花 野 8   115句

療養の布團を背負ひ花野ゆく    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
耳すます夫にならひし花野かな 長田曄子 火星 200712
花野きし一筋道の森へ入る 田中藤穂 あを 200712
夕映の花野は海へなだれたる 糸井芳子 200712
酔ふごとく花野と声にしてゐたり 青木朋子 200712
カウベルの響く花野や氷河見ゆ 金山藤之助 200801
手拍子のヒート花野のコンサート 中山勢都子 200801
虚子と会ひ風生とあふ花野かな 中杉隆世 ホトトギス 200801
花野から飛鳥の底の石舞台 稲岡長 ホトトギス 200801
ただひとり花野に立てる女かな 中杉隆世 ホトトギス 200801
少年も老女もリュック大花野 山岸治子 馬醉木 200801
吾が夢をこぼししあとの花野かな 戸村よねこ 遠嶺 200801
新しき翼を求め花野道 山田怜子 遠嶺 200801
大花野きて風狂の一詩人 井内佳代子 遠嶺 200801
瑠璃色の沼従へて大花野 飯塚洋 遠嶺 200801
ゆつくりと貨車の牛ゆく花野かな 青木康明 200801
橋架けて一枚となる大花野 長田等 200801
花野ゆくときどき蝶となる子らと 高橋邦夫 風土 200801
しばらくは花野に雲のとどまれる 外川玲子 風土 200801
吾亦紅高く吹かるる花野かな 手島南天 万象 200801
それぞれの声のつながる夕花野 小林正史 200801
硫気吐く白根山の裾の花野かな 岡田章子 ぐろっけ 200801
被災地の花野ととのひつつありし 安原葉 ホトトギス 200802
いつ来てもどこかに風のあり花野 嶋田一歩 ホトトギス 200802
灯台の白を花野の果とせる 山田弘子 ホトトギス 200802
二百号からが本番大花野 高橋将夫 200802
ユニバーサルの切手買うたり花野ゆき 椿和枝 200802
宿題を忘れ花野を引き返す 大空純子 ぐろっけ 200802
お下げ髪解き放される花野揺れ 静寿美子 ぐろっけ 200802
大花野ひとは光をこぼしつつ 木内憲子 200802
薄茶一服ふかぶか花野の息を吸ふ 渡邉友七 あを 200802
遠ければ花野にしづむ遊女塚 山田美恵子 火星 200803
花野より大花野へと馬の貌 山田美恵子 火星 200803
上りきて異国の花野十二月 中村輝子 酸漿 200803
花野から花野へ木橋渡りけり 内山花葉 200803
一望の花野に得たる自由席 峯桜子 遠嶺 200806
大花野こころに少し波欲しき 柴崎英子 絹の波 200806
名優の花野明りに逝く朝 林友次郎 天帝 200806
ここも又花野ととのひつつありぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200808
崩壊の跡とや花野なせりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200808
野ねずみの巣穴を出でし花野かな 中田禎子 200808
雨傘の色も加へて大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809
どこまでも花野といへば言へさうに 稲畑汀子 ホトトギス 200809
花野行くときには紛れ草の丈 稲畑汀子 ホトトギス 200809
ふみ込みて花野の歩幅ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200809
書割のごとき山なみ大花野 小林呼渓 200809
入口も出口も忘れ大花野 竹貫示虹 京鹿子 200809
をみなこそ花野にふさはしかりにけれ ことり 六花 200809
女人ひとり俄に消えし花野かな 勝原文夫 ペン皿 200811
浅間八ヶ岳晴れ渡りたり大花野 水原春郎 馬醉木 200811
あきらめぬ事の大事さ花野風 築城京 馬醉木 200811
花野ゆく木道や馬に占められて 渡会昌広 馬醉木 200811
神主のづかづか入る花野かな 小林朱夏 200811
石置いて起点となしぬわが花野 伊藤白潮 200811
大花野少年ひとり風を待つ 森理和 あを 200811
絨緞てふ花野の端を踏みにけり 池元道雄 馬醉木 200812
花野道みほとけ愁訴きき給ふ 荒井書子 馬醉木 200812
屈託の風に解けて夕花野 石本百合子 馬醉木 200812
魂の休暇いちにち大花野 泉田秋硯 200812
