年賀状 4     100句

ひとひらの紅き賀状をのみ卓に   石原八束

作品
作者
掲載誌
掲載年月
古稀の思ひ密かに込めし年賀状 佐田昭子 ぐろっけ 201001
賀状来る寅・とら・虎の大吼えて 鈴鹿仁 京鹿子 201002
一枚また一枚を繰る賀状かな 伊藤敬子 201002
賀状書きその翌日の訃報かな 石川元子 酸漿 201002
虎の絵を大きく刷れる賀状書く 大橋晄 雨月 201002
定年後徐々に減りゆく賀状かな 戸辺信重 春燈 201002
添書の一言楽し賀状選る 水原春郎 馬醉木 201002
賀状書くあの頃の友思ひつつ 池田光子 201003
夫逝きて三年なほ来る年賀状 井関祥子 酸漿 201003
百才の友ホームに入りしと年賀状 芝宮須磨子 あを 201003
再会の叶はぬ人の賀状かな 宮内とし子 201003
獅子面も猫面もあり賀状の寅 鳥取博子 201003
毛筆の文字堂々と賀状来る 石川かおり 201003
賀状書く相性悪きモンブラン 笠井敦子 201003
賀状書く無沙汰一年お詫びして 吉沢秀ひろ ろんど 201003
賀状来る逢はず忘れず半世紀 伊藤憲子 201003
頑なに手書き貫き賀状書く 及川照子 末黒野 201003
嵩減りし中に安堵の賀状かな 中原敏雄 雨月 201003
教へ子の成人となる年賀状 町田政子 酸漿 201003
早い目が吉なりと卦に賀状書く 小河平男 201003
元気の字躍るや友の年賀状 秋田建三 201003
故郷のガキ大将に賀状書く 長谷川たかお ろんど 201003
故郷土佐讃ふ句添ふる賀状かな 大橋晄 雨月 201003
天に吼ゆ大きな虎の賀状来る 壁谷猪一 201003
志望校小さく書きて年賀状 近藤倫子 ぐろっけ 201004
パソコンで賀状を刷れば上下逆 高橋大三 ぐろっけ 201004
「両虎相闘」賀状版画に睨まれし 秋場貞枝 春燈 201004
おぼろげな面輪いくたり賀状書く 菅野日出子 末黒野 201004
おもひだしたやうに賀状の着く吉日 竹内弘子 あを 201004
さまざまな寅の力の賀状かな 西本育子 ろんど 201004
面窶れしたる賀状の戻りけり 岡本鳩舎 末黒野 201004
戻り来る賀状の赤きしるしかな 倉持梨恵 201004
夜更けつつ墨擦り足せり賀状書 飯田角子 酸漿 201004
賀状の束疎遠の友は尚うれし 東秋茄子 京鹿子 201004
賀状書く隔世遺伝の金釘流 陳妹蓉 春燈 201004
女将の名添へし賀状や旅ごころ 飯田角子 酸漿 201004
消息は賀状一通にて適ふ 安武晨子 201004
丸文字の賀状恋人できました すずき巴里 ろんど 201004
雪深き杣の宿より賀状かな 山田和夫 201004
減る賀状余命を計る厚さかな 加藤せぶん ろんど 201004
虎の尾を踏むまじと来し賀状かな 鈴木榮子 春燈 201004
五人目も男なりけり年賀状 陶山泰子 ぐろっけ 201004
添書にぬくもりこぼれ年賀状 田村加代 末黒野 201004
それぞれの律儀さを読む賀状かな 本田耕造 末黒野 201005
直筆の一言ありし賀状かな 緑川禎男 遠嶺 201005
賀状見る名前淋しくなって来し 嶋田一歩 ホトトギス 201006
幕間に賀状書きゐる内蔵助 坂本哲弘 山ざくら 201009
美しき名の誰かれへ賀状書く 片山由美子 201012
犬といふ家族を葬り賀状書く 布川直幸 201012
年賀状教へ子にまた子が増えて 島谷征良 風土 201101
賀状待ち柱鏡の一切空 丸山佳子 京鹿子 201101
留守がちになると書きある賀状かな ことり 六花 201101
