羽抜鶏 1        113

道路ほど寂しきは無し羽抜鶏   永田耕衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
いつの間に身軽に走る羽抜鶏 稲畑汀子 ホトトギス 199806
羽抜鳥己が影にも躓けり 小林信江 199810
ゆゑあって羽抜鶏してをり候 竹村悦子 銀化 199810
羽抜どり発声練習してをりぬ 森景ともね 船団 199811
これ以上捨つるもの無し羽抜鶏 金藤優子 199811
抱きやれば魚の如き羽抜鶏 深澤鱶 ヒッポ千番地 199905
羽抜鷄シャルウイダンスと声かけて 佐々木峻 ヒッポ千番地 199905
又犬に追はれてしまふ羽脱鳥 稲畑汀子 ホトトギス 199906
水浴びもして羽脱鳥去らぬ庭 稲畑汀子 ホトトギス 199906
身軽ともたよりなげとも羽脱鳥 稲畑汀子 ホトトギス 199906
つんのめる母つんのめる羽抜鶏 岡崎るり子 銀化 199907
熱さものこみあげてをり羽抜鳥 山野みどり 銀化 199908
時なしの刻告ぐ声の羽抜鶏 中村祭生 ぐろっけ 199908
路地狭くして人と住み羽抜鶏 鷹羽狩行 199908
嘴でおのが羽抜く羽抜鶏 仲村青彦 199908
羽抜鶏ととと丸太を走りけり 工藤義夫 馬醉木 199908
餌もらふときも孤高の羽抜鶏 柿沼盟子 風土 199909
軍鶏一羽われ関せずと羽抜けたり 窪田佳津子 雨月 199909
羽抜鶏鳴く裏山に百の墳 今井妙子 雨月 199909
羽抜鶏呆けまなこに雷きざす 立澤清 馬醉木 199909
夕さりは赫きものにて羽抜鶴 緒方敬 199910
羽抜鶏前世は業平朝臣なり 三橋泥太 遠嶺 199910
放課後の校門くぐる羽抜鶏 関根洋子 風土 199911
飼ひ主にさへ逃げ腰の羽抜鶏 木戸浦衣江 199911
飯もらふときも孤高の羽抜鳥 柿沼盟子 風土 200001
羽抜鶏羽抜けならぬが寄せつけず 田中藤穂 「水瓶座」 200002
羽抜鳥の怯えみてゐる怯えかな 田中藤穂 「水瓶座」 200002
籠中の貰ひ手さがす羽抜鶏 飯塚ゑ子 火星 200007
羽抜鶏黙殺といふ別れ方 中尾杏子 200008
踏切を渡りきつたる羽抜鶏 中村洋子 風土 200008
羽抜鶏べたべた西日ぬけられず 神蔵器 風土 200008
大久保の彦左飛びのく羽抜鳥 鶴目鯛遊子 六花 200009
横書きの返事縦書き羽抜鶏 関根洋子 風土 200009
癌かしらひとりつぶやく羽抜鶏 保坂加津夫 いろり 200009
縁談のあるとも思へず羽抜鳥 貝森光大 六花 200009
下闇の闇をぬぐはず羽抜鳥 原徹 銀化 200009
祝ぎごとの人の出で入り羽抜鶏 山尾玉藻 火星 200009
羽抜鶏一番先にかけ出しぬ 川井政子 風土 200009
羽抜鶏の走つてをりぬ瓶原 西田美智子 200009
軒端にどくだみ垂るる羽抜鶏 津田経子 火星 200010
結論の出るはずは無し羽抜鳥 保坂加津夫 いろり 200010
争つてあとは目つむる羽抜鶏 久崎富美子 200010
人垣よりのぞく孔雀も羽抜鳥 古井君枝 ぐろっけ 200011
肩書のとれて翔べさう羽抜鳥 利根川博 銀化 200011
裏声の地声に近き羽抜鳥 森景ともね 船団 200011
雑言という臓みえる羽抜鶏 丹生千賀 海程 200011
神官のあとついて行く羽抜鶏 戸田春月 「光陰」 200012
わたつみやへろへろへろと羽抜鶏 男波弘志 200012
羽抜鶏交響曲を聞いている 岩佐光雄 海程 200012
慰めの言葉は無用羽抜鶴 大島ウメ 六花 200012
羽抜鶏かなり神経使うなり 吉田さかえ 海程 200012
長鳴きのとさか噴き出し羽抜鶏 松永典子 船団 200102
風の出て風にもおびえ羽抜鶏 重松早由未 200102
自裁する気などさらさら羽抜鶏 深澤鱶 火星 200103
四丁目十番九号羽抜鶏 松山律子 六花 200108
水を呑む喉元透けて羽抜鶏 多田鬼堂 200108
