白 鳥 3     222句

白鳥といふ一巨花を水に置く    中村草田男

作品
作者
掲載誌
掲載年月
長靴を履き白鳥を見にきたる 大串章 百鳥 200602
村役を兼ぬる白鳥守といふ 伊藤白潮 200602
賜れる傘寿白鳥来そめし日 木山白洋 馬醉木 200602
師の句碑へ大白鳥の初飛来 佐藤雄二 万象 200602
二百万都市にも降りて小白鳥 岡本敬子 万象 200602
白鳥来嘴に草屑つけしまま 安部康子 万象 200602
白鳥を見し夜の湯浴みねんごろに 坂本俊子 200602
鴨に従き尾越しの白鳥飛来せり 田口俊子 200602
背負ふごと白鳥翅をたたみたる 中村房枝 六花 200602
白鳥の水尾の乱れや風邪心地 西川五郎 馬醉木 200603
白鳥の辞儀交々に愛生まる 佐々木よし子 200603
翼に日乗せて白鳥着水す 大沢美智子 200603
善福寺池福もて来たる小白鳥 後藤眞由美 春燈 200603
白鳥来雲を八溝の山へ寄せ 宮津昭彦 200603
白鳥の声に古墳の立ち上がる 大串章 百鳥 200603
白鳥来銀河を発ちて来しごとく 松田雄姿 百鳥 200603
逆光抜け白鳥の白よみがへる 石崎宏子 百鳥 200603
曇天の池に白鳥明りあり 青木民子 酸漿 200603
大白鳥畑を啄む出羽の郷 安部暘子 四葩 200603
白鳥来る男晴れして杉並区 神蔵器 風土 200603
朝の田の白鳥一羽光るかな 植竹美代子 雨月 200603
白鳥の白の融け出す湖水かな 木寺仙游 四葩 200603
白鳥の六羽ゆつたり飛来して 田中悦子 四葩 200603
白鳥のもつとも白く越年す 今瀬剛一 対岸 200603
山越えてくる白鳥の白さかな 岡崎桂子 対岸 200603
白鳥のパ・ド・ドゥー朝の山光る 野口香葉 遠嶺 200604
白鳥を見送りし夜のざんざ降り 北川英子 200604
白鳥の頸のみよごれゐたりけり 石川笙児 200604
白鳥と一緒に動く親子連れ 久本久美子 春燈 200604
白鳥のかたまつてゐる犀川湖 市川十二代 ぐろっけ 200604
白鳥は田の一枚にかたまりぬ 小林愛子 万象 200604
啄ばめる白鳥の嘴に夕日あり 足立武久 酸漿 200604
白鳥の帰りし空の日々濁り 神蔵器 風土 200604
白鳥の争ふ頸をしなやかに 安達風越 雨月 200604
雪嶺へ白鳥の皆首立てる 三関浩舟 栴檀 200604
見られゐる白鳥水に影映す 三関浩舟 栴檀 200604
白鳥の飛びたち行きぬ影つれて 三関浩舟 栴檀 200604
撫で肩の白鳥頸を伸ばし飛ぶ 三関浩舟 栴檀 200604
首を振る度に白鳥目をつむる ことり 六花 200604
風を来て白鳥雪と光り合ふ 城間芙美子 対岸 200604
白鳥のまはり漣立ちにけり 飯島きみい 対岸 200604
白鳥の一羽の羽音大きかり 飯島きみい 対岸 200604
向ひ風白鳥の首揃ひをり 安田青葉 対岸 200604
浅春の海に逆立つ小白鳥 前田陽子 200605
白鳥の帰心誘ふや北斗の尾 木山白洋 馬醉木 200605
世界地図ひろげ白鳥守の小屋 勝田公子 200605
子の声の透る白鳥日和かな 峯桜子 遠嶺 200605
白鳥の鳴合ふに声に振り向けり 渡邊睦夫 200605
ぬかるみし田に白鳥の屯せり 内藤恵子 万象 200605
鳴きながら白鳥群へ戻りけり 内藤恵子 万象 200605
頭上より白鳥の羽軋む音 内藤恵子 万象 200605
湖真白驚きやすき夜の白鳥 内藤恵子 万象 200605
老人会早め白鳥見に来たる 石川喜代美 百鳥 200605
小白鳥食べ急ぐ嘴ぬぐはざる 石川喜代美 百鳥 200605
