花水木 1  213句

三郎の忌日埋めゐし花水木   高島茂   現代俳句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
あの人もさらっと過ぎて花水木 雲閑亭只今 船団 199811
アパートは新装アメリカ花水木 林翔 199907
舞姫の出で来る如し花水木 中杉隆世 ホトトギス 199908
花水木そこに小犬を売る男 森津三郎 京鹿子 199908
花水木再起の杖の光るかな 三池泉 船団 199909
死の報せ帰天と書かれ花水木 田中藤穂 水瓶座 200002
女子寮に皿洗ふ音花水木 皆川盤水 春耕 200006
死ぬときはわれも仏ぞ花水木 神蔵器 風土 200007
仮退院色定まりし花水木 山本万治子 円虹 200007
花水木子らに囲まれゐたりけり 中島陽華 200008
夜明待つ病者と白き花水木 和田敏子 雨月 200008
天心へしこふんじゃった花水木 赤坂恒子 船団 200009
貧血やあの世の闇の花水木 西田もとつぐ 船団 200105
村境に一本づつの花水木 吉原一暁 200107
花水木木魚は大き口を開け 吉原一暁 200107
眼底に花水木揺れ弱きとき 田中亜美 海程 200107
洋館の多き界隈花水木 松崎鉄之介 200107
逢ふためのバス待つてをり花水木 富田直治 春耕 200108
花水木夢の国かと思ひけり 木根渕成子 遠嶺 200108
語らひのつきぬ校庭花水木 祐森弥香 遠嶺 200108
三猿や身体まるごと花水木 小西ありそ 海程 200111
高き風白く渡りぬ花水木 稲畑汀子 ホトトギス 200205
丸ビルの古材のベンチ花水木 芝尚子 あを 200205
あはあはと浄土のみどり花水木 林翔 200206
腰掛けて足がぶらぶら花水木 山田六甲 六花 200206
花水木防犯ベルが鳴つてをる 山田六甲 六花 200206
天守閣もとよりあらず花水木 山田六甲 六花 200206
花みづき窓に詩よむ五時限目 豊田都峰 京鹿子 200206
二歩三歩鳩追ふ幼な花水木 川口襄 遠嶺 200207
夜あそびの時間ひらひら花水木 冨田正吉 200207
花水木ピーピー鳴る靴追ひかける 堀井乃武子 ぐろっけ 200207
大ぶりに活けし講座の花水木 矢嶋みつ江 遠嶺 200208
夕闇の風に踊れる花水木 加藤あけみ 円虹 200208
花水木朝に恩師とすれちがふ 岩松八重 六花 200208
ケーブルに四人の客や花水木 北島美都里 200302
都心より一歩の自然花水木 稲畑廣太郎 ホトトギス 200304
花水木ほのぼの今宵月ありて 鈴木幾子 酸漿 200306
花水木大路に朝の風の生まれ 三代川次郎 雲の峯 200306
病むわれに力を注ぐ花水木 松田克行 帆船 200307
花水木雨にゐずまひ正しけり 菊地惠子 酸漿 200307
花水木人は別れを惜しみをり 美波治恒 築港 200307
かたはらにゲートボールや花水木 北嶋美都里 200307
バス降りし順に見上ぐる花水木 大東由美子 火星 200307
そこに日のあつまり真白花水木 五島富佐子 雨月 200406
灰皿を括られて咲く花水木 中村克久 雲の峰 200406
校庭の子らにぎやかに花水木 村松夏魚 200407
花水木四辮の小皿真上向き 羽生きよみ ぐろっけ 200407
花水木夫の選びし日傘して 野澤あき 火星 200408
百円傘買ひに駆けをり花水木 堀義志郎 火星 200408
へらへらと笑み崩れたり花水木 栗田武三 ぐろっけ 200408
この辺の道は迷はず花水木 稲畑汀子 ホトトギス 200505
花水木手の平かざす童かな 寺門丈明 あを 200506
花水木外人墓地の供花となり 野海衣子 築港 200507
一心に空暮れてゆく花水木 林昭太郎 200507
郵便局の狭き入口花水木 芝尚子 あを 200507
曇天に溶け込んでをり花水木 西塚成代 六花 200508
太陽を白き光に花水木 吉村ひさ志 ホトトギス 200510
学園と教会繋ぎ花水木 吉村ひさ志 ホトトギス 200510
ふと仰ぐ花水木の実十二月 長澤健子 酸漿 200602
花水木高々咲きて気付かれず 松崎鉄之介 200606
花水木定位置に花咲き初めし 岸本林立 雨月 200607
花みづき看護師寮の夕あかり 淵脇護 河鹿 200607
釉薬の色まつたりと花みづき 林日圓 京鹿子 200707
歌劇場への標となりて花水木 今中道子 200608
どの家も花水木揺れ事もなし 上田繁 遠嶺 200608
暮なづむ風のたわわに花水木 土屋酔月 火星 200608
機関車の汽笛にゆれる花水木 井上加世子 ぐろっけ 200608
機関車の蒸気に隠る花水木 井上加世子 ぐろっけ 200608
新緑に一際目立つ花水木 山形麗子 ぐろっけ 200608
花水木ひととき現忘れけり 白川敏彦 遠嶺 200609
花水木昼を灯せる公民館 山田美恵子 火星 200705
力士らの手形路面に花水木 神蔵器 風土 200706
葛城山を一望にして花水木 森下康子 200707
花水木握り返されたる力 助口弘子 火星 200707
花水木幼子の笑み見とれゐる 長崎桂子 あを 200707
手廂の日照雨の中に花水木 黒澤登美枝 200708
松屋通りアメリカ花水木の盛り 宮津昭彦 200806
一点の雲無く晴れて花水木 廣瀬雅男 やぶれ傘 200806
ビル街に癒しのピンク花水木 山下潤子 200807
傘閉ぢて開いて花水木通り 上谷昌憲 200807
花水木目覚めるやうにふふみけり 有賀昌子 やぶれ傘 200807
花水木照り翳りして日照雨かな 藤岡紫水 京鹿子 200808
東雲の星高く揚げ花水木 川口襄 遠嶺 200809
もみぢして雨に暮れゆく花水木 伊藤一枝 酸漿 200812
母の手に抱かす人形花みづき 常盤優 炎環 200902
