春の風邪 4      87句

こいびとを日がな眺めて春の風邪    池田澄子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
街角や春の風邪引く予感あり 吉田香津代 201505
やるせなく微熱つづきて春の風邪 東野鈴子 雨月 201506
春の風邪旅の余韻と混沌と 赤座典子 あを 201506
かこつくる晩酌の量春の風邪 小松誠一 201506
春の風邪言ひ触らしては癒えにけり 相良牧人 201507
春の風邪再放送のドラマ見て きくちきみえ やぶれ傘 201507
春の風邪橋を仰いでゐるやうな 佐藤喜孝 あを 201510
春の風邪目元が語る佳人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
先づ鼻が喉が頭が春の風邪 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
ことづては欠席といふ春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201602
夜具に咳深く滲ませ春の風邪 布川直幸 201603
緩衝材ぷちぷち潰す春の風邪 栗原公子 201604
日の丸を父も持たざり春の風邪 佐藤喜孝 あを 201604
言葉尻ひろはれて居る春の風邪 中川句寿夫 あを 201604
薬袋三粒のこりて春の風邪 森理和 あを 201604
句集置き眠りつづける春の風邪 秋川泉 あを 201604
春の風邪夕べは何を食べたっけ 秋川泉 あを 201604
春の風邪ボレロのやうにくり返し 山本喜朗 雨月 201604
知恵熱と笑ひとばして春の風邪 豊谷ゆき江 春燈 201605
装へば気力の戻る春の風邪 宮平静子 雨月 201605
春の風邪大黒様の大薬袋(だいやくたい) 有松洋子 201606
身を叱り叱りて春の風邪ぬかす 宮坂恒子 201606
聴くだけのラジオ体操春の風邪 菊池洋子 やぶれ傘 201606
マスクして目でもの言へり春の風邪 福島せいぎ 万象 201606
骨休め骨休めとて春の風邪 河野美奇 ホトトギス 201607
お喋りに変はりなかりし春の風邪 河野美奇 ホトトギス 201607
ビタミンの酸味の強さ春の風邪 小山陽子 やぶれ傘 201607
女にも口ひげのあり春の風邪 松田泰子 末黒野 201607
春の風邪欠席多き会となる 稲畑汀子 ホトトギス 201702
その後の話となりぬ春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201702
又一人春の風邪てふ消息に 稲畑汀子 ホトトギス 201702
春の風邪尾を引くままに癒えしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201702
何となく抜けきらぬとは春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201702
BもAB型も春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201702
欠席と告げ春の風邪とは云はず 稲畑汀子 ホトトギス 201702
一句会済み癒えてゐし春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201702
旅多き日よ春の風邪よせつけず 稲畑汀子 ホトトギス 201704
春の風邪引いたかも熱出てるかも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
身のどこか靄いつまでも春の風邪 近藤喜子 201705
帳箱に隠し抽斗春の風邪 中川句寿夫 ここのもん 201705
言葉尻ひろはれて居る春の風邪 中川句寿夫 ここのもん 201705
豊かなる刻賜りぬ春の風邪 田原陽子 201705
気迷ひの芯に居座る春の風邪 菅原健一 201705
しばらくは居座るつもり春の風邪 吉川隆 春燈 201705
春の風邪肩に疲れの残りけり 古川幸子 春燈 201705
胃薬で快方に向く春の風邪 稗田寿明 201707
百薬の長を一服春の風邪 谷口一献 六花 201707
春の風邪樹海に沈むごと眠る 押田裕美子 201706
旅疲れとも春の風邪心地とも 稲畑汀子 ホトトギス 201803
春の風邪いつか忘れて旅にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201803
春の風邪忘るるほどに癒えしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201803
吃水線身にあるごとく春の風邪 森岡正作 201804
白日の静けさ春の風邪心地 藤岡紫水 京鹿子 201804
ぬるき湯に二度目の不覚春の風邪 藤岡紫水 京鹿子 201805
強がりのよわみに勝てぬ春の風邪 中野さき江 春燈 201805
自販機の遠慮なき音春の風邪 丸井巴水 京鹿子 201806
宇宙より一直線に春の風邪 江見巌 六花 201806
猫が餌を食む音遠く春の風邪 松井季湖 201806
スリッパの音よくひびく春の風邪 山田健太 風土 201806
一睡の夢覚め春の風邪の床 亀卦川菊枝 末黒野 201806
膝の猫居すわって居り春の風邪 長沼佐智 船団 201809
春の風邪長引き最期かともふと 安原葉 ホトトギス 201810
治つても治つてもなほ春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201903
春の風邪まだひきずつてをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201903
治りさう治りさうにも春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201903
癒えてなほ体のどこか春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 201904
春の風邪髪が何ともまとまらず 須賀敏子 あを 201904
蜂蜜に匙とられたる春の風邪 植田桂子 馬醉木 201906
図書履歴にわたしがみえる春の風邪 はしもと風里 201906
転た寝のまま暮れゆくや春の風邪 榊山智恵 末黒野 201906
春の風邪歯車の透くオルゴール 山浦紀子 春燈 201907
春の風邪ならぬ奇病の白マスク 亀田虎童子 202005
コロナ風邪歴史に残る春となり 須賀敏子 あを 202006
春の風邪プラットホームを攫ひけり 江見巌 六花 202006
子育ての我が身につらし春の風邪 出口誠 六花 202006
本の山いくつ崩れて春の風邪 中原幸子 船団 202006
食麺麭を一本もらひ春の風邪 山田六甲 六花 202006
春の風邪を加齢と笑ひ若き医師 喜田君江 末黒野 202007
春の風邪とてあなどれぬ日々となる 稲畑汀子 ホトトギス 202102
自然とは神の摂理や春の風邪 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
恐ろしき名を持ち春の風邪流行る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
収束の期待は切に春の風邪 稲畑汀子 ホトトギス 202104
春の風邪かてて加へて花粉症 懸林喜代次 春燈 202105
春の風邪聖書の赤き前小口 塙誠一郎 202105
此の熱は絶対ただの春の風邪 酒井湧水 ホトトギス 202107
春の風邪ワインの味に癒えゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
春の風邪特効薬はやはり赤 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
春の風邪→1

 

 

2022年4月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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