花の雨 2     120句

おもひ川渡れば叉も花の雨    高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
綾取りの梯子の出来ず花の雨 竹中昭子 百鳥 200506
伶人の笙温むる花の雨 園多佳女 雨月 200506
花の雨鴉は嘴をもてあまし 寺門丈明 あを 200506
大僧正翳す大傘花の雨 森山のりこ あを 200506
花の雨上がる蚯蚓のいくところ 吉弘恭子 あを 200506
しつけ糸抜くも抜かぬも花の雨 濱田萬里子 河鹿 200507
観音の薄衣ぬらす花の雨 高原純徳 河鹿 200507
花の雨カメラで狙ふひと雫 鎮田紅絲 200507
留守宅は震度五に遭ふ花の雨 三輪慶子 ぐろっけ 200507
せきとめし巡査と濡るる花の雨 中村汀女 200507
見上ぐれば身に降りかかる花の雨 兼子栄子 酸漿 200507
花の雨手ごころ加へたまへかし 山田夏子 雨月 200507
目撃者捜す看板花の雨 杉江美枝 百鳥 200507
表札は三業組合花の雨 村上葉子 百鳥 200507
悪人のままに往生花の雨 大高芭瑠子 炎夏 200507
消燈に闇やはらかき花の雨 高木杏子 馬醉木 200508
骨董の壺ふくよかに花の雨 伊藤雅子 200508
水湛へ湖静もれり花の雨 君島栄子 酸漿 200508
宮城をにはかに隠し花の雨 松井洋子 ぐろっけ 200508
点眼の一滴花の雨冷ゆる 葛馬房夫 雨月 200508
陶工の筆こまやかに花の雨 三好かほる 万象 200509
花の雨鴎のつばさゆきかへり 瀧春一 菜園 200509
ひと日居て初島はしまを見ざり花の雨 瀧春一 菜園 200509
花の雨勇士の遺影濡れて通る 瀧春一 菜園 200509
祝ぎ心沈めたるより花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200604
わたくしの壊れる音か花の雨 ことり 六花 200605
流し目のやうな筆跡花の雨 ことり 六花 200605
軒下のしばしもよけれ花の雨 林翔 馬醉木 200606
亡き人に叙勲報さむ花の雨 市ヶ谷洋子 馬醉木 200606
明日館学舎やことに花の雨 鈴木榮子 春燈 200606
花の雨をみな優しき眼もつ 清水公治 200606
唐草の風呂敷包み花の雨 安田青葉 対岸 200606
業平橋傘に音なき花の雨 名取袿子 200607
花の雨檻のライオン欠伸継ぐ 沼口蓬風 河鹿 200607
花の雨キリンの首を滑り落つ 森永敏子 河鹿 200607
階にぼんぼり寝かす花の雨 山田美恵子 火星 200607
墓塚も陵もまた花の雨 西畑敦子 火星 200607
途中まで相傘頼む花の雨 中村碧泉 ぐろっけ 200607
花の雨明日は入学式なりぬ 霜嵜恵美子 六花 200607
花の雨孔雀高みに止まりをり 大山文子 火星 200609
み吉野の逢魔が時や花の雨 佐土井智津子 ホトトギス 200610
滝壺に降り込む合歓の花の雨 浜口高子 火星 200610
花の雨会へずじまひの紅を拭く 樋口みのぶ 200611
北を向く後醍醐帝に花の雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
盛りには旅にありしと花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
一日で咲き進みたる花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
止みさうに止みさうに又花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
太陽の所在のありし花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
水底の魚にとほるや花の雨 百瀬七生子 海光 200705
花の雨先づ竹幹に走りけり 林翔 200705
花の雨城下の町の鍵曲り 名取袿子 200706
太閤の数寄屋も荒れて花の雨 大井邦子 ぐろっけ 200706
焦げ深き仏身坐せり花の雨 山田美恵子 火星 200706
馬車まはし一巡したり花の雨 岡和絵 火星 200706
占ひを立ち読みしをり花の雨 藤田素子 火星 200706
お干菓子で荼毘の順待つ花の雨 荒井千佐代 200706
窓を入るのこんのさむさ花の雨 瀧春一 200706
大天狗置かれありけり花の雨 石脇みはる 200707