花水木伊丹紅葉の第一号 藏本博美 ぐろっけ 200902
亜米利加は遠くて近き花水木 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
花水木敵たりし日を遠くして 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
マンションは仮の滞在花水木 稲畑汀子 ホトトギス 200905
滞在やれんぐわ通りの花水木 稲畑汀子 ホトトギス 200905
花水木袱紗包みを開くかに 宮崎左智子 200906
花水木一鳶に晴るる水銹みさび 禰寝瓶史 京鹿子 200906
花水木耳たぶ紅き少女かな 竹内慶子 春燈 200906
町並を白一筋に花水木 笹田浩朗 200907
花水木一ひらひらく静寂かな 伊藤洋子 200907
花水木慕ひて並木往復す 佐藤健伍 200907
花水木伊丹紅葉の第一号 藏本博美 ぐろっけ 200907
鋭角に変はる街並み花水木 佐田昭子 ぐろっけ 200907
三つ四つは一つづつ咲き花水木 松山直美 火星 200908
変はりなく注ぐ愛情花水木 島内美佳 ぐろっけ 200908
花水木溺レル揺レル青天に 北側美美 200908
吾を送る日の幻想や花水木 瀧青佳 ホトトギス 200909
気に抜けた大往生か花水木 瀧青佳 ホトトギス 200909
その日よりアメリカは友花水木 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005
花水木市花と決めたる街に住み 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005
花みづき明るく咲いて散り急ぐ 森山のりこ あを 201005
しろじろと五月曇の花水木 阿部ひろし 酸漿 201006
花水木歩行者天国オープンカフェ 長崎桂子 あを 201005
句碑にふれ我も旅人花水木 柿原よし子 春燈 201007
校庭の暮れ残りたる花水木 峰幸子 201008
ベランダを押し上げてゆく花水木 覚本秀子 ろんど 201008
契沖の訳業の寺花水木 高橋大三 ぐろっけ 201008
花水木ふたごの眠る乳母車 久世孝雄 やぶれ傘 201008
そば談義こだはり店に花みづき 東秋茄子 京鹿子 201009
花水木実は曇天を輝かす 赤座典子 あを 201012
夕映の彩の移ろひ花みづき 有賀鈴乃 末黒野 201104
花水木こぼれて押すや車椅子 鈴木俊孝 末黒野 201104
花水木咲く窓辺よりポロネーズ 和田郁子 201107
練兵場跡のグランド花水木 松本三千夫 末黒野 201107
記念樹の花水木はや二十年 鈴木阿久 201107
花水木不安の色か今盛る 鈴木阿久 201107
花水木からはなみづきまでの道 近藤牧男 春燈 201107
ファンファーレのやうに咲き初む花水木 深川敏子 春燈 201107
ローマ字に替ふる門札花水木 寺村年明 春燈 201107
花水木のほど良き陰をひろひゆく 木村茂登子 あを 201107
白雲の湧き立つごとし花水木 田中佳子 ぐろっけ 201108
通る人を数へる園児花水木 松木清川 ぐろっけ 201108
錆ふかきロダンの座像花水木 三枝邦光 ぐろっけ 201108
紅深む夕日重ぬる花水木 外山生子 末黒野 201108
オペ室と吾を断つドア花水木 野中啓子 201109
早川の堰の滾りや花水木 佐藤晴子 万象 201109
日米の境目は無し花みずき 伊吹之博 京鹿子 201111
潔癖性は母譲りなり花水木 森下康子 201207
数独の難題解けて花水木 松木清川 ぐろっけ 201207
グランドの直線コース花水木 松本三千夫 末黒野 201207
甘酸つぱき思ひ出もあり花水木 古林田鶴子 ぐろっけ 201208
花水木瀟洒な街と云はれしが 久世孝雄 やぶれ傘 201209
八方に風を透かして花みずき 鳳蛮華 201209
学生に昼のひと刻花水木 小渕二美江 春燈 201209
花水木雲の剥落止めしか 田中貞雄 自註句集 201301
花水木道幅使ひ切つてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
花水木金環食に染められて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
歩をゆるめをり花水木の舗道 田中藤穂 あを 201306
浮くごとく飛ぶが如くに花水木 吉田宏之 201307
花水木に薄紅以外もあると知る 大堀賢二 201307
自分史や堪へしのぶ黄の花水木 鴨下昭 201307
子の騒ぐ平和な路地の花水木 中島玉五郎 201307
銅鐸響く大桟橋に花水木 池内とほる かさね 201307
名園やもみぢ盛りの花水木 小川玉泉 末黒野 201402
花水木托鉢僧の列に逢ふ 篠田純子 あを 201406
花水木向三軒朝の風 豊田都峰 京鹿子 201407
花水木照り翳りして日照雨なか 藤岡紫水 京鹿子 201408
暮れ泥む空に明るき花水木 嵐弥生 末黒野 201408
花水木ものの境の見えはじむ 直江裕子 京鹿子 201409
花みづきアメリカ時間で通話する 伊吹之博 京鹿子 201409
黙想の木椅子の堅し花水木 北川孝子 京鹿子 201410
青空につぶやくやうに花水木 中山静枝 201506
花水木嬰は十指をかざしをり 宮坂秋湖 201507
振り向くと猫も振り向く花水木 杉本薬王子 風土 201507
花水木長袖シャツを腰に巻き 丑久保勲 やぶれ傘 201507
武運長久などと牡丹花水木 佐藤喜孝 あを 201507
母のやうな母になりたし花水木 仲里奈央 201508
暮れ泥む街やほんのり花水木 外山生子 末黒野 201508
連なりて箕面街道花水木 大橋晄 雨月 201508

