薄 暑 6   100句

窓あけて向うの窓も薄暑なる   八田木枯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
たまたまに締むるネクタイ薄暑かな 佐々木力 炎環 200907  
包丁のリズムトントン薄暑かな 渡辺安酔 200907  
デッサンの椅子一つある薄暑かな 外川怜子 風土 200907  
丁寧が仇となりたる薄暑かな 能村研三 200907  
鳩居堂より香のほのかに街薄暑 千田敬 200907  
薄暑来る寺の永代法会来る 古田考鵬 雨月 200907  
釣果なき釣人の午後波止薄暑 高橋照子 雨月 200907  
ビル群も首都高速も薄暑かな 赤座典子 あを 200907  
新しきズボン捲る子昼薄暑 斉藤裕子 あを 200907  
瓦葺く薄暑の沖へ尻揃へ 定梶じょう あを 200907  
夕薄暑母の所望の焼豆腐 田中藤穂 あを 200907  
難しき四股名が続く夕薄暑 森山のりこ あを 200907  
まろやかな壺の撫で肩薄暑光 船越和香 馬醉木 200908  
サポーターどつと降りたる駅薄暑 坂上香菜 200908  
医者を探す車内放送薄暑かな 山口キミコ 200908  
人の世に一つの鐘の鳴る薄暑 小澤克己 遠嶺 200908  
駅中で済ます買物夕薄暑 佐山文子 200908  
針穴に糸の三度目薄暑かな 松井志津子 200908  
一石のありて五千石亡き薄暑 石寒太 炎環 200908  
潮騒は海のささやき島薄暑 中西光 炎環 200908  
耳を噛む蛙の戯画や朝薄暑 伊藤無迅 炎環 200908  
八咫烏黒々描き薄暑光 大畠響 炎環 200908  
新米の親子の授乳薄暑光 高尾豊子 火星 200908  
夏椿白き風呼ぶ薄暑かな 中緒和子 酸漿 200908  
五街道基点のしるべ薄暑かな 内藤静 風土 200908  
白バイの不意に音出す薄暑かな 川崎光一郎 京鹿子 200908  
阿修羅像の捧ぐるかひな薄暑光 石田きよし 200908  
銭洗ふ笊の乾びし薄暑かな 小泉三枝 春燈 200908  
漆喰でかためし屋並島薄暑 伊藤紫都子 200908  
縮緬の鼻緒なじみて街薄暑 鈴木隆子 200908  
疫病に出でたくもなき街薄暑 大橋晄 雨月 200908  
馴染めざる花の名札の薄暑光 岸本久栄 雨月 200908  
虚子館に麻沙子師の遺句読み薄暑 磯野しをり 雨月 200908  
夕薄暑見舞帰りのせつなくて 島貫寿恵子 雨月 200908  
眺望の塩田跡や薄暑光 塩見治郎 雨月 200908  
砂利船の下る大河夕薄暑 小原登志春 雨月 200908  
老残記さながらの句を詠み薄暑 田中貞雄 ろんど 200908  
息止めて吐いて薄暑の胸の関 佐藤弘香 ろんど 200908  
しなやかな薄暑のエイに触るるなり 篠田純子 あを 200908  
杖つきても歩くはたのし夕薄暑 宮野照子 馬醉木 200909  
枝川に上げ潮匂ふ夕薄暑 倉科紫光 馬醉木 200909  
ウォッシャブルスーツ新調街薄暑 峰尾秀之 200909  
新道の白く伸びたり街薄暑 宮川秀穂 200909  
内外を清めて今日の薄暑かな 和田セツ子 遠嶺 200909  
碑の文字の摩滅や薄暑光 片岡啓子 遠嶺 200909  
用ひとつ忘れせかるる夕薄暑 伊東和子 200909  
一と張りの玻璃器の水を干す薄暑 荻野千枝 京鹿子 200909  
夕薄暑大師の遺影目に浮かぶ 天野明 200909  
葉騒聴く賀茂の七瀬の夕薄暑 千田百里 200909  
結うてすぐ解ける子の髪薄暑かな 鈴木浩子 200909  
足早に人通り過ぐ街薄暑 羽賀恭子 200909  
礼状を端書で済す薄暑かな 小野木雁 酸漿 200909  
ピカソ展出でて眩しき薄暑かな 有本勝 ぐろっけ 200909  
薄暑かな朱肉に残る印の跡 林昭太郎 200909  
