月 明 3      100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月明の三角点に獣来る 広渡敬雄 201003
月明り通す目貼でありにけり 橋本くに彦 ホトトギス 201004
寒行の列を照らせる月明り 長谷川たか子 酸漿 201005
春嵐雲の上ゆく月明かり 根岸善行 風土 201007
つばめ魚飛ぶ月明の波うねり 中尾杏子 201008
踏石を確かめ出でし月明り 小野木雁 酸漿 201011
山栗の坂をまろべる月明り 杉浦典子 火星 201011
街灯の途切れたる辻月明り 石川かおり 201011
晩節の急ぐ山路や月明り 阪本哲弘 201012
舟べりや月明掬ひては零し 北川英子 201012
檻の鳥獣に盆の月明り 大野崇文 201012
でんでら野とや月明の一本道 千田敬 201012
髪を梳く天窓よりの月明り 國保八江 やぶれ傘 201012
石仏の笑って見ゆる月明り 續木文子 あを 201101
霜下りる午前三時の月明に 神蔵器 風土 201101
月明の畳を猫のわたりくる 堀江惠子 201101
月明の霧藻ほのかやランプの湯 岡田貞峰 馬醉木 201101
軒先に干柿ならび月明り 續木文子 あを 201101
冬満月明石海峡隈もなし 橋本榮治 馬醉木 201103
寒林の枝張る空の月明り 掛江淳司 酸漿 201103
沼辺りを狐窺ふ月明り 鈴木千恵子 万象 201109
月明に濡れてをりたる蟻地獄 西村純太 201109
白南風の松原高き月明り 池谷鹿次 末黒野 201110
月明り尾ひれつけずに告げにけり 田嶋洋子 春燈 201111
婚約の顛末を聞く月明り 松井洋子 ぐろっけ 201112
輪に座せば少年少女月明り 数長藤代 201112
小望月明日着る服を吊しおく 河村啓花 ろんど 201112
月明り閨に及びて想ひ千々 本多正子 雨月 201112
見晴るかす枯野横切る月明かり 丸山酔宵子 かさね 201201
岩鼻の浪立ちあがる月明り 大川暉美 末黒野 201201
真珠いま育ちてをらむ月明り 栗原公子 201201
虚の器なり月明の一湾は 安居正浩 201201
用水の流れに望の月明かり 渡邊孝彦 やぶれ傘 201202
月明かり蕾開くは桜かな 丸山酔宵子 かさね 201205
月明にビル戦いてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
短夜の早や月明の漁師町 安立公彦 春燈 201209
月明にすこし拗ねたる三輪車 林昭太郎 あまねく 201210
月明の海に真珠の育ちをり 川端俊雄 火星 201211
二人連追ひこしかねる月明り 吉田啓悟 かさね 201211
二百十日事なく過ぎて月明り 嵐弥生 末黒野 201211
月明り窓に庭木のシルエット 小林久子 201211
月明に引き揚ぐ空らの魚籠雫 浜口高子 火星 201212
塀の上を鼬一気に月明り 松井倫子 火星 201301
残業の会社を出れば月明り 秋田直己 ぐろっけ 201302
足跡に月明溜まる猪のぬた 米澤光子 火星 201303
天窓の桟を洩れくる月明かり 斉藤マキ子 末黒野 201304
山の温泉の真夜の厳寒月明り 宮崎正 ホトトギス 201306
朧月明石大橋暗く染め 岡野安雅 かさね 201306
月明し追儺の声を出し惜しむ 竹内弘子 あを 201307
月明の岩になめくぢ生まれけり 田中文治 火星 201310
月明の砂丘を奔る砂の音 近藤幸三郎 風土 201311
月明のいろを失ふ赤鳥居 加藤みき 201312
鐙より砂のこぼれし月明り 山田美恵子 火星 201312
躙り口さきに這入りし月明り 坊野貴代美 ぐろっけ 201312
錆鮎の簗を逸れゆく月明り 薮脇晴美 馬醉木 201312
石一つ一つに影す月明り 堀園子 201312
月明の木を離れたる木霊かな 熊川暁子 201312
月明や波打際にある旅愁 黒滝志麻子 末黒野 201312
月明を行く白杖の矜恃かな 山崎青史 ろんど 201312
これからの一人諾なふ月明り 数長藤代 201312
指先に一途な思ひ月明り 森理和 あを 201401
真夜の空秋冷到る月明り 占部美弥子 末黒野 201401
月明のぶなの木に耳当ててゐる 杉浦典子 火星 201401
月明の途をいざよふ白陀師忌 田中臥石 末黒野 201401
ジャズバーへ下る石段月明かり 藤井美晴 やぶれ傘 201402
月明やたつぷりと振る育毛剤 戸栗末廣 201402
雪椿けなげに咲ける月明り 秦和子 201404
柚の花の風なく散りぬ月明り 飛高隆夫 万象 201408
月明の里を響かせ夏蛙 椿和枝 201408
ジャスミンの香りにとどく月明り こうのこうき ろんど 201410
三更に覚めて涼しき月明り 藤浦昭代 ホトトギス 201410
一川を湖へいざなふ月明り 石田きよし 201411
ジンジャーの花や月明烟らする 林範昭 火星 201411
月明り三角耳の影よぎる 火箱ひろ 201412
月明をひとつまみして盛り付けぬ 江濱百合子 火星 201412
汚染土の底の沈黙月明かり すずき巴里 ろんど 201412
月明にたつた一人の兄逝かす 高野昌代 201412
猫飛び出せり月明の雑居ビル 藤田素子 火星 201412
酔ひ恥づるかに月明の酔芙蓉 小川玉泉 末黒野 201412
月明に炎立つ落葉松黄葉かな 根岸善雄 馬醉木 201412
廬山寺の閂重し月明り 坂根宏子 201412
名鐘は撞かず朧の月明り 小山和男 京鹿子 201501
小面の細き声なる月明り 山田和 京鹿子 201501
月明や生命をたたむ古都の屋根 桑名さつき ろんど 201501
生きてゐる胸月明にぬれにけり 城孝子 火星 201501
有明の月明らけしけふも晴 谷口俊郎 201501
月明の城址そばだつ下り簗 渡会昌広 馬醉木 201501
月明かり海より窓に須磨の風 市川伊團次 六花 201502
漆黒の大黒冬の月明り 塩路隆子 201502
あらたまの比叡染めゆく月明り 錫木妙子 馬醉木 201504
山茶花の紅のこぼるる月明り 佐竹千代 やぶれ傘 201504
命惜しめと八十八夜の月明し 字都宮敦子 201508
波の穂に宝珠を咲かす月明り 能村研三 201511
月明り赤児のまなこ黒水晶 七郎衛門吉保 あを 201512
月明や決壊の川滔滔と 谷岡尚美 201512
月の句は月明りもて書き留めむ 安住敦 春燈 201512
病院の喫煙所とふ月明り 藤原照子 201512
月明にことば短かく別れけり 土井三乙 風土 201512
狼の眼のなかにある月明り 坂本徹 201603
一面の雪にしみ入る月明り 田上幸子 万象 201605
月明 →4      

 

2021年10月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。