夏 至 2    200句

池水のにほひに夏至の夜風かな  武田鶯塘  鶯塘集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏至の浜一握の砂香炉にと 小平恒子 酸漿 200609
ふたありで夏至の城址をめぐりけり 玉川悠 遠嶺 200610
鈍色の出土の古銭夏至の雨 玉川悠 遠嶺 200610
夏至の夜序文一つを書き上げぬ 松崎鉄之介 200610
身だるさの暑さに夏至を諾ひぬ 落合由季女 雨月 200610
夏至過ぎしみ空にタワー峙てり 安原葉 ホトトギス 200611
エスカレーター半分のぼりきつて夏至 片山タケ子 200701
東京と芦屋一枚夏至の空 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
俳磚に夏至の空あり風のあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
俳磚の千基に夏至の風そよぐ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
お隣の会をこぼれて夏至夕べ 稲畑汀子 ホトトギス 200706
夏至といふ日を無駄遣ひしてをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200706
一日は二十四時間夏至過ぎぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200706
夏至といふ油断のありし外出かな 稲畑汀子 ホトトギス 200706
夏至という日は大胆に洗顔す 丸山佳子 京鹿子 200706
猫に紐つけて行つたり来たり夏至 伊藤早苗 200709
豆腐屋のまだ来る路地や夏至の雨 平田紀美子 風土 200709
風蘭に水足しおくも夏至の夕 三浦カヨ子 酸漿 200709
夏至の日の地を打つ雨の明るさよ 久保田嘉郎 酸漿 200709
夏至の日の里山けむる驟雨かな 久保田嘉郎 酸漿 200709
髪切ってより静心夏至夕べ 仙石君子 雨月 200710
夏至の雨少し日暮を早くせり 稲畑汀子 ホトトギス 200806
今日夏至と思ひたるより仰ぐ空 稲畑汀子 ホトトギス 200806
明日に夏至控ヘホトトギス社活気 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
夏至の午後てふ太陽の笑顔かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
魁夷の馬夏至の群青世界かな 神蔵器 風土 200808
夏至の日の朝より人を待ち待てり 村越化石 200808
夏至の夜の雨音ざわと高まれり 田中藤穂 あを 200808
夏至の日の雨のちくもり野菜便 東亜未 あを 200808
夏至の夜のアロマキャンドルエコ生活 井口淳子 200809
臨終に残る体温夏至の雨 森下康子 200809
夏至の日の太陽大きく昇りきし 松嶋一洋 200809
夏至やけふ地震疵深しみちのくは 上原重一 200809
職人のタオルまつさら夏至の朝 長屋璃子 火星 200809
夏至の夜のバナナの匂ひ満ちてきし 藤田素子 火星 200809
初対面の挨拶夏至の夕ベかな 森ゆみ子 炎環 200809
全身で笑ふ子夏至の夜なりけり 木村佳寿江 炎環 200809
黒髪のひときは重し夏至の月 浦川聡子 炎環 200809
夏至光に旅立ちし人どの辺り 犬塚李里子 200809
潮境くつきり夏至のカフェテラス 中山純子 万象 200809
夏至の日の沈むところに楠立てる 宮津昭彦 200809
夏至暮れてビルの狭間といふ真闇 稲畑廣太郎 ホトトギス 200812
夏至使ひ切つたる主婦の手練かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
電灯の色の重たく夏至の夜 ことり 六花 200907
