薄 暑 5      100句

皆が見る私の和服パリ薄暑    星野立子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
逆光の雀一羽を見て薄暑 小林清之介 風土 200707
始めてのマンシヨン住まひ街薄暑 竹内悦子 200708
風呼んで縁に茶を汲む薄暑かな 布川直幸 200708
夕薄暑風道づれに切り通し 布川直幸 200708
出船見てゐる桟橋の薄暑かな 米山喜久子 200708
漢方薬とろとろ煮込む薄暑かな 米山喜久子 200708
峰会費手続き終へて街薄暑 渡辺安酔 200708
保育所の矮鶏が砂浴ぶ薄暑かな 戸小城綾子 200708
街薄暑人馬を癒す馬水槽 篠原幸子 春燈 200708
金魚屋の水の匂へる薄暑かな 田中久仁子 万象 200708
抽出しに石鹸の匂ひ薄暑かな 下山田美江 万象 200708
日を跳ねて牡蠣棚ゆるる薄暑かな 竹田昭子 万象 200708
街薄暑古寺巡礼となりにけり 林いづみ 万象 200708
聖堂に見るルーベンスの絵薄暑かな 島田和子 万象 200708
鏡面のビルに雲ゆく薄暑かな 服部早苗 200708
夕薄暑電源切れてより独り 小嶋洋子 200708
正信偈諳ず墓前薄暑来 久保晴子 雨月 200708
脱稿の机上汚して薄暑なり 久保晴子 雨月 200708
葛籠屋に漆匂へり町薄暑 市橋章子 ぐろっけ 200708
街薄暑花魁道中の下駄さばき 今谷脩 ぐろっけ 200708
足裏に地の起伏ある薄暑かな 木内憲子 200708
足に肉刺まめつくり薄暑の旅終る 小城綾子 200709
宰府路を歩き疲るる薄暑かな 松尾緑富 ホトトギス 200709
対馬山猫昼を眠れる薄暑かな 鈴木千恵子 万象 200709
雲流る西空薄暑尾根の杉 丸山冬鳳 京鹿子 200709
山薄暑雲夕光の西の寺 丸山冬鳳 京鹿子 200709
日時計の影にも薄暑ありにけり 矢野千佳子 京鹿子 200709
雨あとの沼の臭へる薄暑かな 三輪温子 雨月 200709
ビル解体起重機自在の薄暑なり 坂井和子 酸漿 200709
ぬか床を混ぜる手加減夕薄暑 井関昌子 馬醉木 200709
ネクタイを巻かれし仔犬街薄暑 井関昌子 馬醉木 200709
去り難き悌なほも夕薄暑 水原春郎 馬醉木 200710
橋詰に古りし泥鰌屋薄暑来る 久田澄子 馬醉木 200710
左より右手疲れてゐる薄暑 山田弘子 ホトトギス 200710
よく動く口を見てゐる薄暑かな 西宮舞 200710
丸の内ビルはノツポに薄暑かな 新井皙石 京鹿子 200710
音も無く網をつくらふ浜薄暑 佐々木幸 200710
読み終へし新聞嵩む夜の薄暑 坪井洋子 200710
新車とは獣の匂ひ薄暑かな 金井充 百日紅 200711
石段に白衣あふるる薄暑かな 浅田光代 風土 200711
検査終へ呂律回らず街薄暑 山田をがたま 京鹿子 200711
貝殻を拾ふ薄暑の風頬に 佐々木幸 200711
抱きあげて嬰児匂ふ夕薄暑 和田照子 200712
盆栽町の盆栽市の薄暑かな 藤原りくを 八千草 200712
ジャカランダの花見て足れりロス薄暑 今川千鶴子 春燈 200801
鍔広の真白き帽子街薄暑 寺本妙子 200802
二歩あゆみ薄暑の鳩のはらばひに 檜山哲彦 万象 200802
眼下皆虚子の俤城薄暑 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
満々と水を湛へて川薄暑 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
じつとしてゐれば薄暑の消えてゐし 稲畑汀子 ホトトギス 200805
探しもの辿りつきたる薄暑かな 稲畑汀子 ホトトギス 200805
