春 風 3     200句

春の風  春風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春風や基肥載せし猫車 瀬島洒望 やぶれ傘 201205
春風やシネマの都見に行かな 江澤弘子 201205
春風は阿波のれんこん畑にも 根橋宏次 やぶれ傘 201205
春風に翅なびかせて雀の群 田島昭久 かさね 201205
春風に搖るる浴衣地天日干し 福武幸子 万象選集 201205
春風にリボンひらめくチマチョゴリ 忍賀世志子 万象選集 201205
春風が開くリカちゃんハウスの扉 鈴木照子 201205
春風のなづるケープや宮参り 木内博一 春燈 201205
春風や睫毛の長き男の子 代田青鳥 風土 201206
春風や石材店に金次郎 鎌田悟朗 ろんど 201206
春風や匠の技のかづら橋 笠井清佑 201206
春風や戸をたてからつぽの厩 天谷翔子 火星 201206
春風や供花あふれたる辻地蔵 佐々木薫 かさね 201206
春風や回転木馬口あけて 天谷翔子 火星 201206
春風やエルグレゴてふ珈琲館 杉本薬王子 風土 201206
春風は花嫁行列追ひ越さず 水野範子 ぐろっけ 201206
春風の渡し場の旗揺らしけり 白石正躬 やぶれ傘 201206
春風に耳打ちされし三叉路 安田とし子 ぐろっけ 201206
春風と同級生とあんパンと 鶴濱節子 始祖鳥 201206
春風に揺れゐる樹々にニンフ生る 岩月優美子 201206
春風や町内会のややもめて 内藤玲二 201206
春風をまとひ三笠の旭日旗 石黒興平 末黒野 201207
春風や村人の守る能狂言 大橋晄 雨月 201207
春風や細身の母のフラフープ 布川孝子 京鹿子 201207
春風やみづらに結ひし太子像 岩下芳子 201207
春風やひらがな走る書道展 海村禮子 春燈 201207
春風に山香ばしの依怙地かな 北村淳子 ろんど 201207
春風に向かひデッキを歩きけり 杉浦典子 火星 201207
春風やせんべい持たず鹿あやす 松岡悠喜夫 ぐろっけ 201207
春風やホワイトデーの京最中 中村月代 末黒野 201207
ユニクロの発進春風の銀座 田中一美 ろんど 201207
春風に抓んであるく處方箋 佐藤喜孝 あを 201212
春風や年ごとに鍬重くなり 原友子 201302
全身が春風になる鳥になる 安居正浩 201303
春風駘蕩人それぞれの歩幅かな 北上正枝 201304
春風や長崎の町は坂ばかり 杉本薬王子 風土 201304
春風やオランダ坂は直ぐ終はる 杉本薬王子 風土 201304
春風の置いてゆきたるもの咲きぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201304
春風と三度尋ねし如己堂 杉本薬王子 風土 201304
春風や活水女学院の分厚き門 杉本薬王子 風土 201304
ゴム鞠のやうに春風吹いて来し 山田六甲 六花 201304
ハモニカや時に春風暴走す 森理和 あを 201305
春風や新歌舞伎座の裏通り 安居正浩 201305
春風や起重機に乗る女たち 高倉恵美子 201305
春風は総氏神の紙垂に立つ 豊田都峰 京鹿子 201305
春風に吹かれぶらぶら手ぶらなり 山内碧 201305
春風を呑込む河馬の大欠伸 塩路五郎 201306
春風を受け流しゐる川柳 桂敦子 201306
春風や零余子のごとポリープ除去 青野安佐子 201306
春風や野点の帳ふくらめる 渡真利真澄 万象 201306
春風や弓なりに行く五能線 中山静枝 201306
春風やくつくつくつと耳の穴 小林正史 201306
春風に揺るる木洩れ陽若葉色 池内とほる かさね 201306
春風に「身代はり猿」が軒にゆれ 槇野あさ子 風土 201306
角を曲がるや春風の運ぶもの 中田のぶ子 ろんど 201306
名のみ春風の便りは母の声 水谷直子 京鹿子 201306
春風に色直し待つ古城かな 加納淳子 六花 201306
春風やざらめ一さじ綿菓子に 富川明子 201306
春風や六方焼きの黄金色 大川ゆかり 201306
何処から肉桂春風少しつよく 佐藤恭子 あを 201307
特急過ぐ駅の春風めちやくちやに 布川直幸 201402
言の葉は春風に消え易きもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
春風といふ水尾消してゆく闘志 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
春風を恋うて身をもむ枯木かな 清水美子 春燈 201404
平和久し春風に乗る飛行船 水原春郎 馬醉木 201404
障子引き春風入るる町家かな 笠井清佑 201405
春風や大気汚染を疎みつつ 竹内悦子 201405
春風の席あり回転木馬かな 富川明子 201405
春風に乗つてみやうか渡し舟 西村渾 201405
春風に山羊顎ひげを靡かせる 早崎泰江 あを 201405
春風に握手さしだす左の手 藤田素子 火星 201405
春風と夢のあはひを生きて母 高倉和子 201405
春風や見えねど嬰の母を追ふ 藤野力 馬醉木 201405
春風や海山千里駈けて来し 鈴木セツ 201405
胸中に春風の立つ絵本かな 有松洋子 201406
春風駘蕩杖につかまる事後の街 有本南陵 ろんど 201406
