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大粒の雨が来さうよ鱧の皮    草間時彦

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕さりの鱧の吸物山の音 田中藤穂 あを 200608
前うしろ川の流るる鱧料理 大山文子 火星 200609
手土産と湯引き鱧鮨持たさるる 安井和子 200609
品書に鱧の湯引や遠囃子 名取袿子 200610
儲かりまつかぼちぼちでんな鱧料理 磯崎清 200610
中津とは諭吉の里よ鱧料理 篠原樹風 ホトトギス 200610
しづかなる賀茂の流れや鱧料理 今井松子 遠嶺 200610
大丸の鱧ずし買うて戻りけり 浅田光代 風土 200610
祭鱧「く」の字に並べ売られけり 宇和川喬子 200612
骨を切り播り身の鱧の団子汁 小松サチコ ぐろっけ 200612
時彦忌そろそろ鱧の出るころか 鷹羽狩行 200705
骨切りの音に旨さを秘めし鱧 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
鱧の出てより雅なる古都の宴 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
牡丹鱧崩すにしのびなく崩す 北川英子 200708
山の名を讃へてをりし祭鱧 能村研三 200709
大阪の暮し重ねて鱧の皮 今谷脩 ぐろっけ 200709
余裕なき水槽に立つ祭鱧 藤井久仁子 ぐろっけ 200710
白雲の二つ相寄る鱧の旬 八田木枯 晩紅 200710
中庭の遣水ひびく鱧料理 乗光雅子 雨月 200710
鱧の椀旨しと酒を別れの日 横山百江 遠嶺 200711
祝宴の大皿に盛る湯引き鱧 玉置かよ子 雨月 200712
断りは婉曲がよし鱧の皮 安居 正浩 200801
なごり鱧女系仲よくたくましく 北川孝子 京鹿子 200801
鱧切はプロの腕前父のこと 田中時子 八千草 200801
好きやねん天神祭鱧の皮 坪内稔典 稔典句集U 200804
真昼間の鱧食べている石蕗の花 坪内稔典 稔典句集U 200804
西陣の古き料亭鱧の膳 坂上香菜 200807
繭蔵でありたる酒肆に鱧つつく 朝妻力 雲の峰 200808
太閤ぎらひや鱧皮に酢を利かせ 浜口高子 火星 200809
水鱧にくつろぐとせむ老の膳 前川千恵子 雨月 200809
新参の身を片隅に鱧料理 中原敏雄 雨月 200809
南禅寺拝してよりの鱧の皮 谷村幸子 200809
大阪のはづれに育ち祭鱧 杉浦典子 火星 200810
鱧の皮あづま男を量りをり 深澤鱶 火星 200810
鱧捌き浪速はまつり近きかな 栗山恵子 雨月 200810
鱧食べ歩む淡路の港町 和田一 雨月 200810
広島や鱧の字ならぶお品書 四條進 200811
木洩れ日の揺るる座敷に鱧食す 有賀昌子 やぶれ傘 200811
鱧しやぶや老いゆく先は考へず 上崎暮潮 ホトトギス 200901
骨切を見せて老舗の鱧料理 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
来合せておのころ島の鱧の旬 島貫寿恵子 雨月 200909
八寸は鱧口中に消えにけり 東亜未 あを 200909
箸置きの小枝の緑鱧茶漬け 小幡喜世子 ろんど 200909
よちよちの歩みを披露鱧の膳 秦和子 200910
飛び出せる鱧の尺余や糶の声 井口淳子 200910
鱧皮に父語りゐる三姉妹 永島雅子 春燈 200910
日輪の月に喰はるる鱧の皮 中田禎子 200910
終の地も出自も浪速牡丹鱧 玉置かよ子 雨月 200910
酢味噌よし梅肉もまた湯引鱧 玉置かよ子 雨月 200910
鱧料る骨切り自負の板前が 玉置かよ子 雨月 200910
鱧の皮きざみ婚歴古りしかな 玉置かよ子 雨月 200910
暴れては歯をむく素顔糶の鱧 磯田せい子 ぐろっけ 200910
骨切の音のこきざみ祭鱧 水谷洋子 十進法 200911
鱧祭てふ呼び方も祇園かな 竹中一花 200911
鱧づくし蒔絵の椀の糝薯かな 谷岡尚美 200911
鱧鮓や少しは休むことも善し 遠藤和彦 遠嶺 200911
しつとりと往き交ふ小路祭鱧 野口光江 遠嶺 200911
旅冥利おのころ島の鱧づくし 島貫寿恵子 雨月 200911
水鱧や京の町家の和紙あかり 藤本一城 200911
舎利舎利舎利鱧の骨切る世話女房 延広禎一 201008
水鱧や横にしてとく箸の帯 堀江惠子 201008
杉箸のほどよき湿り祭鱧 上谷昌憲 201008
鱧切りの包丁を研ぐうしろ肩 服部郁史 京鹿子 201009
皮なめすごとくに鱧を捌くかな 南うみを 風土 201009
命日に母の好みし湯引き鱧 小林成子 201010
天地宝楽一気に開く牡丹鱧 延広禎一 201010
鱧の身を皮の寸前まで刻む 出口誠 六花 201010
荒雨の早き夕餉の祭鱧 橋添やよひ 風土 201011
鱧食うて天神さんの船篝 川井秀夫 ろんど 201011
鱧天のランチの列や昼餉どき 高谷栄一 嵯峨野 201107
