春の雲  2    100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春の雲鐘つく僧のスニーカー 浜和佳子 百鳥 200506
春の雲鯉浮きあがりくずれける 小林時夫 200506
額縁に収めてみたき春の雲 西川青女 築港 200506
木化石のゆがむ年輪春の雲 阿部昭子 遠嶺 200506
余生とは流れにまかす春の雲 三浦澄江 ぐろっけ 200506
自転車に乗りくる少女春の雲 西川青女 築港 200506
着陸においてけぼりの春の雲 刈米育子 200506
役終へし煉瓦水門春の雲 坂本ひさ子 遠嶺 200507
半島にトンネル一つ春の雲 水越洋三 百鳥 200507
春の雲野を翳らす程でなし 井上春子 春燈 200507
根を張つて質素に生きむ春の雲 斉藤道正 遠嶺 200507
風邪ごこち玻璃ごしに見て春の雲 尾堂Y 河鹿 200507
春の風春の雲行く峠かな 武田和代 百鳥 200508
奥宮はひと山向かう春の雲 櫨木優子 200508
採氷池あかるみ春の雲わたる 瀧春一 菜園 200509
春の雲牛の角双つ曲りたる 瀧春一 菜園 200509
春の雲真綿引き合う姑遙か 真木早苗 八千草 200509
金を借ととのへて疲る春の雲 瀧春一 菜園 200509
縄の玉ほどきてをれば春の雲 戸栗末廣 火星 200603
春の雲松の根方に富士の山 佐藤喜孝 あを 200603
天国はきつとある筈春の雲 新井佐知子 遠嶺 200605
暁光の金色春の雲うごく 柳生千枝子 火星 200605
春の雲螺旋階段のぼりをり 松井倫子 火星 200605
春の雲崩しさざなむ飛鳥川 伊藤伴子 四葩 200605
春の雲子等に聞きたきことありて 本多俊子 さくらの音 200605
消えられぬ礎石が二十春の雲 今瀬剛一 対岸 200605
春の雲増え退屈な牛の角 今瀬剛一 対岸 200605
休日やわたしと春の雲の距離 倉持梨恵 200605
まだ醒めぬ山にほほずり春の雲 千田百里 200605
工房は漆の匂ひ春の雲 堀木基之 百鳥 200605
春の雲木の間隠れのランドセル 佐藤恭子 あをかき 200606
結び目を解きて流るる春の雲 佐藤なか 遠嶺 200606
俳縁の墓参叶へり春の雲 山崎靖子 200606
春の雲燒けてぞ褪する丹の柱 瀧春一 常念 200606
切株に三人が乘る春の雲 佐藤喜孝 あを 200606
春の雲鮠の流れのありにけり 竹内悦子 200606
春の雲火の山にあり空になし 瀧春一 常念 200606
行く春の雲が麒麟の首あたり 高橋照葉 ぐろっけ 200607
春の雲山羊はたしかに笑ひけり 奥田弦鬼 風土 200607
燈台としばらく遊ぶ春の雲 清水節子 馬醉木 200607
跳箱をとんでは春の雲に入る 成智いづみ 馬醉木 200607
聞き慣れぬ地名も増えて春の雲 島内美佳 ぐろっけ 200608
修道院の尖塔を過ぐ春の雲 北村香朗 京鹿子 200608
膝手術横臥して見る春の雲 竹内千春 ぐろっけ 200608
水車より湧いてゐるなり春の雲 柴田佐知子 200608
春の雲回転木馬に翼あり 奥田茶々 風土 200701
春の雲千の風来ていづくまで 長崎桂子 あを 200704
どこよりを筑紫次郎とや春の雲 青山悠 200704
アラジンのランプより出づ春の雲 東亜未 あを 200704
改築の屋根吊り上がり春の雲 池田光子 200705
とある距離鏡に入れて春の雲 天野きく江 200705
しばらくは孔雀の形春の雲 岩月優美子 200705
羽衣のかろさよ甲斐の春の雲 鷹羽狩行 200705
思ひ出す人みな笑顔春の雲 斉藤裕子 あを 200705
極貧の雲濱邸址春の雲 林日圓 京鹿子 200706
しばらくは春の雲とも同行す 小林正史 200706
春の雲猫のけんかに遭遇す 倉持梨恵 200706
期待とはとぎれとぎれの春の雲 倉持梨恵 200706
双峯のかたみにかげる春の雲 瀧春一 200706
高原の病院見舞ふ春の雲 神田一瓢 雨月 200706
句碑に来てゐる存問の春の雲 岩岡中正 ホトトギス 200708
歩道橋の向こうは春の雲と空 平きみえ 船団 200710
春の雲山陰線がしやべり出す 竹貫示虹 京鹿子 200803
春の雲慈母観音のふくよかに 代田青鳥 風土 200805
春の雲沖の遥かを動きゆく 柳生千枝子 火星 200805
仰ぎつつ跨ぐ線路や春の雲 代田青鳥 風土 200805
春の雲百一歳の乗り給ふ 赤座典子 あを 200806
屋上より梯子架けたし春の雲 坂上香奈 200806
また一つ夢の生まれし春の雲 東良子 遠嶺 200806
目の前に落ちてきさうな春の雲 佐藤喜孝 あを 200806
銀杏の芽迷ひ込みたる春の雲 神田一瓢 雨月 200806
厚みある石に出遇へり春の雲 山崎靖子 200806
春の雲掩ひ来てより陽の消さる 柳生千枝子 火星 200807
春の雲あると思へば春の雲 岩垣子鹿 ホトトギス 200808
無人駅に花壇のありて春の雲 高倉和子 200903
春の雲象虎麒麟馬羊 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
グランドの足跡真つ直ぐ春の雲 村上助九郎 炎環 200905
春の雲むかし鉛筆舐めにけり 定梶じょう あを 200905
春の雲風車は回るべく回る 冨山俊雄 春燈 200905
茂吉忌や野に逍遙の春の雲 安立公彦 春燈 200905
雑巾の縫い目三角春の雲 平野みち代 200905
にはたづみ春の雲ある雨あがり 伊東和子 200905
遺さるる描きかけの顔春の雲 こがわけんじ 炎環 200905
春の雲悟りを開く時あらば 片山茂子 遠嶺 200906
水の面を開いて閉ぢて春の雲 西宮舞 200906
春の雲貝置く屋根の網野駅 能勢栄子 200907
釋迦牟尼の堂外びらき春の雲 佐藤喜孝 あを 200907
野の市に影は落さず春の雲 上崎暮潮 ホトトギス 200908
天目に小春の雲の流れけり 本多俊子 201003
春の雲脱がぬ辺りを富士と見し 稲畑汀子 ホトトギス 201004
春の雲野に一本の腕枕 丸井巴水 京鹿子 201004
絵巻図の幕あひとして春の雲 小嶋洋子 201004
春の雲払うて行きし風ならむ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
鳥の餌を買ひ足して待つ春の雲 鈴木阿久 201004
一片の志気ひとひらの春の雲 曷川克 遠嶺 201005
風の鳴る大吊橋や春の雲 澤井玲子 201005
片々の春の雲浮く阿蘇五岳 伊藤敬子 201005
立春の雲を映して利根動かず 橘正義 春燈 201005
春の雲水に映れり川鵜とぶ 早崎泰江 あを 201005
春の雲掴み損ねし手長猿 矢口笑子 春燈 201005
春の雲 3

 

2021年3月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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