白 雨 1     100句

白雨(ゆふだち)にはしり下るや竹の蟻    内藤丈草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白雨去る日本海と能登叩き 小谷部東吾 199902
足という足小走りに白雨降る 三宅やよい 玩具帳 200004
一瞬に戻る巻尺白雨来る 森田博 200009
にはかなる白雨に伏して帚草 児玉輝代 200011
脚本に白雨の幕はなかりしに 森谷彰 銀化 200108
溜飮のあげさげ白雨やりすごす 中原道夫 銀化 200108
湖釣りのテントに白雨容赦なし 三浦晴子 200110
読経にこの身浸さば白雨かな 萩原行博 遠嶺 200110
白雨去り湖の神めく逝さ富士 三浦晴子 200110
絵にすれば舞子の白雨などもよし 松山律子 六花 200205
白雨来て五智像嘆くほつかむり 鈴鹿仁 京鹿子 200207
白杖の一団の散る白雨かな 小林絹子 帆船 200208
附馬を待たせておきし白雨かな 中原道夫 銀化 200210
巌山の肩の宮居や白雨来て 黒坂紫陽子 馬醉木 200210
小走りの朝の舞子に白雨かな 竹中一花 200210
少年のほてり鎮めて白雨かな 船山博之 百鳥 200210
白雨くる小さき窓のレストラン 桜井和子 遠嶺 200210
白雨過ぎ地熱散らせしばかりかな 久保晴子 雨月 200211
湯地獄を巡る白雨のおまけつき 伊藤白潮 200307
海原を走り抜きたる白雨かな 大串章 百鳥 200308
四万十川の暗める曲の白雨かな 藤田あけ烏 草の花 200410
創口の熱さまし去る白雨かな 淵脇護 河鹿 200410
白雨来て外人墓地を洗濯す 黒田美恵子 春燈 200410
白雨行く沼面にしぶき押しひろげ 宮津昭彦 200410
開拓村牛のにほひの白雨来る 後藤秋邑 百鳥 200411
山々の迫りくるかに白雨過ぐ 野口光江 遠嶺 200411
曼荼羅の山に住み古り白雨燦 山陰石楠 200411
万雷の拍手のごとき白雨中 渡辺隆 遠嶺 200412
蓮池に音の湧きたつ白雨かな 丸山照子 火星 200510
大寺の三百畳の白雨かな 大山文子 火星 200510
白雨して聖鐘響く銀座かな 荒井慈 春燈 200511
鈴の音の白雨となりて夜叉ヶ池 西村純 200511
広重の白雨の中を駆けにけり 村田菊子 遠嶺 200511
森を出て杜へ入る道白雨来 舩越美喜 京鹿子 200512
酒断ちの身ほとりに聴く白雨かな 淵脇護 河鹿 200608
立ちこぎの少年白雨の橋を越ゆ 篠田純子 あを 200609
白雨来て街は月面クレーター 市川英一 遠嶺 200609
高原の白雨の後の深呼吸 東亜未 あを 200609
白雨あと声したたりて法師蝉 水原春郎 馬醉木 200610
白雨来るきざしの中ヘバスの着く 椿和枝 200610
結界をけぶらせてゐる白雨かな 玉川悠 遠嶺 200611
一宿に一川渡る白雨かな 百瀬七生子 海光 200705
白雨くるいのち嫋々打たれをり 上原重一 200707
蔵町のうだつを過る白雨かな 鈴木久香 遠嶺 200708
墓参りさ中の白雨遣り過ごし 久保晴子 雨月 200712
大川の濁り川鵜か白雨か 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
生涯の余白にしぶく白雨かな 犬塚李里子 200809
庭の木々蘇らせて白雨去る 木暮剛平 万象 200810
白雨あと狼藉しるき狭庭かな 稲次登美子 雨月 200810
啻ならぬ白雨先立て来し訃報 藤浦昭代 ホトトギス 200904
見はるかす大海原の白雨かな 金山雅江 春燈 200909
