牛 蒡     106句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初牛蒡香りも供え報告す 小川花久 いろり 199910
新牛蒡積まれし納屋や香り満つ 小川花久 いろり 199910
干し物を残し一家で牛蒡掘る 小川花久 いろり 199910
新牛蒡近所をつなぐお裾分け 小川花久 いろり 199910
夏牛蒡掘る顔泥で汚しけり 小川花久 いろり 199910
牛蒡掘りゐて潮騒のとどかざる 高橋将夫 199911
唐辛子きんぴら牛蒡に入れ過ぎて 熊谷みどり いろり 199911
牛蒡引く豆引く翁媼かな 竹内悦子 199911
遠山に雪が来しとて牛蒡引く 藤井昌治 199912
牛蒡注連綯ふに本腰入れにけり 山下昇士 200003
尾張野の土の匂ひの牛蒡掘る 鵜飼紫生 雨月 200004
魍魎の尾を離さじと牛蒡拔く 中原道夫 銀化 200011
埋め置きの咲いてしまひし牛蒡かな 檜紀代 200011
百舌鳥鳴くや山伏宿の牛蒡注連 皆川盤水 春耕 200011
新牛蒡時くればする厨ごと 北原志満子 海程 200011
遠く見て背の波うてり牛蒡掘 阿部ひろし 酸漿 200102
新牛蒡お裾分けとて賜りぬ 松沢久子 いろり 200104
牛蒡掘が笑ひしごとくわらふべし 岡井省二 200105
酢牛蒡に手を出せばまた鶲とぶ 岡井省二 200105
山畑で牛蒡掘りおり阿修羅仏 原田孟 海程 200105
盆の雨厨に牛蒡ねかせあり 浜口高子 火星 200111
杉山の夕影被り牛蒡掘る 古市枯声 春耕 200112
年の瀬や籠を突き出て葱・牛蒡 鷹羽狩行 200201
一間の神棚長き牛蒡注連 松崎鉄之介 200201
冬ぬくし厨の牛蒡やや曲り 戸田喜久子 200203
神官の常のくぐり戸牛蒡注連 桑田眞佐子 火星 200203
牛蒡抜きせるは遍路かかく迅し 中原道夫 銀化 200304
牛蒡蒔くひと畝ごとに伊吹見る 小田道知 円虹 200306
たかだかや金牛蒡とて掘り上ぐる 中島陽華 200401
風募りゐる窯神の牛蒡注連 中島瑞枝 百鳥 200404
炊き難き牛蒡人参蓮如の忌 橋本榮治 馬醉木 200405
古利根の平らに晴れて牛蒡引く 五十嵐暢子 対岸 200409
育てある種取り牛蒡力満つ 清水伊代乃 酸漿 200410
サンドイツチの牛蒡はみ出す芙美子の忌 堀内千鶴子 帆船 200411
街中に牛蒡掘る香や津和野町 沢木欣一 ぐろっけ 200412
牛蒡引き無理することはなかりけり 高橋将夫 200412
愚痴いわず真っすぐ伸びし牛蒡引く 須賀悦子 ぐろっけ 200412
穴さむく土音のして牛蒡ほる 飯田蛇笏 ぐろっけ 200412
老の息うちしづめつつ牛蒡引く 後藤夜半 ぐろっけ 200412
老人や牛蒡蒔く日の白手拭 草間時彦 ぐろっけ 200412
風よりも身を細うして牛蒡抜く 今瀬剛一 ぐろっけ 200412
篁の中に日が降る花牛蒡 古館曹人 ぐろっけ 200412
葱牛蒡寄り添ひて立つ厨口 柿沼盟子 風土 200504
端山より夕星せかす新牛蒡 小澤克己 遠嶺 200509
新牛蒡骨あるやうなないやうな 泉田秋硯 200510
葱刻む音牛蒡そぐ音年つまる 吉田明 200602
蒔く前の牛蒡の種を嗅いでをり 中村房枝 六花 200603
削ぐさきにほのと香のたつ新牛蒡 安田とし子 ぐろっけ 200608
牛蒡掘りの海を見てゐる日差かな 雨村敏子 200702
牛蒡蒔く畑らしきを打つ男 大塚民枝 酸漿 200705
牛蒡ぬきせり立春の遊歩道 吉田明子 200705
春昼の沈むささがき牛蒡かな 中谷葉留 風土 200707
うまぶきと云ふ古き名の牛蒡掘る 能村研三 200710
大夕焼きんぴら牛蒡作りをる 加藤みき 200710
