白 鳥 2     199句

白鳥が鳴いてさびれる根津の里       川柳

作品
作者
掲載誌
掲載年月
光琳の水に白鳥置く景色 関口ゆき あを 200301
白鳥のつがひ運河の晴れ渡る 小澤克己 遠嶺 200302
年の夜の湯浴み白鳥ともなれず 竹内悦子 200302
純白へ試練まだある子白鳥 安居正浩 200302
白鳥来かなしきまでに首伸ばし 安居正浩 200302
白鳥に代案浮かぶきりもなし 中原道夫 銀化 200302
白鳥の近づいて来る秋の冷え 影山わこ 百鳥 200302
八橋をくぐる白鳥頸すくめ 品川鈴子 ぐろっけ 200302
真夜の梁白鳥のこゑ渡るなり 鈴木まゆ 馬醉木 200303
白鳥来遠目ひかりの湖の藍 鈴木まゆ 馬醉木 200303
星くぐり来て白鳥の頸浄し 鈴木まゆ 馬醉木 200303
悠揚と白鳥鴨を尻目にす 久保晴子 雨月 200303
ゆたかなる胸押し立てて白鳥来 岡淑子 雨月 200303
白鳥来散華のごとく羽毛散り 池上和子 築港 200303
雪嶺にひとたびまぎれ白鳥来 南うみを 風土 200303
水を搏つこだま白鳥発ちにけり 鈴掛穂 200303
白鳥の闇に唐紙ひらきをり 栗栖恵通子 200304
白鳥の争ひ止みて瀬音かな 小山徳夫 遠嶺 200304
撒かれたる餌に白鳥ら押し合へる 山田暢子 風土 200304
白鳥のこゑや河原に縄張られ 山田暢子 風土 200304
白鳥に永き黄昏ありにけり 山田暢子 風土 200304
白鳥も夢見る頃かペンを措く 山田暢子 風土 200304
白鳥の雌雄判たず唯白し 大橋敦子 雨月 200304
白鳥の白を太陽照しづめ 大橋敦子 雨月 200304
飼はれゐて白鳥白を輝かす 今井妙子 雨月 200304
水蹴って白鳥の翔つ力かな 安達風越 雨月 200304
白鳥の着水の羽根広げけり 室井千鶴子 200304
白鳥来て庄内平野展ごりぬ 佐野静子 遠嶺 200305
白鳥の脇の真白き帰心かな 工藤ミネ子 風土 200305
白鳥の首さしのべて寄り来たる 工藤ミネ子 風土 200305
鉱石船入り来ぬ白鳥帰りし海 土田祈久男 200305
白鳥を家族写真に入れにけり 高柳かつを 百鳥 200305
一溪に白鳥声を零し去ぬ 伊藤葉 雲の峰 200305
白鳥のその名の白さ誇るかに 西村しげ子 雨月 200305
白鳥湖いぶせき数の鴨騒ぎ 遠藤若狭男 200305
白鳥の白をにじませ夕景色 遠藤若狭男 200305
大白鳥帰心昂ぶり啼き交はす 長谷川春 200305
白鳥に晴れの気もらふ湖畔住み 駒井でる太 200306
白鳥の引きて無傷の川面かな 鎌田亮 200306
一羽翔ち白鳥百羽帰るなり 村上一葉子 200306
白鳥の首の汚れて二月尽 谷上佳那 百鳥 200306
白鳥の前を後ろを真鴨かな 山野洋子 百鳥 200306
白鳥の尻重たげに地に上がる 徳永真弓 百鳥 200306
磐梯山ばんだいや五羽の白鳥まだ発たず 椎名和代 200307
白鳥来錐もむやうな湖の風 高橋あゆみ 200307
白鳥の沼吹晴れて遠つくば 谷口みちる 200307
白鳥の帰心や北へ首伸ばす 富川明子 200307
白鳥の航空母艦めく水面 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
白鳥の羽縛きてよりパドゥ・トロワ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
