月 光 5  100句

月光にいのち死にゆくひとと寝る   橋本多佳子   海燕

作品
作者
掲載誌
掲載年月
仙人掌の花咲く月光湧くやうに 齋藤晴夫 春燈 201410
月光をステッチ刺繍に縫ひつけり 有松洋子 緑光 201411
庚申の猿連なれり月光裡 黒住康晴 201411
邯鄲のこゑ月光をのぼるらし 水野恒彦 201411
月光と眼鏡二階に忘れをり 濱上こういち 201411
月光と眼鏡二階に忘れをり 濱上こういち 201411
月光を浴びて新たな街となる 難波篤直 201412
月光のつもる聖書に「出エジプト記」 神蔵器 風土 201412
月光の吸ひこまれゆく地蔵堂 小坂優美子 馬醉木 201412
酔芙蓉月光に身を丸めをり 小川玉泉 末黒野 201412
月光や砂の落ちきる砂時計 今井春生 201412
月光に抱かれ母性思ひをり 岩月優美子 201412
十六夜の月光濯ぐ濁世かな 池内結 ろんど 201412
月光をはね返しをりマンホール 熊谷ふみを ろんど 201412
月光に履きつぶしたるトウシューズ 波戸辺のばら 201412
月光の鴨川中也とすれ違う 火箱ひろ 201412
月光を浴びて新たな街となる 難波篤直 201412
十月の月光掬ひ水車 工藤義夫 馬醉木 201501
秘湯といふ刻ながれをり月光裡 熊谷ふみを ろんど 201501
月光や釣りし魚を草の上に 橋本順子 201501
月光が滑り台で遊んでいる 有松洋子 201501
月光を手として開くプロローグ 熊谷ふみを ろんど 201501
太巻きの万年筆と月光と 熊谷ふみを ろんど 201501
月光に死にゆく鮭の背びれ見つ 竹内弘子 あを 201501
夜のしじま月光に浮く花八つ手 塩千恵子 201502
月光を零す宿屋の氷柱かな 高野昌代 201503
月光に打たれて散るは淋しけれ 熊谷ふみを ろんど 201503
月光の鋭さ霜を育てをり 田所節子 201504
月光が操るマリオネットかな 高橋将夫 201504
日光にダイヤ月光には真珠 高橋将夫 201504
月光に触れて錆びゆく落椿 能勢俊子 馬醉木 201504
月光に匂ひ立ちたる花みかん 泉本浩子 馬醉木 201508
墓一基月光満ちる諸葛菜 小林和子 風土 201508
月光に解く鍵束の智恵の輪を 八木健 八木健俳句集 201509
月光を浴ぶる片おも蛍橋 藤生不二男 六花 201509
月光の透ける高みへ蜘蛛の網 佐津のぼる 六花 201511
月光に海は百濤もて応ふ 林昭太郎 201511
月光に生命の医書のひた重く 鈴木良戈 201512
月光をこぼさぬやうにたなごころ 小野恵美子 馬醉木 201512
月光や迦楼羅(かるら)は竜を飲み下す 柳川晋 201512
月光に照らされてをるボケ地蔵 佐藤三男 万象 201512
月光や縁板はよく拭き込まれ 高橋ひろ 万象 201512
月光や働く靴は夜古ぶ 加藤峰子 201512
月光の染むる岩陰残る虫 小川玉泉 末黒野 201512
病室に月光ひとすぢこぼれけり 平居澪子 六花 201512
月光の届く廊下の白い線 たかはしすなお 201512
硯洗ふてのひらほどの月光に 神蔵器 風土 201512
月光の射し来る閨の窓あかり 水井千鶴子 風土 201512
朧夜や月光仮面の何処から 杏中清園 船団 201512
月光の簗何処よりか崩れ初む 西川織子 馬醉木 201601
月光に濡るるハープの音色かな 嘉納祥子 馬醉木 201601
月光を乗せ川波の砕けたる 斎藤房枝 201601
月光の雅楽に乗りて広ごりぬ 今野明子 末黒野 201601
月光は賽銭箱に入りにけり きくちきみえ やぶれ傘 201601
月光や石にはりつく螽斯 竹内悦子 201601
月光の鶏頭黒を極めけり 飛高隆夫 万象 201602
一番線より月光の観覧車 天谷翔子 201602
「月光」と守宮は鳴いておりまする 千坂希妙 船団 201602
月光の道の至れる師の柩 柴田佐知子 201603
月光の燭となるかに花八手 森清堯 末黒野 201603
喪帰りの月光蒼き雪野かな 平田はつみ 馬醉木 201604
万物へ澄みきつたる寒月光 甕秀麿 201605
病む人へ寒月光のとどきけり 森俊人 201606
月光に濡れて今宵の車椅子 後藤比奈夫 ホトトギス 201608
月光の中に青梅膨らみぬ 杉本薬王子 風土 201608
月光が滑り台で遊んでゐる 有松洋子 201608
月光に真白き団子ちやつちやつちや 加藤みき 201610
月光の真直ぐ届く一夜干し 山田正子 201611
月光を浴びて折鶴飛びさうな 山田正子 201611
月光の一本道に父とはは 高倉和子 201611
鍵穴を抜け月光の町に出る 安居正浩 201611
月光があなたの窓にとどくやう はしもと風里 201612
月光のしづくほろほろ山の宿 中山皓雪 201612
月光や日本列島危険満つ 田尻勝子 六花 201612
月光や城址に尽くる石畳 泉本浩子 馬醉木 201612
月光やガラスの卵孵化しさう 有松洋子 201612
月光の抱く裸婦像ときめきぬ 阪倉孝子 201612
国滅ぶときも空あり月光も 柴田佐知子 201701
月光の道満月の森に入る 柴田佐知子 201701
月光に白肌さらす懸大根 池元道雄 馬醉木 201701
月光に触れて飛びたる蓮の実 林昭太郎 201701
山肌の傷月光が舐めてをり 高橋将夫 201701
月光やべートーヴエンを泣かせたる 瀬川公馨 201703
月光をつれて風来る窓の秋 藤岡紫水 京鹿子 201710
月光に江戸の切子や青の闇 大坪あきら 万象 201710
月光に夫のゐぬ身をゆだねけり 笹村政子 六花 201711
月光や百の眼と奥座敷 中田禎子 201712
しんがりに月光の地を踏む機長 千田百里 201712
月光や深海に降るものの嵩 辻美奈子 201712
月光の明るき窓に身をよする 山口地翠 春燈 201712
月光にガラスのスワン濡れてをり 阪倉孝子 201712
ひらひらと月光を着て亡き子来よ 有松洋子 201712
月光を鱗のごとく身にまとふ 吉田啓郷 風土 201712
月光に「ゆらゆらガラス」歌うやう 辻響子 201712
窓ガラスごと月光に貫かれ おーたえつこ 201712
竿撓む月光に干す柔道着 火箱ひろ 201712
月光の塵を払うてをりにけり 柳川晋 201801
月光や愛の讃歌と金剛杵 雨村敏子 201801
月光を浴びたくてゆくポストまで 阪上多恵子 雨月 201801
良夜かな月光浴をほしいまま 山田夏子 雨月 201801
蜘蛛はまだ月光に餌をつつみをり 大畑善昭 201801
月光を静かに浴ぶる破蓮 荒井ハルエ 春燈 201802
月光→6      

 

2021年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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