花 冷 2     100句

花冷えの犀を前からつくづく見る    澁谷道

作品
作者
掲載誌
掲載年月
篝火に花冷えの手をかざし寄る 石神芳枝 ぐろっけ 200107
先取りの薄着ファッション花の冷 井上富詩子 200108
花冷の今朝は格別ミルクティ 佐久間はるみ 200108
花冷えや老いても着たき紺絣 能村登四郎 200108
火のまはりよき花冷えの牡丹鍋 能村登四郎 200108
花冷の堂に写仏の娘が一人 斉藤陽子 雨月 200109
花冷えの赤い蒲団にもぐり込む 東莎逍 船団 200111
十一面観音を拝す花の冷え 平田紀美子 風土 200201
寄りかかる孫温かし花の冷え 吉成美代子 あを 200202
廁神かちあふと見え花の冷え 中原道夫 銀化 200204
花冷や積みたるままの貸筵 登坂章一 春耕 200204
花の冷え葬と句会に階分かち 品川鈴子 ぐろっけ 200204
三日月の出でしばかりや花の冷 北嶋美都里 200205
花冷や本陣座敷雛が埋め 阿部文子 酸漿 200205
風筋に饅頭の湯気花の冷 皆川盤水 春耕 200205
花冷や昨日のぬくもり胸奧に 芝宮須磨子 あを 200205
花冷や肩越しに観る名画展 田中藤穂 あを 200205
野生馬に花冷といふ大きもの 西川五郎 馬醉木 200206
石垣の隙間だらけの花の冷え 武藤ともお 京鹿子 200206
半襟の白あざやかに花の冷え 平田倫子 百鳥 200206
花冷えの遺品の時計止まりけり 徳永真弓 百鳥 200206
花冷の寝たきりで居てくれる母 うまきいつこ 200206
店先に饅頭蒸かす花の冷 吉村りつ子 築港 200206
花冷えの灯ともす京の細格子 辻井桂子 雲の峰 200206
称名寺観音菩薩展花の冷え 平田紀美子 風土 200206
花冷えの欠伸殺すに泪出づ 冨田みのる 200206
花冷えの探幽の間に男ごゑ 竹中一花 200206
坐りたる畳の色や花の冷え 竹中一花 200206
閻魔佛口の開きも花冷す 本多俊子 200206
パン生地の指にしたがふ花の冷 城孝子 火星 200206
花冷の土間に散らばるかんな屑 大東由美子 火星 200206
花冷の一日を家に籠りけり 梅田秀子 酸漿 200206
花冷や発作にふふむ舌下錠 増田八重 酸漿 200206
花冷の尾根に出て来し蟇蛙 小島三恵 酸漿 200206
井戸掘りの声上げてゐる花の冷 升本行洋 春耕 200206
花冷や寄木細工の鑿そろふ 石鍋みさ代 春耕 200206
咲き満ちてより花冷のつのりけり 岡本たか子 春耕 200206
馴染まざる鍬の柄削る花の冷 唐沢静男 春耕 200206
病にも干満のあり花の冷え 森洋子 200206
老犬と婆が留守番花の冷え 梁瀬照恵 ぐろっけ 200206
花冷や鏡の中の右ひだり 八染藍子 200207
花冷えや遺稿わが手にゆだねられ 伊藤トキノ 200207
花冷や石鹸につく砂の粒 冨岡新太郎 200207
花冷や碑一本の國ざかひ 豊田都峰 京鹿子 200207
花冷えのからだあたたむ内証風呂 林日圓 京鹿子 200207
花冷えのこの地この庵この床几 有働亨 馬醉木 200207
闇にさぐる花冷の鍵決算期 小林和子 風土 200207
花の冷え南禅寺みて湯豆腐食ぶ 磯野たか 風土 200207
花冷や昼の屋台に炎の見えて 武井美代子 風土 200207
花冷やワインにほのとコルクの香 川井政子 風土 200207
花冷えの眼に遠き港の灯 戸村よねこ 遠嶺 200207
