代 馬醉木 201905  
一枚の水の張られし春田かな 藤生不二男 六花 201906  
すぐそこに工業団地春田打 岡田史女 末黒野 201907  
春の田に膏雨待ちあぐ古老どち 加瀬伸子 末黒野 201907  
春田打済みたる谷戸の学習田 滝沢いみ子 末黒野 201908  
刃のやうなひかりの中の春田かな 吉田鴻司 202004  

 

 

2020年4月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。