花の雨勧請縄の竜頭めく 須賀遊子 200707
空いつか岳の消えゆく花の雨 永見嘉敏 酸漿 200707
鳥たちの帰りし後の花の雨 平島利男 酸漿 200707
笠地蔵むらさきけむる花の雨 花島みゆき 八千草 200710
花の雨ひときは目立つコック帽 中島玉五郎 200805
洗礼名墓誌の真中に花の雨 能村研三 200805
すれ違ふ善意いくばく花の雨 渕上千津 200806
花の雨都電大きく力ーブして 服部早苗 200806
豆の茎しつかりと立ち花の雨 吉沢陽子 200806
「土蜘蛛」の出でてつのれり花の雨 大竹淑子 風土 200806
故郷は二日続きの花の雨 中村阪子 万象 200806
朝日射す杏の花の雨雫 大西裕 酸漿 200806
花の雨会はねば母の老ゆるかな 柴崎英子 絹の波 200806
神棚にのせる祝儀や花の雨 中田みなみ 200806
花の雨父の温顔遺りけり 杉山哲也 馬醉木 200807
花の雨女人高野の釈迦如来 近藤きくえ 200807
魚影また群れを解きつつ花の雨 成田美代 200807
酒糟を焼いてゐる香や花の雨 浜口高子 火星 200807
目つむりてふくるる鳩や花の雨 垣岡暎子 火星 200807
宮内庁楽部に参づ花の雨 林いづみ 風土 200807
貝塚に混じる人骨花の雨 馬崎千恵子 春燈 200807
爛漫のうたげを昨日に花の雨 溝内健乃 雨月 200807
黒々と幹を流るる花の雨 田所洋子 雨月 200807
花の雨久に螺子巻くオルゴール 大西和子 ぐろっけ 200807
宵の街ほつほつ濡らす花の雨 今井千鶴子 ホトトギス 200808
つのりつつ夜に入りけり花の雨 島谷征良 風土 200808
花の雨堂守鍵を鳴らし来る 岩岡中正 ホトトギス 200809
武士の又一人逝く花の雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
花の雨美保の神事に立ち合へり 渡辺玄子 酸漿 200812
降られてもよかりし帰路よ花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200904
花の雨個体認証キー取得 西川火尖 炎環 200905
花の雨華やかなりし傘の列 中川すみ子 200906
花の雨回転ドアの茶房かな 本田修子 炎環 200906
顔に出る答のひとつ花の雨 竹内美穂 炎環 200906
稿つつむ絹の風呂敷花の雨 藤原はる美 200907
乗り継いで来て鎌倉の花の雨 北畠明子 ぐろっけ 200907
濃姫の眼差しに降る花の雨 恒川とも子 200907
花の雨浚渫船の碇泊灯 國保八江 やぶれ傘 200907
受け入れるそれだけのこと花の雨 三木千代 200909
花の雨傘よせてをんな逃しけり 鈴木榮子 春燈 201004
醒めていく酔にも似たり花の雨 徳田千鶴子 馬醉木 201005
花の雨貨車はいつもと違ふ音 小澤菜美 201006
花の雨地デジで花見してゐたり 仁平則子 201006
丈六と濡れてまんだら花の雨 西村純太 201006
花の雨うだつの町に小半日 代田青鳥 風土 201006
天平のほとけ招きし花の雨 土居通子 ろんど 201006
花の雨眠くなるまで本読みて 芝尚子 あを 201006
愚図々々と決まらぬ会議花の雨 田中藤穂 あを 201006
図書館の堅き木の椅子花の雨 木村茂登子 あを 201006
初瀬寺はせでらの長き回廊花の雨 杉山弥生 末黒野 201007
花の雨古木のやうな象の膚 千田百里 201007
閘門の塔高々と花の雨 田伏博子 ろんど 201007
花の雨赤き房ある絵解き棒 城孝子 火星 201007
にはたづみをあまた残せり花の雨 伊勢きみこ 火星 201007
俤の疾く流れよと花の雨 静寿美子 ぐろっけ 201007
病棟の窓に眺むる花の雨 川島澄子 酸漿 201007
花の雨ジャズを原語で口ずさむ 靜寿美子 ぐろっけ 201008
被爆せし友の訃報や花の雨 家塚洋子 酸奬 201008
バス停にバス待つ午後の花の雨 國保八江 やぶれ傘 201008
触るる手のあたたかきかな花の雨 薫芳 酸奬 201011
渡海僧の墓地ぬかるみて花の雨 尾崎みつ子 雨月 201101
花の雨→ 3      

 

 

2021年4月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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