春の闇 4     80句

をみなとはかゝるものかも春の闇  日野草城  昨日の花

作品
作者 掲載誌 掲載年月
春の闇MRIの鉦の中 吉田政江 201606
ゆつたりと睡魔待ちゐる春の闇 田所節子 201606
浅春の闇の竹林奥嵯峨野 山本無蓋 201606
唱采の裏にひろごる春の闇 山本無蓋 201606
病室の眠りは浅し春の闇 濱野新 やぶれ傘 201606
春の闇極まり青くうるほへり 飛高隆夫 万象 201606
ポケットの電話鳴り出す春の闇 古川幸子 春燈 201607
真田井戸どこへ通じる春の闇 鈴木庸子 風土 201607
淡きとも濃きとも見えて春の闇 松浦哲夫 末黒野 201607
匂やかに万物つつむ春の闇 岩月優美子 201607
海鳴りの重さ加はる春の闇 深川淑枝 201607
余震なほ指先にある春の闇 岩岡中正 ホトトギス 201609
春の闇振り返ることおそろしき 高橋将夫 201705
春の闇うごめくものの息づかひ 石川充 馬醉木 201705
本棚の一番下の春の闇 青谷小枝 やぶれ傘 201705
春の闇路地奥いつも謎めいて 内山花葉 201705
寝返りて肋しなやか春の闇 内山花葉 201705
鏡中の肩越しにある春の闇 楠原幹子 201706
すり寄りし猫のぬくもり春の闇 鎌田八重子 馬醉木 201707
路地裏の靴のリズムや春の闇 高橋泰子 末黒野 201708

 空港反対派に家を焼かれる

「裁くものは我」声のかなたの春の闇

高橋和女 風紋 201709
春の闇何かが通りゆくけはひ 秋川泉 あを 201804
練行の僧に息づく春の闇 狭川青史 馬醉木 201805
春の闇千手観音膝崩す 本多遊方 春燈 201805
時もたぬ波の寄せくる春の闇 黒滝志麻子 末黒野 201805
春の闇差し込んでみるコンセント 羽田英晴 船団 201806
繋船のごつりごつりと春の闇 中西恒弘 201806
時もたぬ波の寄せくる春の闇 黒滝志麻子 末黒野 201806
春の闇載せて回送電車過ぐ 中根美保 風土 201807
灯を消して部屋の形の春の闇 湖東紀子 ホトトギス 201809
近々と白馬のにおい春の闇 原ゆき 船団 201811
又一人春の闇へと連れられて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
もう会へぬ人みよし野の春の闇 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
又一人春の闇へと連れられて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
もう会へぬ人みよし野の春の闇 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
縄囲ひなりし廃坑春の闇 熊岡俊子 雨月 201905
点滴の音なき音や春の闇 石原孝人 京鹿子 201905
一人居てひとりじやないよ春の闇 柴田靖子 201905
人逝くや春の闇裂く救急車 赤塚篤子 末黒野 201906
情熱の矛先狂ふ春の闇 江島照美 201906
平成の災は神戒春の闇 西村白杼 京鹿子 201906
しろがねのアンモナイトや春の闇 雨村敏子 201906
春の闇テールランプのあかあかと 加藤みき 201906
パイ皮のごとくに崩れ春の闇 中村嵐楓子 春燈 201906
能面の怒りを秘めし春の闇 川内谷育代 馬醉木 201907
読み終へてヒロインとゐる春の闇 斉藤マキ子 末黒野 201907
春の闇負うて不動の火焔かな 平田はつみ 馬醉木 201907
水耕の根を白く吐く春の闇 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
千手佛つかはぬ手あり春の闇 山田六甲 六花 202004
雨音の追ひ掛けて来る春の闇 土手晶子 馬醉木 202005
亡き夫の我を呼ぶ声春の闇 コ田千鶴子 馬醉木 202005
春の闇老いたる猫の団十郎 火箱ひろ 202006
春の闇かつて誤読の本に道 中川のぼる 202006
不条理の渦巻くこの世春の闇 酒井たかお 202006
この世をも無分別なる春の闇 江口九星 202006
白石加代子なかんづく春の闇 辻美奈子 202006
集中治療室アイシーユーに観音の立つ春の闇 平野多聞 202007
タクト振る悪魔サタンが闊歩春の闇 出利葉孝 202007
春の闇光る眼と水の音 加藤みき 202007
マスクせる埴輪ぞろぞろ春の闇 平居澪子 六花 202007
もちの木の幹が幹抱く春の闇 住田千代子 六花 202007
西塔に釈迦の生涯春の闇 善野行 六花 202007
玻璃一枚隔てて深し春の闇 土井三乙 風土 202007
而して家居の続く春の闇 本郷公子 京鹿子 202008
この世をも無分別なる春の闇 江口九星 202009
次々と閉店の札春の闇 秋川泉 あを 202105
長瀞の石畳なる春の闇 秋川泉 あを 202106
春の闇サイレンの音遠ざかる 秋川泉 あを 202106
陸亀の容となりぬ春の闇 小島良子 202109
頼朝のかくれし岩や春の闇 小林共代 風土 202204
赤外線写真の中の春の闇 高橋将夫 202205
春の闇老いと幼なの類似点 中西厚子 202205
再びの声聴かせてよ春の闇 大山夏子 202206
戦下に生るる命尊し春の闇 由良則子 202206
春の闇とろりと風のなまめかし 尾野奈津子 春燈 202207
ほとほとと源氏訪ふ春の闇 あさなが捷 202208
再びの声聞かせてよ春の闇 大山夏子 202209
再びの声聞かせてよ春の闇 大山夏子 202209
春の闇へと深入りをしてみたく 持永真理子 ホトトギス 202210
育ちゆくものは星空春の闇 須藤常央 ホトトギス 202211
春の闇 →1

 

 

2023年3月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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