初物の鱧鮨囲み釣りばなし 竹内悦子 201108
先付は切子小鉢の湯引き鱧 藤見佳楠子 201109
見とれけり鱧の骨切る匠技 田中浅子 201110
鮨を食ふ鱧の骨切り眺めつつ 難波篤直 201110
今年亦沼島の宿で出会ふ鱧 林美智 ぐろっけ 201110
鱧まつり漆の椀の軽さかな 中島陽華 201110
母二人の忌日連なる祭鱧 武田巨子 春燈 201110
鱧と穴子おなじに見える横須賀線 伊藤希眸 京鹿子 201111
大阪を離るる友と鱧尽くし  日下徳一 ホトトギス 201112
こいさんの船場言葉や鱧の店  日下徳一 ホトトギス 201112
鱧食うて宵の新地で別れけり  日下徳一 ホトトギス 201112
一寸に二十二鱧の骨切ると 上﨑暮潮 ホトトギス 201202
八十を挟みて夫婦鱧を食ぶ 浅井吉雄慈 夕端居 201203
鱧食べて大阪のことなつかしむ 早崎泰江 あを 201207
鱧鮨を玻璃皿に盛り茶屋料理 田下宮子 201208
再訪の湖畔の宿や鱧の椀 川井素山 かさね 201209
鱧の皮一杯やらうと言ひしまま 荒木甫 201209
斜交ひに坐る仲なり鱧の皮 宇都宮敦子 201209
「山貳番籤」引く知らせ鱧づくし 橋添やよひ 風土 201209
牡丹鱧源平鱧や灯の入りて 橋添やよひ 風土 201209
川風と鱧の皮に酌み灯をよべり 豊田都峰 京鹿子 201209
鱧鮨や辻わたりくる遠囃子 高瀬史 馬醉木 201210
こんちきちん路地も小路も鱧焼く香 錫木妙子 馬醉木 201210
連なつて六人がゆく鱧祭 竹内悦子 201210
歯の浮きし話の後の鱧の寿司 丸井巴水 京鹿子 201210
高下駄の父予捌きし鱧の膳 伊吹之博 京鹿子 201210
住み馴れて佳き事もあり鱧の皮 丹後みゆき ぐろっけ 201210
鱧買うていつも一人と気がつきぬ 筒井八重子 六花 201210
綴帯に運ばれて来し落し鱧 浜口高子 火星 201210
行き暮れて天神裏の鱧料理 大島寛治 雨月 201210
手に馴染む母の手鋏鱧の皮 尼嵜太一郎 ぐろっけ 201305
祭鱧こころ足る日は早寝して 佐津のぼる 六花 201309
しやきしやきと鱧切る音や片襷 小池清司 かさね 201310
出初めは水鱧と呼び碗種に 安田呉遊 京鹿子 201310
先斗町鱧切る音に昏れにけり 近藤幸三郎 風土 201311
ひとくさり有りて運ばる鱧料理 西川みほ 末黒野 201408
研ぎ澄ます関の逸品牡丹鱧 北尾章郎 201408
瀬音して小格子灯る鱧の茶屋 田中珠生 馬醉木 201408
鱧の皮二番煎じの恋語り 桑名さつき ろんど 201408
戦前の浪速に生まれ祭鱧 阪本哲弘 201409
鱧寿司や節の器を引き立たせ 秦和子 201409
自転車に誰も当らず鱧の皮 辻水音 201409
百間を売りしもどりの鱧の皮 石井耿太 火星 201409
湯引鱧刻み胡瓜を褥とし 能村研三 201409
鱧づくし壁に自慢の写楽の絵 藤岡紫水 京鹿子 201410
浪速に生れ齢いとしみ祭鱧 塩見英子 雨月 201410
藍皿の鱧の湯引きの白さかな 伊藤由良 末黒野 201410
夕風に待つや肴の鱧おとし 辻香秀 201410
盃交はす爺の放談鱧料理 高谷栄一 201410
よんべ鱧食うべしあとは忘れたり 浜口高子 火星 201411
包丁の肌理確かむる鱧料理 小泉欣也 ろんど 201411
梅肉をのせて小鉢の湯がき鱧 田所節子 201411
祭鱧京へ送りし島の意気 山荘慶子 あを 201504
人の世のおかしとふしぎ鱧の皮 雨村敏子 201509
過不足もなくて余生や鱧の皮 一民江 馬醉木 201510
板さんの美男子なりし祭鱧 梅村すみを 201510
高山の「めでためでた」の鱧の椀 近藤鉦子 201510
骨切られつぎつぎ鱧の花ひらく 熊川暁子 201510
骨切りのリズムよろしき祭鱧 岩下芳子 201510
鱧ちりや大阪城を窓にして 西村しげ子 雨月 201511
鱧なます夫には夫の旅ごころ 竹内弘子 あを 201601
鱧椀の冷やしたるよし茶懐石 竹内弘子 あを 201601
鱧食べる写楽豊国より寄り目 陽山道子 船団 201602
鱧の皮商家にしかと家訓あり 沼田巴字 京鹿子 201606
車座になつて分けあふ鱧の鮨 市村明代 馬醉木 201608
この町に生れ育ちて祭鱧 安居正浩 201608
骨切りの音も馳走や鱧の宿 窪田粧子 馬醉木 201609
腰に鴨川を感じて鱧の皮 井上石動 あを 201609
焼鱧の夜風にほへり京格子 錫木妙子 馬醉木 201610
その辺に丸めてありし鱧の皮 竹内悦子 201610
鱧料る磨ぎし刃を指に当て 荒井和昭 201610
梅干の恋や湯引の鱧おとし 中島陽華 201611
肱の雨呑んだる鱧の湯引かな 中島陽華 201611
魚市場市の終りの鱧の皮 東英幸 船団 201702
鱧→3      

 

2021年7月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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