春風をサランラップに包みけり 小林正史 201406
春風や乳ふくませてゐる堤 町山公孝 201406
春風や大鷲翔ちさうドームより 望月晴美 201406
春風や手話のふたりの生き生きと 戸田春月 火星 201406
春風や雲の流れと向き違ふ 飛高隆夫 万象 201406
春風やクィーンエリザベス入港す 鈴木庸子 風土 201406
春風の入り込む地下の曼陀羅図 前田美恵子 201406
春風の西陣行けば機の音 笹井康夫 201406
春風に卒塔婆の鳴る日なりけり 丑久保勲 やぶれ傘 201406
春風に押されてよろり一万歩 辻知代子 201406
春風と気付く風船帰り来ず 湯橋喜美 201406
春風や剃られし盆の窪多感 有本南陵 ろんど 201407
春風も貼る自治会の掲示板 成田美代 201407
春風に誘ひ出されし山の彩 寺田すず江 201407
春風にゆるりと動く象の耳 塩路五郎 201407
子等の声春風となりかくれんぼ 本多俊子 201407
春風や屋根に石置く岬ぐらし 佐津のぼる 六花 201408
春風に一枚脱いで又一枚 塩路遼(中三) 201504
楽しみな羽球の試合春風に 塩路彩奈(中一) 201504
春風や鳥のさえずりに包まれる 森田泉美(小六) 201504
春風と少し遊んで帰りけり 田村すゝむ 風土 201505
春風に背を押されつつ美容院 中山静枝 201505
春風にふくらむ柳並木路 黒沢由紀子 201505
春風と湖ある町を故郷とす 安居正浩 201505
料亭の一椀に発つ春風 平松うさぎ 201505
春風に少女そのまま印象派 平松うさぎ 201505
野外ステージ春風を切るタクト 永田圭子 ろんど 201505
芭蕉句碑に会ふ春風に背を押され 大橋晄 雨月 201506
春風にバス待つ間吹かれをり 松村光典 やぶれ傘 201506
春風や小枝咥へてとぶ鴉 西岡啓子 春燈 201506
関宿に江戸の春風高札場 上野進 春燈 201506
春風や勝負の神の守り札 足立良雄 201506
縁側といふ春風の憩ふ場所 安居正浩 201506
春風や耳の後ろをくすぐりし 今井春生 201506
春風駘蕩ゆつくり登る八十路坂 福島照子 京鹿子 201507
春風や海を見にゆく肩車 松田泰子 末黒野 201507
春風や小さき機影に空深し 羽賀恭子 201507
春風やじやんけんぽんに笑ひ声 羽賀恭子 201507
鷲とべり春風を切る音のして 小林洋子 万象 201507
春風と園児のくぐる仁王門 吉田カイ 万象 201507
春風や会へる気がする丘の上 白水良子 201508
春風に何か良事の有る気配 藤波松山 京鹿子 201508
母が押す春風が押すベビーカー 津田このみ 船団 201508
春風と渡る馴染みの交差点 布川直幸 201602
春風のやうに心をつづりたく 稲畑汀子 ホトトギス 201604
春風や平積みに買ふ旅の本 林昭太郎 201605
胸襟を開く春風仕舞ふべく 千田百里 201605
春風に置くふくよかな壺の耳 中島あきら 201605
春風や水のひかりの丸太橋 森田節子 風土 201605
春風やずらされてゐる境石 柴田佐知子 201605
六波羅や飴屋の暖簾春風に 杉原ツタ子 201605
春風に匂ひありけり磨崖仏 中田禎子 201605
春風を切りて自転車進みけり 出口誠 六花 201605
春風や盲導犬の尾が元気 岩下芳子 201606
春風や骨董市の招き猫 中田禎子 201606
春風に焙煎の香りとぎれず 中堀倫子 201606
春風に乗りそびれたる木霊かな 前田美恵子 201606
春風の混み合ふ露天道後の湯 荒井貞子 末黒野 201606
春風を切つて踏みゆくペダルかな 及川照子 末黒野 201607
春風に乗りて真白きモノレール 小川流子 201608
春風の大きく吹いてゐる御陵 和田華凛 ホトトギス 201609
春風や生涯通し既製服 乳原孝 船団 201612
春風にわが顔かたち取り乱す 高木晶子 京鹿子 201704
馬車道の春風に乗る汽笛かな 塚越弥栄子 末黒野 201704
初景色春風馬堤長々と 内海良太 万象 201704
春風の人となりゐて橋渡る 犬塚芳子 201705
春風を蹴つて走者の息づかひ 鎌田光恵 201705
春風や衿に小花のピンバッジ 青谷小枝 やぶれ傘 201705
春風や臙脂の房の弓袋 新谷フクヱ 末黒野 201705
春風やむなしくゆるる絵馬の数 菅野日出子 末黒野 201706
春風を掴まへに行くすべり台 峰崎成規 201706
あの中で春風の吹く星はどれ 高橋将夫 201706
春風の硯の海を渡りけり 本多俊子 201706
春風や高きヒールのふくらはぎ 太田チエ子 末黒野 201707
春風に誘はれて行く天満宮 廣田幸子 末黒野 201707
春風のまつはる遊行柳かな 阿久津勝利 万象 201707
春風や堂の柱のエンタシス 後藤眞由美 春燈 201707
春風の結ぶ生きとし生くるもの 宮崎洋 春燈 201707
春風や虚子の闘志を継ぎしビル同 大久保白村 ホトトギス 201708
春風や夫唱婦随の旅をして 亀井紀子 201708
春風や見えて登らぬ山ばかり 柴田佐知子 201709
春風や林の中の美術館 沼田巴ー字 京鹿子 201803
春風やペダル漕ぐ靴真新し 黒澤佳子 あを 201804
春風やもとより笑ふ羊の眼 山田六甲 六花 201804
春風や柵に預くる馬の首 河原敬子 201804

