白 鳥 5      200句

ながかりし昭和を悼み白鳥みる    高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
白鳥の第三幕といふ飛翔 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
白鳥の翼たたみぬ静心 稲畑汀子 ホトトギス 201212
潟の朝塒の白鳥丸くなり 菅原孟 かさね 201212
眠りては白鳥闇に声洩らす 辻美奈子 201301
白鳥飛来羽の付け根に力瘤 久染康子 201301
人間に一線画す大白鳥 東良子 201301
すぐそこに白鳥絆深めをり 岡野ひろ子 201301
白鳥のために水張る田一枚 和田森早苗 201302
白鳥の田圃となれり暫くは 和田森早苗 201302
白鳥来る錠剤ひとつ増えにけり 山田暢子 風土 201302
白鳥の湖を傾げて着水す 山田暢子 風土 201302
白鳥の飛来未だに遠浅間 鈴木石花 風土 201302
常住の白鳥餌場に冬烏 鈴木石花 風土 201302
雪催飛べぬ白鳥友を待つ 鈴木石花 風土 201302
白鳥の水吊り上げて発ちにけり 佐山五稜 風土 201302
白鳥の羽搏ちて浄む沼の紺 石川寿夫 ろんど 201302
白鳥の一陣来たり欣一忌 山田春生 万象 201302
飛んで来し大白鳥と目が合へる 三澤治子 万象 201302
しんしんと白鳥句碑へ雪の嵩 三澤治子 万象 201302
白鳥を離るる影の大いなる 玉田瑞穂 万象 201302
白鳥のいつも一羽の訳は何 菅野蒔子 末黒野 201302
白鳥の到着便の遅れをり 和良牧人 201302
竪琴のやうなる翼大白鳥 大日向幸江 あを 201302
白鳥の群舞の静止シクラメン 木村茂登子 あを 201302
鳴き交はしつつ白鳥の来たりけり 山田春生 万象 201303
白鳥の首しなやかにハートの輪 篠原幸子 春燈 201303
みづうみは蘇生の器白鳥来 佐久間由子 201303
北上の川幅広く白鳥来 吉川隆史 201303
白鳥のゐるひとところ蘆明り 高橋和枝 201303
原子炉と舎利塔の空白鳥来 中山皓雪 201303
休み田化して白鳥のパラダイス 金子つとむ ろんど 201303
湖青し白鳥の声かうと透く 松井志津子 201303
讃ふも愛も白鳥頸交はす 松井志津子 201303
白鳥を茜に染めて湖明くる 中村嚢介 ホトトギス 201304
小白鳥百のおしやべり七彩に 塩貝朱千 京鹿子 201304
夜目凝らし白鳥数ふドナウ川 松村光典 やぶれ傘 201304
冬ざれの川面白鳥は点るごと 松村光典 やぶれ傘 201304
小白鳥の群れて純白池眩し 中村ふく子 201305
助走する白鳥水を蹴り上げて 中村ふく子 201305
白鳥帰る赤城颪の吹く日かな 門伝史会 風土 201305
何の会議白鳥集ふ沼の隅 鈴木石花 風土 201305
白鳥の柔毛の畦に残りたる 松原智津子 万象 201306
白鳥を百まで数へ沼傾ぐ 佐々木紗知 京鹿子 201306
鳴き交はす大白鳥の相寄らず 江見悦子 朴の青空 201307
白鳥に空明け渡す午前九時 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
白鳥の平らな背に座れさう 内海保子 万象 201310
白鳥に空明け渡す午前九時 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
白鳥座いのりのかたに組みにけり 豊田都峰 京鹿子 201311
首のべて五星かがやく白鳥座 豊田都峰 京鹿子 201311
夜も更けて十字の星は白鳥座 豊田都峰 京鹿子 201311
白鳥に紛れ絶滅危倶の来し 稲畑汀子 ホトトギス 201312
白鳥の水辺の綺羅を旅便り 稲畑汀子 ホトトギス 201312
大空をあけて白鳥飛来待つ 神蔵器 風土 201312
白鳥に乗りて旅立つえぢやないか 前田美恵子 201401
白鳥の御伽の水輪広ごれり 平子公一 馬醉木 201401
白鳥の落穂啄む車窓かな 坂根宏子 201401
白鳥待つ瓢湖の水を高ぶらせ 神蔵器 風土 201401
斥候の白鳥一陣飛来せり 池内結 ろんど 201401
白鳥の中に入ってゐる人よ 佐藤喜孝 あを 201402
白鳥を待つ城沼のゆめうつつ 工藤はるみ 風土 201402
白鳥の白を極めて湖揺らぐ 下平しづ子 雨月 201402
白鳥と目が合ひ幸を信じけり 松井志津子 201403