牛蒡掘なにも掘らずに帰りたる 高橋将夫 200712
野遊びや牛蒡入りなる手巻寿司 山田六甲 六花 200803
土に囲ふ牛蒡芽を出す雨水かな 滝浪紀久子 万象 200807
新牛蒡の笹掻き放ち団子汁 浅井敦子 万象 200810
牛蒡掘一気に掘つてしまひけり 高橋将夫 200811
木喰の手が出て牛蒡拾ひけり 岡本高明 船団 200901
去年今年牛蒡の灰汁のとれぬまま 城下明美 ぐろっけ 200904
段取りのうちに火の入る新牛蒡 加藤みき 200907
新牛蒡削る手首のやはらかし 笹村政子 六花 200908
日本の味の一色新牛蒡 鬼頭佳子 200908
初秋や牛蒡の葉裏まっ白に 竹内弘子 あを柳 200910
山の影野の景こゆき牛蒡引く 鈴鹿仁 京鹿子 200911
一皿に夕餉の牛蒡あれば佳し 高木智 京鹿子 200911
沈黙は風を呼ぶなり牛蒡引く 鈴鹿仁 京鹿子 200911
色鳥来金平牛蒡ある昼餉 安藤久美子 やぶれ傘 201001
母の留守牛蒡加へて根深汁 赤座典子 あをかき 201001
叩き牛蒡幾とせ母より継ぎし音 北川孝子 京鹿子 201002
新牛蒡カリリコリリとつまみ食ひ 丹生をだまき 京鹿子 201010
足指の一本捻挫牛蒡引く 東亜未 あを 201012
八朔の朝の牛蒡を削ぎにけり 若井新一 201012
朝市や牛蒡食はされ生姜買ふ 淺場英彦 万象 201101
たつぷりと黒き武蔵野牛蒡引く 上原重一 201101
滝野川牛蒡と聞いてより親し 鈴木榮子 繭玉 201105
塾弁と呼ぶ箱の中若牛蒡 平田恵美子 ぐろっけ 201108
蓋とるや柳川鍋の牛蒡の香 波多野孝枝 末黒野 201109
たとふれば美脚の主ぞ若牛蒡 川井秀夫 ろんど 201111
台風下匂ひて叩き牛蒡かな 定梶じょう あを 201111
地動説を固く信じて牛蒡引く 柳川晋 201201
洗ひたる土の匂ひの新牛蒡 山本無蓋 201201
強き縒り明らかにして牛蒡注連 岡野ひろ子 201204
母は身を流しに預け牛蒡削ぐ 小林朱夏 201204
削りゐる牛蒡の匂ふ春の闇 山田六甲 六花 201205
新牛蒡妻が十八番(おはこ)のかやくめし 林哲夫 ぐろっけ 201210
新牛蒡トロッコ列車動き出す 中島陽華 201211
泥洗ふそばから香り新牛蒡 村田とくみ ぐろっけ 201312
ルビコンを渡る覚悟の牛蒡引き 柳川晋 201312
肥料屋に牛蒡の漬物買うて夏 半田稜 ろんど 201409
牛蒡引く力加減は土に聞く 高橋将夫 201411
新牛蒡みちのくの土つけしまま 門伝史会 風土 201412
窓の外しぐれ牛蒡の鍋にほふ 藤井美晴 やぶれ傘 201501
牛蒡引く夢の世ならば夢のまま 高橋将夫 201502
囃れて一本仕上げ牛蒡注連 落合晃 201503
牛蒡引く国会混乱続きをり 田中藤穂 あを 201511
新涼の水に晒して削ぎ牛蒡 西川みほ 末黒野 201602
葩餅貫く牛蒡めでたかり 三輪温子 雨月 201604
泥鰌鍋牛蒡ばかりが減りもして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201606
春牛蒡市の振興を背負はされ 竹村淳ー 201707
黒南風や牛蒡の大葉うらがへす 永井惠子 春燈 201708
新牛蒡気合入れ抜くいと易し 黒澤佳子 あを 201709
牛蒡掘が地球の芯に触るるなり 柳川晋 201801
農に生きて賜びし長寿や牛蒡掘る 駒井でる太 馬醉木 201801
こそぎたる牛蒡ひらひら宵月夜 水谷はや子 202001
苦瓜→2      

 

2021年10月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。