御 慶 1       100句

二十世紀なり列国に御慶申す也    尾崎紅葉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
飛び出して迎へし猫に御慶かな 山田弘子 春節 199503  
体揺り苦虫御慶の夏羽織 金子里美 船団 199811  
耳折つて御慶のさまの白うさぎ 鷹羽狩行 199901  
頬白のこゑ御慶めく日和かな 林翔 199902  
言の葉のさらさらさらと御慶かな 代田青鳥 風土 199903  
のど飴を含みしままの御慶かな 成島彰子 199905  
巴里発衛星経由の御慶かな 千田百里 巴里発 199911  
米国の家族も増えし御慶かな 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
御慶述ぶ虚子に侍りし椿子に 千原叡子 円虹 200001  
御慶厚き陳さんといふ料理人 松本圭司 200003  
魚見台より紀州訛の御慶受く 堀義志郎 火星 200004  
飛鳥訪ふ猿石にまづ御慶のべ 内山芳子 雨月 200004  
娘の顔を忘れし御慶京言葉 山本怜子 ぐろっけ 200006  
上人の松に向ひて御慶かな 後藤房枝 200101  
御慶のぶ鴉は黒き嘴をもて 後藤志づ あを 200103  
青年の手を挙げあへる御慶かな 立石萌木 雨月 200103  
茶畑の中より御慶賜ひけり 山尾玉藻 火星 200103  
ひと弾みして御慶す初雀 神蔵器 風土 200103  
追ひ越して止まる自転車御慶かな 橋本みず枝 200103  
幼児の舌のまはらぬ御慶かな 大西昭子 200104  
庭箒持ちたるままの御慶かな 細野みさを 200104  
餅を搗くこともホテルの御慶かな 福盛悦子 雨月 200105  
すり寄りて髭こがす猫の御慶かな 松浦途子 ぐろっけ 200105  
転居せし十三階へ御慶かな 村上沙央 200112  
居住まひを正しわが子の御慶受く 丁野弘 200112  
留守電が陳ぶる御慶に膝正す 岡田飛鳥子 200201  
鴛鴦の水輪ひろげて御慶かな 鷹羽狩行 200202  
大人と閑ともにして御慶かな 鷹羽狩行 200202  
まぎれ無く老は背にあり御慶かな 熊谷みどり いろり 200202  
慇懃に車掌の御慶一輛車 中田貞子 200203  
嫁ぎたる娘と久々の御慶かな 栗林松枝 春耕 200203  
男ならしゃきっと生きよ御慶かな 保坂加津夫 いろり 200203  
山荘に野猿野鳥の御慶受く 池田草曷 雨月 200203  
爺吾の御慶うからの集ひ来て 松田欽吾 雨月 200204  
洋上の携帯電語から御慶 沖祐里 200205  
エスカレーター御慶述べつつ擦れ違ふ 隅田享子 200205  
富士山の頂にゐて御慶かな 須藤常央 ホトトギス 200207  
天地へ御慶の門を開きたる 須藤常央 ホトトギス 200207  
幼子と交す御慶の電話口 大谷茂 飛白 200208  
エレベーターガールに御慶申さるる 宮原みさを 花月亭 200208  
虹の石には手を浸けて御慶かな 後藤比奈夫 ホトトギス 200208  
御慶述ぶより用件を切り出しぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
御慶述ぶ一人一人でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
御慶述ぶことあとさきになりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
時期外れゐても御慶となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
遠き子へ国際電話にて御慶 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
やうやくに起きて揃ひし御慶かな 稲畑汀子 ホトトギス 200301  
仏燈を背にして嫁の御慶受く 谷榮子 雨月 200302  
屋敷神に火の点りゐる御慶かな 谷榮子 雨月 200302  
