御 慶 2       131句

二十世紀なり列国に御慶申す也    尾崎紅葉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
御慶々々と獅子の金歯に噛まれけり 木村茂登子 あを 200804
菩提寺の梵妻に先づ御慶かな 竹内喜代子 雨月 200804
今年また御慶一番軒雀 佐治奈津 雨月 200804
よちよちと来て辞儀ひとつ御慶かな 浅井敦子 万象 200804
問診の前の主治医へ御慶かな 木場田秀俊 200805
御慶ごと運ばれてゐる昇降機 山田弘子 ホトトギス 200806
久闊を叙してすなはち御慶かな 稲畑汀子 ホトトギス 200901
患者にも一人一人に御慶かな 滝沢伊代次 万象 200901
さりながら言葉飾らぬ御慶かな 稲畑汀子 ホトトギス 200901
いくたびも御慶重ねてをしりこと 稲畑汀子 ホトトギス 200901
裏まさりの羽織ひらりと御慶かな 上田玲子 200903
雑踏に知人と交す御慶かな 大西裕 酸漿 200903
御慶交す往き交ひしげき駅頭に 服部珠子 雨月 200904
父母に灯明ともす御慶かな 栗原完爾 春燈 200904
敦句の色紙に御慶申しけり 西川保子 春燈 200904
御慶の子体全部を声にして 苑実耶 200905
御慶まだ申し遅れてをりにけり 中杉隆世 ホトトギス 200906
ポチの糞ぶらさげている御慶かな 火箱游歩 船団 200906
海峡に御慶となりし霧笛かな 渡部節郎 転舵の渦 200911
御慶まヘラジオ体操こなしけり 田中貞雄 ろんど 201001
玄関に大音声の御慶かな 大坪景章 万象 201001
促され母に遅れて児の御慶 布川直幸 201001
地球儀は背景に置き御慶かな 伊藤敬子 201002
吹かれつつ御慶交して橋の上 鷹羽狩行 201002
戸を開けてまづは鸚哥に御慶かな 金山雅江 春燈 201003
雀にはすずめの御慶ひとしきり 上谷昌憲 201003
弓袋たづさへて御慶申すかな 鎌倉喜久恵 あを 201003
常の顔見せず御慶の懇に 中原敏雄 雨月 201003
かたことの御慶へ折目正しけり 田所節子 201003
福助の座る老舗の御慶かな 今井弘雄 春燈 201003
参道を行き交ふ人も御慶かな 原桂子 201003
互例会卒寿の人へ御慶かな 笠井清佑 201003
向きかへて雀御慶の雪散らす 犬塚芳子 201004
担当のナースと御慶交はす真夜 菅野雅生 ろんど 201004
起きなくていいよと母へ御慶かな 石田きよし 201004
署長より診察前の御慶かな 米田正弘 201004
同宿のよしみの御慶交はしけり 吉川隆 春燈 201004
土竜塚門に御慶のしるしあり 松本周二 201004
カルメンも阿國もつづく御慶かな 雨村敏子 201004
にぎにぎと女系三代御慶かな 林かよ 201005
すこやかな句友と御慶交しけり 今井松子 遠嶺 201005
南無阿弥陀白寿の御慶そればかり 谷渡末枝 万象 201005
言の葉の端の美しき御慶かな 鷹羽狩行 201009
竹の秀の揺れて風への御慶かな 布川直幸 201101
舐めに来て猫の御慶の舌鑢 鳥居おさむ ろんど 201101
枯蘆の風のさらひし御慶かな 山尾玉藻 火星 201102
沖波の御慶のごとく駈けきたる 山尾玉藻 火星 201102
語に鳴らぬ母まばたきの御慶かな 篠田純子 あをかき 201103
アンテナに鳩の番の御慶かな 高橋泰子 201103
御慶享く大振袖の子は二十歳 中野あぐり 春燈 201104
門出でて先づは鴉の御慶かな 松本三千夫 末黒野 201104

