春の風邪 2     104句

どんよりとまんばうのゐる春の風邪    奧坂まや

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春の風邪言葉の棘が抜けなくて
年森恭子
ぐろっけ
200306
試着室より出てきたる春の風邪
大東由美子
火星
200307
隆隆たる胸筋もちて春の風邪
岡井省二
省二句集
200312
義理欠いてひたすら春の風邪籠り
岡本眸
200403
動くたび骨が鳴るなり春の風邪
田中藤穂
あを
200404
春の風邪赤子にうつしまた貰ふ
東亜未
あを
200404
焼きそばに春の風邪ひく女かな
山田六甲
六花
200404
弱り目に崇り目ならむ春の風邪
谷寿枝
酸漿
200404
白粥に地玉子一つ春の風邪
橘沙希
月の雫
200404
ドロップの缶振る音と春の風邪
片岡静子
200405
珈排に多めのミルク春の風邪
佐藤貞子
雨月
200405
サプリメントといふ配合飼料春の風邪
篠田純子
あを
200405
うつうつと矮鶏の声聞く春の風邪
古林美幸
雲の峰
200405
お代りの粥はふはふと春の風邪
岩渕彰
遠嶺
200405
春の風邪こころ貧しきとき罹る
松本圭司
200405
春の風邪移されしこと内密に
高田令子
200405
菱餅の色にもらひぬ春の風邪
城孝子
火星
200405
大仰に死後のことなど春の風邪
岡本眸
200405
診る人も診らるる者も春の風邪
国包澄子
築港
200405
春の風邪妻の味覚を狂はせり
蔵澄茂
築港
200405
春の風邪ひきずつて居り抜けきれず
岡村容子
築港
200405
流行にはすぐのる漢春の風邪
伊藤希眸
京鹿子
200406
春の風邪癒えて句会へおしやれして
中市侑子
200406
禁煙に時効はあらず春の風邪
保田英太郎
風土
200407
水槽をつつくささ魚春の風邪
坂ようこ
200407
頬ずりをして子に貰ふ春の風邪
中内さとこ
対岸
200407
春の風邪句集一冊あれば足る
曷川克
遠嶺
200408
酢を打つてゐるとき春の風邪ごこち
八田木枯
夜さり
200409
シテの役穴をあけたり春の風邪
品川鈴子
六香
200501
春の風邪気力の勝つてをりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200502
源泉はしょつぱし熱し春の風邪
山田六甲
六花
200504
体温器振れば力や春の風邪
林翔
200504
春の風邪夢まぼろしもセピア色
石田静
200505
春の風邪癒ゆ端渓の大硯
小澤克己
遠嶺
200505
世界地図展げしよりの春の風邪
田村園子
200505
自虐とも声の消へゆく春の風邪
瀬下るか
200505
初恋の誰にもありし春の風邪
木村みかん
200505
春の風邪開きしままの広辞苑
信太清重
帆船
200505
電子音聞きわけてをり春の風邪
佐々木悦子
帆船
200505
呑むことを慎むべしや春の風邪
二村蘭秋
雨月
200505
寸酌を許されてゐて春の風邪
二村蘭秋
雨月
200505
春の風邪梅干粥に元気付く
鈴木ヤスエ
築港
200505
春の風邪白髪の乱れもて余す
吉村初代
築港
200505
ヴイトンでも邪魔になります春の風邪
小田元
六花
200505
花生けて濡るる指先春の風邪
岡本眸
200505
心当り考へてをり春の風邪
岩垣子鹿
ホトトギス
200506
覚めて昼覚めてまだ昼春の風邪
畑絹枝
馬醉木
200506
四股踏んで発散させし春の風邪
小林正史
200506
浪花節知らぬ世代の春の風邪
瀬下るか
200506
春の風邪女臥しゐて用多き
三浦如水
ぐろっけ
200506
酒二合三合五合春の風邪
堀内康男
帆船
200506
自動ドアーに吸込まれたる春の風邪
中谷葉留
風土
200506
