春一番 6       81句

春一番ひと文字にして大誤植   塚原哲   歳時記(講談社)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春一番橋の氷柱を落としけり 杉崎妙子 201905
山里は山里らしき春一番 広瀬弘 201905
助六の役者目を剥く春一番 島田万紀子 馬醉木 201906
春一番わたしの過去を擦り抜けて 平野多聞 201906
未知の扉を開けてあしたへ春一番 宇田篤子 京鹿子 201906
本日も記録更新春一番 厚芝唯菜 京鹿子 201906
春一番伊八の波を裏返す 小林共代 風土 201906
羽目外そう春一番が吹く日なら 日置游魚 201907
寝に帰るのみの栖よ春一番 秋津令 201909
春一番過ぎて明るくなりにけり 曽根富久恵 201909
佳人来る春一番を掻き分けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
身籠りし吾娘背を押す春一番 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002
正宗のやうな切り込み春一番 植村蘇星 京鹿子 202003
普請場のシートをめくる春一番 延川笙子 六花 202004
春一番建設クレーン伸びしまま 須賀敏子 あを 202004
春一番羽毛舞ふよに雲一つ 七郎衛門吉保 あを 202004
春一番絵馬カラカラと一の宮 高木邦雄 末黒野 202005
ハイヒールの音の乱れや春一番 前田美恵子 202005
予報士の指の引き寄す春一番 近藤喜子 202005
宙を舞ふ竿の干し物春一番 平田きみ 末黒野 202006
のら猫に出合ふ猫の日春一番 滋野暁 末黒野 202006
舫ひ舟軋みてをりぬ春一番 今村千年 末黒野 202006
春一番青の洞門吹き抜くる 苑実耶 202006
春一番メモ帳ちぎれ蝶となる 安田優歌 京鹿子 202006
新型のウイルス飛ばせ春一番 山咲和雄 末黒野 202006
武蔵野の病棟叩く春一番 本田武 やぶれ傘 202006
陶器市春一番が吹き抜ける 浅嶋肇 やぶれ傘 202006
春一番土手にふんばるショベルカー 大庭美智代 末黒野 202007
春一番送電塔が野の涯に 遠藤泉 202007
春一番沖ゆくタンカー南へ 小河原清江 梛の木 202007
縮みつつ春一番を待つ都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
春一番雄ライオンの猫なで声 大日向幸江 あを 202103
籠りゐて春一番のお客さま 中田禎子 202104
知らぬ間に昨日だと聞く春一番 秋川泉 あを 202104
春一番わが家の庭にいつ吹きし 田中藤穂 あを 202104
春一番鐘撞堂を唸らせて 片山博介 春燈 202105
春一番「素粒子」欄に真砂女の句 間島あきら 風土 202105
稲荷社の狐動ぜず春一番 岡野里子 末黒野 202105
籠り居や枝折戸叩く春一番 今村千年 末黒野 202105
籠居に春一番の来たりけり 秋山文子 末黒野 202105
刀剣に龍の彫りもの春一番 山岡純子 202105
ウオーキング春一番を背に受けて 枝みや子 やぶれ傘 202105
春一番竜の鱗を野に残す 四辻進 京鹿子 202106
春一番吊り橋揺れて長くなる 秋千晴 202107
東京の春一番を発ちて旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
西の旅春一番に背を押され 稲畑廣太郎 ホトトギス 202202
春一番写経の筆の湿りがち 増成粟人 202204
玻璃戸まで春一番のこゑとどき 小林共代 風土 202204
春一番時計がはりのローカル線 和田絢子 春燈 202205
春一番船首たゆたふ坂越浦 清水まり 春燈 202205
春一番まなじり赤きドーベルマン 七田文子 202205
春一番胸の扉を叩きすぐ 川田好子 風土 202205
掻き曇り髪逆しまに春一番 長崎桂子 あを 202205
突然に羽音反転春一番 楠本和弘 202206
春一番日は全円に磨かるる 間島あきら 風土 202206
高架橋ハンドル揺らす春一番 三浦信行 202206
三味線の切るる二の糸春一番 梅野宏子 末黒野 202206
春一番上着の襟のはためきぬ 木村純子 末黒野 202206
予防接種に連なる列や春一番 平野秀子 末黒野 202206
太郎賞の現代アート春一番 滋野暁 やぶれ傘 202207
膝にゐる仔犬の寝息春一番 畑田久美子 202210
ループ橋斜交ひに吹く春一番 塙誠一郎 家系図 202211
神木を振り乱したる春一番 森田明成空 202211
春一番思ひもよらぬ所から 小川龍雄 ホトトギス 202212
久々に吉報のあり春一番 草場つくし 六花 202305
春一番路地の花壇のつつかえ棒 延川笙子 六花 202305
春一番洗濯物が踊りだす 伊藤洗楓 春燈 202305
春一番旅の決意は突として 吉原世都子 春燈 202306
春一番大空泳ぐ縞のシャツ 加藤タミ 末黒野 202304
江の島へ波濤頻りや春一番 伊藤美緒 末黒野 202304
猿芸の客寄せ太鼓春一番 岡野里子 末黒野 202306
怪物めく窓の八ッ手や春一番 菅野日出子 末黒野 202306
夜を駆くる春一番や一人膳 市川夏子 末黒野 202306
春一番波三角に尖らせて 喜田君江 末黒野 202306
プレリュード雨戸を揺らす春一番 森川享 末黒野 202306
先頭を行く雄叫びや春一番 鷺山珀眉 京鹿子 202306
妙齢の現場監督春一番 竹内文夫 やぶれ傘 202306
掌のごとき棕櫚の葉春一番 萩原渓人 やぶれ傘 202306
校庭に春一番と子らの声 湯本正友 やぶれ傘 202306
春一番二番は嫌と言ふ娘 政時英華 京鹿子 202308
春一番→ 1

 

 

2024年3月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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