白鳥の尻がワルツを奏でをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200312
昆陽池の白鳥も又なじむ日々 稲畑汀子 ホトトギス 200312
白鳥の帰りて小さくなりし沼 館容子 200312
おもむろに大白鳥のこちらむく 岡井省二 省二全句集 200312
白鳥のこゑに人の名聞きゐたり 加藤みき 200401
天与の色もて白鳥の他を圧す 西村操 雨月 200401
人ごゑに白鳥群れを引き締めぬ 朝妻力 雲の峰 200401
白鳥の恋なりまさに愛の湖 小林優子 酸漿 200401
眼窩くぼみをり白鳥飛び来たる 中島陽華 200402
白鳥や川の交はる辺りなり 岩月優美子 200402
白鳥の一陣六羽雨が降る 藤田輝枝 対岸 200402
人の待つ湖へ白鳥回帰せり 矢崎すみ子 200402
白鳥の白よみがへる夜明けかな 大串章 百鳥 200402
磐梯の空青き日や白鳥来 中原春代 百鳥 200402
田に降りて白鳥汚れそめにけり 石川英利 百鳥 200402
望遠鏡はみ出し羽搏つ大白鳥 堀田清江 雨月 200402
海越え来し白鳥集ふ最上川 金升富美子 200402
白鳥の首絡ませし喃語かな 泉田秋硯 200403
真夜を鳴く白鳥余呉を眠らせず 永井雪狼 200403
白鳥の声蒼天の大楽譜 大曽根育代 遠嶺 200403
白鳥や鳥海山を背にして 佐野静子 遠嶺 200403
白鳥が鴨に押さるる瓢湖かな 中村廣子 酸漿 200403
白鳥の優雅上つら気荒けれ 落合由季女 雨月 200403
大白鳥胸張り子らを従へり 長谷川春 200403
白鳥の溜息に似て水のあわ 荻野千枝 京鹿子 200403
白鳥の白より昏るる猪苗代 加藤峰子 200403
突つ張りし脚より白鳥着水す 橋本五月 200403
白鳥の羽撃ちて呼べり遙けきもの 佐藤国夫 馬醉木 200404
羽搏きて白鳥凍てを許さざる 佐藤国夫 馬醉木 200404
白鳥の珠ほぐれそむ水の綺羅 丹羽啓子 馬醉木 200404
朝霜に白鳥の声漲れり 須原正三 200404
陸ありくときの白鳥ぎくしやくと 伊藤白潮 200404
みづかきの天狗の団扇めく白鳥 伊藤白潮 200404
白鳥の川へ櫟の林抜け 安宅弘子 百鳥 200404
白鳥の拍手の中に着水す 田中敬子 百鳥 200404
日の筋に入り白鳥の鳴きにけり 藤田輝枝 対岸 200404
大根を掘り白鳥を見て帰る 大串章 百鳥 200404
白鳥に餌をやり沼の辺に老ゆる 大串章 百鳥 200404
恐竜は滅び白鳥飛び回る 大串章 百鳥 200404
竹馬の子が白鳥を見てをりぬ 大串章 百鳥 200404
青空に呼ばれ白鳥飛び立てり 大串章 百鳥 200404
白鳥去り水のあとさき何も無し 宇都宮滴水 京鹿子 200405
白鳥を見廻る役目ボランティア 野中啓子 200405
引く近き白鳥にある自尊心 伊藤白潮 200405
群れよりも一羽は眩し大白鳥 片山タケ子 200405
白鳥の田を踏む別れかな 山尾玉藻 火星 200405
白鳥を数へ残せし湖昏るる 金澤明子 火星 200405
白鳥の蛇の眼をしてゐたる時 辻恵美子 栴檀 200405
発つときにすでに光に小白鳥 鎌田幸彦 築港 200405
ダイエツト始め白鳥引く日待つ 梶島邦子 築港 200405