大白雨出口に人の寄り合へる 東亜未 あを 200910
蓮の葉を磨き上げたる白雨かな 池田光子 風土 200910
どしやぶりの白雨の脚を見てゐたり 藤江朋子 万象 200910
雨乞の山より白雨来りけり 長憲一 200911
白雨に里山の色消されゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
一望の本郷通り白雨かな 片山由美子 201008
溝に急く白雨ににほひありにけり 篠田純子 あを 201009
戸隠の蕎麦をいちまい白雨中 根橋宏次 やぶれ傘 201009
白雨来る父の植ゑたる杉の山 谷田部栄 万象 201010
白雨来てやがて一つの空と湖 山本孝夫 201010
雑木山白雨ののちを土にほふ 藤井美晴 やぶれ傘 201012
法隆寺白雨やみたる雫かな 飴山実 風土 201107
白雨過ぎ子らの遊べる水溜り 伴秋草 末黒野 201110
無聊の日白雨の脚を眺めをり 鎌倉喜久恵 あを 201110
家大地たたきて白雨すぎゆけり 三澤いつ子 万象 201110
白雨行く女の傘の骨の色 瀬島洒望 やぶれ傘 201111
野仏に白雨到れる信濃かな 伊藤ふみ 馬醉木 201111
草千里馬追ひ立てて白雨来る 岩永はるみ 白雨 201203
病衣並び窓の白雨を見てゐたり 山尾玉藻 火星 201208
広重の白雨は永久に降り続く 岩月優美子 201208
いつも見る塔を隠せる白雨かな 松本信子 かさね 201209
東大寺白雨たばしる鴟尾二つ 北崎展江 くりから 201209
歩きけり白雨のしづく垂らしつつ だいじみどり 201210
白雨きて輪中の土の匂ひかな 水谷靖 雨月 201210
箸止めて父が見てゐる白雨かな 柴田佐知子 201211
降り出せば雨脚見えぬ白雨かな 佐藤喜仙 かさね 201211
風に酔ひ白雨に醒めし酔芙蓉 伊丹さち子 馬醉木 201212
初めての合羽よろこぶ子に白雨 乾有杏 201310
白雨過ぎ歩行者天国ずぶ濡れに 佐津のぼる 六花 201310
白雨過ぎ古老のごとく広辞苑 浅田光代 風土 201310
白雨やみぽとぽと雨垂れ潦 森岡陽子 かさね 201310
ほうじ茶をすする宿場の白雨かな 沼崎千枝 末黒野 201310
白雨来るくろがねの富士消しながら 齋藤晴夫 春燈 201311
雲梯のつつ立つてゐる白雨中 大山文子 火星 201409
一瞬に白雨の隠すほくほく線 赤座典子 あを 201409
木曽谷の野へ展けゆく白雨かな 浅井青二 雨月 201410
マロニエの軒借るパリの白雨かな 熊川暁子 201411
雉鳩の呼びしか峡に白雨来て 奥井あき 201508
白雨去り呼ばれて吾に鼻濁音 湯橋喜美 201508
軒先に雫を残し白雨止む 竹中一花 201508
参道の白雨やみたるしづくかな 根橋宏次 やぶれ傘 201509
なつかしきおとこのように白雨くる 池田澄子 船団 201602
山畑の豆の葉叩く白雨かな 榊山智惠 末黒野 201604
白雨止みたちあらはるる故山かな 木村美翠 201609
風少し白雨のあとのプラタナス 藤井美晴 やぶれ傘 201609
白雨きて土の匂ひを残し去る 保田榮子 万象 201610
白雨来て山畑精気呼び戻す 上辻蒼人 風土 201611
うま酒を抱きて走る白雨かな 古川夏子 201612
地に散りて薔薇の紅白雨の足 田尻勝子 六花 201709
白雨 →2      

 

2023年8月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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