雑巾をかたく絞りて今日は夏至 大畑善昭 200908
勤行のこゑの洩れくる夏至の路地 竹内弘子 あを 200908
夏至の昼おぐらき水族館歩く 田中藤穂 あを 200908
カリヨンの宙よりの音夏至近し 高原節 炎環 200909
夏至の夜やランプで過ごすエコ家族 中村春宵子 春燈 200909
夏至の日や友誘ひ行くレストラン 兼子栄子 酸漿 200909
食細くすべしと誓う夏至の夜 中村是空 ろんど 200909
けふ夏至の水道水の無味無臭 林昭太郎 200909
夏至の朝粗挽きブルーマウンテン 宮崎高根 200911
夏至といふ日に雨といふ夕べかな 稲畑汀子 ホトトギス 201006
夏至の昼十円切手貼り足して 辻直美 201007
九曲がりに鉄気の有馬坂も夏至 品川鈴子 ぐろっけ 201007
鯉跳ねて夏至の夕の青水輪 池元道雄 馬醉木 201009
常連の飲み会夏至の夕べかな 渡辺安酔 201009
寝返りて青き森の香夏至の夜 北川英子 201009
夏至の日や夫を祖とする墓の影 小野口正江 末黒野 201009
夏至夕べぎつちよに覚弥きざむかな 折橋綾子 201009
便箋の余白蘇婆訶と夏至の雨 佐藤凉宇子 ろんど 201009
雨雲の重たき夏至の日となりぬ 大橋晄 雨月 201009
オンザロックもて過ごすべし夏至の夜は 大橋晄 雨月 201009
割り切れぬ思ひに暮れて夏至の雨 窪田佳津子 雨月 201009
夏至の夜の天へ向かへる観覧車 大土かず子 201010
引き汐に貝の縞透く夏至夕べ 藤岡紫水 京鹿子 201010
渓流に山影倒れ夏至暮るる 藤岡紫水 京鹿子 201010
筆硯いつしか忘れ夏至の朝 秋葉貞子 やぶれ傘 201011
夏至と聞きつゝ一日の過し方 稲畑汀子 ホトトギス 201106
夏至とても時間は待つてくれざりし 稲畑汀子 ホトトギス 201106
夏至ひとり中二階にある俳書棚 能村研三 201107
夏至夕べまだ灯のつかぬ浮灯台 中村紀美子 春燈 201109
夕六時の凡鐘夏至の陽ざしの中 山田をがたま 京鹿子 201109
おもいつきり晴れいつまでも昏れぬ夏至 菅野蒔子 末黒野 201109
夏至や今日三十三度超へ暮るる 菅野蒔子 末黒野 201109
夏至近し地球の裏ヘエアポート 竹久みなみ 風土 201109
ちろちろと夏至の木洩れ日文机に 荒井千佐代 201109
巽より夏至の風立つ千枚田 雨村敏子 201109
棺造り鯨尺にて夏至の雨 西村純太 201109
夏至の日や五体明るく目覚めけり 吉田順子 201109
人生の重荷を降ろす夏至の影 柳川晋 201109
家中の窓開け放つ夏至の午後 仁平則子 201109
能登瓦夕べ明るき夏至の雨 小坂優美子 馬醉木 201110
夏至の日や光みなぎるままに落つ 久永つう 瀬戸の海 201203
夏至の昼コンクリートも輝きて 長島清山 かさね 201208
水ごくごくパソコン叩く夏至の朝 上原重一 201208
大国の主都マドリード夏至の朝 松田和子 201209
書疲れの窓に明るき夏至の雨 米山のり子 馬醉木 201209
はらからはそれぞれ帰途に夏至の夜 石脇みはる 201209
風土記の丘夏至の日輪田毎おく 齋藤晴夫 春燈 201209
子ら群れてゐる夏至の日の閻魔様 北崎展江 くりから 201209
艀で寄る出湯の里の夏至夕べ 東野鈴子 雨月 201209
旅立つ子濡れてはならじ夏至の雨 林美智 ぐろっけ 201209
買物の今日はゆるりと夏至なりし 東秋茄子 京鹿子 201210
夏至過ぎの海光をただ眩しめり 藤原若菜 春燈 201210
夏至の夜の吹き抜け上がる嬰のこゑ 小林成子 火星 201210
丸の内夜へと移りかねて夏至 今橋眞理子 ホトトギス 201211
今日夏至と思へぬほどの陽気かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306
夏至の句座君の笑顔があればこそ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306
