花 野 7          100句

花野から大きくなつて帰りけり    あざ蓉子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
踏切の音の花野に遊びけり 山尾玉藻 火星 200609
榛名湖の霊気吸ひ込み大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610
大花野弱気の虫を放ちけり 橋本リエ 春燈 200610
花野すぐ尽き韜晦をしそこなふ 伊藤白潮 200610
晩学の出発点は花野とす 松田都青 京鹿子 200611
逸れ球を探しに花野めく方へ 鷹羽狩行 200611
すつぽりと沼は花野に抱かるる 酒本八重 200611
アフロディテの眼差し直ぐや花野風 荻野嘉代子 春燈 200611
遥か来て花野の風に身をさらす 松本静江 遠嶺 200611
笑ふ子も泣く子もをりて花野かな 高橋将夫 200611
がむしやらな恋を捨て来し花野かな 石脇みはる 200611
花野来て夜は水音に眠りける 雨村敏子 200611
男体山晴れわたりたる花野かな 谷村幸子 200611
頭をすこし空にしたくて花野みち 平子公一 馬醉木 200611
雲の影花野を渡る迅さかな 安達風越 雨月 200611
花野にて持てる棒きれもてあまし 定梶じょう あを 200611
古戦場覆ひつくして花野かな 真虎竹世 200612
振り向いてみたくて入る夕花野 望月晴美 200612
蕎麦湯吹く花野帰りの膝を折り 甲州千草 200612
仏にも鬼にもなれず大花野 高橋将夫 200612
泥眼のよろぼふ夜の大花野 延広禎一 200612
十戒を通り抜けたる花野かな 岩月優美子 200612
二日月沈む花野を我が抱く 中川芳子 200612
花野来て君が鳥なら我は風 小澤克己 遠嶺 200612
雲も身も花野の風のままにあり 松本きみ枝 遠嶺 200612
中天の眉月遅き大花野 滝川あい子 雨月 200612
御嶽をもち上げてゐる大花野 味村志津子 雨月 200612
御嶽を仰ぎ花野のまほらゆく 味村志津子 雨月 200612
花野行く忘れたきこと携へて 横内かよこ ぐろっけ 200612
飛天の句遺し花野を発たれけり 小林和子 風土 200612
光りつつ夕づく花野風うまし 坪井洋子 200612
朝靄の霽れゆく迅さ大花野 山口順子 200701
どの子にも父見えてゐる花野かな 久留米脩二 馬醉木 200701
やはらかく踏まれ花野の野づら石 成田美代 200701
花野なか老いへ追風こんなにも 戸田和子 200701
ひたすらに友と歩まん花野空 道給一恵 遠嶺 200701
天穹の花野に白き椅子一つ 井内佳代子 遠嶺 200701
古備前に花野の花を一枝づつ 松原智津子 万象 200701
昏睡夢それは花野の羊水湖 鈴鹿けい子 京鹿子 200701
ヨーデルの流るる花野富士見ゆる 太田絵津子 200701
大花野ここにも風の道があり 合川月林子 ぐろっけ 200701
乳母車降りる降りると花野の児 片野光子 ぐろっけ 200701
風のこゑ聴き分けてゐる花野かな 山田暢子 風土 200701
大花野時に流るる雲の影 渡辺玄子 酸漿 200701
何見ても亡き友のこと大花野 高倉恵美子 200701
美術館閉づる鐘の音夕花野 山下佳子 馬醉木 200702
菩提子のネックレスして花野みち 福田雅子 万象 200702
いや昏し花野に出づる筈の道 市場基巳 200702
花野より一歩荒野に入りしかな 林いづみ 風土 200702
麓より庭までつゞく花野かな 滝沢伊代次 万象句集 200703
風立ちぬ花野に楽の湧くごとく 岩崎眉乃 万象句集 200703
大花野つらぬく坂東太郎かな 吉川信子 万象句集 200703
茅花野や動くものみな光りをる 近藤喜子 200705
真中へふくらんでゆく花野かな 百瀬七生子 海光 200705
大花野咳を忘れし人とゐる 百瀬七生子 海光 200705
「小清水」の花野の果に波吠ゆる 小野寺節子 風土 200705
茅花野を風のまどひて吹きゆけり 田尻勝子 六花 200708
傘の花咲いて花野の一部分 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
花野へと浄土へと人行きたがる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
大花野榛名颪に育まれ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
一本の赤に始まる大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
はやる足いましめ下る花野径 安陪青人 雨月 200709
夫に似て花野住まひに無位好み 品川鈴子 ぐろっけ 200709
心療と老の棟なる花野の碑 品川鈴子 ぐろっけ 200709
下野の花野に紛る雨情の碑 品川鈴子 ぐろっけ 200709
刀塚通り花野に出でしかな 中貞子 200710
オホーツクの海鳴りひびく花野なる 児玉修 200710
濃き色の靡きて淡く夕花野 堤京子 馬醉木 200710
花野めく十一階の喫煙所 稲畑廣太郎 ホトトギス 200711
捨て田には刈り残されて花野かな 鈴木阿久 200711
吟行の落ち合ふところ花野駅 鷹羽狩行 200711
風の出て花野いちめん浮き上がる 鷹羽狩行 200711
花野抜け地球をぬけて祝ひ星 小澤克己 遠嶺 200711
神学部裏に花野の終りたり 山尾玉藻 火星 200711
脚折りて花野の牛となつてをり 柴田佐知子 200711
花野にてオカリナの音を遠く聞く 中江恵子 200711
花野を行く馬車ヘハーレー道譲る 新倉舒子 200711
大花野爺と呼ばれてをりにけり 高橋将夫 200711
分け入つて五体投地の大花野 秋葉雅治 200711
廃校の廊下花野へつづきをり 鶴見遊太 200711
走るなり寝るなりどうぞ大花野 泉田秋硯 200712
断崖へ行き尽く花野仔馬嘶く 泉田秋硯 200712
人っ子一人見えぬ花野に午報鳴る 泉田秋硯 200712
ひつそりと蜜の溜りし花野かな 水野恒彦 200712
仰臥して己を顧みる花野 岩月優美子 200712
年一つ置いて行きたし花野かな 塩千恵子 200712
あちこちに歌声おこる大花野 名和節子 200712
花野縫ふ水ひと筋のひかりかな 松本幹雄 馬醉木 200712
口笛の少年駆けて夕花野 山下佳子 馬醉木 200712
夕花野人の声する方へ行く 野坂民子 馬醉木 200712
寝ころべば涅槃の思ひ大花野 塩出博久 風土 200712
花野への誘ひみなまで聞かずとも 田村園子 200712
感謝状上げたき人と花野かな 辻直美 200712
我が影と連れ立ち行かむ花野道 田中清子 遠嶺 200712
静まりてふところ深き大花野 小國佐世子 遠嶺 200712
水車小屋裏に拡ごる花野かな 石垣幸子 雨月 200712
束ね髪独り花野にホルン吹く 勝野薫 ぐろっけ 200712
踝に水音のある花野かな 山尾玉藻 火星 200712
にぎり飯と水背負ひきし花野かな 杉浦典子 火星 200712
ひと言をまだ言はずをり夕花野 長田曄子 火星 200712
花野 8      

 

2021年9月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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