波打つてホテルヘ尽くる花野かな 安達実生子 200812
口ずさむ詩ありて行く花野道 山田春好 200812
囃されてみどり児一歩大花野 田麦かつ江 200812
花野中廃線のあと無人駅 吉岡一三 200812
行列のスイーツ工房花野晴 小澤菜美 200812
ずぶ濡れとならば走らず大花野 鈴木梨枝子 炎環 200812
花野めく色濃き紙の白頭悲詩 小澤克己 遠嶺 200812
どこまでも追ひかくる夢大花野 山田富朗 遠嶺 200812
花野原心弾ませ歩みけり 半田卓郎 遠嶺 200812
コミュニテイバスに揺れ行く花野かな 鈴木阿久 200812
花野人さつさと去んでしまひけり 小形さとる 200812
花野てふ死を思はする虚空あり 西村純太 200812
花野ゆく牛のあゆみのふたりかな 中野京子 200812
伊吹嶺の雲の影来る花野かな 落合由季女 雨月 200812
熱気球花野に熱き息放つ 滝川あい子 雨月 200812
知床の岬の見ゆる花野かな 米原秋城 雨月 200812
行く雲や大につながる花野道 峰幸子 200812
大花野思考回路のぷつつんと くらたけん 200812
たましひのすきとほるまで花野ゆく 稲葉ちよこ 風土 200812
道草と云はれ花野に深く入る 井上美智子 風土 200812
花野来て花の匂ひに疲れけり 岸はじめ ぐろっけ 200812
古窯まで花野の人となりにけり 中条さゆり 200812
雲のほか何も動かず夕花野 岡田貞峰 馬醉木 200901
子ら乗せて汽笛尾を引く花野かな 鈴木漱玉 馬醉木 200901
夕花野抜けきし人語低きかな 水野恒彦 200901
大花野空の吐息の白い雲 中野京子 200901
花野にて笑ひ声して父の肩 松原仲子 200901
六方を踏んで花野に入りゆけり 岡本高明 船団 200901
遊行者となりきれぬ身の花野かな 岩淵彰 遠嶺 200901
夕花野一番星は海に現る 森竹昭夫 遠嶺 200901
小流れを跳んで花野の一歩かな 松野睦子 遠嶺 200901
吾もまた小舟なりしや花野ゆく 松野睦子 遠嶺 200901
砂時計三分間の花野かな 榊原風伯 炎環 200901
大花野風の撫でゆく島の端 鹿島釣人 炎環 200901
神話館につづく日向の花野かな 橋添やよひ 風土 200901
美術館出でて花野の風の中 佐治奈津 雨月 200901
リフトより花野へ垂らす足二つ 根橋宏次 やぶれ傘 200901
丸太橋渡り花野へ入りにけり 國保八江 やぶれ傘 200901
花野ゆくかくもか細き水の音 國保八江 やぶれ傘 200901
ひたすらに来たる花野に海見え来  嶋田一歩 ホトトギス 200902
迷子にはならぬ花野の径である  嶋田一歩 ホトトギス 200902
花野暮れ北海道もやつと暮れ  嶋田一歩 ホトトギス 200902
真ん中に椅子ひとつ置く花野かな 斎藤弘行 遠嶺 200902
古戦場いま一面の花野なる 境幹生 200902
青垣へ続く茜の夕花野 岡崎春菜 万象 200902
ふるさとを問はれ花野の空思ふ あさなが捷 200902
花野きてあしたの視野に遊ぶかな 直江裕子 京鹿子 200903
小さき手をつないで歩む花野かな 坂本知子 酸漿 200906
一枚の花のべールや大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
紫を風に移して大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
大花野とは人を呼ぶ風を呼ぶ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
おのづから歩けば道となる花野 鷹羽狩行 200909
濃きところなくて花野を引返す 鷹羽狩行 200909

 祝結婚

人生の踏み出す一歩花野道

稲畑汀子 ホトトギス 201007
山の上見渡す限り花野かな 滝沢伊代次 万象 201008
昨夜星の仕上げてゆきし大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
探しもの見付けたやうな大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
花野 →9      

 

2021年9月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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