白 菜 2       100句

銀色に濡れる白菜貨車へ積む   高島茂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
濡縁に白菜を干しビートルズ 竹内弘子 あを 200504
白菜をきしきし剥がす忌明けかな 山元志津子 八千草 200506
水温む畑白菜の鉢巻解け 丸山冬鳳 京鹿子 200506
白菜苗畑に放す白露かな 三浦カヨ子 酸漿 200511
白菜を山積みにして富士隠す 能村研三 研三句集 200512
好きだと言ふ白菜刻むリズムあり 倉持梨恵 200601
一私事として白菜の束を提ぐ 伊藤白潮 200602
霜枯れて白菜の白失せはじむ 早崎泰江 あを 200602
切口に水の溢るる白菜干す 竹内弘子 あを 200602
白菜や家族の箸の色ちがひ 河野美千代 200602
水位上ぐ白菜漬も身の内も 伊藤白潮 200602
嬰を抱くごとく白菜抱へけり 望月久美子 200602
凍蟷螂白菜の根に眠るごと 八田與四郎 酸漿 200603
白菜の荷を砲弾のごと運ぶ 阪本哲弘 200603
白菜を嬰の如くに洗ひあぐ 古賀勇理央 百鳥 200604
白菜のどしりと重し母のごと 仲村洋子 百鳥 200604
白菜に抱かれ守られたかりけり わかやぎすずめ 六花 200604
大いなる白菜の意気真塩振る 松田有伽 河鹿 200605
白菜の中の青虫動きをり 高倉恵美子 200605
楽しみのひとつ白菜漬けてをり 高倉恵美子 200605
白菜の隙に天道虫凍つる 安藤重子 栴檀 200605
白菜といふは巻き込む立てこもる 蔦三郎 ホトトギス 200605
胸の棘白菜ともにさくと切る 谷口陽子 八千草 200606
買いおきし白菜一と株日々細る 平野きぬ子 八千草 200607
一と月を白菜くるまれ厨隅 中島英子 八千草 200607
滞在や白菜使ひ切ることに 稲畑汀子 ホトトギス 200611
白菜は蒔いて三日の芽がそろふ 島崎勇作 酸漿 200611
白菜の芯に陽の渦越土産 湯橋喜美 200611
白菜のポットの苗を子守る日々 島崎勇作 酸漿 200611
白菜の半分のその半分を 稲畑汀子 ホトトギス 200612
家賃納むに大家のくるる白菜漬 杉谷文江 200702
白菜や野良から戻る一輪車 菊池由惠 酸漿 200702
鉢巻をさるる白菜より精気 山崎靖子 200702
白菜の鍋ととのふる厨ごと 池田いつ子 酸漿 200702
元旦に合はせ白菜漬けておく 高倉恵美子 200704
使ふだけ採る白菜や冬至過 関戸国子 酸漿 200705
白菜や日暮の顔のいろいろに 百瀬七生子 海光 200705
白菜のなかなか巻かぬ極楽寺 百瀬七生子 海光 200705
鎌原観音白菜漬を賜ひけり 阿部ひろし 酸漿 200712
白菜は噂話を巻き込めり 久津見風牛 200801
白菜の着きて決まりぬ鍋料理 松崎鉄之介 200802
植木屋の手土産太き白菜漬く 赤座典子 あを 200802
子を諭すごとく白菜くくりけり 鍋田もと枝 200802
一瞬をしぶき白菜割られたる 大沢美智子 200802
白菜の尻を荷台に揃へけり 羽賀則子 200803
きしきしと白菜鳴かす夕厨 森ひろ 馬醉木 200803
鎌原の白菜漬に祖母恋し 大内恵 酸漿 200803
白菜の尻ばかり見せ売られけり 島谷征良 風土 200804
ゴム判に彫りし白菜寒見舞 牧野睦子 200804
白菜の重石外して寒の入り 大木清美子 200805
白菜の鍋に縮んでゆく白さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
白菜の四分の一てふ角度 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
白菜の程良く干され漬けどきか 鈴木良子 酸漿 200901
妹の白菜甘く育ちけり 須賀敏子 あを 200902
白菜の畝百条や風うまし 千田敬 200902
白菜の畝に日差しの有り余る 渡邉孝彦 やぶれ傘 200902
ノクターン白菜ざくり切り落とし 村上ひで香 炎環 200902
白菜の尻の若さを選りて買ふ 植山美代子 200903
白菜を割つてゆたかな発光体 堀本祐子 遠嶺 200903
白菜や白きポジティブシンキング 大原貴彦 炎環 200903
残されし白菜ともに鋤き込みぬ 森可穂 200905
白菜ののびのび根付く雨上り 三浦カヨ子 酸漿 200905
白菜を剥いて少しつつ宥す 直江裕子 京鹿子 201001
干し過ぎの白菜水の上らずに 森理和 あを 201002
ずつしりと重き白菜畑に取る 内田妙子 酸漿 201002
迷ひ断ち大白菜を真っ二つ 松岡和子 201002
音たてて割りし白菜日に映ゆる 川合八重子 酸漿 201002
鉢巻をして白菜の列のあり 中緒和子 酸漿 201002
白菜を刻みつ散骨物がたり 禰寝瓶史 京鹿子 201002
軒干の白菜はんなりしたる味 荒井和昭 201003
括られて白菜ぬくき息洩らす 竹内久子 京鹿子 201003
白菜の太りて重し抱き帰る 関戸国子 酸漿 201003
小気味よき歯音白菜漬けごろに 近田登志子 遠嶺 201003
煮返しの鍋に白菜ドカと入れ 東亜未 あを 201003
白菜を脱ぎ白菜の真白なる 辻美奈子 201003
白菜を丸ごと使ふレシピかな 高橋まき子 風土 201003
白菜の結球のして透し網 松本桂子 201003
意に添はぬ娘でありし白菜漬く あさなが捷 201003
大安を目安に白菜漬け込めり 沙羅夕子 201004
白菜を誰かれに分けまだ積めり 吉田政江 201004
白菜の嵩を沈めて鍋滾る 浅川幸代 末黒野 201004
子を待ちて白菜鍋の厨ごと 池田いつ子 酸漿 201006
白菜の巻き確かめつ一つづつ 嶋津泰子 酸漿 201101
朝市に買ひし白菜横抱きに 伊藤百江 春燈 201102
白菜の届くを待ちて樽洗ふ 阿部文子 酸漿 201102
ながらへて割る白菜のまぶしさよ 平野伸子 馬醉木 201103
旅戻りの四つ切白菜買ひにけり 浜口高子 火星 201103
白菜の白の鉢巻整列す 坂根宏子 201103
白菜の四つ割にして売られけり 外川玲子 風土 201103
白菜や平穏無事の金曜日 吉田希望 201104
白菜漬嫁に褒められ笑顔夫 中里カヨ 酸漿 201104
白菜を道行く人に持たせけり 高倉恵美子 201104
白菜を割り玄海の風に干す 小林朱夏 201104
白菜を漬けざりし冬送るなり 井上信子 201105
これから先のこと白菜を漬けてゐる 堀内一郎 あを 201112
白菜の胴丸々とほめらるる あさなが捷 201202
白菜に塩振る指のきらきらす 蘭定かず子 火星 201202
午後の日を積む白菜の尻を積み 成田美代 201203
白菜の三つ四つ残り屋敷畑 吉田きみえ 末黒野 201203
挫けずに漬けてみようか白菜を 林美智 ぐろっけ 201203
白 菜 →3      

 

2021年1月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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