 米国からのハナミズキ寄贈百周年

百年目の切手になりし花水木

今井充子 201508
花水木緑の庭のお姫さま 水谷直子 京鹿子 201510
花水木みどりの芝に散りて尚 水谷直子 京鹿子 201601
植ゑ替へしこと忘れゐし花水木 稲畑汀子 ホトトギス 201605
移植してはや紛れ咲く花水木 稲畑汀子 ホトトギス 201605
花水木白は紛れぬ色として 稲畑汀子 ホトトギス 201605
花水木夜の深さを真白なり 江澤弘子 201607
晩年へ倦まず怯まず花水木 江澤弘子 201607
君待つと書かれし絵馬や花水木 杉田杏 201607
高麗神社へ花水木みち田圃道 安永圭子 風土 201608
澗水や林の道の花水木 田中臥石 末黒野 201608
校椚の昼は閉ざされ花水木 田岡千章 201609
川沿ひを犬に引かるる花水木 増田みな子 やぶれ傘 201610
この街が終の住処よ花水木 栗原公子 銀の笛 201612
花水木今年の色は白白と 水谷直子 京鹿子 201701
臙脂色枯れて紫花水木 赤座典子 あを 201701
花水木坐禅ふさはしその根元 沼田巴字 京鹿子 201705
花水木都心の音を吸ひ込めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
花水木れんぐわ造りの多き街 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
ビル街の点描として花水木 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
西口に夕日のちから花水木 高木嘉久 201806
せせらぎのやうなる街路花水木 森岡正作 201806
花水木近所の誼広めをり 長崎桂子 あを 201807
校門に母親が待つ花水木 丑久保勲 やぶれ傘 201807
花水木白が闌けゐる煉瓦塀 永島雅子 春燈 201807
花水木うつむくことは嫌いです 有松洋子 201807
鬨の声あぐるがごとし花水木 岡野里子 末黒野 201808
約束の角の明るさ花水木 高木晶子 京鹿子 201808
花水木日差しに色の溶けにけり 志方章子 六花 201809
好きだけど彼女どまりで花水木 梨地ことこ 船団 201812
花水木夜明の空に願いごと 渡辺節子 201902
立ち位置を弁えている花水木 仁上博恵 201902
花水木都心の風を透明に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
咲き終る木もこれからも花水木 稲畑汀子 ホトトギス 201905
花水木あはく浮かべて四条みち 上辻蒼人 風土 201907
椅子ひとつあれば足りけり花水木 山田暢子 風土 201907
花水木 →2      

 

2022年5月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。