羽抜鶏 3       125句

己が羽の抜けしを啣へ羽抜鶏  高浜虚子  五百五十句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鬨の声あげて躓き羽抜鶏 矢口笑子 春燈 201108
走り根にくちばし拭う羽抜鳥 蓮尾みどり ぐろっけ 201108
羽抜鳥鳴き羽抜鳥驚かす 蓮尾みどり ぐろっけ 201108
鳩一羽見ぬ神苑の羽抜鳥 蓮尾みどり ぐろっけ 201108
人馴れてわがものがおの羽抜鳥 蓮尾みどり ぐろっけ 201108
止まりては首立て直す羽抜鶏 阪本哲弘 201109
羽抜鶏一羽遅れて急ぎけり 見田英子 春燈 201109
突つ走る強気の構へ羽抜鶏 中野さき江 春燈 201109
羽抜鳥風のあはひに身を細め 川崎真樹子 春燈 201109
柵越えて激走となる羽抜鶏 中村恭子 201109
羽抜鶏夕日まとひてをりにけり 大場ましら 201109
羽抜鶏浮力を得むと駈け出せり 松井志津子 201109
アンカーのごとく走れり羽抜鶏 浅沼久男 201109
とある日の山寺にゐる羽抜鶏 西村純太 201109
羽抜鶏陽に染む鶏冠持ちあぐね 鎌倉喜久恵 あを 201109
羽抜鶏いつもと同じ庭闊歩 中山静枝 201110
喉ぶくろ夕日に透ける羽抜鶏 久染康子 201110
羽抜鳥この世まだまだ面白き 佐野ときは 201110
羽抜鶏駆込寺を素通りす 池田華甲 201110
羽抜鳥すでに和毛の生え初めて 蓮尾みどり ぐろっけ 201110
ひげ剃つてどこへも行かず羽抜鶏 涼野海音 火星 201110
羽抜鶏とさかの色のやや褪せて 柴田志津子 201111
一の宮のとさか重たき羽抜鶏 松田明子 201202
重なれば沈むばかりぞ羽抜鴨 竹内弘子 あを 201207
人声に首のばし寄る羽抜鶏 小山繁子 春燈 201208
黄昏の肩の尖りや羽抜軍鶏 大湾宗弘 万象 201208
羽抜鳥羽ばたく力みなぎらす 山田六甲 六花 201208
売られたる喧嘩買ひたり羽抜鶏 コ田千鶴子 馬醉木 201209
立ちしまま目をつむりをり羽抜鶏 北崎展江 くりから 201209
羽抜鶏わかき夫婦に飼はれをり 北崎展江 くりから 201209
目つむりて瞼の白き羽抜鶏 北崎展江 くりから 201209
庫裡の縁わがもの顔に羽抜鶏 岡田満喜子 ぐろっけ 201209
哀しくて笑い出したき羽抜鳥 貝森光洋 六花 201209
いつからかあきらめ上手に羽抜鳥 山田正子 201210
不借身命泣くにも泣けぬ羽抜鳥 大島翠木 201210
羽抜けて籠の鳥どち衣更 古井公代 ぐろっけ 201210
羽抜鶏ひとりぽつちの円舞曲 中村恭子 201210
羽抜鶏ノーベル作家の風貌よ 古井公代 ぐろっけ 201211
羽抜鶏頸を絞めよと身を反らす 柴田佐知子 201210
羽抜鳥走り根に又つまづきて 松林順子 雨月 201301
恐竜の面影残る羽抜鳥 高橋将夫 201310
時つくる声とはならず羽抜鶏 松本三千夫 末黒野 201310
夕暮の影を曳きたる羽抜鶏 樋口みのぶ 201310
神官の影を踏みゆく羽抜鳥 渡辺数子 火星 201309
木洩れ日をつつく外なし羽抜鳥 渡辺数子 火星 201309
爪立ちて昼月仰ぐ羽抜鳥 西村節子 火星 201309
おはやうのこゑかけられし羽抜鶏 西畑敦子 火星 201309
垣越しに吃々あゆむ羽抜鶏 西畑敦子 火星 201309
羽抜鶏誰彼なしに飛びかかる 宮井知英 201404
羽抜鶏総身に赫のまはりたる 柴田佐知子 201407
影ふみの影をよこぎる羽抜鶏 根本ひろ子 火星 201408
羽抜鶏抱きし温さの手にのこる 河前隆三 馬醉木 201408
羽抜鳥今更焦ることもなし 岩月優美子 201408
親分のごとき一羽も羽抜鶏 菊川俊朗 201409
放たれて土をよろこぶ羽抜鶏 森山暁湖 万象 201409
羽抜鶏おのれの影に怯えたり 阪上多恵子 雨月 201409
羽抜鶏威嚇に広ぐ脇白し 久染康子 201409
羽抜鳥影に怯へてすつとびぬ 村田岳洋 ろんど 201409
闘魂の声をしぼりて羽抜鶏 下平しづ子 雨月 201410
羽抜鶏とさかの重く暮れゆける 下平しづ子 雨月 201410
羽抜鶏やがて虚ろに走り出す 水野恒彦 201410
羽抜鳥望洋の眼を細めけり 小嶋恵美 春燈 201410
老兵の歩幅で歩く羽抜鶏 松田都青 京鹿子 201411
羽抜鶏が跨いでいつた水の話 堀内一郎 堀内一郎集 201412
羽抜鶏家を選ばず人えらぶ 堀内一郎 堀内一郎集 201412
来し方は風音ばかり羽抜鶏 堀内一郎 堀内一郎集 201412
羽繕ふことも習はし羽抜鶏 天野みゆき 風土 201506
