白 菜 3      110句

白菜を抜きし凹みに小鳥ゐる    竹内弘子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
薄塩の白菜さくさく歯愛しむ 林哲夫 ぐろっけ 201203
白菜を一刀両断匠の刃 宮田香 201203
白菜や四分の一で足る暮し 荻野加壽子 万象 201203
白菜も犬も乗り合う小型船 吉井潤 ぐろっけ 201203
大ぶりの白菜どんと鍋奉行 林哲夫 ぐろっけ 201203
越冬の白菜重石強くせり 須賀敏子 あを 201204
白菜をダリの時計のごとく煮る 足立良雄 201205
白菜の切口あやしもるあがる 平居澪子 六花 201205
黒マルチきらきら白菜縛られて 高尾豊子 火星 201205
白菜の襤褸まとひしごとき畑 大竹淑子 風土 201206
白鳥の来し日ざっくり白菜割る 北崎展江 くりから 201209
白菜を見ずに炎暑の故宮去る 福島せいぎ 万象 201210
白菜の山積されし畦の道 後藤克彦 かさね 201301
白菜を首狩り族のごとく穫る 久世孝雄 やぶれ傘 201302
白菜をめくりて一日暮れにけり 山田六甲 六花 201302
白菜の白さ目に入る朝の膳 山本達人 かさね 201302
白菜の出来栄え愛でる畑仲間 青木英林 かさね 201302
きゆつきゆつと鳴く白菜を塩もみす 南うみを 風土 201303
厨の灯奢り白菜真つ二つ 松本三千夫 末黒野 201303
白菜の輪切りに志功の眼鏡かな 貝森光洋 六花 201303
白菜をくたくたに煮て母とゐる 井上淳子 火星 201303
白菜の土持ち上げて肩出して 南沢房子 201303
白菜の大株切りて子等を待つ 能勢栄子 201303
白菜の一枚にあるたつきかな 高野春子 京鹿子 201303
白菜と白銀二枚交換す 常田創 201303
括られて立つ白菜に日暮かな 國保八江 やぶれ傘 201304
白菜の恰幅まさに役力士 佐藤山人 201304
白菜の芯をついばむ鳥追へず 向江醇子 ぐろっけ 201305
晴れわたる夜や白菜の締まる音 蘭定かず子 火星 201402
白菜を外から剥がす乳が張る 米澤光子 火星 201402
白菜割る相思の仲を裂くやうに 山田正子 201402
寄せ鍋の白菜が好きつみれ好き 森田子月 ぐろっけ 201402
白菜を包み直せる新聞紙 常田創 201402
白菜を住処とせしが五六匹 常田創 201402
白菜の昨夜の切り口膨らめり 師岡洋子 ぐろっけ 201403
山積みの白菜年金支給の日 大日向幸江 あを 201403
白菜と昼の太陽合体す 佐々木紗知 京鹿子 201404
括られて立つ白菜の畑かな 國保八江 やぶれ傘 201404
染みひとつ無き白菜を剥ぎゆきぬ 山内碧 201405
旅終る丁度白菜漬かる頃 中谷富子 201405
四分の一の白菜あのひとも 齋藤厚子 201405
梅雨寒や翠玉白菜仰ぎ見る 赤座典子 あを 201409
白菜の小さくなつてゆく土鍋 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
白菜を割れば表情生れにけり 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
白菜の種まきせねば故宮かな 瀬川公馨 201412
薄氷白菜漬はピンとはね 吉弘恭子 あを 201412
一二枚剥ぎ白菜のそらぞらし 山尾玉藻 火星 201501
峪沿ひに白菜畑の畝伸ぶる 竹内悦子 201502
白菜に包丁隠れ板に音 黒住康晴 201502
生き下手のもろ手白菜ぎくと割る 渡部良子 馬醉木 201502
潔白の証白菜真つ二つ 宮坂恒子 201502
山水に白菜積みて作務の僧 米山のり子 馬醉木 201502
粗切りの生白菜の歯切れ良き 藤井美晴 やぶれ傘 201503
白菜を干す雨降るな風吹くな だいじみどり 201503
