薄 暑 9     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
へうたんに彫りし川柳とは薄暑 山田六甲 六花 201906
聞きし名を又も忘るる薄暑かな 白井友梨 馬醉木 201907
鳥声に汽笛の混じる薄暑かな 中山惠子 201907
夕薄暑自炊の荷風思ひけり 大沢美智子 201907
トラックが潜る薄暑の大鳥居 中根美保 風土 201907
奈良井宿ひとつ噺となる薄暑 鈴鹿仁 京鹿子 201907
いざ木曽へ薄暑を駈ける中仙道 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
行灯の点らず奈良井夕薄暑 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
切株の脂に触れきし薄暑かな 市村明代 馬醉木 201908
あをあをと川面の匂ふ薄暑かな 武田巨子 春燈 201908
ちらちらと木蔭を抜ける薄暑光 今井充子 201908
狛猪のおほきな眼薄暑光 中貞子 201908
イヤホンの紐絡み合ふ薄暑かな 大沢美智子 201908
梲乗せ鍾馗を乗せて町薄暑 横井遥 201908
釣り船のゆるゆる戻る薄暑かな 石田蓉子 201908
三線とユンタに沸きて夕薄暑 佐久間敏高 201908
絵タイルの欠くる歩道や夕薄暑 黒滝志麻子 末黒野 201908
憲法の草創の碑や薄暑光 岡田史女 末黒野 201908
足元に猫の寄り来る薄暑かな 岡井マスミ 末黒野 201908
後れ毛を風に遊ばす薄暑かな 大日向幸江 あを 201908
京薄暑お香の店に入りにけり 笹村政子 六花 201908
行く人を薄目して追ふ薄暑かな 永田万年青 六花 201908
機嫌良き日の妻の声薄暑かな 谷口一献 六花 201908
夕薄暑湯屋と見まがふ紅暖簾 延川五十昭 六花 201908
切れ長の佛の御眼薄暑光 近藤紀子 201909
大日如来像拝す安らぎ館薄暑 都築繁子 201909
金文字の一切経や街薄暑 大山夏子 201909
笛の音の調子はづれや園薄暑 森清堯 末黒野 201909
弁財天祀る小島や薄暑光 岡田史女 末黒野 201909
恙無き喜寿の小宴薄暑光 松橋輝子 末黒野 201909
蹲踞に遊ぶ日の斑や寺薄暑 久米憲手 春燈 201909
街薄暑電光ニュースの色増えて 吉田政江 201909
石を抱く走り根奔放薄暑光 小林共代 風土 201909
ポスターのやや弛みたる薄暑かな 山田健太 風土 201909
泉下にも薄暑はありや亡き友よ 善野行 六花 201909
本山へゆく堀川の薄暑かな 善野行 六花 201909
混雑の電車見送り駅薄暑 中原敏雄 雨月 201909
文認む文字の乱るる薄暑かな 山本漾子 雨月 201909
寝て覚めてふつうの人に薄暑かな 直江裕子 京鹿子 201909
駅薄暑異教の女髪つつみ 奥田筆子 京鹿子 201909
奥信濃薄暑の道の土埃 有賀昌子 やぶれ傘 201910
バーバーポール止まった町や薄暑光 波戸辺のばら 201910
猫と夜を過ごしあぐねし薄暑かな 谷田貝順子 201910
人寄れば鯉の押し合ふ薄暑かな 立村霜衣 ホトトギス 201910
すぐそこに会いたいひとが待つ薄暑 はしもと風里 201910
一群れの鳥低くとぶ薄暑かな 手島伸子 雨月 201911
並木道薄暑の光散乱し 手島伸子 雨月 201911
「孫の手」を手にしソファーにゐる薄暑 湯本実 やぶれ傘 201911
洗面に濡るる袖口夕薄暑 田代民子 201911
とび出せる筈の切符の出ぬ薄暑 橋田憲明 ホトトギス 201911
閉づる店ふえて目抜きの街薄暑 橋田憲明 ホトトギス 201911
大空に追はれ陸橋ゆく薄暑 橋田憲明 ホトトギス 201911
夕薄暑貝殻路地をさくさくと 佐々木よし子 202001
薄暑かな途中で曲がる団子坂 礒貝尚孝 黄落 202003
糠漬に振り回さるる薄暑かな 渡辺富士子 末黒野 202004