 祝・荒井ハルエ様

春風や一歩に里の力秘め

平沢恵子 春燈 201805
春風の竹林胎動はじめけり 柴崎英子 201805
春風や網を繕ひ沖を見ず 大沢美智子 201805
春風が螺旋階段あがり来る きくちきみえ やぶれ傘 201805
春風にギターを鳴らす男居て 神山市実 やぶれ傘 201806
子の声のして春風の河川敷 西村しげ子 雨月 201806
三門や春風駘蕩天に反る 松本鷹根 京鹿子 201806
人声の去り春風の軽さ知る 片山煕子 京鹿子 201806
春風やペタル漕ぐ靴真新し 黒澤佳子 あを 201805
春風にプラスチックの屋根が鳴る 出口誠 六花 201806
春風そよそよ梵字曼荼羅くねくね おーたえつこ 201806
春風の出で入る網を繕へり 南うみを 風土 201806
春風の生まるる道や鳥の声 小田嶋野笛 末黒野 201806
春風や初診の鍼を打ち終へて 長谷川はまゆう 末黒野 201806
春風やかくも小さき王の墳 柴田佐知子 201806
春風やむかし血を見ぬ時代劇 樋口みのぶ 201806
校門といふ春風の出入口 熊川暁子 201807
春風に投げ出す恋の放物線 三木亨 201807
両腕は翼春風の一輪車 角野良生 201809
春風と社交ダンスは二階です 中原幸子 船団 201809
人体に腰春風に曲がり角 藪ノ内君代 船団 201811
竹の春風の声聴く人知れず 中川のぼる 201811
信濃路の春風まとふ連袂碑 望月晴美 201901
補聴器のはや春風を捕へけり 平田初音 京鹿子 201901
春風をうけて翡翠の耳飾り 山田邦彦 201902
とがりつつゆるびつつ春風となる 今井肖子 ホトトギス 201903
春風を身近にしたる一忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
春風や午後は崩るるてふ予報 稲畑汀子 ホトトギス 201904
咲くものに散るものに春風の添ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201904
フラミンゴの頸いつせいに春風へ 浅田光代 風土 201904
春風や手押し車に背を丸め 長崎桂子 あを 201904
佳人の手春風纏ひつつ除幕 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
春風やこんぺい糖の量り売り 荒井ハルエ 春燈 201905
春風を呼ぶハーレーや県境 竹中一花 201905
春風のいたづらスカート押さへをる 荻布貢 201905
春風をまとひて歩む道新た 藤田美耶子 201905
春風にシンクロナイズする心 高橋将夫 201906
春風を切る二歳児のヘルメット 仲里貞義 201906
戸惑いは春風とくる変声期 つじあきこ 201906
春風 →4      

 

 

2021年4月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。