達筆の賀状読めずに回し見る 秋千晴 201101
人生を語る賀状の増えにけり 加藤克 201102
賀状の卯片耳垂るも福々し 磯田せい子 ぐろっけ 201102
賀状賜ばるその名いちいち礼を為し 大橋敦子 雨月 201102
賀状受く追ひて電話の添へられて 西田敏之 ぐろっけ 201102
賀状数枚答案は六百強 常田創 201102
句を入れて生きてるあかし賀状書く 鶴巻誉白 ろんど 201103
震へ字の友なつかしや年賀状 伊藤憲子 201103
頑にパソコン拒み賀状書く 阪本哲弘 201103
賀状書く燠火のごとき縁かな 小林和子 風土 201103
面影の若きままなる賀状かな 塩千恵子 201103
師へ友へ常の癖字の賀状書く 小島禾汀 春燈 201103
年賀状元気を示す太き文字 掛江淳司 酸漿 201103
宛先は羽柴長吉賀状書く 宮崎左智子 201103
賀状の束解けばめでたさ零れ落つ 金森信子 雨月 201103
賀状より跳ね出しさうな兎かな 伊藤憲子 201103
賀状見て久しき友を懐かしむ 佐藤健伍 201103
賀状書く阿波の鳴門のひとり身へ 能勢栄子 201103
賀状来ぬ友尋ねる気力なく篭る 山田をがたま 京鹿子 201103
韓流に嵌つていますの賀状かな 和田 政子 201103
水差しの小さき鉄瓶賀状書く 中島霞 ぐろっけ 201103
つぶやきのごとく小文字の賀状来る 岡佳代子 201103
添へ書きに思ひ込めたる賀状かな 塩千恵子 201103
来し方の重さ束ねし賀状来る 石井清一郎 馬醉木 201104
賀状受け急に逢ひたくなりにけり 竹生田勝次 風土 201104
ひと言の添書賀状ちから満つ 近藤きくえ 201104
年々に賀状の増えてあたたかし 中野あぐり 春燈 201104
家族名に加へ犬の名賀状来る 松本三千夫 末黒野 201104
友の賀状万年筆の太字かな 土井三乙 風土 201104
賀状来る手描きの兎耳垂れて 松本三千夫 末黒野 201104
会はざれば面影若き年賀状 山下佳子 馬醉木 201104
会津より雪の匂ひの賀状かな 久米なるを 201104
教師たりし幸せ年賀状の数 川崎光三郎 京鹿子 201104
体力の気力の維持と賀状書く 嶋田一歩 ホトトギス 201104
芋版の虎の細目の賀状かな 笹村政子 初鼓 201105
旅先の役者よりきし賀状かな 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
縁側の日を背に賀状分けにけり 齋藤博 やぶれ傘 201106
賀状より家族の笑顔あふれ出す 矢野百合子 201106
もういちど書き足す父に年賀状 吉弘恭子 あを 201107
父の座に父の墨する賀状かな 鷹崎由未子 花野 201112
年賀状より邂逅のはじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201201
一枚ごと感謝感謝の賀状繰る 大橋敦子 雨月 201201
夜更かな賀状の礼を賀状もて 山田六甲 六花 201201
賀状繰る時々何かつぶやきて 高橋将夫 201201
龍一字墨痕匂ふ賀状かな 竹貫示虹 京鹿子 201201
岩牡蠣の殻墨壺に賀状書く 山田六甲 六花 201201
人ごとのやうな詞の賀状かな 布川直幸 201201
天龍を墨に一筆賀状書く 高谷栄一 201202
年賀状→ 5      

 

2021年1月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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