特養の母を抱きぬ薄暑光 肥田修 200910  
子の下りてくるたび滑り台薄暑 立村霜衣 ホトトギス 200910  
僧侶来て閉ぢる山門夕薄暑 瀬島洒望 やぶれ傘 200910  
フランスパンのぞく袋や街薄暑 青木ちづる 200910  
つまづきし石にも貌のある薄暑 天野正子 200910  
夕薄暑かけ替へて見る温度計 池崎るり子 六花 200910  
寛永寺詣づる昼の薄暑かな 坂井和子 酸漿 200910  
ご造営すすむ槌音薄暑光 鈴木隆子 200910  
刈り倒す草にこぼるる薄暑光 鈴木敬一 200910  
油屋も商家も白き壁薄暑 木村公子 花貝母 200911  
牧水の酔ひたる野比の浜薄暑 松本三千夫 末黒野 200911  
息止めて吐いて薄暑の胸の内 佐藤弘香 ろんど 201001  
新宿の道に迷ひて薄暑かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003  
今日よりは薄暑の庭の水の音 稲畑汀子 ホトトギス 201005  
犬伏して眼のみ動かす薄暑かな 丁野弘 201005  
地下鉄の階段長き薄暑かな 廣谷總子 201010  
寄書きの病む子にとどく薄暑かな 樋口みのぶ 201010  
通信使通ひし浦の薄暑かな 山下良江 万象 201010  
烏十三羽激論す薄暑かな 小堀寛 京鹿子 201010  
シェルティーの毛を梳いてゐる薄暑かな 涼野海音 火星 201010  
島の影我を追ひ越す薄暑かな 志方章子 六花 201010  
団子やの隣り団子や薄暑かな 定梶じょう あを 201010  
薄暑なか一度も鳴らぬ貝風鈴 中山純子 万象 201011  
トランペットの音の煌き薄暑光 市村健夫 馬醉木 201012  
行列の人々にある耳薄暑 小林幹彦 201105  
ミシュランの一つ星とや寺薄暑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201105  
歩きても歩きても城薄暑かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201105  
句碑の文字明かされてゆく薄暑かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201105  
明日は又薄暑に惑ふ旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 201105  
押印のまた傾きし薄暑かな 笹村政子 初鼓 201105  
境内の砂利の色とぶ薄暑かな 山田六甲 六花 201105  
北斎の浪裏暗し館薄暑 田下宮子 201107  
師を訪ふに爪先上り坂薄暑 伊藤純子 201107  
夕薄暑塾帰りの児駈けゆけり 前川ユキ子 201107  
薄暑光聖歌廊への急梯子 能村研三 201107  
昇降機の間引運行薄暑かな 北川英子 201107  
北京ダック飴色に焼け街薄暑 宮内とし子 201107  
パソコンにたたら踏む指夕薄暑 千田百里 201107  
入江にはマストの並ぶ薄暑かな 舩越美喜 京鹿子 201107  
夕薄暑歩いて帰ることとして 舩越美喜 京鹿子 201107  
緊急用と立札の井戸夕薄暑 赤座典子 あを 201107  
一枚のずれの気になる薄暑かな 篠田純子 あを 201107  
抽象画混沌として薄暑かな 篠田純子 あを 201107  
薄暑光フリマの客の値切りたる 須賀敏子 あを 201107  
川風に鈴と読経の薄暑かな 長崎桂子 あを 201107  
留袖の裾の捌きも薄暑かな 藤原繁子 春燈 201108 薄暑→7

 

2020年5月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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