羽抜鳥護符売る巫女に近寄りぬ 石塚ユリ 春耕 200108
幼稚園の端から端へ羽抜鶏 大山文子 火星 200108
司祭館よりとび出して羽抜鶏 岬雪夫 200109
羽抜鶏とさか阿弥陀にかぶりたる 村上喜代子 百鳥 200109
羽抜鶏那須野の闇になりすます 大串章 百鳥 200109
羽抜鳥恍惚として居座れり 保坂加津夫 いろり 200110
羽抜軍鶏唐丸籠に憩ひをる 田中峰雪 雨月 200110
背伸びして二十秒謡ふ羽抜鶏 鈴木石花 風土 200110
出会ひ頭いきなり棒立ちの羽抜鶏 吉田明 200110
落武者の如くうろつき羽抜軍鶏 田中峰雪 雨月 200110
羽抜鶏友病みしとふ自愛せよ 中西道子 百鳥 200110
校庭に一声放つ羽抜鶏 二瓶洋子 六花 200111
頸のばし裏声あぐる羽抜鶏 西村しげ子 雨月 200111
羽抜鶏秋篠寺を闊歩せり 安養寺美人 200112
闘争心見す羽抜鶏そぞろ寒 久保晴子 雨月 200201
羽抜鶏縁の下までもぐり込み 高木伸宜 船団 200202
禁煙の今日で十日目羽抜鶏 中村房枝 六花 200205
疎外感味はつてゐる羽抜鶏 栢森定男 あを 200207
ガジュマルに沈む高倉羽抜鶏 和田ゑい子 馬醉木 200207
見ひらきて鳴く一とこゑの羽抜鶏 中谷葉留 風土 200208
羽抜鶏参詣人に午を告ぐ 岡田章子 ぐろっけ 200209
羽抜鶏道づれ旅の一と泊り 宇都宮滴水 京鹿子 200209
人の目をおどろしがりて羽抜鶏 大西正栄 雨月 200209
風なくば風おこしけり羽抜鶏 土屋酔月 火星 200209
乞食人ほがびとの裾にすり寄る羽抜鷄 荻野千枝 京鹿子 200209
めりはりの張り強うせな羽抜鶏 八條凛子 銀化 200209
孔雀見て己が影見る羽抜鶏 田中峰雪 雨月 200209
羽抜鳥翳を落とせば疎まるる 荻野千枝 京鹿子 200209
羽抜鶏これから先を躓いて 直江裕子 京鹿子 200209
羽抜鶏脛飄々の高歩き 岡淑子 雨月 200210
羽抜鶏突っかかり来る怒り肩 鎌田篤 雨月 200210
ジヤンケンのちよきに転げる羽抜鶏 木山杏理 京鹿子 200210
神木に抱かれてをりし羽抜鶏 柴田久子 風土 200211
羽抜鶏追はれし怒り持ち歩む 寺田千代子 京鹿子 200211
土蹴つて威を正しけり羽抜鶏 大沼眞 200211
羽抜鶏声の醜さ増しにけり 下平しづ子 雨月 200211
ありんすと卵差し出す羽抜鶏 佐藤喜孝 青寫眞 200304
羽抜鶏風からまれば走り出す 後藤志づ あを 200308
向きを変へ翼乾かす羽抜の鵜 篠田純子 あを 200308
途中からかへてみたくて羽抜鶏 吉弘恭子 あを 200308
早朝の客にあわてる羽抜鶏 斉藤静枝 あを 200308
放たれて山門にらむ羽抜鶏 鎌倉喜久恵 あを 200308
屈託をつくろう羽撃き羽抜鶏 関口ゆき あを 200308
法悦の雨の中なる羽抜鶏 鎌倉喜久恵 あを 200308
脚二本踏みしめて立つ羽抜鶏 竹内弘子 あを 200308
少しだけ羽搏いてみる羽抜鶏 赤星惠子 あを 200308
老い送る用意の日日の羽抜鶏 東亜未 あを 200308
微調整利かぬ左手羽抜鶏 赤座典子 あを 200308
いきり立つ眼もて走れり羽抜鶏 大橋敦子 雨月 200308
羽抜鶏いつも素直になれなくて 篠田純子 あを 200308
羽抜鳥の後より庫裡を通り抜け 大森美恵 風土 200308
羽抜鶏径せまければ隠れ里 堀内一郎 あを 200308
引越しの荷に加へられ羽抜鶏 徳丸峻二 風土 200308
羽抜鶏尻をふりふり甘え寄る 鈴木多枝子 あを 200308
羽抜鶏己が醜さ知らで啼く 下平しづ子 雨月 200308
羽抜鶏うごきとまらぬ喉仏 吉弘恭子 あを 200308
羽抜鶏おびえるなおびえるな 田中藤穂 あを 200308
羽抜鳥→2      

 

2020年7月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。