樽出して白菜漬に思ひかな 安永圭子 風土 201503
白菜の尻を競ひて売られをり 金子正道 京鹿子 201503
白菜は自粛の球に戦忌む 松本鷹根 京鹿子 201503
錦市場白菜漬けの試食会 田邉好美 201503
おばあちゃん話しこんでる白菜と たかはしすなお 201503
手で裂きし白菜水をとばしけり 田中道江 万象 201503
白菜を孫のごとくに乳母車 上野進 春燈 201503
真二つに白菜割ればしぶき飛ぶ 羽賀恭子 201504
白菜のずしり坐りて主の座 吉田宏之 201504
白菜の縛られ畑に羅漢めく 橋本くに彦 ホトトギス 201505
採りたての白菜割れば仄ぬくし 宮井知英 201602
浮雲や姑と白菜漬けしこと 田中藤穂 あを 201602
明日にしてください白菜煮てるから 林田麻裕 201603
研ぎたてや白菜の芯試し剪り 松本文一郎 六花 201603
白菜の真ん中きれいな雨が降る 直江裕子 京鹿子 201604
白菜の鉢巻並ぶ三畝ほど 荻龍雲 201604
白菜や大地に達磨並ぶごと 今井春生 201604
白菜のライフを可視化ふたつ割り 梅田千種 船団 201612
朝空に薄き半月白菜干す 今井春生 201701
白菜を割りて日向を広げけり 深川敏子 春燈 201702
白菜の道に近きがまづ採られ 大島英昭 やぶれ傘 201703
白菜の穫り残されてゐる畑 丑久保勲 やぶれ傘 201703
白菜のひだの中なる秘密基地 加藤峰子 201703
刃を入れて締まる白菜音高く 森清堯 末黒野 201704
雪掘つて白菜坊主揺り起こす 南うみを 風土 201704
白菜を剥くがごときの法話かな 平野多聞 201705
ふふふふふ白菜漬の水上る 北上正枝 201707
白菜のからりと干さる昼下り 赤座典子 あを 201802
干しかけの白菜投ぐる喧嘩かな 田中とし江 201803
白菜のおのれを締むる霜夜かな 南うみを 風土 201803
抱きやすき白菜ひとつゆるき坂 片山煕子 京鹿子 201803
休み又休み白菜ざく切りに 高木晶子 京鹿子 201803
朝市に日を呼ぶ白菜明りかな 菊地光子 201804
白菜の眠りを覚ます二つ割 小川流子 201804
白菜の断面十二単かな 平城静代 201804
割りて干す白菜の芯眩しめり 松本鷹根 京鹿子 201902
白菜の括りを解けば風の音 藤原明美 201903
白菜の尻弾みくる猫車 南うみを 風土 201903
白菜の締まり具合を両の手で 秋山信行 やぶれ傘 201903
たけなはの鍋に白菜放り込み 高橋均 やぶれ傘 201904
白菜や自転車の子の席に乗せ 加藤静江 末黒野 201905
白菜を割きたる音の白さかな 吉原ひろ子 末黒野 201905
白菜漬水気をしぼる掌のかげん 小沢えみ子 201907
白菜を真二つ単純な迷路 井上菜摘子 京鹿子 201912
はち巻の白菜日和はなち鶏 安藤しおん 202001
四分の一の白菜ものがたり 上野紫泉 京鹿子 202002
白菜を煮るだけ夫とふたりの日 辻響子 202003
夕仕度先づは白菜ざくと切り 本田正子 雨月 202003
白菜を早く漬けよとせがむ夫 臼居澄子 末黒野 202003
白菜の尻を落して呉れにけり 白石正躬 やぶれ傘 202003
青空に干す白菜の芯に紅 中田禎子 202003
鍋にのこる白菜くたびれ果ててをり 高濱朋子 ホトトギス 202004
朝の雨白菜漬をさくさくと. 立石まどか 202004
マラソンに白菜ひとつ参加賞 白石正躬 やぶれ傘 202005
うららかや巻かぬ白菜花咲かす 木村秋草子 春燈 202007
俎に余る白菜割りにけり 石井美智子 風土 202011
白 菜 →1

 

2021年1月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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