月 光 2         99句

月光にぶつかつて行く山路かな    渡辺水巴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
月光の沖へ沖へとけいじ仏 菅原康 風土 200207
月光の波動に遊べ花海芋 千代田葛彦 馬醉木 200208
孑孑の水に月光惜しみなく 深田雅敏 200208
竹落葉して月光をひるがへす 宮原みさを 花月亭 200208
月光に栗の雄花のどつと落つ 杉浦典子 火星 200209
蜂の巣に月光そそぎ山住ひ 堀内一郎 あを 200209
黄の服に月光夜学童女ゆく 林翔 200210
月光の重みに一葉落ちにけり 高橋たか子 馬醉木 200211
月光が来て總立ちの貝割菜 寺田千代子 京鹿子 200211
月光や仏師が漆練つてをり 小澤克己 遠嶺 200211
月光の芯を出で行く舟ひとつ 城孝子 火星 200211
推考や月光に立つ箒茸 天野きく江 200211
母の忌の月光を引き海辺まで 千田百里 200211
灯さずに入るわたくしの月光の間 藤井みち子 200211
月光や罪ひらひらと身にまとひ 尾上直子 200211
月光に骨渇きゆく音すなり 水内慶太 銀化 200211
月光を食べ尽しけり芒原 暮岸江 銀化 200211
滾々と月光葦の根方より 小野恵美子 馬醉木 200212
月光の透けるラグーン魚眠る 二宮きみ枝 200212
狼と化すか月光浴びし犬 島谷勲 200212
しんしんと月光吸ひぬ一夜干 大野里詩 帆船 200212
月光の渦潮の穴ありにけり 石脇みはる 200212
月光や汀に貝の螺旋かな 雨村敏子 200212
月光に身を反らしゐる裸婦の像 志方章子 六花 200212
月光は調べのごとく耳に満つ 川名将義 銀化 200212
大量に月光浴びて毒茸 中村堯子 銀化 200212
月光のバージンロード埠頭より 波多洋子 銀化 200212
月光や寺町の道浮くごとし 今瀬剛一 対岸 200212
牀前の月光にみる止観かな 小澤克己 遠嶺 200212
月光を受けて決意の眉絞る 小澤克己 遠嶺 200212
透けるまで月光あびて眠りけり 片山タケ子 200301
冷まじきまで月光に濡れし我 長山あや 円虹 200301
月光に浸りてのちに蛇穴へ 山崎未可 銀化 200301
月光を知らず原石眠りをり 朱間繭生 銀化 200301
月光や紙の袋を抱きかかへ 木下野生 200301
月光や南の海に人魚みる 雨村敏子 200301
月光や罪ひらひらと身にまとひ 尾上直子 200301
月光の部屋にぽつんと鞄かな 坂本敏子 京鹿子 200302
月光の染みし衣を吊しけり 邑橋淑子 遠嶺 200302
月光の底なる木橋渡りけり 水野恒彦 200302
月光の凍滝に刻蒼みけり 富川明子 200302
月光に屠蘇酔ひの躬を泛べたる 加藤暢一 200302
月光の嵩をささへし雁木かな 新井竜才 銀化 200302
涸瀧へ問はず語りのごと月光 柳川大亀 銀化 200302
月光の一枝あまさず枯欅 小林紗智子 200302
月光を宿し五箇山軒つらら 永井雪狼 200304
月光を封じ氷湖となりゆける 山田弘子 円虹 200304
月光の金縛りにあり葱坊主 神蔵器 風土 200305
月光を浴びて鱵の一夜干 山戸暁子 円虹 200305
月光に雲の剥落冴返る 白髭美佐子 200306
月光に浮く箱苗のみどりかな 石川浦子 百鳥 200307
月光に鈴蘭濡れて月匂ふ 小林和子 風土 200308
文机の月光浄土なりしかな 小澤克己 遠嶺 200309
月光や仏像一つ安置せり 小澤克己 遠嶺 200309
月光のソナタを弾く子アマリリス 津田いちえ 遠嶺 200309
月光に生れたる蝉の濡れてゐる 密門令子 雨月 200310
月光を道案内に蟻地獄 江坂衣代 百鳥 200310
月光の箒木並ぶ中をゆく 大島翠木 200311
月光に砂丘メロンの網目濃し 木下ふみ子 馬醉木 200311
月光を吸ひて臓腑を浄めけり 塩路隆子 200312
ネオン点滅月光の街穢す 池上和子 築港 200312
月光の恐しと語を継ぎに継ぐ 高木智 京鹿子 200312
月光に浮かぶ湯町のからくり絵 大柳篤子 雲の峰 200312
月光や土に交じりて貝の殻 冨松寛子 200312
月光や息なきやうに赤子眠り 柴田佐知子 200312
どの家も月光の道ありて閉ざす 柴田佐知子 200312
どの家も月光の道ありて閉ざす 柴田佐知子 200312
月光のあそび柄なり鳰 岡井省二 省二全句集 200312
月光に口をぬぐひし烏かな 石脇みはる 200401
枯れ尽す池畔月光惜しむなき 岡本まち子 馬醉木 200401
仕事着を脱ぐ月光の青畳 閑田梅月 馬醉木 200401
月光にあなたの睡毛詩人めく 片山クケ子 200401
月光の道場に矢を束ねけり 甲斐のぞみ 百鳥 200401
月光に泛ぶ小面夢幻能 山下佳子 200401
月光を窓に明日の米を研ぐ 名取袿子 200401
まるまりて月光に鶴深眠る 大塚初江 200401
月光や汽車のはみだす玩具箱 清水晃子 遠嶺 200401
月光の蒲団の美しき父の閨 山田美恵子 火星 200401
枯はちす月光更けて矢のごとし 岡本眸 200401
月光が部屋に一杯林檎噛る 新田祐久 200402
月光を纏ひて鴛鳶の深ねむり 鈴掛穂 200402
月光の色とどめたる青海鼠 近藤喜子 200403
月光をくまなく延べて結氷湖 藤原照子 200404
月光に我が身も透きて露天風呂 橘沙希 月の雫 200404
流氷のきしみ終はりし月光界 豊田都峰 京鹿子 200405
闇の黙月光透ける氷柱かな 宮崎正 ホトトギス 200405
月光のくまなく校庭広々と 大森サカエ 帆船 200406
川底に月光あをむラムネ瓶 竹内弘子 あを 200406
死角より月光に跳ぶ恋の猫 荻野千枝 京鹿子 200406
月光の中で積木を積む少女 若泉真樹 瑠璃 200407
月光の散り敷く畑茄子光る 長崎桂子 あを 200408
月光を感じてゐたる四葩かな 尾堂Y 河鹿 200409
月光は箒のごとくあわただし 八田木枯 夜さり 200409
月光がくる釘箱をたづさへて 八田木枯 夜さり 200409
月光ははばたき水に火傷せり 八田木枯 夜さり 200409
月光をたつぷり浴びて甲虫 小澤克己 遠嶺 200410
月光もあみこみ烏瓜の花 栗原公子 200410
月光ややや怖しき木偶の媚 櫻井幹郎 百鳥 200410
詩に耐へて身を月光に晒しけり 小澤克己 遠嶺 200411
月光 3      

 

2021年9月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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