ががんぼ 2     104句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
真剣にががんぼ家を揺すりをり 松嶋一洋 200910
ががんぼの障子叩きやまだやめず 久津見風牛 200910
ががんぼの交むや風に踏んばりて 宮崎知恵美 万象 200910
ガガンボを壊さぬやうに逃がしけり 瀬島洒望 やぶれ傘 200910
ががんぼや山雨のたたく坊泊り 黒滝志麻子 末黒野 200911
ががんぼう脚の長さは草食系 畑佳与 京鹿子 200911
ががんぼや火曜の夜のサスペンス 矢口笑子 春燈 200912
ががんぼの脚を忘れて帰りけり 橋本くに彦 ホトトギス 200912
ガガンボのあやふさ飛んでゐる時も 瀬島洒望 やぶれ傘 200912
ががんぽや大往生といはせしむ 土居通子 ろんど 201001
ががんぼの長き肢もて何思ふ 布川直幸 201008
ががんぼの現在形のままに死す 相良牧人 201009
ががんぼの脚栞りたる覚えなし 八染藍子 201009
いづこより来しががんぼや玻璃の内 小川玉泉 末黒野 201009
ががんぼや英単語の上辞書の上 石田祐子 201010
ががんぼは辷る天才魔法瓶 小堀寛 京鹿子 201010
ががんぼのふと紛れ入る茶席かな 安藤久美子 やぶれ傘 201010
宇宙船帰りががんぼ壁叩く 吉田葎 201012
ががんほの逃げたき音と知るまでは 稲畑汀子 ホトトギス 201106
怖るるはががんぼの方なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201106
ががんぼも命あるなり逃がしやる 竹内悦子 201108
ががんぼや当り散らして傷ついて 北川英子 201109
権禰@宜の声にががんぼ揺らぎけり 根本ひろ子 火星 201110
ががんぼに磨きあげたる寺の廊 坂口夫佐子 火星 201110
ががんぼの背徳を解くすべもなし 木山杏理 京鹿子 201201
ががんぼの脚の揺らぎをみてゐたり 高柳正幸 やぶれ傘 201301
ががんぼのあがけど窓をすべり落つ 久世孝雄 やぶれ傘 201310
いましめの解けガガンボの萎へにけり 遠山みち子 201310
ががんぼの愚直に畳む屍かな 原田達夫 201408
影飛んで来てががんぼでありしかな 阪上多恵子 雨月 201409
ががんぼや弱音を吐けばばらばらに 鈴鹿けい子 京鹿子 201410
ががんぼが水に入れば水馬 高橋将夫 201410
ががんぼや口約束をしてしまひ 有松洋子 緑光 201411
ががんぼの脚の全き整形科 戸栗末廣 201411
ががんぼや上目づかひの竜燈鬼 田中佐知子 風土 201507
ががんぼの飛び立つを待ち飽きにけり 藤井美晴 やぶれ傘 201507
ががんぼの幾夜か経たる息をせる 井上信子 201508
ががんぼの家のどこかにゐるらしき 卓田謙一 万象 201508
ががんぼの弾かれに来ぬ床灯 井上石動 あを 201508
ががんぼの足すぐに抜け逢魔ケ時 水野恒彦 201509
かがんぼに文書く時を断たれけり 飯田ひでを 201510
ががんぼの飛蹴りに頬掠めらる 佐藤山人 201609
ががんぼの畳まれてゐし漢和辞書 能勢俊子 馬醉木 201610
逍遙の果てのががんぼ嵯峨離宮 鈴鹿呂仁 京鹿子 201610
摺り足にくるががんぼとやまひかな 笠井敦子 201611
ががんぼや骨密度てふ怖きもの 木戸渥子 京鹿子 201612
ああも言ひこうも言ふなりががんぼは 黒川俊郎 201707
ががんぼの幽かな羽音朝の来る 鈴木鳳来 春燈 201708
ががんぼに赤んぼの舌ちろちろと おーたえつこ 201709
ががんぼの筋力といふ脚運び 坂場章子 201710
ががんぼの片足半紙の上にあり 近藤紀子 201710
蔀戸にががんぼ脚を置きざりに 岡田史女 末黒野 201711
ががんぼの脚もてあまし障子打つ 大橋淳一 雨月 201809
ががんぼの泛いてゐるのか憂いてゐるのか 直江裕子 京鹿子 201812
ががんぼの見えない糸を曳いてをり 直江裕子 京鹿子 201901
ががんぼのこの世あの世の水際かな 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
ががんぼの思はぬ速さ閼伽井棚 菅野日出子 末黒野 201909
寝につくやががんぼの生己が生 石川桂郎 風土 201909
ががんぼのしがみつく手が離れない 藤井美晴 やぶれ傘 201910
ががんぼの寄つてきてまたずらす席 小山よる やぶれ傘 201910
ががんぼのしやらしやら触れてとどまらず 青谷小枝 やぶれ傘 201910
ががんぼの翅かも知れぬ絶版本 直江裕子 京鹿子 201910
ががんぼのママうんちって声がする 芳野ヒロユキ 船団 201912
夫がねががんぼじみてきているの 芳野ヒロユキ 船団 201912
ががんぼに水瓶の水たつぷんと 辻水音 202011
玻璃すべるががんぼ此の世ままならず 安田優歌 京鹿子 202011
ががんぼやありさうで無き死の覚悟 荒井千瑳子 202108
ががんぼの百鬼夜行のしんがりに 六車佳奈 風土 202109
足一本おいてががんぼ飛んでゆく 吉田幸恵 やぶれ傘 202112
ががんぼの脚にたましひ宿らせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202206
ががんぼの脚あつさりと置いてゆく 森岡正作 202207
ががんぼの生まれ立てなる灯影かな 鈴木直充 春燈 202208
ががんぼ→1      

 

2023年6月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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