夏至の夜の居留地の扉を押しにけり 小林成子 火星 201309
夏至の夜のそこはかとなき愁思かな 古沢幸次 ろんど 201310
地下鉄の底のそこまで降りて夏至 山本無蓋 201310
夏至の雨ホルター心電計胸に 山田夏子 雨月 201311
老どちの夏至夕暮を待つ会話 瀧春一 花石榴 201312
旬日の夏至にはいとふ心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201406
夏至近き日の夕暮の雨もよひ 稲畑汀子 ホトトギス 201406
夏至過ぎし逢魔が時の長かりし 稲畑汀子 ホトトギス 201406
壱錠が眠り導く夏至の夜 能村研三 201406
旬日の夏至にはいとふ心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201406
夏至近き日の夕暮の雨もよひ 稲畑汀子 ホトトギス 201406
夏至過ぎし逢魔が時の長かりし 稲畑汀子 ホトトギス 201406
壱錠が眠り導く夏至の夜 能村研三 201406
街灯の色の重たし夏至の夜 大島みよし 201408
十字路の真中で仰ぐ夏至の星 黒澤登美枝 201409
ああ今日は夏至だったのかじょうろ買う 粟津さくら 201409
夏至金色タイヤの破裂せし真昼 竹内悦子 201409
夏至の夜昔語りの僧の指 つじあきこ 201409
適塾へ夏至の溝蓋鳴らしけり 大山文子 火星 201409
それぞれの発心胸に夏至の宿 平居澪子 六花 201410
夏至の日や川にかぶさる木々の枝 菊地葉子 やぶれ傘 201410
天文館の漏刻刻む夏至正午 塩見治郎 雨月 201410
一病と上手に生きて夏至の雨 佐々木紗知 京鹿子 201410
一日雨常より日暮早き夏至 野沢しの武 風土 201503
いつまでも暮れぬ西空夏至近し 稲畑汀子 ホトトギス 201506
新しき句会立ち上げ夏至近し 稲畑汀子 ホトトギス 201506
夏至過ぎしより刻々のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201506
夏至の句座君の質問もう聞けず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201506
首筋に湿り確かな夏至の風 布川直幸 201506
夏至の空くぼませ筑波二峰かな 布川直幸 201506
折り返し地点は今か夏至の夜 江島照美 201509
そこらまで何か来てゐる夏至の朝 飯田ひでを 201509
海鳴りを入れ夏至の夜の野外劇 小林陽子 201509
雨戸繰るさんさんと日や夏至の朝 荒井貞子 末黒野 201509
夏至の日の早起き昼のいや永し 伴秋草 末黒野 201509
登校の子供に教へ夏至の朝 漆山浩一 末黒野 201509
夏至の日の約束三つこなしけり 河本由紀子 春燈 201509
夏至の雲見てゐて飽きることのなく 渡邊孝彦 やぶれ傘 201510
夏至の日や庭の葉屑の大袋 安藤久美子 やぶれ傘 201510
へそ島へ幾水道の夏至の航 和田照海 京鹿子 201510
夏至の波青く返して一日旅 片山煕子 京鹿子 201510
覚えある雪駄の音や夏至の夜 中島陽華 201510
夏至使ひ切りて遥々集ひけり 安原葉 ホトトギス 201511
宴果てし外はまだ夏至の薄明り 安原葉 ホトトギス 201511
好き嫌ひ問はるることも夏至近し 稲畑汀子 ホトトギス 201606
離陸して夏至近き日と思ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201606
夏至近し暮れゆく家路ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201606
夏至といふ折返す日の大地あり 稲畑汀子 ホトトギス 201606
