年賀状 5     123句

手に取りてほろりとしたる一賀状   岸本尚毅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
絆なる一字を入れる年賀状 松嶋一洋 201202
一陽来復の賀状を映しテレビ終ゆ 長島清志 かさね 201202
横書きに馴れぬ世代や賀状書く 大松一枝 201202
賀状の筆上達せねど確かなり 林美智 ぐろっけ 201202
賀状書くさ中に受けし喪の葉書 中島霞 ぐろっけ 201202
賀状書く米寿の人の白き眉 米田文彦 かさね 201202
「元気です」の一言添へて賀状書く 藤見佳楠子 201202
顔浮かぶ字の美しき年賀状 沖則文 ぐろっけ 201202
去年よりうんと減らして賀状買ふ 中下澄江 201202
賀状終へ雑事八分の達成度 井口淳子 201203
おほかたは無沙汰を侘びる賀状かな 吉田葎 201203
この齢に先輩よりの賀状来たる 柳田皓一 かさね 201203
かな美しき一筆書の賀状受く 加藤北天 雨月 201203
杖つくと友のひとこと賀状くる 吉田陽代 201203
一枚目なかなか書けぬ賀状かな 松岡水学 ぐろっけ 201203
愛犬をアップの写真賀状来る 田下宮子 201203
百歳の叔母の賀状を楽しめり 早崎泰江 あを 201203
百人に守られてをり年賀状 山本節子 201203
花の絵を見事に白寿の賀状かな 岡野ひろ子 201203
予期をせぬ人より賀状早々に 高谷栄一 201203
賀状書く年の重みを身に受けて 吉@本淳 ぐろっけ 201203
賀状書く絆を胸に筆走る 後藤克彦 かさね 201203
あの人は今パリからの年賀状 木村茂登子 あを 201203
西の空茜となりぬ賀状書く 田中藤穂 あを 201203
来ぬ賀状兎の耳の欲しきかな 福永尚子 ろんど 201204
一直線数学の師の賀状かな 鎌佃悟朗 ろんど 201204
もうこれまでとゆがみし文字の賀状の来 中山皓雪 201204
年賀状出せぬあせりに友の夢 水野弘 ぐろっけ 201204
年毎に賀状の減りて八十路行く 古林田鶴子 ぐろっけ 201204
病む窓にかざして見する年賀状 田代貞枝 201204
詩ごころ溢るる賀状範とせむ 平野千恵子 雨月 201204
車椅子生活の健と年賀状 寺岡ひろし 雨月 201204
竜の目のみな上を向く年賀状 平田恵美子 ぐろっけ 201204
小正月までにと賀状書きもせず 井田実代子 雨月 201204
身を案ずる震へ字のあり年賀状 藤井久仁子 ぐろっけ 201204
旧知より新誌友となむ賀状来て 溝内健乃 雨月 201204
数減りし賀状に見ゆる生命かな 牧野慶 ろんど 201204
近況を元気と添へて賀状書く 堀畑朋子 末黒野 201204
吾の書に及べる賀状有難く 寺岡ひろし 雨月 201204
添書きの賀状気になる乱れ文字 大西よしき ろんど 201204
賀状来る雪の匂ひのあるやうな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201205
一枚の賀状を待ちてゐたりけり 小林愛子 万象選集 201205
筆太く卒寿なりしと年賀状 篠原稔子 万象選集 201205
子の賀状かなくぎ文字の大ゐばり 中鉢常子 万象選集 201205
初恋の文字なつかしき賀状くる 竹内実 万象選集 201205
幾とせも逢はず賀状でつなぐ友 榊美壽子 万象選集 201205
増えることなきと思ひつ賀状書く 嶋田一歩 ホトトギス 201205
年賀状紙のぬるさが殺到す 鳥居おさむ 鳥居おさむの、背骨。 201207
行く年をしみじみと乗せ古賀状 布川直幸 201212
にこにこと賀状読み上ぐ媼かな 山田六甲 六花 201301
連名の賀状ではもうなくなりし 山田六甲 六花 201301
賀状書くラジオの第九遠く近く 赤座典子 あを 201302
賀状受く多さ唯々勿体なき 大橋敦子 雨月 201302
夢ひとつ加へし賀状太く書く 樋口みのぶ 201302
俳画展一角多彩年賀状 長崎桂子 あを 201302
友よりの賀状代りの長電話 早崎泰江 あを 201302
賀状受くその数数へ切れざりき 大橋敦子 雨月 201302
点滴の夫に寄り添ひ書く賀状 斉藤裕子 あを 201302
恙なく生きる証の賀状書く 宮地静雄 末黒野 201303
年賀状初めて添へる一句かな 和田政子 201303
達筆の墨の匂ひや年賀状 苑実耶 201303
父母を寿ぐ賀状筆太に 山本喜朗 雨月 201303
賀状書く玻璃一面の夕茜 小川玉泉 末黒野 201303
来ぬ賀状に思ひ巡らせひとり酒 吉田宏之 201303
絆てふ言葉を秘めて賀状書く 佐瀬晶子 ろんど 201303
書き癖で解る賀状や恙無く 中村ふく子 201303
来る筈のなき名を探す年賀状 藤田京子 ぐろっけ 201304
賀状書く京都の宛名長かりし 城戸緑 末黒野 201304
賀状の巳みな穏やかな風情にて 大橋晄 雨月 201304
年賀状水仙の絵の食み出して 高橋美恵 末黒野 201304
今年切りと決めて今年も賀状書く 加藤千春 春燈 201304
添書の賀状無口なひとなりき 石田きよし 201304
高僧よりの賀状畏み拝しけり 久保晴子 雨月 201304
年賀状思ひ浮かばぬ人より来 大西八洲雄 万象 201304
年賀状手書きの巳の絵落着かず 佐藤淑子 201304
年賀状友と年輪増やしつつ 伊吹之博 京鹿子 201304
筆を持つ手が億劫と賀状来る 松木清川 ぐろっけ 201304
百歳の誇りを秘めし賀状かな 松木清川 ぐろっけ 201304
賀状繰る日本一の句を探し 池田かよ ぐろっけ 201304
賀状書き半ばのコーヒータイムかな 橋本美代 やぶれ傘 201304
賀状書く地番の前の甲の文字 渡邊孝彦 やぶれ傘 201304
出せば答ふ出さねば軽き賀状束 居内真澄 ぐろっけ 201304
老いし故今葉限りと賀状来る 松木清川 ぐろっけ 201304
教へ子の児のみ写れる賀状かな 久留米脩二 馬醉木 201304
大ぶりの文字かしこまり子の賀状 堀田順子 馬醉木 201304
大寒や賀状の当り切手受く 田中臥石 末黒野 201304
幸せのあふるるくせ字賀状くる 斉藤マキ子 末黒野 201304
によろによろと三本線の年賀状 平居澪子 六花 201304
百才の今年限りと言ふ賀状 岡野ひろ子 201305
リハビリや一字もならぬ年賀状 吉村摂護 201305

