炎 天 6    100句

炎天、子のいまはの水をさがしにゆく   松尾あつゆき   長崎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
炎天を抜け青春の夢抜けきれず 中山皓雪 201710
炎天へ楔打ち込むタワーかな 宇都宮敦子 201710
炎天へ書類袋を翳し出づ 宇都宮敦子 201710
炎天を来て冷たきは足のうら 山田暢子 風土 201710
核心を衝かれて帰る炎天下 前田美恵子 201710
炎天へ柩車音なく発ちにけり 中貞子 201710
炎天へ歩む一歩のいとほしき 北川孝子 京鹿子 201710
自転車の道化師急ぐ炎天下 江見悦子 万象 201710
炎天や雲の溶けゆくみなと街 松本三千夫 末黒野 201710
炎天下出会ひ頭を笑ひ出す 齋藤厚子 201711
炎天を来て教会の畳敷 池野つむぎ 馬醉木 201711
炎天人一歩ひとりの己が道 北川孝子 京鹿子 201711
炎天のまぶたの重しビルの谷 伊藤希眸 京鹿子 201711
炎天の重さに白き傘たたむ 片山煕子 京鹿子 201711
建材を吊り上ぐクレーン青炎天 佐津のぼる 六花 201711
信号を渡り損ねし炎天下 永田万年育 六花 201711
揚浜は塩の山なす炎天下 岡村清美 馬醉木 201712
炎天を売りに出したる男かな 山田健太 風土 201801
炎天や鉱夫像より炭坑の唄 田中とし江 201712
警官に呼び止められし炎天下 横田敬子 201712
炎天をのがれ駆け込む地下通路 押田裕見子 201712
垂訓のこゑ炎天の奥よりす 岩岡中正 ホトトギス 201802
炎天を弾くドームの角度かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
炎天下土掘る人に家族あり 藤波松山 京鹿子 201809
炎天に光る産着とピアスかな 谷口一献 六花 201809
ちまき食へ豚饅食へと炎天下 おーたえつこ 201809
一村が討死にしたる炎天下 岡田正義 雨月 201810
炎天の杖の短く影のあり 住田千代子 六花 201810
炎天の川の昏みを覗き込む 平田きみこ 風土 201810
喪服の背正し踏み出す炎天下 落合絹代 風土 201810
炎天や田に人影のなくなりぬ 石橋邦子 春燈 201810
海遠しただ炎天下なる暮し 橘正義 春燈 201810
炎天や万籟絶ゆる住宅地 松本三千夫 末黒野 201810
炎天の砂利の置かるる捨田かな 黒滝志麻子 末黒野 201810
炎天の波へ頒け入るタグボート 岡田史女 末黒野 201810
炎天の道の焦げゆくデジャヴかな 森なほ子 あを 201810
炎天とめどなし兜太無き熊谷 森なほ子 あを 201810
節電を出て炎天へ浮気もん 中原幸子 船団 201811
炎天に人を待たせてをりにけり 岩岡中正 ホトトギス 201811
炎天の消したる河原雀かな 戸栗末廣 201811
炎天下の自衛隊員拝みたし 加藤みき 201811
車窓には無人の田畑炎天下 神田惣介 京鹿子 201811
炎天の地べたに小犬鼻つけて 山田健太 風土 201811
炎天と言ふ静けさのありにけり 島玲子 風土 201811
炎天の砂場に立てる赤シャベル 吉田葎 201812
炎天や六分遅れのバス着いて 田尻勝子 六花 201812
炎天を来て幽霊の観世音 善野行 六花 201812
炎天の自虐燃えないゴミ分ける 直江裕子 京鹿子 201812
炎天やさるすべりの花衰へず 中谷富子 201812
炎天や人影のなき漁師町 山下健治 春燈 201812
炎天を憑かれしごとく遍路来る 岩田公次 ホトトギス 201901
炎天や貨車連結の錆こぼす 深川淑枝 201902
炎天や球児にもらう応援歌 平野無石 201904
炎天や目的地まで遠かりき 植木やす子 201904
言の葉の我が身はなるる炎天下 工藤ミネ子 風土 201905
炎天や口をつぐみし石地蔵 成瀬櫻桃子 春燈 201907
炎天下大悪人となりし旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
火星見し目に炎天は眩し過ぎ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
炎天の道苦にならず水羊羹 中澤弘 春燈 201908
退路なかりし日の師を思ふ真炎天 渕上千津 201908
具志堅用高像炎天へ両拳 佐久間敏高 201908
炎天や青き異形の蔵王堂 杉原ツタ子 201909
炎天下猫一匹も来ぬ公園 呂秀文 春燈 201909
研ぎ上げて刃の匂ひたつ真炎天 林昭太郎 201909
炎天に黒きたましひ蝶の舞ふ 山岸明子 201910
炎天の浅間の土になるべかり 中杉隆世 ホトトギス 201910
炎天や太陽も死のあるといふに 松本三千夫 末黒野 201910
炎天を会はねばならぬ人がゐる 森岡正作 201910
遮断機とふ容赦無きもの炎天下 堀井英子 雨月 201910
炎天をゆく水晶の数珠を掌に 村上美智子 雨月 201910
炎天下訪へば砂漠のピラミッド 岡田ちた子 雨月 201910
一樹目指しひたすら歩く炎天下 手島伸子 雨月 201911
炎天のプールに誰も見ぬ大学 手島伸子 雨月 201911
負けて泣く青春愛し炎天下 齋藤晴夫 春燈 201911
炎天の重さを傘に帰宅の歩 大川暉美 末黒野 201911
焦ぐる香の音なき町や炎天下 廣田幸子 末黒野 201911
炎天へ七つ道具を腰に巻き 丸井巴水 京鹿子 201911
呼び込みの声炎天のアメ横に 廣瀬雅男 やぶれ傘 201911
東海道の品川宿や炎天下 治部少輔 201912
入院する妻に付き添ふ炎天下 箕田健生 やぶれ傘 201912
入院する妻に付き添ふ炎天下 箕田健生 やぶれ傘 201912
炎天の聖火ランナーに応募する 辻征雄 船団 201912
炎天をきて骨髄に針うたる 直江裕子 京鹿子 201912
炎天に予約の検診人まばら 河野昭彦 ホトトギス 202001
炎天に波打つてゐるアスファルト 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
炎天に鳩オクターブ低く鳴く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
炎天や東京タワーの脚の反り あさなが捷 202007
真炎天モノクロ写真のやうに侍ち 栗原公子 202009
炎天を曲がれぱかの世の見えてきし 平野多聞 202009
炎天に切字といふはなかりけり 増成栗人 202009
炎天や経を読む声磴にまで 湯本実 やぶれ傘 202009
炎天に燐寸のほむら見失ふ 小西みさを 春燈 202009
炎天や己も遺失物のごと 田中とし江 202010
炎天に縄がいつぽん垂れてゐる 直江裕子 京鹿子 202010
炎天や長いタイトル流行る本 直江裕子 京鹿子 202010
新聞紙に胡坐の研師炎天下 荒井千佐代 202010
炎天や逃水の玻璃もくもくと 七郎衛門吉保 あを 202010
長雨と別れたばかり炎天下 浜小長谷紘 末黒野 202011
炎天の京の幽霊飴下げて 竹内悦子 202011
村中の音の消えゆく炎天下 西村白杼 京鹿子 202011
炎天→1

 

2023年8月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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