朝の風心地よかりし薄暑かな 稲畑汀子 ホトトギス 200805
荒神へ山裾たどる薄暑かな 朝妻力 雲の峰 200806
琉金のやうなフアッション薄暑かな 塩路隆子 200807
白浪の連ね台詞や夕薄暑 水原春郎 馬醉木 200807
いちはやく学生街の薄暑かな 窪田粧子 馬醉木 200807
水たまり声出して飛ぶ夕薄暑 能村研三 200807
駅薄暑竜巻状の夕刊紙 高木嘉久 200807
街薄暑團菊祭の開くを待つ 青木政江 酸漿 200807
観覧車で目薬をさす薄暑かな 篠田純子 あを 200807
更紗展出でて銀座の薄暑かな 村上光子 馬醉木 200808
ぶちまけて小鰯干さる浜薄暑 藤原たかを 馬醉木 200808
苦力のリヤカーを曳く薄暑かな 岩淵彰 遠嶺 200808
晩祷の外に流れくる街薄暑 坂本丹荘 遠嶺 200808
時計屋の刻の揃はぬ薄暑かな 本橋葉月 遠嶺 200808
夕薄暑森の深きに裸婦の像 大島翠木 200808
流れ藻に鴎の群るる薄暑かな 山路紀子 風土 200808
猪牙舟の動くともなし夕薄暑 奥田順子 火星 200808
薄暑来ぬ薬師如来の肩の辺に 大山文子 火星 200808
薄暑かな濁りかげんのフランス語 小堀寛 京鹿子 200808
言葉尻捉へられゐる薄暑かな 柴田良二 雨月 200808
飴煮の香漂ふ湖国夕薄暑 森脇貞子 雨月 200808
人溢れ魚溢れゐて街薄暑 和田一 雨月 200808
アンテナに鴉の止まる薄暑かな 大島英昭 やぶれ傘 200808
ばつてんと長崎弁が夕薄暑 瀬島洒望 やぶれ傘 200808
町薄暑句座かけもちて励まむか 小島みつ代 200808
ルージュそはおみなのけじめ薄暑来ぬ 吉田裕志 200809
薄暑光にぎはふ花舗の隅にをり 横松しげる 遠嶺 200809
街薄暑少女は肘を尖らせて 菊地光子 200809
碑の文字をなぞる薄暑の指の先 風間史子 200809
夕薄暑迎へ頼みし掌の電話 伊東湘三 春燈 200809
丹念に路地裏を掃く薄暑かな 府川昭子 春燈 200809
部活の笛はたと止みたる夕薄暑 中村斉子 火星 200809
格子戸閉ぢ上七軒の薄暑かな 近藤きくえ 200809
袖めくりボオル投げする薄暑かな 白石正躬 やぶれ傘 200809
百合の樹を見上ぐるをみな夕薄暑 本田久美 遠嶺 200810
畦道のひびわれすでに野の薄暑 瀧春一 深林 200901
忘れゐし薄暑をいつか身辺りに 稲畑汀子 ホトトギス 200904
上着てふ薄暑の迷ひありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
忘れものせしかに薄暑とは身軽 稲畑汀子 ホトトギス 200905
怪我をせし人の消息聞く薄暑 稲畑汀子 ホトトギス 200905
北小松駅は薄暑の人溢れ 稲畑汀子 ホトトギス 200905
催促の電話諾ふ薄暑かな 稲畑汀子 ホトトギス 200905
戸を開けて閉めて薄暑の人数に 稲畑汀子 ホトトギス 200905
旅鞄薄暑の心つめてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200905
風心地よきと思へば薄暑かな 稲畑汀子 ホトトギス 200905
締切は過ぎし稿債旅薄暑 稲畑汀子 ホトトギス 200905
んの形に身を反らせたる薄暑かな ことり 六花 200905
大学の街の落書夕薄暑 片山由美子 200906
外出を序々に控へし街薄暑 中島玉五郎 200906
薄暑 →6      

 

2021年5月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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