年賀状 6     76句

二三枚ふいごの上の賀状かな  松藤夏山

作品
作者
掲載誌
掲載年月
賀状書く新たな縁こころにし 水田壽子 雨月 201503
宛先を少し増やして賀状書く 宮崎高根 201503
夕闇にワーグナーの曲賀状書く 田中信行 201503
電子便に座を譲りたる賀状かな 大口堂遊 春燈 201503
つなぎ来し重き歳月賀状書く 大野雑草子 ホトトギス 201503
存問と生ける証しの賀状書く 大野雑草子 ホトトギス 201503
賀状書く無事息災の証とて 小林清彦 末黒野 201503
年賀状書き終へ手指労りぬ 難波篤直 201503
分の厚き束や賀状の届きたる 北尾章郎 201503
また一葉今年最後との賀状 谷口俊郎 201503
六尺の雪のにほひの賀状受く 藤原照子 201503
賀状来る百語に勝る一句置き 今瀬一博 201503
戦友へ父の代はりに賀状書く 円城寺清 201503
へこへこの筆をなだめて賀状書く 佐津のぼる 六花 201503
久方に会つた気になる年賀状 塩千恵子 201503
歌の師の笑顔感謝の賀状来る 和田政子 201503
賀状書く硯の海の青さかな 秋場貞枝 春燈 201503
賀状来ぬひとへ電話の長話し 折橋綾子 201504
もう一度会ひたき人へ書く賀状 押田裕見子 201504
年賀状郵便受に臼一つ 神蔵器 風土 201504
筆圧の確かな賀状届きけ 中島昌子 201504
生きてをることの不思議や年賀状 大坪景章 万象 201504
達筆の賀状付箋のついてをり 福島せいぎ 万象 201504
帰りなん独居のポスト賀状待つ 平居澪子 六花 201504
しきたりの賀状山なすうら寂し 三枝正子 万象 201505
賀状繰る会ひたい人の文字の癖 岡山敦子 京鹿子 201505
年賀状来ぬ友を案じる二十日かな 野中圭子 京鹿子 201505
一筥に旧友集ふ賀状かな 白神知恵子 女坂 201508
賀状来て縒りを戻せし二人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
賀状来て昨日を遠くしてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
賀状受くしみじみと地震二十年 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
賀状書く青いインクで書きあげる 大日向幸江 あを 201601
立冬や賀状の句など案じをり 遠藤逍遙子 風土 201602
ルビを振り幼児に出す年賀状 小林朱夏 201602
噛み締める言葉もありや賀状書く 黒澤登美枝 201603
親しさを重ね百枚余の賀状 佐藤健伍 201603
直筆の賀状に思ひ馳せめぐる 四條進 201603
賀状には角兵衛獅子の逆さ立ち 鈴木阿久 201603
花鉢の向きを揃へて賀状書く 高田令子 201603
まだ賀状書ける幸せ米寿来る 高村令子 風土 201603
賀状書く年に一度の墨硯 伊藤由良 末黒野 201603
弔問す受けし賀状を胸中に 間宮あや子 馬醉木 201604
土佐よりの呵々大笑の賀状かな 浅木ノヱ 春燈 201604
猫の名も添へて賀状の届きけり 豊谷ゆき江 春燈 201604
老いてなほときめき覚ゆ年賀状 伊藤百江 春燈 201604
年賀状今年限りと喜寿の友 濱野新 やぶれ傘 201604
一枚の賀状に命の印(しる)し見し 藤岡紫水 京鹿子 201604
息災と賀状に浮かぶ友の顔 原板谷俊武 末黒野 201604
年賀状幸多かれと宛名書く 溝渕弘志 六花 201604
生きている証届ける年賀状 溝渕弘志 六花 201604
五十年会はずの友の賀状かな 上村葉子 風土 201604
年波に手許の遅々と賀状書く 溝内健乃 雨月 201604
待つとなくこの年賀状待つでゐし 数長藤代 201604
賀状書く番地の要らぬ島暮し 河野由美 馬醉木 201701
改めて以心伝心年賀状 田部井幸枝 201704
筆太き師の年賀状久久に 中里昌江 末黒野 201704
年賀状逢ふこともなく五十年 秋川泉 あを 201703
すぐわかる彼の悪筆年賀状 田中藤穂 あを 201703
施設より不在と戻る年賀状 林徹也 201706
年賀状見てより気付く齢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
急逝の友より来たる年賀状 あさなが捷 201803
日本語でドイツの娘より年賀状 荻野周子 雨月 201804
当選は孫にもらひし年賀状 秋山信行 やぶれ傘 201805
年賀状会はぬ月日をつなぎけり 今橋眞理子 ホトトギス 201806
年賀状犬猫嫌いでなぜ悪い みさきたまゑ 船団 201809
輝かし家族写真の年賀状 大日向幸江 あを 201903
添へ書きの一筆こその年賀状 大内幸子 六花 201904
年賀状年々減つて来てをりぬ 赤松赤彦 六花 201904
年賀状年々減つてゐるやうな 萩原久代 やぶれ傘 201904
人生は百年とあり年賀状 今井千鶴子 ホトトギス 201905
年賀状犬もいっしょに年をとる 澤田蔦惠 船団 201906
年賀状一通よけて束ねけり 内田美紗 船団 201906
旧友の行方は知れず年賀状 延川笙子 六花 202003
筆圧に浮かぶ風貌年賀状 成宮紀代子 202003
百歳の謝意の添書年賀状 久留米脩二 馬醉木 202003
宇宙超へ瞬時に来たる年賀状 岩下芳子 202004
年賀状→ 1      

 

2021年1月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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