花 野 3     100句

若犬が蜻蛉返りの花野かな    小林一茶

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一面の花野のなかに狼煙台 岡本明美 春耕 200112
一筋の遭が湖まで大花野 岸恒雄 春耕 200112
ここからは一両電車大花野 鈴子とし子 遠嶺 200112
日が射してくれば花野に影生れ 今井千鶴子 ホトトギス 200201
揺れ交す花野の風は四方より 今井千鶴子 ホトトギス 200201
ひらめきてゐしが花野に消えし蝶 今井千鶴子 ホトトギス 200201
チベットの花野遥かにヤクの群 寺出訓三 ホトトギス 200201
雲降りて花野の裾に触れゐたり 坊城俊樹 ホトトギス 200201
百態の鼓動ひしめく大花野 千坂美津恵 200201
花野暮れ露領の海は縹いろ 岡田貞峰 馬醉木 200201
船笛の沖に遠のく夕花野 高橋好温 馬醉木 200201
喪心に歩む花野に雨到る 岩瀬操舟 円虹 200201
廃校の庭百余坪花野めく 川村紫陽 200201
花野径共に児を抱く嫁姑 植松未知男 200201
みづうみへなだれ落ちたる花野かな 甲斐遊糸 百鳥 200201
花野行く車椅子より見ゆるもの 島崎晃 遠嶺 200201
邂逅の蝦夷の花野に始まりし 河野美奇 ホトトギス 200202
鈴の音をこぼしつつ行く夕花野 林和子 200202
ぐいと腕とられてべつの花野来し 井上莱摘子 京鹿子 200202
引率の六年生から花野人 井上莱摘子 京鹿子 200202
遥か来し花野果なきことも蝦夷 坂中紀子 円虹 200202
摩周湖へ続く花野でありにけり 坂中紀子 円虹 200202
湖の端より展けたる花野 坂中紀子 円虹 200202
花野吹く風の果なるオホーツク 坂中紀子 円虹 200202
湯に顎を浸けて花野のま中かな 延広禎一 200202
ホイッスル花野の子等の整列す 関薫子 百鳥 200202
折鶴の風に乗りきし大花野 柴田美佐子 いろり 200202
句碑抱きて風の花野となる荒磯 辻口静夫 ホトトギス 200203
連れ立ちて来て一人づつ居る花野 高橋笛美 ホトトギス 200203
風小さく鳴つて花野ともう呼ばぬ 岡本眸 200202
母恋ひの夢のつづきの花野かな 上林孝子 200202
花野を来山ふところにりくの墓所 福盛悦子 雨月 200203
花野にて習ふ正調武田節 西山美枝子 酸漿 200204
水仙の花野となりて道果てし 川口利夫 ホトトギス 200206
そぞろ行く花野よく反る薬指 西村みもざ 京鹿子 200206
寝ちがひの首を花野にもちきたる 戸栗末廣 火星 200207
木道の尽きて花野に人放つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200208
木道に腰掛けてより花野人 稲畑廣太郎 ホトトギス 200208
一輪の黄に誘はれ花野歩す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200208
その中の黄より花野の展けゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200208
一瞥もされず揺れゐる花野蒜 堀田恵美子 雨月 200208
一部分より大部分大花野 稲畑廣太郎 ホトトギス 200209

 悼む

野の花を慕ひ花野に入りたまふ

朝妻力 雲の峰 200209
漂ひて沈まぬやうに大花野 山仲英子 200210
花野来ていつしか夫を見失ふ 川端和子 星月夜 200112

 『草原』序句

道四通八達花野広ければ

鷹羽狩行 200211
塗椀に静寂のありし遠花野 小澤克己 遠嶺 200211
夕闇の包みきれずに大花野 三沢蘭 遠嶺 200211
その昔軍馬育てし花野かな 須佐薫子 帆船 200211
不発弾あるかもしれぬ大花野 長岡新一 200211
渋民や花野の起伏足裏にし 佐藤みほ 200211
糸に撚りかけてどこまでも花野 大嶋康弘 銀化 200211
花野より戻るに人の手を借りぬ 竹村悦子 銀化 200211
オホーツクへなだれて花野又花野 宮原みさを 花月亭 200208
闘病の時空喪失夕花野 伊藤稔代 200212
御岳の花野ひろがる六合目 立脇操 雲の峰 200211
少年が地図貸しくるる大花野 山岸治子 馬醉木 200212
大花野一陣の風鞣しゆく 竹内龍 200212
花野径一直線に字分かれ 中谷葉留 風土 200212
水筒の蓋の水切る大花野 生田恵美子 風土 200212
なでしこの花野の奥の水の音 陣野今日子 風土 200212
大花野言葉は絵具かもしれぬ 清水晃子 遠嶺 200212
黒牛の物言ひたげに花野かな 清水明子 遠嶺 200212
伯耆富士花野大きく曳きにけり 木村敦子 築港 200212
花野より紙飛行機を放ちけり 大東由美子 火星 200212
病む父の白湯をよろこぶ花野かな 谷口知子 火星 200212
スカートを拡げ花野に横坐り 芝尚子 あを 200211
少女らの手話弾みたり花野かな 滝本香世 百鳥 200212
さそり座の女あしたは花野かな 植木戴子 200212
大花野来し湿り香の一旅信 羽根嘉津 200212
どこまでも見えぬ富士追ふ花野バス 羽根嘉津 200212
花野かなどれも倭の色に咲き 大沼眞 200212
一と峠越ゆればまたも花野径 安陪青人 雨月 200212
車乗り捨てて花野を歩まなむ 河中透水 雨月 200212
乱舞する蝶に物の怪だつ花野 足立典子 雨月 200212
呼ばれたる気のして花野見まはしぬ 利根川博 銀化 200212
花野とふたしかなものを黄泉路まで 小倉斑女 銀化 200212
人の貌小さし花野をめぐり来て 加瀬美代子 200211
思ひみな花野に果てて会津かな 木内憲子 200211
雀らの声に花野のふくらめる 村田さだ子 酸漿 200212
花野越ゆ熊除け鈴を背に鳴らし 坂井法 200301
羊群を花野に大河急がざる 塩田博久 風土 200301
月山や花野に空の重なりて 今井妙子 雨月 200301
ちひろの絵のやうな子二人花野来る 池田倶子 雨月 200301
灯台の影を置きたる花野かな 安達風越 雨月 200301
昏れがてのむらさき彩となる花野 多田節子 雨月 200301
風の道いつか花野となりにけり 天野きく江 200301
小流れを一つ跳びしてより花野 佐藤みほ 200301
来し方も行方も花野ひとり立つ 刈米育子 200302
岸辺から花野へ浮足立つてくる 伊藤希眸 京鹿子 200302
息吸つて吐いて花野に濃く染まる 伊藤希眸 京鹿子 200302
花野来て終の栖を姑棄野とは 平松薫 六花句集 200205
大花野ここが真中かも知れぬ 水野恒彦 200302
斎宮址へと大花野辿りけり 中島知恵子 雨月 200302
花野過ぎ堰に水音高きかな 谷上佳那 百鳥 200302
腹時計だけは忘れず大花野 泉田秋硯 鳥への進化 200303
出鱈目な自作替へ唄花野行き 泉田秋硯 鳥への進化 200303
さはさはと地球が廻る大花野 山元志津香 八千草 200305
躓きし身を立て直し花野行く 高橋としを 酸漿 200306
逃げたくて捕まりたくて花野かな 笹村政子 六花 200307
花野 4→      

 

2021年9月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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