 高幡不動尊へ皆川盤水先生の墓参り

墓の肩たたき御慶を申しけり

山田春生 万象 201104
お互の句を褒め会うて御慶かな 新実貞子 201104
御慶などいらぬ二人に見惚れけり 布川直幸 201201
外科医者に足を診せつつ御慶かな 竹内悦子 201203
味気なきパソコン御慶現代っ子 竹内悦子 201203
襟元をただし隣家へ御慶かな 神田恵琳 春燈 201203
庭掃きて隣家と交はす御慶かな 山口キミコ 201203
御慶の子体すべてを声にして 苑実耶 大河 201203
ちゆんちゆんとまんまる雀御慶かな 村上絢子 馬醉木 201204
回覧板小脇にはさみ御慶かな 三崎千恵子 ろんど 201204
長寿眉ほめられてゐる御慶かな 島津治子 万象選集 201205
玄関に雪吹き入れて御慶かな 森和子 万象選集 201205
ヘルメットの顎紐弛め御慶かな 奥大雅 万象選集 201205
山高帽ゆつくり上げて御慶かな 福井裕子 万象選集 201205
富士塚の登り下りの御慶かな 安部亮一 万象選集 201205
門先の爺の大声御慶かな 岡澤糾子 万象選集 201205
明け方の有線放送御慶より 柴田志津子 201205
漁父二人御慶交はしつ放尿す 大湾宗弘 万象選集 201205
白鳥の水脈ひろげゐる御慶かな 山本右近 万象選集 201205
二十二人揃ひ実家の御慶かな 高山ひさ子 万象選集 201205
婚決まる二人迎へて御慶かな 井山幸子 万象選集 201205
御慶かな膝の赤子の跳ねどほし 望月ゑい子 万象選集 201205
マナティーの顔寄せ来たる御慶かな 榎美幸 万象選集 201205
福耳の机上の母へ御慶かな 北崎展江 くりから 201209
地震ふ列島活き活き御慶かな荒木 201304
顔中の皺を集めて御慶かな 池田かよ ぐろっけ 201304
新しき肩書きで受く御慶かな 横内かよこ ぐろっけ 201304
鳶の輪の里に大きく御慶かな 岡野ひろ子 201304
夫の声に和して御慶を交しけり 村上悦子 雨月 201304
母の手に手を重ね置く御慶かな 藤兼静子 201304
をさな声まはらぬ舌の御慶かな 辻佳子 馬醉木 201304
ラジオ体操御慶ばかりで始まらず 吉田和子 ぐろっけ 201305
ついと来て鶲が御慶述べにけり 岩岡中正 ホトトギス 201306
真司慎司佑都圭佑御慶也 井上石動 あを 201402
雄勁な筆致を掛けし御慶かな 能村研三 201402
寒禊締込のまま御慶かな 篠田純子 あを 201402
くり返す待合室の御慶かな あさなが捷 201403
教はりし通りに御慶述べてをり あさなが捷 201403
父なる山母なる山へ御慶かな 宮井知英 201403
襖絵の松に御慶の日差しかな 望月晴美 201403
わが窓に御慶一声里鴉 豊田都峰 京鹿子 201403
一族九人交はす御慶のまちまちに 大橋晄 雨月 201403
御慶述ぶ幼ナながらの仕種もて 横山昭子 雨月 201404
杉の葉の肩に降りきし御慶かな 坂口夫佐子 火星 201404
神鹿に尻押されつつ御慶かな 山本耀子 絵襖 201404
丸き背国旗掲揚して御慶 中山皓雪 201404
指先を伸ばし敬語の御慶かな 加藤榮一 末黒野 201404
綿津見の祠の幣の御慶かな 和田照海 京鹿子 201404
守られし遺影の夫に御慶言ふ 戸田澄子 末黒野 201404
不揃ひの靴不揃ひの御慶かな 中山皓雪 201404
行きちがふバス窓ごしの御慶かな 織田高暢 201404
嬰児を胸やはらかく御慶かな すずき巴里 末黒野 201404
まっさきに仏の父母へ御慶かな 久保田雪枝 雨月 201404
つまづくこと多し八十路の御慶かな 鴨下昭 201406
涙もろき人来て御慶述べにけり 岩岡中正 ホトトギス 201406
御慶述ぶ絆深めてゆく二人 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
衣ずれの御慶に父の直立す 中田みなみ 201501
うながされ幼の御慶「おめでたう」 布川直幸 201501
吾子らそれぞれ妻子香らす御慶かな すずき巴里 ろんど 201501
ももしきの盤水翁の御慶かな 佐藤喜孝 あを 201501
丸き背町旗掲揚して御慶 中山皓雪 201502
胸を突く激痛これも御慶かや 神蔵器 風土 201503
川一つとんで翁に御慶かな 神蔵器 風土 201503
お迎へを待ちゐる老の御慶かな 四條進 201503
野風呂松直ぐなる御慶の日和かな 北川孝子 京鹿子 201504
つつしみて受く縄跳の子の御慶 高橋道子 201504
菩提寺の世継ぎの僧の御慶かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201504
生垣を潜り目白の御慶かな 奥太雅 万象 201504
なには先づ虚子の話をして御慶 嶋田一歩 ホトトギス 201506
今年まだ温泉プールにゐて御慶 嶋田一歩 ホトトギス 201506
又逢ひてふたたびみたび御慶かな 稲畑汀子 ホトトギス 201601
遠き娘に御慶の電話つながりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201601
稿債を御慶と共に渡さるる 稲畑汀子 ホトトギス 201601
御慶かな三百年の松拝す 小林共代 風土 201603
巫女袴折目まぶしむ御慶かな 谷陽右 馬醉木 201604
先客に御慶申して露天風呂 土井三乙 風土 201604
御慶のぶ日本の美(うま)し言葉もて 落合絹代 風土 201604
初鴉御慶述ぶかに鳴きわたる 三輪温子 雨月 201604
長老の箒目しるき御慶かな 山崎靖子 201604
吠へあへる散歩の犬の御慶かな 山本無蓋 201604
御慶 →3      

 

2021年1月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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