花冷えや引越し先は港町 水野あき子 遠嶺 200207
花冷やもの言ひたげな石の臼 関口幹雄 遠嶺 200207
花冷や琴爪眠る小抽斗 祐森彌香 遠嶺 200207
花冷の傘ふれ合うてまみえけり 目羅忠雄 百鳥 200207
花冷の仕立おろしの喪服かな 後藤雅夫 百鳥 200207
花冷の城門の鍵錆びてをり 羽根田和子 百鳥 200207
花冷やカフカ片手の気障な奴 角田信子 六花 200207
花冷や内股歩きの通夜の僧 角田信子 六花 200207
父母恋ひのご生涯かや花冷ゆる 大橋敦子 雨月 200207
金箔に音ありにける花の冷 栗栖恵通子 200207
諾ひしあとの逡巡花冷す 加藤奈那 ぐろっけ 200207
花冷や駅員担ぐ車椅子 北畠明子 ぐろっけ 200207
楽茶碗双手に包む花の冷 中川美代子 ぐろっけ 200207
花冷えの門に置かれし浄め塩 林美智 ぐろっけ 200207
花冷えに高山からくり技競う 片渕清子 ぐろっけ 200207
花冷の南洲墓地に詣でけり 小林成子 200208
調律師来て花冷えにしてしまふ 和田照海 京鹿子 200208
漣の乱れてをりぬ花の冷 佐藤佐代子 200208
踏み剥げし箱階段に花の冷え 小林玲子 ぐろっけ 200208
花冷や漆器に残る刷毛のあと 高畑信子 遠嶺 200210
うろうろとうろうろとして花の冷 川上昌子 200210
丈六の台座ひび割れ花の冷 門伝史会 風土 200211
遺されし茶筅に艶や花の冷 加古みちよ 冬菜畑 200301
花冷を少し纏ひて来られしや 稲畑汀子 ホトトギス 200303
花冷や医師の机の聖書かな 菊地嘉江 帆船 200304
花冷やコンビニで買ふガムテープ 森本さやか 雲の峰 200305
老幹に身を寄せてゐる花の冷 大橋敦子 雨月 200305
花冷や赤子の袖の手を探す 後藤志づ あを 200305
黒面の佛の口や花の冷え 加藤みき 200305
花冷の延命水を掬ぶかな 水原春郎 馬醉木 200306
花冷や戦禍聞くみな背をまろめ 木村風師 馬醉木 200306
花冷の硯の海のあぶくかな 竹内悦子 200306
膝折つて僧と花冷え分ちあふ 神蔵器 風土 200306
花冷の椅子ひとつ足す通夜なかば 田所節子 200306
花冷や行く人ごとに声かけて 小山香月 酸漿 200306
花冷やいつか途絶えし鳥の声 篠崎荘市 酸漿 200306
花冷えて軒の雀の人恋ふごと 高塚診次 200306
花冷や棚の埃をそつと撫で 井上みち子 帆船 200306
花冷の廻り出したる洗濯機 戸栗末廣 火星 200306
花冷や絵馬の金箔剥落し 森脇恵香 雲の峯 200306
花冷や人の入り行く古梅園 米倉よしお 雲の峯 200306
花冷の阿夫利に拝す釈迦の像 渡辺政子 雲の峯 200306
花冷やステンドグラス青深く 清わかば 雲の峯 200306
花冷の光放てる観覧車 塩川雄三 築港 200306
撫で牛にぎよろり睨まる花の冷 塩川雄三 築港 200306
花冷の丘に屹立天守閣 佐本英介 築港 200306
落慶の伽藍に深き花の冷 萩谷幸子 雨月 200306
絶えし家の墓守るさだめ花冷ゆる 宮本俊子 雨月 200306
花冷の全身で聴く父の息 山本きょうこ 百鳥 200306
花冷3→      

 

2021年4月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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