花 筏 3  100句

棹さすは白寿の三鬼花筏   佐藤鬼房

作品
作者
掲載誌
掲載年月
石ひとつあれば渦巻き花筏 山田六甲 六花 201504

 弟と肱川に文鳥の句碑を探して見あたらず

花筏石も流転をまぬがれず

山田六甲 六花 201505

 母は九六歳にしておだやかな人になっていた

花筏落ち着く石を得たりけり

山田六甲 六花 201505
夕闇の川面を遅々と花筏 中山静枝 201506
別れては寄り添ふ絆花筏 羽根嘉津 201506
釣糸のぐるり取り巻く花筏 前田美恵子 201507
花筏流人の島を離れけり 中林晴雄 201507
たましひの無数に集ふ花筏 石井清一郎 馬醉木 201507
風に組み風に解かるる花筏 宮内とし子 201507
御手洗の杓のとまどふ花筏 岡真紗子 201507
惜別の言の葉載せる花筏 加藤峰子 201507
止まりつつ引返しつつ花筏 荒木甫 201507
花筏急にまとまり始めけり 宮ア高根 201507
どこへでも行き着く覚悟花いかだ 藤兼静子 201507
外濠や風のなき日の花筏 谷貝美世 末黒野 201507
清流の石のゆらめき花筏 中村月代 末黒野 201507
湾処にて組替へられし花筏 鎌田篤 雨月 201507
花筏名の玉川を下り行く 吉村幸子 雨月 201507
花筏杭一本に流れ急 内海良太 万象 201507
花筏しばらく瀞をめぐりたり 藤田満枝 万象 201507
花筏列を正して堰落つる 疋田華子 万象 201507
花筏風の生れたる向かう岸 笹村政子 六花 201507
城濠に風の渦巻く花筏 延川五十昭 六花 201507
堰過ぐや組み直さるる花筏 森清堯 末黒野 201508
花筏の流れ重さう舫ひ船 森清信子 末黒野 201508
水郷を貫く流れ花筏 下平しづ子 雨月 201508
花筏暗渠を出でし川にかな 竹内喜代子 雨月 201508
離れつつ会ひつつ揺らぐ花筏 佐藤みち子 京鹿子 201601
水底に影も流るる花筏 安野眞澄 201606
水音にさそはれて落つ花筏 中村千久 万象 201607
花筏このはの舟と絡まりて 田上幸子 万象 201607
石段に潮満ちて来し花筏 高田令子 201607
ふくらみて賛歌のやうな花筏 加藤峰子 201607
もろともに龍宮城へ花筏 相良牧人 201607
揺れながら夢を見てゐる花筏 江澤弘子 201607
殿の惜しめば伸ぶる花筏 峰崎成規 201607
花筏水の誘惑ありにけり 吉澤恵美子 春燈 201607
アンドロメダ星雲と化す花筏 佐藤博重 春燈 201607
花筏堰落ちてより改まる 堀井英子 雨月 201607
翳りくる方へ集まり花筏 中根美保 風土 201607
満ち潮や川遡る花筏 小川玉泉 末黒野 201607
山よりの水引き寄せて花筏 岡田史女 末黒野 201607
花筏乱して進む鯉の群れ 近藤紀子 201607
花筏洗堰にて終演す 岩田洋子 201607
花筏都会の真中ながれけり 久世孝雄 やぶれ傘 201608
船頭の棹先止まる花筏 塩川君子 末黒野 201608
修験寺の水面に藤の花筏 山口素基 万象 201608
花筏みぎはに沿うて遡り 長谷川信也 万象 201608
花筏秘策ののの字すぐ弛む 高木晶子 京鹿子 201608
たゆたへり濠いつぱいの花筏 江見悦子 万象 201610
花筏鳥のなきがら囲みたる 加藤みき 201705
頃合ひや乗っても見たき花筏 中川句寿夫 ここのもん 201705
乗り遅れ乗り遅れして花筏 中川句寿夫 ここのもん 201705
大鯉についてゆきたる花筏 柴田佐知子 201705
花筏くづれもやがて花いかだ 上谷昌憲 201706
万葉の世へ真間川の花筏 森岡正作 201706
人こゑを乗せて自在の花筏 堀田順子 馬醉木 201707
花筏海へ最後の橋潜り 太田良一 末黒野 201707
投身の玉川上水花筏 伊藤武文 末黒野 201707
ひとひらに涙とどめし花筏 塩貝朱千 京鹿子 201707
回りつつ一つ加はり花筏 片山喜久子 雨月 201707
とくとくと湧水が割く花筏 広渡敬雄 201707
花筏先後ときをり入れ替はる 高橋将夫 201707
本流へ出で組み直す花筏 田村園子 201707
花筏鼻先につけ池の鯉 山本無蓋 201707
花筏木場の運河を明るうす 内海良太 万象 201707
予後の脚休め見飽かぬ花筏 上野進 春燈 201707
いつときをすがた整へ花筏 新海英二 春燈 201707
千鳥ヶ淵水面明るし花筏 黒澤佳子 あを 201707
花筏押して押されぬ河口堰 森清堯 末黒野 201708
風の意に少し遅れて花筏 森清堯 末黒野 201708
川尻へ伸びて縮みて花筏 森清信子 末黒野 201708
屋形船の水脈に乗りけり花筏 岡野里子 末黒野 201708
また寄りて豊かに速し花筏 山崎稔子 末黒野 201708
鯉の尾の一打に歪む花筏 秋千晴 201707
花筏潮入池に細き帯 芝宮留美子 万象 201708
赴任地へ続く川なり花筏 秋津令 201708
花筏破りし鯉の跳ねにけり 志方章子 六花 201709
花筏北北西へ寄せ手かな 山田六甲 六花 201805
花筏一度切れしが繋がりぬ 山田六甲 六花 201805
方円の濠に随ひ花筏 山田六甲 六花 201805
花筏寄せて翁の洗堰 山本喜朗 雨月 201806
一枚の空一枚の花筏 竹内悦子 201807
精霊のかすかに揺るる花筏 江島照美 201807
古りたるを崩し新たな花筏 谷田明日香 風土 201807
風に散り風に集まる花筏 能美昌二郎 201807
相寄りて光太郎忌の花筏 三代川玲子 春燈 201807
花筏八百八町抜けて海 吉川隆 春燈 201807
源流の光を乗せて花筏 清水美子 春燈 201807
地図のなき旅のはじまり花筏 持田信子 春燈 201807
流れんと廻りはじめし花筏 藤生不二男 六花 201807
堰にあれば色いや増せる花筏 升田ヤス子 六花 201807
花筏逆巻く風に流さるる 廣畑育子 六花 201807
花筏母なる木々に見送られ 市ヶ谷洋子 馬醉木 201807
ひとひらを繋ぎ疎水の花筏 南光翠峰 馬醉木 201807
補陀落へ流るる途中花筏 近藤紀子 201808
流れつつ色重ねつつ花筏 大川暉美 末黒野 201808
御手洗の行きどころなき花筏 佐久間由子 201810
古りたるを崩し新たな花筏 谷田明日香 風土 201901
北条の定めも乗せて花筏 治部少輔 201902
花筏 →4      

 

 

2021年4月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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