水浴びねばならぬ鳥めく春の風邪
山元志津香
八千草
200506
春の風邪もうしかる人なくなりぬ
林裕美子
六花
200506
やはらかな雨聴いてゐる春の風邪
村田菊子
遠嶺
200507
曇天のつづきし日々や春の風邪
柴田靖子
200507
五臓六腑電脳もまた春の風邪
大山夏子
200507
春の風邪エレベーターに押し込まる
浦川哲子
200508
多忙さの虚をつかれたる春の風邪
加地芳女
雨月
200508
噎つぽき杉山春の風邪心地
奥澤和子
200508
誰彼の欠席やはり春の風邪
稲畑汀子
ホトトギス
200602
あなどりてみてもやつぱり春の風邪
稲畑汀子
ホトトギス
200603
あなどりてゐしにはあらず春の風邪
稲畑汀子
ホトトギス
200603
居心地の良き喉らしや春の風邪
上野進
春燈
200604
指先にパンの弾力春の風邪
渡邉友七
あを
200604
悪役にしては律儀に春の風邪
秋葉雅治
200605
うからてふぬくみに癒す春の風邪
市川玲子
春燈
200605
行く雲の青きふちどり春の風邪
小澤克己
遠嶺
200605
初老なる夫婦引つ越し春の風邪
唐鎌光太郎
ぐろっけ
200605
長椅子が昼間のベット春の風邪
嶋田摩耶子
ホトトギス
200606
春の風邪卓に開けし綺譚本
山田美恵子
火星
200606
仏壇に埃うつすら春の風邪
八木柊一郎
ぐろっけ
200606
枕頭に携帯電話春の風邪
安田とし子
ぐろっけ
200606
春の風邪猫を頼りに臥してをり
荒木治代
ぐろっけ
200606
病なしと豪語のあとの春の風邪
塩路隆子
200607
寝ねたりし思ひにひたり春の風邪
浅井青陽子
ホトトギス
200607
春の風邪ひらたき嘴の鳴りにけり
浜口高子
火星
200607
春の風邪鼻濁音てふがぎぐげご
大東由美子
火星
200607
春の風邪熱眞水にまさる味しらず
荻野千枝
京鹿子
200607
真夜中の水道ひねる春の風邪
竹下昌子
200607
子に貰ひ子には返さじ春の風邪
三井孝子
六花
200608
老いたりと思へば負けよ春の風邪
嶋田摩耶子
ホトトギス
200610
ゆきひらの粥炊きこぼす春の風邪
伊藤セキ
酸漿
200610
耳で計る体温計や春の風邪
鈴木榮子
春燈
200704
伊達の薄着水色なりし春の風邪
林翔
200704
春の風邪ミルクココアの膜すくひ
小嶋洋子
200704
白粥に亡母恋ふ夕べ春の風邪
中山勢都子
200705
春の風邪山河潤んでゐたりけり
田中春生
200705
春の風邪煮物の匂ふ町抜ける
大西八洲雄
万象
200705
春の風邪のど飴だけが頼りなり
谷寿枝
酸漿
200705
春の風邪鼻くすぐりて去りもせず
小松渓水
酸漿
200705
ねんごろの医師より貰ふ春の風邪
戸栗末廣
火星
200705
トランプの独り占ひ春の風邪
水原春郎
馬醉木
200706
晴雨寒暖日替り予報春の風邪
泉田秋硯
200706
反省に狭量もあり春の風邪
清水幸治
200706
春の風邪蜂蜜に喉なだめをり
相沢有理子
風土
200706
春の風邪猫もくしやみで仲間入り
横山迪子
六花
200706
春の風邪五種の薬を振舞はる
赤座典子
あを
200706
春の風邪見舞はれてゐて気がかりで
岡本眸
200706
御僧も召されしといふ春の風邪
伊藤トキノ
200707
春の風邪それがきつかけとも思ふ
稲畑汀子
ホトトギス
200802
百人の一人はつきり春の風邪
稲畑汀子
ホトトギス
200802
春の風邪あなどりゐしにあらねども
稲畑汀子
ホトトギス
200803
春の風邪人にならひて水覗く
山尾玉藻
火星
200803
春の風邪3→      

 

 

2021年4月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。