白鳥の仕種に見とれ暮れにけり 西野通代子 築港 200405
白鳥は何語で話す他の鳥と 長谷川登美 ぐろっけ 200405
白鳥のあかとき黒く飛び立てり 九万田一海 河鹿 200406
白鳥を男見てゐし座りけり 深澤鱶 火星 200406
白鳥の帰りて所在なき川原 竹内喜代子 雨月 200406
声のして白鳥の群遙かなり 二瓶洋子 六花 200406
白鳥帰る一羽づつ湖を抱き 柴田佐知子 200407
しぶき振り切つて白鳥飛び立てり 本間清 200407
白鳥の歌に吉野の花詠まむ 安原葉 ホトトギス 200409
白鳥に餌やつてをりボート番 淵脇護 河鹿 200409
白鳥の餌づけはじめに来合はせし 伊藤白潮 200410
その中の白鳥といふ孤高かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200411
真向へる白鳥笑ひたるごとし 内藤ゑつ ゑつ 200411
白鳥来て余呉の十戸の華やげる 永井雪狼 200501
源泉は湖の右側白鳥来 荒木ゆう子 帆船 200501
白鳥のはばたき羽の中の顔 今瀬剛一 対岸 200501
白鳥の密集どれもぶつからず 今瀬剛一 対岸 200501
白鳥の日溜まり遠くにもありし 今瀬剛一 対岸 200501
白鳥来る大きくひらく朝の窓 北野みや子 200502
奥能登や田の一枚へ白鳥来 須原正子 万象 200502
白鳥の暮れ残りたる水輪かな 立脇操 雲の峰 200502
白鳥の低く飛ぶ町雨兆す 小橋末吉 対岸 200502
白鳥の胸より水尾のひろがり来 三浦香都子 対岸 200502
白鳥来鍵盤に指すべるやう 工藤進 200502
湖の紺溶かむと一途白鳥来 安藤しおん 200502
児の繋ぐ白鳥日誌つむじ風 吉田明子 200502
白鳥に蹤いてくるなと土地の婆 成井侃 対岸 200503
白鳥同士無関心同士かな 平野貴 対岸 200503
白鳥の汚るるはわが眼の汚れ 平野貴 対岸 200503
白鳥を咲かせて湖の完結す 林昭太郎 200503
いちはやく砂嘴光臨の大白鳥 駒井でる太 200503
白鳥の暮色をまとふ流線形 水野あき子 遠嶺 200503
白鳥のゐて誰もゐぬ観察棟 上田繁 遠嶺 200503
小白鳥耀ふ波に身を任せ 上田繁 遠嶺 200503
孤獨なる白鳥いよよ白を増す 岩上とし子 200503
白鳥の棹一文字外ケ浜 中村恭子 200503
白鳥の水の汚れのうなじかな 岡田真利子 200503
人伝てに聞く白鳥の数増ゆと 伊藤白潮 200503
白鳥の名を呼び見分けつくといふ 伊藤白潮 200503
引く近き白鳥日誌汚れをり 伊藤白潮 200503
白鳥の静寂の田より飛ぶもあり 小島とよ子 遠嶺 200503
白鳥や越後平野の薄ぐもり 渡辺民親 遠嶺 200503
白鳥の飛び立つ気色森の霊 安原ときこ 遠嶺 200503
月山へ白鳥群れを揃へをり 森竹昭夫 遠嶺 200503
いくつもの黒き墓石白鳥来 中川雄作 遠嶺 200503
明けきらぬ瓢湖白鳥飛び立てり 西野通代子 築港 200504
一面の田に白鳥の幾羽かな 田中章子 酸漿 200504
白鳥も火の見もこともなく暮るる 岡崎桂子 対岸 200504
白鳥の風切る金属音発し 辻恵美子 六花 200504
白鳥の嘴稲扱く 辻恵美子 六花 200504
ゆるやかに時流れをり白鳥湖 辻恵美子 六花 200504
