花 筏 2  216句

棹さすは白寿の三鬼花筏   佐藤鬼房

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花筏西行庵を発しけり 小泉貴弘 春燈 200704
花筏引き寄せにけり鯉の渦 山田六甲 六花 200705
溝川の鯉悠然と花筏 名取袿子 200706
難波津へみやこより来ぬ花筏 懸林喜代次 春燈 200706
つづら折りのわが人生や花筏 渡辺安酔 200706
潮入川の渦巻く河口花筏 堀すみ恵 200706
花筏組みて崩るる水明り 芝尚子 あを 200706
神田川淀みに逆る花筏 芝宮須磨子 あを 200706
花筏大きくなりて色深む 高倉和子 200706
出雲より黄泉に入りける花筏 延広禎一 200707
花筏ときどき鯉の大き口 岩下芳子 200707
花筏天神橋から天満橋 椿光代 風土 200707
白鷺に水の折れたる花筏 小林和子 風土 200707
あめんぼをしばらく乗せて花筏 青山悠 200707
花筏川隅にきて寄り合へる 市橋章子 ぐろっけ 200707
花筏乱して鯉の寄り来たり 齋部千里 ぐろっけ 200707
湧水に解かれゐたる花筏 小島みつ代 200707
花筏一気に崩す鯉の口 田中久仁子 万象 200708
花筏向きを変へては動きだす 小林朱夏 200804
花筏緋鯉の列の続きけり 森山のりこ あを 200805
花筏都へ続く里の川 鈴木照子 200806
花筏千鳥ヶ淵の水面燦と 渡辺安酔 200806
花筏寛にたゆたに神田川 山本喜朗 雨月 200806
ゆるやかに花筏行く恩田川 阿部悦子 酸漿 200806
早瀬にて無漸に潰へ花筏 加藤利勝 酸漿 200806
花筏三井の疏水を起点とし 竹内悦子 200807
花筏ライト・アップの一隅に 三川美代子 200807
川上へ上つてくれぬ花筏 高橋将夫 200807
気の合ひて集まつてゐる花筏 高橋将夫 200807
白雲の上を流るる花筏 近藤きくえ 200807
しばらくは鳰を乗せたり花筏 大坪景章 万象 200807
高遠の空濠全て花筏 近藤幸光 200807
モノレール音なく過ぎる花筏 嶋津治夫 200807
花筏よりひとひらの急ぎけり 廣畑忠明 火星 200807
かいつぶり潜りしままや花筏 河崎尚子 火星 200807
花筏浄土の国は雲に乗り 佐々木良玄 春燈 200807
海津城攻めに仕立てむ花筏 千田百里 200807
花筏漕ぎ出だしたる八軒家 山田天 雨月 200807
荒川の淀にたゆたふ花筏 網野茂子 酸漿 200807
とどまるとおもひしものを花筏 佐藤喜孝 あを 200807
梵字書くごとくに池の花筏 國保八江 やぶれ傘 200807
花筏掻き分けて船出漁す 西岡史代 万象 200808
花筏連れ立ち連理の句碑詣 丸山冬鳳 京鹿子 200808
花筏さながら丹波の系露たち 丸山冬鳳 京鹿子 200808
花筏魚藍観音帰らばや 岡本幸枝 ぐろっけ 200808
面白の世の花筏岸離れ 伊藤白潮 200811
ゆるやかにすすむ晩年花筏 上原榮子 京鹿子 200901
花筏縷々と流れに乗りにけり 宮平静子 雨月 200901
吾を乗せ海まで運べ花筏 加藤克 200904
水底の影を曳きずる花筏 高橋将夫 200905
堰堤にしばし止まり花筏 笠井清佑 200906
こだはりを捨てての自由花筏 和田郁子 200906
花筏流れのままにタピストリー 森永洋子 200906
瀬に流れ瀬に留まりて花筏 石川かおり 200906
花筏堰かれて出づる神田川 小林碧郎 馬醉木 200906
花筏組みかはりてはいのち継ぎ 植田桂子 馬醉木 200906
花筏ゆるりと私語のつづきをり 和田政子 200906
花筏水面は今日も押し合ひて 黒澤登美枝 200906
風に散り風に乱れて花筏 加藤克 200906
暗渠へと素直に続く花筏 久保田嘉郎 酸漿 200906
外濠の小暗き方へ花筏 木村茂登子 あを 200906
さざなみの押し返しゐる花筏 根橋宏次 やぶれ傘 200906
横積みの蛇籠に止まる花筏 廣瀬雅男 やぶれ傘 200906
たゆたふて一夜を海へ花筏 服部早苗 200906
侏儒ひとり流れに乗りぬ花筏 阪本哲弘 200907
モダンアート水に描きて花筏 新実貞子 200907
映り水の城に遊びし花筏 村上昌子 200907
花筏子どもらのこゑのせて行く 吉村はづき 炎環 200907
花筏割りて出でたり鯉の顔 前川明子 200907
流れゆくスーラの点描花筏 中島節子 春燈 200907
花筏ふれあひて音なかりけり 木多芙美子 春燈 200907