白鳥の来て作り田をふくらます 齋藤厚子 201403
白鳥飛来濁りし田水貧りぬ 久染康子 201403
漣の中に白鳥入りにけり 住田千代子 六花 201403
漣の中に白鳥入りにけり 住田千代子 六花 201403
山の田へ小白鳥来よと湖北人 小澤菜美 201404
白鳥にドラマはじまる湖碧し 塩貝朱千 京鹿子 201404
白鳥の帰る日近し越の潟 坂根宏子 野山の道 201404
白鳥の水の碧さに着水す 稲岡長 ホトトギス 201404
白鳥の水掻く音や朝の靄 小澤菜美 201404
白鳥の二羽に近づく恋仇 塩貝朱千 京鹿子 201404
白鳥の父を呼ぶこゑ母呼ぶこゑ 有松洋子 201404
白鳥を打つ白波の尖りたる 今野明子 末黒野 201404
遅れじと助走短く子白鳥 松井志津子 201404
重さうな白鳥大き羽搏きす 土井三乙 風土 201404
喧噪の白鳥を見る人の黙 坂場章子 201404
大白鳥羽ばたき揚る最上川 藤波松山 京鹿子 201404
湖明けて飛白模様に鴨白鳥 松井志津子 201404
白鳥の胸のひろぐる水鏡 森清堯 末黒野 201405
白鳥の声突き上げてゐる闇夜 佐々木紗知 京鹿子 201405
さいはての地の白鳥の慟哭を 福水尚子 ろんど 201405
北帰行の白鳥ならむ最上川 北尾章郎 201405
鳴き交はす白鳥の群帰りけり 石川かおり 201405
鴨よりは白鳥所望添寢には 佐藤喜孝 あを 201405
水蹴つて水を剥がるる小白鳥 菅谷たけし 201405
白鳥の帰りし空や喪服着て 水野恒彦 201406
白鳥の帰りし湖のとのぐもり 和田照海 京鹿子 201406
白鳥の宝塚大橋越しにけり 平居澪子 六花 201406
文庫本丸め白鳥待つ時間 火箱ひろ 船団 201406
帰りたる白鳥の羽根田にあまた 工藤ミネ子 風土 201407
帰路の白鳥網倉を巡りをり 土屋草子 ろんど 201407
人見知りの白鳥どれも睫毛無き 土屋草子 ろんど 201407
白鳥の恋の鞘当て波しまく 押田裕見子 201408
天網より大白鳥を迎へけり 吉武千束 太古のこゑ 201411
飛来せし白鳥すぐに馴染みけり 稲畑汀子 ホトトギス 201412
「白鳥来」と葉書いちまい佳き日かな 近昌夫 春燈 201412
白鳥の蹲る田と羽ばたく田 甲州千草 201501
白鳥来第一声は天を向き 福島茂 201501
川筋のひかりにふはと白鳥来 高橋あさの 201501
着水の白鳥腋を緩めたる 細川洋子 201502
水の青光のあをへ大白鳥 矢崎すみ子 201502
本埜田に水漬き安らぐ小白鳥 小松誠一 201502
白鳥の湖暮れてより鴨の鍋 沢木欣一 万象 201502
白鳥の眠るや星の降りはじむ 豊田都峰 京鹿子 201502
星月夜白鳥の首羽根の中 今井春生 201502
白鳥のいつもの顔や夏井川 佐藤健伍 201502
着水の白鳥光まみれなる 豊田都峰 京鹿子 201502
八雲わけ大白鳥の行方かな 沢木欣一 万象 201502
白鳥の陰美しく年立てり 沢木欣一 万象 201502
白鳥の首を伸ばして草を食む 永田万年青 六花 201502
白鳥の現地集合怠らず 相良牧人 201503
くしゅんくしゅんやって来るかな小白鳥 たかはしすなお 201503
水鏡白鳥ながき身づくろひ 西村梛子 馬醉木 201503
灘越えて白鳥島に降りて来よ 竹中一花 201503
薄明の白鳥花のごと眠る 水野恒彦 201503
白鳥にならむと雲は空渡る 福永尚子 ろんど 201503
大白鳥水走りして日を散らす 山口素基 万象 201503
白鳥の声に覚めたり越の宿 大坪景章 万象 201503
獰猛な性を隠して白鳥は 安居正浩 201503
白鳥や一族ごとに距離を置き 森田尚宏 201504
発砲のごと白鳥へ連写音 菅谷たけし 201504
白鳥の首は縦笛呼び合へり 田所節子 201504
大白鳥また旅人に見つめらる 白水良子 201504
白鳥の声恐しく暮れにけり あさなが捷 201504
白鳥の声恐しく暮れにけり あさなが捷 201504
白鳥に流し目といふことのあり 本多俊子 201504
白鳥の小さき縄張小突きあふ 内海良太 万象 201504
輪中の田華やぐ白鳥五十羽に 室伏みどり 雨月 201504
白鳥来ふるさとへ耳研ぎすます 北上政枝 201505
白鳥の留まる影のやはらかし 黒滝志麻子 末黒野 201505
白鳥の群れゐて羽の触れ合はず 原田しずえ 万象 201505
泥んこにまみれし白鳥足太し 村田岳洋 ろんど 201505