首振つておのが影追ふ羽抜鶏 木村ふく 馬醉木 201507
わりなくて笑ひこけゐし羽抜鳥 箕輪カオル 201508
考へる我を一瞥羽抜鶏 羽根嘉津 201508
羽抜鶏はらばへをりてこゑ高し 齋藤厚子 201509
羽繕ひいよよ入念羽抜鶏 坂場章子 201509
羽抜鶏盗人歩きに小屋を出る 深川淑枝 201510
羽抜鶏一目散といふことも 竹内タカミ 201510
若冲に大見得を切る羽抜鶏 相良牧人 201511
裏口に不在の木札羽抜鶏 浜福恵 風土 201608
羽抜鶏三男坊によく懐き 広渡敬雄 201608
羽抜鳥天にはばたき憂きことなし 柴田靖子 201608
羽抜鶏大阪弁は嫌ひなり 森岡正作 201609
威丈高とは子を守る羽抜鳥 七田文子 201609
浜風の音に見構へ羽抜鳥 黒滝志麻子 末黒野 201609
羽抜軍鶏びた一文も出さぬなり 中川句寿夫 あを 201609
とことこと来てとこと立つ羽抜鶏 大崎紀夫 やぶれ傘 201609
古傷の顕となりし羽抜鶏 石橋幾代 201610
遥かまで飛び立つ構へ羽抜鶏 風間史子 201610
目でものを言ふとは羽抜鶏のこと 佐々木秀子 201610
羽抜鶏一羽となりて更に鳴く 宮井知英 201611
羽抜鶏鏡の前を素通りす 宮沢治子 春燈 201611
すつぴんで過ごすひと日や羽抜け鳥 有賀昌子 やぶれ傘 201612
おふくろの声に蹤きゆく羽抜鳥 戸栗末廣 201612
羽抜鶏神も仏もなく平和 火箱ひろ 船団 201702
恐竜の面影残る羽抜鳥 高橋将夫 蜷の道 201703
段取りを考へてをり羽抜鶏 中川句寿夫 ここのもん 201705
羽抜鶏つんぼ爺で通すかな 中川句寿夫 ここのもん 201705
長老と呼ばれて羽抜鶏とゐる 中川句寿夫 ここのもん 201705
けふ留守にすること羽抜鶏にいふ 中川句寿夫 ここのもん 201705
羽抜鶏こころ変りを訝かしむ 中川句寿夫 ここのもん 201705
羽抜鳥びた一文も出さぬなり 中川句寿夫 ここのもん 201705
羽抜鶏跳ぶや羽けぶりなんぞ立て 平子公一 馬醉木 201708
土間敷を下見に来たる羽抜鶏 千田百里 201709
羽抜鶏跳んで四五歩を省略す 森岡正作 201709
山寺や遊び暮して羽抜鶏 柴田佐知子 201709
走りだし赫くなりたる羽抜鶏 柴田志津子 201709
羽抜鶏犬に追はれて羽落す 山内碧 201709
境内に羽脱ぎ散らし羽抜鶏 松田明子 201709
羽抜鶏青筋たてて躙り寄る 山口ひろよ 201710
授業中とも知らで鳴く羽抜鳥 箕輪カオル 201710
羽抜鶏百の言葉の空しくて 寺田すず江 201710
羽抜鶏媚び歩きして島の寺 和田照海 京鹿子 201710
池の面の己に怯む羽抜鶏 佐藤喬風 末黒野 201710
身じろぎもせぬ羽抜鶏くくみ鳴く 富永小谷 馬醉木 201808
怒り癖ついてしまひぬ羽抜鶏 吉田葎 201808
羽抜鶏浜の家からおろおろと 辻水音 201809
何百里お国離れて羽抜鳥 定梶じょう あを 201809
羽抜鶏威厳正しき姿なり 江見巌 六花 201810
羽抜鶏同じ所で折り返す 高倉和子 201811
夜も鳴いてもてあまさるる羽抜鶏 柴田志津子 201811
羽抜鶏木影の大地掻き廻す 上辻蒼人 風土 201811
ふくよかにとさか燃えゐて羽抜鶏 住田千代子 六花 201812
まばたきを忘れてしづか羽抜鶏 藤生不二男 六花 201909
角張つてゐるほかはなし羽抜鶏 近藤喜子 201909
吊られたる鶏の真下を羽抜鶏 広渡敬雄 201909
水の飲んで羽搏をして羽抜鶏 土井三乙 風土 201912
ぎらぎらの日向を走る羽抜鶏 石橋幾代 202003
羽抜鶏昂然と時告げにけり 小張志げ 春燈 202009
羽抜鶏段差に声を掛けらるる 吉清和代 202009
にはとりの喧嘩どちらも羽抜鶏 石橋幾代 202102
また一羽縁側にくる羽抜鳥 佐藤喬風 末黒野 202104
病んで知る子の有難さ羽抜鳥 菅野日出子 末黒野 202109
羽抜鶏吾の気配に走り来ぬ 和田慈子 末黒野 202109
ひと声のあと身震ひの羽抜鶏 浅田光代 風土 202109
文弱の駆けてドン・マイ羽抜鶏 安藤しおん 202110
胸張つて威を張る声や羽抜鶏 岡野里子 末黒野 202111
羽抜鶏立派に時を告げにけり 岩田公次 ホトトギス 202112
羽抜鳥→ 1

 

2022年8月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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