野良猫は御慶みぢかく擦り寄りぬ 篠田純子 あを 200302  
村びとの川を隔てて御慶かな 鷹羽狩行 200303  
三歳の声のメールの御慶かな 柴田雪路 200303  
朱の橋の真中に交す御慶かな 仲尾弥栄子 雲の峰 200303  
旧正をたのしみ御慶申すかな 鎌倉喜久恵 あを 200303  
賞うけし人ゐて活気満つ御慶 園多佳女 雨月 200304  
友へは英語祖父母へ御慶日本語で 玉置かよ子 雨月 200305  
声変りの面輪きりりと御慶かな 矢崎いと子 200307  
長老は御慶みぢかくあ・い・う・え・お 篠田純子 あを 200403  
大声で白寿の母に御慶述ぶ 河村岳葉 築港 200403  
五六人髭面合はす御慶かな 名田西の鴉 草の花 200403  
ゆったりと小事に生きて御慶かな 嶋崎豊子 雨月 200403  
預かりしインコ御慶をくりかへす 浜和佳子 百鳥 200404  
息子より遅れて御慶もらひけり 富沢敏子 200404  
義士墓に出会ひて交はす御慶かな 淵脇護 河鹿 200404  
落語家と落ちなき御慶交しけり 三由規童 雨月 200404  
荷を持ちしままの御慶や配達夫 小松誠一 200404  
かぶりもの脱いでキャディーの御慶かな 鷹羽狩行 200502  
女坂御慶の長き日向かな 荻野嘉代子 春燈 200503  
初患者御慶と先づは脈をとり 水原春郎 馬醉木 200503  
おぼえあるベンツ隣へ御慶かな 丸山照子 火星 200504  
句友にも芭蕉像にも御慶かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601  
窓に嵌む比叡に向きて御慶かな 舩越美喜 京鹿子 200603  
黄昏が慕はし御慶申しけり 中山純子 万象 200603  
ワンチャンス犬にも御慶申しけり 松崎鉄之介 200603  
初鴉一声御慶申し過ぐ 斎藤道子 馬醉木 200604  
冠雪の明けの火山へ御慶かな 沼口蓬風 河鹿 200604  
姫孫二人われに御慶のこゑやさし 駒井でる太 200604  
闘志秘め交はす御慶やテイーショット 河本利一 200604  
駅前の鳩も寄り来る御慶かな 藤田信義 春燈 200604  
大声の人へ大声御慶述ぶ 嶋田摩耶子 ホトトギス 200605  
平成の御慶新宮様のご誕生 木村茂登子 あを 200611  
御慶のぶごと猫の声昂れり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701  
箱を出る木偶と御慶を交しけり 臼杵游児 春燈 200702  
御慶のごと屋上すぐる飛行船 中山フジ江 200703  
犬曳いて御慶のべあふ橋の上 渡真利真澄 万象 200703  
糸でんわより息はづむ御慶かな 内山花葉 200703  
指貫のまま百歳の御慶かな 田野力 万象 200703  
御慶受くなりあらたまの闇の中 落合絹代 雨月 200704  
御慶かな大歳時記の猩猩緋 岩田都女 風土 200704  
帚手にかはす御慶でありにけり 村上留美子 火星 200704  
揚舟のみな沖に向く御慶かな 村上絢子 馬醉木 200704  
朴の木の高きに申す御慶かな 服部早苗 200704  
百歳の消息問はれゐる御慶 山田弘子 ホトトギス 200706  
米寿祝ぐ話たづさへ御慶かな 本城布沙女 雨月 200708  
屋号にて御慶を交す山の国 滝沢伊代次 万象 200801  
赤ん坊を抱き合ひ御慶申しけり 山尾玉藻 火星 200802  
長生きと食欲を誉め御慶かな 山崎祐子 万象 200803  
幼児のただにつこりの御慶かな 布川直幸 200803  
末広に一筆染めて御慶とす 鎌倉喜久恵 あを 200803  
人込みを抜け出でてより御慶かな 武政礼子 雨月 200803 御慶 →2

 

2020年1月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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