 河野香苑氏を悼みて

黄泉の道追ひかけてくる年賀状

鴨下昭 201305
返す句のなかなか出来ず年賀状 村田とくみ ぐろっけ 201305
友賀状ヨガを五年も続けきしと 村田とくみ ぐろっけ 201305
賀状には巳年姿の相関図 北村香朗 京鹿子 201305
懐かしき癖字で来たる年賀状 今井春生 201305
夕暮をたのしむといふ賀状かな 瀧春一 花石榴 201312
能率を度外視したる賀状かな 山田六甲 六花 201401
出羽富士の一句を添へて賀状書く 石井美智子 風土 201401
賀状書くこころの丈を半ば見せ 秋葉雅治 201402
両親に家建替しと賀状かな 赤座典子 あを 201402
愛用の筆の名小春賀状書く 仙田孝子 風土 201403
年賀状今年最後と綴る友 橋本靖子 201403
年毎に減る年賀状書きにけり 池田節 春燈 201403
賀状またみては心をぬくもらす 田中藤穂 あを 201403
賀状享く太字の文字の歳女 高埜良子 春燈 201403
会ふことのなき旧友の年賀状 山崎刀水 春燈 201403
老いたれば今年また減る賀状かな 西田史郎 201403
生きてるぞ田舎の友より賀状来る 松嶋一洋 201403
昼は鋸引きし手夜は賀状書く 林いづみ 風土 201403
天空へ祈る思ひの年賀状 松田和子 201403
賀状書き無音の詫びを片隅に 坊野貴代美 ぐろっけ 201403
百翁の賀状に躍る駿馬かな 碇天牛 雨月 201403
案じつつ賀状の返事待つ夕べ 田村初枝 春燈 201403
オルゴール鳴る上海の年賀状 福島せいぎ 万象 201404
賀状受く励まし多くまた一年 伊吹之博 京鹿子 201404
萬事如意と金の四文字や年賀状 横山昭子 雨月 201404
喜寿過ぎや出すも受くるも減る賀状 堺昌子 末黒野 201404
添書の癖字懐かし年賀状 齋藤泰子 春燈 201404
良きご縁でしたともらふ賀状なり 椿和枝 201404
賀状書く一心不乱の友の顔 水谷直子 京鹿子 201404
老ゆるとは賀状来ぬことかもしれず 松田都青 京鹿子 201405
水茎の跡うるはしき年賀状 野村鞆枝 京鹿子 201405
なつかしき笑顔の浮かぶ年賀状 加藤政子 璦別冊 201408
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2021年1月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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