白鳥のおらぶ首曲げ首伸ばし 辻恵美子 六花 200504
青鷺のともに暮れけり白鳥湖 辻恵美子 六花 200504
白鳥を見て来しといふ泥の靴 辻恵美子 六花 200504
白鳥の初声川を越え行ける 河原昭子 六花 200504
白鳥の着水にわが身の力み 鈴掛穂 200504
白鳥にうすうすと曳く田の煙 服部早苗 200504
震災の地にも白鳥来りけり 原島ふじ子 遠嶺 200504
白鳥に濠の石垣耀へり 清水ミツコ 200504
白鳥を背にタクシーを呼ぶ役目 富沢敏子 200504
関節の糸抜く疼き白鳥来 森須蘭 200504
白鳥の五羽居て巨花の五弁なす 岡本眸 200504
白鳥の遠くと知りし雪つぶて 植松安子 200504
白鳥の暮色や湖の荒れそめし 加瀬美代子 200504
白鳥の白息愛を語れるや 泉田秋硯 200505
白鳥の背にはくてうの影の濃し 辻田明 200505
白鳥のくちばし円しあたたかし 辻恵美子 栴檀 200505
一本の紐白鳥の引きにけり 藤田輝枝 対岸 200505
白鳥を遠巻きにして田の鴉 浜和佳子 百鳥 200505
雀からす百鳥集ふ白鳥湖 的池遙 百鳥 200505
大白鳥曳く水尾大きV字型 澄田玄志郎 築港 200505
引き近き白鳥顔を寄せ合へり 吉中愛子 万象 200505
白鳥の去りて雲脱ぐ利尻富士 吉中愛子 万象 200505
白鳥の北帰や鳴呼と言はせたる 泉田秋硯 200506
白鳥の田より旅立つ西行忌 池元道雄 馬醉木 200506
立ち上がりざま白鳥の胸厚き 大石喜美子 雨月 200506
白鳥の啼きかわしゆき帰路ならず 巻良夫 200506
引残る片羽傷みし大白鳥 落合裕子 万象 200507
草の根を泥ごと呑めり子白鳥 栗下廣子 万象 200507
白鳥の子の嘴の泥まみれ 清水雅子 栴檀 200507
盛り砂に城の白鳥抱卵中 丸山佳子 京鹿子 200508
堀の白鳥静の極みに世相無し 丸山佳子 京鹿子 200508
うしろ髪引く伊井さんの白鳥が 丸山佳子 京鹿子 200508
初めての大白鳥や欣一忌 滝沢伊代次 万象 200511
瓢湖で病む白鳥癒す蓮の花 石井たを子 200511
着水の白鳥ふいに仁王立ち 中村房枝 六花 200511
先陣の白鳥として領す湖 稲畑汀子 ホトトギス 200512
渡り来しばかりと見えぬ白鳥も 稲畑汀子 ホトトギス 200512
はるばると白鳥白を保ち来し 北川英子 200512
白鳥の薄情さうな白さなり 田口武 さうぢやなくても 200512
白鳥の餌に媚薬が混ぜてある 田口武 さうぢやなくても 200512
白鳥の曳かるるやうに流れ行く 田口武 さうぢやなくても 200512
観光課季節職員小白鳥 田口武 さうぢやなくても 200512
白鳥に裏表あり裏の見ゆ 田口武 さうぢやなくても 200512
白鳥の一花の蒼し離れ浮く 田口武 さうぢやなくても 200512
岸に寝る白鳥空気抜いてあり 田口武 さうぢやなくても 200512
白鳥の着水山の影を切る 藤井寿江子 馬醉木 200601
白鳥を見に行く大き紙袋 吉田三保 200601
白鳥のそら寢のそばに立つ男 佐藤喜孝 あを 200601
鳴きつれて白鳥長き助走かな 小石珠子 春潮 200602
白鳥→ 3      

 

2021年11月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。