幻を追ひて白鳥羽を噛む 寺田すず江 明日葉 201505
白鳥に我が品格を省みむ 岩月優美子 グピドの瞳 201506
水に五指立てて白鳥飛び翔てり 工藤節朗 201506
白鳥に履かせてみたしトウ・シューズ 白神知恵子 女坂 201508
白鳥の翼にたたむ夕茜 河原昭子 万象 201508
案内読む行間に白鳥のこゑ ほんだゆき 馬醉木 201510
白鳥の白の毀れむばかりかな ほんだゆき 馬醉木 201510
白鳥の馴れなれしさに惑ひけり 原田達夫 箱火鉢 201511
白鳥の声に暮れゆく出羽の里 石井秀一 風土 201512
白鳥の飛来の数を貼り出せる 内海良太 万象 201602
暁の水の母郷へ白鳥来 矢崎すみ子 201603
池巡る何処も白鳥向う側 松井志津子 201603
白鳥の群れ発つ湖面吊り上げて 久染康子 201603
初晴や白鳥の頸すつと伸び 岸洋子 201603
白鳥の声のみ残し闇に消ゆ 藤波松山 京鹿子 201603
白鳥来湖にはなやぎ戻りけり 寺田すず江 201603
蒼天を降り白鳥の白極む 岩月優美子 201603
白鳥の夕日に透けて玻璃となる 有松洋子 201603
白鳥の慌てぬ一羽見て飽かず 石田きよし 201603
白鳥の空母潜水艦の鳰 石田きよし 201603
白鳥の点となる迄見送れり 佐藤やすこ 風土 201603
白鳥来気象予報士声やさし いろは 201603
白鳥の背筋伸ばして見せにけり 山田六甲 六花 201603
ひとしきり犬の鳴けるへ白鳥来 笹村政子 六花 201603
かがようて波の果なる小白鳥 笹村政子 六花 201603
まだ湿りある白鳥の褥あと 吉田政江 201604
翔つ合図とも白鳥の啼き交す 松井志津子 201604
白鳥に天開けて日の燦々と 甲州千草 201604
白鳥を見てきし夜のロシアンティ 小林陽子 201604
白鳥に住民票とや被災の地 篠原幸子 春燈 201604
白鳥の暮色引き合ふ瓢湖かな 森清信子 末黒野 201604
閉園の曲白鳥の水尾に添ふ 原友子 201604
大白鳥さみしき首をのばしけり 岡村尚子 201604
白鳥を見しより浮遊せる心地 栗原公子 201605
白鳥の引いて一村がらんとす 内海良太 万象 201605
鳴き交はしつつ帰りゆく大白鳥 山田春生 万象 201605
白鳥の薄ら汚れて帰りけり 山田正子 201605
懐メロを聞きつ白鳥見ゆる席 平野みち代 201605
白鳥の歌ひつつ白こぼしゆく 本多俊子 201605
白鳥の帰りし空の青さかな 樋口英子 201606
白鳥守ヤマトタケルを語りけり 内海良太 万象 201606
いのち今少しの余白鳥雲に 鈴木漱玉 馬醉木 201606
白鳥の零下三度といふ白さ 竹下陶子 ホトトギス 201607
空に白鳥地に千年の古木立つ 野沢しの武 風土 201607
着水の白鳥胸を二度反らす 内海保子 万象 201610
寒北斗白鳥家族寝入りしか 内海保子 万象 201610
白鳥守餌箱叩いて去りにけり 内海保子 万象 201610
白鳥の飛来に町の活気づく 佐藤三男 万象 201612
雲厚くなる白鳥の餌づけどき 伊藤白潮 201612
法の山越えて白鳥夜を渡る 竹中一花 201612
白鳥を見てきし夜のロシアンティ 小林陽子 201701
白鳥の飛翔にかしぐ湖畔村 ほんだゆき 馬醉木 201701
白鳥の湖青く明けてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
白鳥の一羽に村の明るさよ 伊藤紫水 風土 201702
第一陣二陣三陣大白鳥 佐藤やすこ 風土 201702
白鳥の頭上をふいに過ぎしもの 犬塚李里子 201702
白鳥のはてなのやうな首たたみ 山本無蓋 201702
重さうな白鳥もゐて大水輪 内海良太 万象 201702
眠る白鳥夢の容といふべかり 水野恒彦 201703
ヘップバーンの王女のやうに白鳥来 森岡正作 201703
白鳥の風の挽歌に震ふ羽 山口ひろよ 201703
白鳥の潜り切れざる尻の先 きくちきみえ やぶれ傘 201703
白鳥の水尾のかがやき沼動く 石黒興平 末黒野 201703
白鳥を迎へし湖の碧さかな 森清信子 末黒野 201703
胸汚しせせる白鳥田のにほひ 森清堯 末黒野 201703
野川ゆく大白鳥の音もなく 落合裕子 万象 201703
暁光に白鳥の声染まりけり 七種年男 201703
白鳥 →6

 

2020年12月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。