夏至の日の二十四時間ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201606
夏至暮れてゆく暮れてゆく家居して 稲畑汀子 ホトトギス 201606
夏至過ぎし刻々ありてふり向かず 稲畑汀子 ホトトギス 201607
校塔の返す夕日や凛と夏至 安立公彦 春燈 201608
夏至の日やバス降りてゆく人の列 太田佳代子 春燈 201609
衰へし膝に手を置く夏至の夜 小倉陶女 春燈 201609
夏至夕べ働く母の背しのぶ 海村礼子 春燈 201609
わたくしとわたし折り合う夏至の雨 笹村恵美子 201609
夏至の夜の万年筆を洗ひけり はしもと風里 201609
夏至今日の銀一色の手術室 間島あきら 風土 201609
夏至の日や大川のぼる浚渫船 川田好子 風土 201609
夏至の日の写経文鎮二つ置く 水井千鶴子 風土 201609
手元暮れ木が暮れ夏至の水暮るる 大畑善昭 201609
吉凶のいづれや夏至の月赤し 荒井千瑳子 201609
患者食運ばれて来る夏至夕べ 阪上多恵子 雨月 201610
夏至の日の背中合せに負はれし子 足立良雄 201610
夏至といふ油断のありし家路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201706
気を許すこともなけれど夏至夕べ 稲畑汀子 ホトトギス 201706
夏至といふ日帰りの旅組むことに 稲畑汀子 ホトトギス 201706
明日は夏至刻々流れゆく時間 稲畑汀子 ホトトギス 201706
夏至の日の予定加はる豊かさよ 稲畑汀子 ホトトギス 201706
雨上り夏至の明るさ取戻す 稲畑汀子 ホトトギス 201706
文殻を燃やして夏至の朝充たす 鈴鹿呂仁 京鹿子 201707
蹠に木目の渦を読んで夏至 能村研三 201707
夏至の夜活字のくぼみいとほしむ 能村研三 201708
夏至の日の卵生みをり烏骨鶏 千田百里 201708
くれ泥む夏至噴き上ぐる間歇泉 大石恵子 201708
夏至近し裏口の鍵掛け忘れ 松井季湖 201709
立ち話垣根越しなり夏至の夕 黒澤佳子 あを 201708
母浮かべ小走り球児夏至の夕 黒澤佳子 あを 201708
頭の上を過る鳥影夏至真昼 田中藤穂 あを 201708
親よりも大きペンギン夏至の昼 篠田純子 あを 201708
夏至の富士旅の夕餉に残照す 松本鷹根 京鹿子 201709
天皇陵夏至の夕日を引き込みぬ 平居澪子 六花 201709
けふ夏至のビニール傘の匂ひたつ 林昭太 201709
樽ワイン十二使徒めく夏至晩餐 内山花葉 201709
夏至近し木洩れ日の影丸くして 堀江久子 末黒野 201709
待望の雨となりたる夏至一と日 大石よし子 雨月 201709
夏至の日の圏央道で常総へ 伊藤更正 やぶれ傘 201709
饒舌にながれゆくなり夏至の川 鈴木直充 春燈 201709
茜雲とどめて夏至の海暮るる 卜部黎子 春燈 201709
落日に呼び止められて今日は夏至 石井秀一 風土 201710
山藤の盛りや北の国の夏至 飛高隆夫 万象 201710
雨となる匂ひの中の夏至夕べ 住田千代子 六花 201710
介鱗を神の饗にと夏至の月 岡村清美 馬醉木 201712
夏至の海神が怒つてゐるやうな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
夏至の日を余さず使ひきることに 稲畑汀子 ホトトギス 201806
夏至過ぎてふと淋しさに襲はるる 稲畑汀子 ホトトギス 201806
夏至熊野省二の魂に呼ばれけり 竹内悦子 201808
身の中の気泡が抜ける夏至の夜 能村研三 201808
夏至の夜のそこはかと無き白さかな 細川洋子 201809
重心の傾くトルソー夏至の夜 平松うさぎ 201809
夏至の日や岩波文庫の栞紐 大網健治 201809
夏至→3      

 

2021年6月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。