白鳥に佇ちて話して相知らず 長沼三津夫 200605
朝空に白鳥零下十一度 五十嵐暢子 対岸 200605
白鳥の棹が過ぎゆくわが家の上 駒井でる太 200606
白鳥に帰心の兆し伊吹晴る 永井雪狼 200606
しづけさの極みや月の白鳥湖 大野崇文 200606
師の句碑へ白鳥の羽根纏ひつく 海野みち子 万象 200606
群れ咲きの風の鉄線白鳥めく 松崎鉄之介 200607
大空に帆を張る如し帰白鳥 貝森光大 六花 200607
白鳥の帰り遅るるマタギ村 工藤ミネ子 風土 200607
出羽の郷白鳥帰る月遅れ 安部暘子 四葩 200607
白鳥を迎へ起伏の古墳群 服部早苗 200608
白鳥を見に来し鴨に囲まれし 服部早苗 200608
白鳥の万羽をのせし湖の張り 西山春文 200612
白鳥を置くみづうみの面やつれ 吉田明子 200701
白鳥の交歓のこゑ夜あけ靄 中山純子 万象 200701
羽繕ひをへ優しさの夕白鳥 中山純子 万象 200701
白鳥の羽撃てばすはと浮寝鳥 安陪青人 雨月 200701
不忍池に白鳥待てば鴨の来て 神蔵器 風土 200701
芭蕉みち白鳥飛来の川を越す 門伝史会 風土 200701
荒川に長旅終へし小白鳥 須賀敏子 あを 200701
翅つくろふ白鳥の第一陣 服部早苗 200701
白鳥に紺深めたる奥琵琶湖 駒井でる太 200702
白鳥の風雪に頸立てて浮く 大西八洲雄 万象 200702
白鳥のうなじ朝靄湧きのぼり 北川英子 200702
メレンゲに角白鳥は着水す 辻美奈子 200702
白鳥を夜のみづうみに刻印す 辻美奈子 200702
白鳥の来たりて山河整ひぬ 長谷川友子 春燈 200702
白鳥の来て王冠の水飛沫 小澤克己 遠嶺 200702
黒白鳥城四百年の不和しらぬ 丸山佳子 京鹿子 200702
白鳥の飛来や沖に虹立ちて 田中佐知子 風土 200702
顔上げしとき白鳥の近づきぬ 田中佐知子 風土 200702
Vの字に白鳥来る三十羽 森高武 風土 200702
白鳥の休みぬ挽き立ての珈排 森高武 風土 200702
白鳥の沼に満月上りけり 三宅句生 馬醉木 200703
白鳥来名もなき沼の賑はひて 佐藤哲 万象 200703
白鳥やレダに近づくゼウスかも 岩月優美子 200703
諍へば白鳥の声濁るかな 戸田春月 火星 200703
子白鳥腰のあたりに白兆す 吉田明子 200703
白鳥の荷の一つなく渡り来し 相良牧人 200703
白鳥二羽五百羽の鴨連れて来る 河原一夫 200703
大白鳥天翔くる羽根日を弾く 井島郷雲 万象句集 200703
白鳥に餌箱の底を見せて去る 内海良太 万象句集 200703
湖凪げり嵐を越えし白鳥に 泉田秋硯 200704
白鳥のこゑ沈む日を呼びかへす 長谷川史郊 馬醉木 200704
鈍色の広野に忽と白鳥湖 手島靖一 馬醉木 200704
風花や白鳥頸を立て揃へ 手島靖一 馬醉木 200704
白鳥の翼は濡れて光体に 水野恒彦 200704
身じろがぬ大白鳥の雪を抱く 林陽子 万象 200704
大白鳥見張りの一羽首のべし 林陽子 万象 200704
髭剃つて大白鳥に会ひに行く 戸辺信重 春燈 200704
輝きて天翔くる船白鳥来 戸辺信重 春燈 200704
白鳥の餌の籾運ぶ一輪車 戸辺信重 春燈 200704
餌を啄む白鳥の静鴨の騒 戸辺信重 春燈 200704
白鳥や飛ぶも泳ぐも家族ごと 戸辺信重 春燈 200704
向き合つて白鳥夫妻羽撃ちけり 戸辺信重 春燈 200704
葦陰に白鳥一家宿りけり 戸辺信重 春燈 200704
白鳥と目の合はぬさへ愛しけれ 戸辺信重 春燈 200704