こちやえ節風が棹さす花筏 木多芙美子 春燈 200907
花筏盗賊かもめ混じりたる 加藤みき 200907
大川に帯となりたる花筏 谷村幸子 200907
花筏汀に寄れば屯する 岩下芳子 200907
渦巻くは六条河原の花筏 西村純太 200907
花筏しばし瀬音の高まれり 大谷茂 遠嶺 200907
潮入の川遡る花筏 奥太雅 万象 200907
留まりて色重ねゆく花筏 後藤とみ子 ぐろっけ 200907
閘門に堰かれて舫ふ花筏 伊藤文郎 200907
ゆつくりと渦に寄りゆく花筏 あさなが捷 200907
烏啼く天水盆の花筏 渡邉孝彦 やぶれ傘 200907
木の国の雨のつくりし花筏 木村稔 ろんど 200907
整はぬまま崩れだす花筏 川上久美 ろんど 200907
花筏流す疎水の早さかな 川口襄 遠嶺 200908
花筏棹さす程の流れなし 久保東海司 200908
堰落つる水におくれて花筏 飯田酔亥 200908
花筏重り合つて流れゆく 池田いつ子 酸漿 200908
大和路を行くや野川の花筏 生田喬也 200908
はぐれゐし一塊ありぬ花筏 青木ちづる 200909
花筏乱す軽鴨浜離宮 鈴木礼子 末黒野 201004
オフエリヤ尼にはならず花筏 木村茂登子 あを 201005
花いかだ堰越えてまた花筏 コ田千鶴子 馬醉木 201006
花いかだ流れる風のなき真昼 空音 六花 201006
花筏安の河面へ続かむと 藤井寿江子 馬醉木 201006
花筏ひと夜泊てたる神の池 小澤菜美 201006
流れ行く先は若葉か花筏 鈴木阿久 201006
外堀や船の割り込む花筏 吉沢陽子 201006
ことほぎの大川端や花筏 中島陽華 201006
此岸より彼岸へ流るる花筏 西村純太 201006
花筏小さき流れに小さき橋 森岡正作 201006
組まむとす江戸も果てなる花筏 千田百里 201006
音無川の水脈絶え絶えに花筏 秋葉雅治 201006
他愛なき鬱二つ三つ花筏 小田明美 春燈 201006
釣人の糸に漂ふ花筏 加藤北天 雨月 201006
本流に乗り変え急ぐ花筏 舛田初恵 酸漿 201006
水底の雲の上ゆく花筏 木村茂登子 あを 201006
斑鳩の小川いづれも花筏 宮田香 201007
水底のことは知らずに花筏 松岡和子 201007
花筏に合はせし歩幅川に添ひ 桂敦子 201007
鶺鴒のつつと走りぬ花筏 熊切修 末黒野 201007
まだ渕にとどまりをるや花筏 久津見風牛 201007
花筏樟指す程の流れなし 久保東海司 201007
旅に会ひし人の訃報や花筏 近藤紀子 201007
花筏原子力艦入港す 竪山道助 風土 201007
時に組みときに崩れて花筏 馬田信子 201007
脚に寄りて銹びたる花筏 藤井美晴 やぶれ傘 201007
蓼科の水の走りに花筏 藤森すみれ 201007
組替へは縦横無尽花筏 望月晴美 201007
高瀬川しのぶ川面に花筏 伊地知冶江子 201007
採茶庵跡に組みゐる花筏 山田春生 万象 201007
花筏組み直してはたゆたへり 青木康明 201008
漕ぎ手なく乗り手もなくて花筏 岩崎慶子 201008
花筏玄界灘へ航きあぐむ 山口博通 ぐろっけ 201008
花筏とどまりゐたる川の淵 永田勇 六花 201008
花筏たゆたふ先の船溜り 橋本美代 やぶれ傘 201008
花筏行方はいづこ闇深く 増田甚平 ろんど 201009
滝つ瀬に乱れゆきけり花筏 有賀昌子 やぶれ傘 201010
押し合へる夕べの淵の花筏 稲垣佳子 末黒野 201104
神田川雲に乗りたる花筏 大内由紀 末黒野 201104
遡る鯉の浅瀬や花筏 坂上香菜 201106
本丸の掘割深き花筏 高橋泰子 201106
疼くものあり花筏吹きたまる 渕上千津 201106
町境流るる川に花筏 井上幸子 酸漿 201106
花筏冥き世までも込み合つて 山田暢子 風土 201106
花筏一つ一つに御魂乗しよ 辻佳子 馬醉木 201107
淀みては水の螺鈿や花筏 相良牧人 201107
花筏海を鎮めに行くところ 相良牧人 201107
本流も亜流もありぬ花筏 遠山みち子 201107
保津川の絶える事なき花筏 中田寿子 ぐろっけ 201107
花筏寄せ分け番の鳥遊ぶ 福島松子 ぐろっけ 201107
掘割に遊ぶ黒鳥花筏 植田雅代 ぐろっけ 201107
乘つてみたい溺れてみたい花筏 松田都青 京鹿子 201107
混み合うて瀞留まる花筏 大西よしき ろんど 201107
湧水に寄りて離れて花筏 近藤豊子 雨月 201107
花筏鯉の現れ崩しけり 永田万年青 六花 201107
