白 菜 1       100句

銀色に濡れる白菜貨車へ積む   高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山積みの白菜を撰る暁の市 市橋進 春耕 199903
白菜のある冷蔵庫化粧紙 吉岡世志子 船団 199903
白菜が畑に傾ぎぬ鬼やらひ 浜口高子 火星 199905
白菜を裂く音白し妻の腕 川端実 寒昴 199907
乳母車白菜積んで鎌立てて ゆにえす 船団 199912
白菜畑跨ぎ明日は出る青年 谷川季誌子 200001
白菜の丸ごと買ひしことむかし 山田弘子 円虹 200002
明日漬ける白菜のことふと床で 三井孝子 六花 200003
縦に割つて白菜の渦溢れたり 嵯峨根鈴子 火星 200004
好機嫌唐黍と白菜を食べて 金子兜太 海程 200006
白菜の水を湛えて月の下 東莎逍 船団 200008
頭寒足熱白菜ずば抜けてひかる 村上友子 海程 200009
白菜の尻つやつやと売られけり 中原幸子 遠くの山 200010
五分だけ泣いて白菜たて割りに 原しょう子 二十五時 200010
白菜の嵩を沈めて煮上りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200012
大白菜土間に転がし農家留守 福田かよ子 ぐろっけ 200101
白菜漬ハガキ一杯姑の文字 正木光子 いろり 200101
白菜や八ツ切にして漬け込みぬ 香原敏枝 いろり 200102
剥くほどに白菜水の匂せり 辻前冨美枝 200102
刻みたる白菜を下げ鳥を見に 岡田万壽美 俳句通信 200102
筑波嶺の澄みて白菜結び初む 倉田岩魚男 200103
白菜の芯にみ仏かがやけり 神蔵器 風土 200103
薄氷白菜漬をわしづかみ 吉弘恭子 あを 200104
どうしても巻きの緩みし白菜で 神野祥子 海程 200106
洗ひ上げ白菜も妻もかがやけり 能村登四郎 200108
白菜に続く白菜中華の地 竹下昭子 ぐろっけ 200112
かぎりなく白菜の畑大地の子 竹下昭子 ぐろっけ 200112
荷車に白菜のやま武帝陵 竹下昭子 ぐろっけ 200112
山と積む白菜を曳く白馬の瞳 竹下昭子 ぐろっけ 200112
又旅に出る白菜を買ひ置きて 稲畑汀子 ホトトギス 200112
白菜のたがひちがひや塀の上 赤座典子 あを 200201
直伝の白菜漬よ祖母元気 笠井円 円虹 200202
朝市に白菜の尻そろひけり 大塚禎子 春耕 200202
白菜を叩く夜雨となりにけり 山田六甲 六花 200202
即売の白菜積まるる農校祭 小山香月 酸漿 200202
昼の酒白菜漬を手に受けて 志水芳秀 雲の峰 200202
白菜やピラミッドの如積まれをり 桑原敏枝 いろり 200202
白菜の樽洗ふ水惜げなし 小浦遊月 酸漿 200202
落柿舎の前の白菜巻きはじむ 元田千重 火星 200202
白菜を切るや切口盛り上り 岡田房子 酸漿 200202
一粒の白菜の種ぞ今実り 三浦カヨ子 酸漿 200202
白菜や活断層に尻を置く 暮岸江 銀化 200203
白菜のまるい尻より洗ひだす 大牧広 200203
没日して畑に散らかる白菜屑 浜口高子 火星 200203
子を呼んで白菜漬の重き石 小阪喜美子 遠嶺 200203
白菜を貰ふ畑まで蹤きゐたり 高尾豊子 火星 200203
白菜の尻叩かれて売られけり 垣尾美智子 200204
真つ先に白菜現るる雪野原 大山文子 火星 200204
白菜をざくりと鏡開かな 中里信司 酸漿 200204
白菜のめくらる軸の白さかな 片岡静子 200204
白菜に包丁ざくと沈みけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200205
白菜を幹竹割にして日暮 有山八洲彦 200205
白菜の鍋に縮んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200212
白菜を赤児のごとくいただけり 岩木眞澄 ぐろっけ 200301
タイトルもサブタイトルも無く白菜 山崎未可 銀化 200301
盆点前白菜漬けし指ほてる 金升富美子 200302
朝市で買ふ白菜のずつしりと 川瀬信子 築港 200302
白菜の尻すわりたる傾斜畑 宇田喜美栄 200302
括られて白菜列を正しけり 小林紗智子 200302
白菜を二つ抱へてよろめけり 上出曙美 築港 200302
白菜の芯盛り上がるひざしかな 春田淳子 雲の峰 200302
石に石載せて白菜きしませる 生田恵美子 風土 200303
白菜の刈られ戦のあとのやう 堀川千代子 百鳥 200303
真二つに割る白菜に明日のあり 田代史子 馬醉木 200303
白菜漬く母もかく腰叩きゐし 田所節子 200303
白菜の芯がごろりと夜(よ)の厨(くのや) 森本さやか 雲の峰 200303
白菜の畝に残れり丸畑 渋谷ひろ子 酸漿 200303
白菜の渦巻く力抱へけり 神宮きよい 馬醉木 200303
白菜の畑に残さる育ちすぎ 武田正子 ぐろっけ 200303
くらがりに白菜積みてありし家 森賀まり 百鳥 200304
白菜の鉢巻をして並びをり 松本文一郎 六花 200304
4Bで描く白菜の断面図 浦川聡子 水の宅急便 200305
荒星や白菜の束トラックに 浦川聡子 水の宅急便 200305
つつがなく大根白菜育ちをり 永田あき 酸漿 200312
紐かけて残す白菜霜枯るる 伊藤白潮 200401
白菜の残るは茶筅結びかな 吉田島江 火星 200401
唐辛子で漬ける白菜指火照る 佐々木春子 200402
五鈷杵や白菜日々に締りゆく 大島翠木 200402
目で追ひし白菜は大まかの数 川原瀞秋 百鳥 200402
割りて干す白菜縁にかがやけり 山本康郎 酸漿 200402
白菜の良し悪しはかる八百屋の灯 芝宮須磨子 あを 200402
白菜のほど良き塩に漬かりけり 清水正司 草の花 200403
安値続きて白菜畑にローラー入る 下条みね子 200403
山に雪雲白菜を四つ割りす 五十嵐暢子 対岸 200403
白菜の断面笑ふほど白し 高倉和子 200403
ざっくりと白菜を割り母は亡し 橘沙希 月の雫 200404
白菜苗畑に放すいい日和 三浦カヨ子 酸漿 200411
白粥に白菜漬のかくうまし 辻恵美子 200412
白菜の高値小分けで売られをり 木村茂登子 あを 200412
白菜を抱へて母は冷ゆるなり 柴田佐知子 200502
白菜を二個づつ束ね朝の市 八巻匡子 対岸 200502
白菜をラグビーボールのごと渡す 木村みかん 200502
白菜の玉ずつしりと配り頃 迫口君代 河鹿 200503
うづたかく白菜積みし竣工式 景山まり子 百鳥 200503
白菜の甘さ言ひ合ふ夕餉かな 丸山敏幸 200503
婿殿の作りし白菜漬けにけり 國田ヤエ子 帆船 200503
白菜を漬ける手塩の振り加減 小林幸子 酸漿 200503
白菜を手掴みにして鍋奉行 小林眞彦 遠嶺 200503
ライバルはなし白菜を両断す 小澤克己 遠嶺 200503
白菜を畑の帰りと下す叔父 小池槇女 火星 200504
白菜 →2      

 

2021年1月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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