帰る白鳥一羽も欠けず渡るべし 戸辺信重 春燈 200704
戻り来る白鳥に胸ときめきぬ 大石喜美子 雨月 200704
白鳥の首たをたをとひきよせり 篠藤千佳子 200704
白鳥の首泰然と立てにけり 渡辺玄子 酸漿 200704
子白鳥背に頭を乗せて漂へる 渡辺玄子 酸漿 200704
水底の泥に首さす子白鳥 菊地恵子 酸漿 200704
水走りつつ白鳥の愛の舞 佐藤国夫 馬醉木 200705
白鳥に帰心の影の肥立ちをり 吉田明子 200705
白鳥の悪しき声聞き帰りけり 竹下昌子 200705
白鳥の暗き声して近づきぬ 片山タケ子 200705
白鳥の帰りに持たすチョコレート 富沢敏子 200705
人間が好きな白鳥残りをり 百瀬七生子 海光 200705
白鳥の餌をどんと撒き振り向かず 百瀬七生子 海光 200705
白鳥の玲瓏の列帰りけり 大畑善昭 200705
白鳥引く歪む水面の揺れのこし 佐々木ミツヱ 200705
白鳥に鴉は畦を歩むのみ 長沼三津夫 200705
白鳥の旅立つ空となりにけり 荒川香代 200706
白鳥去る泥田に大き穴残し 大坪景章 万象 200706
白鳥の色ととのはぬ子と帰る 笹原紀世子 200706
のど仏のない白鳥に飴一と粒 丸山佳子 京鹿子 200711
白鳥の飛来の殖えし夏井川 佐藤健伍 200801
白鳥の点となりゆく空暗く 吉沢陽子 200801
白鳥の鳴き声溢るとの曇 吉沢陽子 200801
白鳥を容れて里山昏れそむる 木山杏理 京鹿子 200801
すべもなき旅の汚れや白鳥来 田畑耕之介 京鹿子 200801
蜂蜜いろ落日に染む小白鳥 宮本幸子 京鹿子 200801
到着の白鳥ら鳴き交しをり 田中藤穂 あを 200801
白鳥も夜明けの靄も朱に染まる 田中藤穂 あを 200801
水際まで白鳥守の靴の跡 福地初江 200801
大マシュマロむくり白鳥の目覚め 佐々木新 春燈 200802
絹雨のダム湖の斜面白鳥来 安原ときこ 遠嶺 200802
白鳥を見ての帰りの月の駅 中山純子 万象 200802
首振つて草ちぎり食ぶ小白鳥 鍋島広子 万象 200802
C・Dの恋文大白鳥の渡り 中島陽華 200802
刈株に降りて白鳥家族かな 大沢美智子 200802
白鳥の愛語にゆるるビルの影 中山皓雪 200802
水色の安曇野の空白鳥来る 阿部由紀子 200802
水打ちしごとく夕影の白鳥沼 木村ひろ美 200802
背なに頭を入れて白鳥眠りゐる 齋部千里 ぐろっけ 200802
鷲鳥来て白鳥の餌を横取りす 山田六甲 六花 200802
白鳥の千里の旅を終へし目よ 柿崎寿恵子 酸漿 200802
風荒ぶ日も白鳥の凛々しかり 羽賀恭子 200803
白鳥のしきり鳴き合ひ夜明け待つ 羽賀恭子 200803
今生の真つ白なもの白鳥来 鴨下昭 200803
週明けのメール白鳥が来てをり 井上菜摘子 京鹿子 200803
白鳥の村や朝よりはなやげる 内海良太 万象 200803
過疎の村白鳥渡来に賑はへり 甲田雅子 200803
白鳥の人馴れたるをあはれとも 若槻妙子 200803
月光に照らし出されて白鳥湖 尾生弘子 200804
千里来て白鳥の白足りてをり 水野恒彦 200804
小白鳥鏡の湖に着水す 谷岡尚美 200804
白鳥の遠嶺の暮光曳き戻る 金森教子 雨月 200804
日の落ちて白鳥の声暗きより 金森教子 雨月 200804
彩閉ぢて白鳥の水動かざり 宇都宮滴水 京鹿子 200804
白鳥の翼広げしほどの幅 小林正史 200804
白鳥の頚たくましく伸び切りぬ 戸田和子 200804
白鳥のみにくく鳴いて恋をせり 小林朱夏 200804
