春の雲  3    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
海上の右側通行春の雲 柿沼盟子 風土 201005
すべり来る毬を春の雲に投げ返し 小沢吉野 201005
殿を翔びて鴉に春の雲 佐藤恭子 あを 201006
湧くことも移ろふことも春の雲 芝尚子 あを 201006
亀の背に浮力重力春の雲 七種年男 201006
アルパカの親子のまぶた春の雲 田中藤穂 あを 201006
フラミンゴ片足眠り春の雲 村上絢子 馬醉木 201007
凸凹のどちらも主役春の雲 高橋将夫 201007
春の雲しばらく映す道路鏡 柴田志津子 201007
春の雲一朶過ぎゆき石舞台 佐々木みどり 馬醉木 201007
仙人の落ちた穴あり春の雲 栗栖恵通子 201007
一切は顛倒夢想春の雲 高橋将夫 201007
春の雲このままわれを逝かしむるか 小澤克己 遠嶺 201008
春の雲影も動かず足立山 山口博通 ぐろっけ 201008
たちまちに風となりたる春の雲 小澤克己 遠嶺 201008
雪残る甲斐駒春の雲に在り 田宮勝代 酸漿 201008
棒道を信濃へ急ぐ春の雲 清水美子 春燈 201103
初春の雲へ分け入る鳶柱 近藤幸三郎 風土 201103
丘の上の教会の塔春の雲 樺山翠 雨月 201105
紫の遠山春の雲動く 成田美代 201105
春の雲貨車に積まれし牛の瞳に 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
春の雲三歩でわたる螢橋 佐藤喜孝 あを 201105
春の雲神先導の八咫烏 長濱順子 201105
肩まろき京の山なみ春の雲 上原恒子 雨月 201105
まっさらのスニーカー履き春の雲 伊庭玲子 201105
日和かなぽかりぽかりと春の雲 山口まつを 雨月 201106
春の雲青き手帖のつかひぞめ 豊田都峰 京鹿子 201106
煙草の輪顔の上にも春の雲 貝森光洋 六花 201106
対岸の近代ビルや春の雲 片岡久美子 201106
羽衣を干したるさまに春の雲 前川ユキ子 201106
吊革の音鳴るカーブ春の雲 倉持梨恵 201106
採血の小さき枕や春の雲 内藤三男 ぐろっけ 201107
何事も無きかの如き春の雲 八幡操 ぐろっけ 201107
放射線漏らす原発春の雲 佐藤健伍 201107
春の雲すでに子の目は乗つてをり 藤野力 馬醉木 201107
春の雲影ゆつたりと千枚田 浅川幸代 末黒野 201107
知らぬ人と西行語る春の雲 田中藤穂 あを 201204
春の雲うすうす富士を隠したる 大橋晄 雨月 201204
青天井早春の雲二三片 田中藤穂 あを 201204
スカイツリー迂回してゆく春の雲 久染康子 201205
デパートのとんがり屋根や春の雲 川崎雅子 春燈 201205
太陽を見せて隠して春の雲 青木ちづる 201205
ゆく春の雲へ梯子をのばしけり 近藤牧男 六月 201206
いつまでも頭の真上春の雲 黒木東吾 やぶれ傘 201206
春の雲午後の小さき使いみち 北村香朗 京鹿子 201206
春の雲東京マラソン三万人 北村香朗 京鹿子 201206
春の雲日矢もれ後の通り雨 長島清山 かさね 201206
ひとかきの手波にくづる春の雲 笹村政子 六花 201206
なに摘むとなくねころんで春の雲 根橋宏次 やぶれ傘 201207
春の雲国旗に風の溜まりをり 林いづみ 風土 201207
又ひとつ春の雲ゆく法隆寺 北崎展江 くりから 201209
恋しきはみな逝きし人春の雲 酒井秀郎 返り花 201211
おいしさうよやはらかさうよ春の雲 原友子 201302
干満の春の雲にもありにけり 山田六甲 六花 201304
ハモニカの音色は今も春の雲 森理和 あを 201305
また会へる別れや春の雲ひとひら 五十嵐章子 201305
切岸の上たしかなる春の雲 中田のぶ子 ろんど 201305
朝のチャイムタベのチャイム春の雲 すずき巴里 ろんど 201305
春の雲ワンデイパスとティーボトル 陽山道子 船団 201306
春の雲ゆつたり流るふるさとへ 池田光子 201307
窯元の煙のなじむ春の雲 井口淳子 201307
春の雲沈下あらはな田水にも 齋藤泰子 春燈 201404
春の雲仲よき父母の道行か 西川春子 春燈 201404
青空にさつと一筆春の雲 石川かおり 福袋 201404
翻車魚のやうにたゆたふ春の雲 関根揺華 201405
虫ピンで止めてもみたき春の雲 林昭太郎 201405
水明かりして春の雲遊びけり 上辻蒼人 風土 201406
晩節の行方は何処春の雲 阪倉孝子 201406
春の雲残して空の晴れ上がる 松村光典 やぶれ傘 201406
春の雲さやうならとはまだ言はぬ 安居正浩 201406
春の雲踏みて渡るや臥龍橋 和田郁子 201406
春の雲天女の衣靡きをり 岩月優美子 201406
帯解きて春の雲にもなりぬべし 柳川晋 201406
退職の両肩軽し春の雲 森岡正作 201406
春の雲を突きぬく気魄天狗岩 山崎里美 201407
新春の雲たなびけり比叡愛宕 高谷栄一 201503
早春の雲に溶けゆく白き風 大坪あきら 万象 201505
方舟(はこぶね)に乗りそこねたる春の雲 犬塚李里子 201505
春の雲お化け煙突あの辺り 田中藤穂 あを 201505
新しき切株に坐す春の雲 佐渡谷秀一 対座 201505
八方に春の雲湧く伊賀盆地 川村清子 馬醉木 201505
鉄棒に身動き出来ず春の雲 工藤節朗 201506
ターナーのゑのぐのやうな春の雲 荒井和昭 201506
せつかちとのろまの二人春の雲 斉藤裕子 あを 201506
神木の太郎次郎や春の雲 鈴木昌子 やぶれ傘 201506
輝いて消ゆる飛行機春の雲 渡辺若菜 春燈 201506
待春の雲を掴んでゐる背伸び 古賀しぐれ ホトトギス 201506
春の雲横目の鴎船に沿ふ 赤座典子 あを 201507
硫黄華谷を咲かせて春の雲 児玉有希 京鹿子 201507
推敲を重ねてをりぬ春の雲 大谷昌子 馬醉木 201507
青空へ一筆書きや春の雲 安斎久英 末黒野 201508
後退りしつつ畝切る春の雲 原友子 201508
蔵王堂乗せて棚引く春の雲 安原葉 ホトトギス 201509
春の雲家解体の音ひびく 田中藤穂 あを 201604
明るさをいざなふ春の雲ならば 稲畑汀子 ホトトギス 201604
さつきまでなき春の雲天心に 稲畑汀子 ホトトギス 201604
獅子となり竜となり消ゆ春の雲 今井肖子 ホトトギス 201605
ふはふはの春の雲より鳶のこゑ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201605
知らぬ間にあんなところへ春の雲 石田きよし 201605
由緒ある石の大壺春の雲 竹内悦子 201606
春の雲 →4

 

2021年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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