誰彼を思へばそこに花筏 渡辺数子 火星 201107
仮名文字のごと深吉野の花筏 天谷翔子 火星 201107
鎮もれる胸の奥なる花筏 近藤公子 201107
ひらひらと落ち行く先は花筏 堤堅策 201108
花筏枕詞の如くなり 本間瓦子 201108
満潮や川のぼり行く花筏 大滝敏子 末黒野句集 201203
花筏を乱す軽鴨浜離宮 鈴木礼子 末黒野句集 201203
花筏黄泉の入口まで行けり 小林朱夏 201204
地獄いや天國も嫌花いかだ 佐藤喜孝 あを 201205
行く末は嵐の海ぞ花筏 山田六甲 六花 201205
酒蔵の裏は濠川花筏 坂上香菜 201206
妻をれば鮨でもつまむ花筏 川井素山 かさね 201206
急ぐとも先に淀あり花筏 小池清司 かさね 201206
花筏中州に着きて崩れけり 米田文彦 かさね 201206
花筏流れに齟齬をきたしけり 綱徳女 春燈 201206
一灯の域をゆるゆる花筏 北川英子 201206
花筏分けてぽかりと鯉の口 大木清美子 201206
薄染めの衣一枚花いかだ 遊橋惠美 風土 201207
天守へと渡る朱の橋花筏 田下宮子 201207
花筏堰越ゆるとき逸りけり 山本雅子 馬醉木 201207
ゆるやかに流れ相合ふ花筏 米尾芳子 馬醉木 201207
源平の池に等しく花筏 森下岩男 風土 201207
水音の硬さをほぐす花筏 高村令子 風土 201207
花筏亀一族に割込めず 長岡きく子 201207
恋瀬川添ひつ別れつ花筏 岡野ひろ子 201207
雲浮かせ一人見る贅花筏 松本恒子 ぐろっけ 201207
木洩れ日の軽さを運ぶ花筏 安居正浩 201207
花筏はた花畳隙もなし 大畑善昭 201207
フォークダンスのやうに組替へ花筏 菅谷たけし 201207
花筏崩し真鯉の沈みけり 福田房子 末黒野 201207
隠れ沼や風に押さるる花筏 園田惠子 末黒野 201207
花筏堀に浮かべる上田城 菅原孟 かさね 201207
町川に瀬あり淵あり花筏 斉藤マキ子 末黒野 201208
引きあとのためらひがちの花筏 北村香朗 京鹿子 201208
花筏ひとすぢの道のがさずに 北村香朗 京鹿子 201208
花筏鯉の水面を通り過ぐ 出口誠 六花 201212
舟入りより高瀬に乗りて花筏 津田富司 201305
みちのくの田に引く水に花筏 池内とほる かさね 201305
差し潮に右往左往の花筏 古川千鶴 かさね 201306
人の余生行方は知れず花筏 塩千恵子 201306
堰を越えふたたび生るる花筏 小川玉泉 末黒野 201306
花筏意志あるごとく漕ぎゆけり 辻佳子 馬醉木 201307
海老川の上げ潮どきの花筏 中江月鈴子 201405
散り頻り水面をはしる花筏 長崎桂子 あを 201406
花筏鯉の緋色を沈めけり 浅木ノヱ 春燈 201406
類が類よびたる和み花筏 渕上千津 201406
小流れの花筏すぐ塊りに 石川かおり 201406
川の名の宇治の堰落つ花筏 北川英子 201406
古城なる濠に列なす花筏 宮濱安子 201406
穏やかに空晴れあがる花いかだ 松村光典 やぶれ傘 201407
花筏ゆるりと神田川をゆく 安藤久美子 やぶれ傘 201407
花筏水にでこぼこありにけり 上野進 春燈 201407
流れとはみえぬ流れや花筏 小林のり人 春燈 201407
溜り場を一覗きする花筏 時澤藍 201407
たてよこに花筏寄る岸辺かな 川村文英 ろんど 201407
ややありて動き始むる花筏 松田泰子 末黒野 201407
あめんぼの脚の掛かりて花筏 生田恵美子 風土 201407
組み替ふること幾そ度花筏 丸尾和子 雨月 201407
ひとひらの離れてゆきし花筏 西村節子 火星 201407
町騒の外にただよふ花筏 村上留美子 火星 201407
やはらかく流れにのりぬ花筏 鎌田光恵 201408
堰越えてふたたび生まる花筏 吉田きみえ 末黒野 201408
差し潮の河口混み合ひ花筏 森清堯 末黒野 201408
時過ぎて透明となる花筏 栗原京子 201408
流れゆく正史裏面史花筏 古川夏子 201408
ただよひてやがて寄り添ふ花筏 村田岳洋 ろんど 201408
水疾し二級河川の花筏 上家弘子 ろんど 201408
急流を越えて組み出す花筏 山田正子 201408
この先は流れに委ね花筏 足立典子 雨月 201408
花筏返事は背で押し通す 伊藤希眸 京鹿子 201409
花筏 →3      

 

2021年4月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。