恙なく白鳥の来て湖暮るる 時田義勝 やぶれ傘 200804
白鳥はをり親姉妹をらぬ場所 大川ゆかり 炎帝 200804
白鳥の着地軽妙とは言へず 吉田明子 200805
白鳥のたちゐふるまひ帰心かな 石田きよし 200805
白鳥をらず野菜売り元気なり 青山正生 200805
残りたる白鳥のこゑ風に乗り 田中佐知子 風土 200805
白鳥スワン去り鴨去り湖の真つ平ら 河口仁志 200805
白鳥引く湖北の空の明るさに 野上智恵子 万象 200805
白鳥にすぐ疎まるる顔なりし 戸栗末廣 火星 200805
白鳥や古城に恋の物語 津田礼乃 遠嶺 200806
白鳥引き空のさざなみ鎮まらず 梶川智恵子 200806
白鳥のひとかたまりに雛の昼 戸栗末廣 火星 200806
いつ来ても白鳥の声耳ざはり 有吉桜雲 200808
白鳥の午後のダンス部コーラス部 府川房江 母の空 200808
白鳥と過ごすに刻を惜しまざる 伊藤白潮 200812
喪がてらに白鳥を見に来ませんか 吉岡一三 200812
甲羅干す亀に白鳥近づきぬ 山田六甲 六花 200812
白鳥の飛翔輝く朝の陽に 須藤トモ子 200901
白鳥に白き風車の眩しかり 須藤トモ子 200901
人遠ざけ白鳥の白大いなる 宮平静子 雨月 200901
残りたる一羽の月日白鳥来る 芝尚子 あを 200901
威嚇する白鳥の眼の耿として 寺田すず江 200902
白鳥にかしづくごとく鴨百羽 鷹羽狩行 200902
白鳥の余りの水に鴨遊ぶ 鷹羽狩行 200902
白鳥座より戻りしはどの一羽 鷹羽狩行 200902
白鳥の白よりほかはまとはざる 鷹羽狩行 200902
白鳥が白鳥追へり憎か愛か 鷹羽狩行 200902
美しきゆゑ白鳥は声出さず 鷹羽狩行 200902
白鳥の静かな数をふやしけり 鈴木まゆ 馬醉木 200902
白鳥の白しや地球は青かつた 三輪初子 炎環 200902
白鳥のダンスはじまる欣一忌 山田春牛 万象 200902
田に降りし小白鳥まだ少なかり 数長藤代 200902
白鳥の中を瀬音の流れけり 小澤克己 遠嶺 200903
白鳥の田の面に首をたたみゐる 田巻和子 遠嶺 200903
白鳥の首の直角雪くるか 城孝子 火星 200903
白鳥の影の寄り添ふ入日かな 榎美幸 万象 200903
白鳥のひとかがやきに着水す 豊田都峰 京鹿子 200904
白鳥の首ひとすぢに湖を越ゆ 豊田都峰 京鹿子 200904
白鳥の首が牽引してゆけり 黒坂紫陽子 馬醉木 200904
白鳥の番よろしき距離保つ 泉田秋硯 200904
思惟の果て遂に白鳥高舞へる 木村美猫 ぐろっけ 200904
白鳥へ真新な雪踏みにけり 岩木茂 風土 200904
白鳥の羽榑きくだく鏡凪 近藤敏子 200904
白鳥の胸より入りし枯葦原 丸山照子 火星 200904
白鳥と沼分かち合ひ漁の船 森可穂 200905
記紀の世のたましひの白鳥帰る 近藤喜子 200905
白鳥の帰りし湖に天気雨 矢田部なほ子 200905
白鳥の五頭山に入り見失ふ 佐藤三男 万象 200905
白鳥の来れば多過ぎかと思ふ 嶋田一歩 ホトトギス 200906
白鳥にとんびはとんでばかりゐる 嶋田一歩 ホトトギス 200906
白鳥の視線に歩み寄れぬ距離 藤浦昭代 ホトトギス 200906
引き近き白鳥の群啼き合へり 井村和子 万象 200906
白鳥の脚投げ出して帰りけり 吉村摂護 200908
近づくと大白鳥なり遊覧船 後藤とみ子 ぐろっけ 200909
白鳥→ 4      

 

2021年11月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。