東京の雨発ちて来し薄暑かな 稲畑汀子 ホトトギス 202005
くつろげる薄暑の家居旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 202005
待つてゐし薄暑の日日のとどまらず 稲畑汀子 ホトトギス 202005
心地よき薄暑の旅となりぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 202005
何となく杯を揚げたき薄暑かな 稲畑汀子 ホトトギス 202005
街騒を消して原生林薄暑 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
公園に薄暑啄む雀二羽 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
城といふ高さ薄暑を見下して 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
令和の世薄暑の日射纏ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
公園の清掃薄暑纏ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
歩き来し薄暑鎮まり行く時間 稲畑汀子 ホトトギス 202006
籠る日の豆をことこと街薄暑 須賀敏子 あを 202007
創刊の頃の薄暑の奥座敷 辻美奈子 202007
上階の音気になりし薄暑かな 谷口一献 六花 202007
ビル壁に木の影動く薄暑かな 渡邉孝彦 やぶれ傘 202007
選句して終へる誕生日や薄暑 小山よる やぶれ傘 202007
レストランで弁当を買ふ薄暑かな 湯本実 やぶれ傘 202007
ささ濁る水にくちぼそゐる薄暑 根橋宏次 やぶれ傘 202007
客疎ら薄暑の街を西武線 須賀敏子 あを 202007
日替りの都知事のマスク薄暑かな 赤座典子 あを 202007
修行僧の髪剃り落す薄暑かな 大日向幸江 あを 202007
商店の売り声止むや街薄暑 佐藤まさ子 春燈 202008
折鶴に薄暑の無聊なぐさまず 松橋利雄 春燈 202008
退屈といふ暇もてあます薄暑かな 佐藤信子 春燈 202008
放牧の牛ゆつたりと薄暑光 菅野日出子 末黒野 202008
一言の重みを量る薄暑の夕 丸井巴水 京鹿子 202008
小路より酢を打つにほひ夕薄暑 森清信子 露の堂 202008
本捨ててまた本を買ふ薄暑かな 斉藤マキ子 末黒野 202008
自粛てふ隔離の五尺街薄暑 長尾タイ 末黒野 202008
高橋和女亡きあと耐ふる薄暑かな 綱徳女 春燈 202008
黙淀む駅周辺や街薄暑 池乗恵美子 末黒野 202008
伸びてゆく我が住宅の影薄暑 篠田純子 202009
外出のままならぬ日の薄暑かな 及川照子 末黒野 202009
ハンドジェルさらさら乾く薄暑光 柿沼盟子 風土 202009
薄暑の夜白紙のノート睨みをる 中西厚子 202009
晩鐘の余韻にこもる薄暑かな 岡野里子 末黒野 202009
孫の自転車の補助輪外す薄暑かな 湯本実 やぶれ傘 202009
道問うてなほ真つ直ぐに行く薄暑 吉田幸恵 やぶれ傘 202009
休みつつ登る薄暑の磴高し 岡安紀元 ホトトギス 202010
閉館と中止の文字や街薄暑 山ア貴子 ホトトギス 202010
街薄暑後めたさを曳く背中 湯川雅 ホトトギス 202010
マーマレード煮詰めて倦みし夕薄暑 土井ゆう子 風土 202010
ロビー薄暑向き合うて座し知らぬ人 千田百里 202010
夢の中亡き夫さがす薄暑かな 田代貞香 202010
談判のことば途切るる薄暑かな 林徹也 202010
薄暑 →10

 

2023年5月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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