大 寒 8    91句

あゝとひて吾を生みしか大寒に   矢島渚男   木蘭

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寒の狭庭に柚子の実がひとつ 山岸明子- 201904
大寒の竹伐り出でし寺男 石田阿畏子 馬醉木 201904
大寒や乾物二品と夕餉 長崎桂子 あを 201904
大寒のぼうぼう燃ゆるお燈明 辻水音 201904
大寒に「うるさい!」の声ひびきをり 出口誠 六花 201904
大寒やトイレの床のひび割れて 出口誠 六花 201904
大寒のパソコン開けてアニメ見る 出口誠 六花 201904
大寒の鏡にゆらり難波船 奥田筆子 京鹿子 201904
大寒の人人人の前屈み 永尾春己 201904
大寒の石投げて水かがやかす 大矢恒彦 201904
大寒や鋭く立ちし犬の耳 能美昌二郎 201904
穏やかなる大寒の夕となりにけり 高橋泰子 末黒野 201904
大寒の気を吸うてをる百会かな 雨村敏子 201904
大寒の煙ポキリと折れさうな 高橋将夫 201904
大寒の心も乾布摩擦かな 高橋将夫 201904
大寒や風呂場の壁のひび割れて 出口誠 六花 201904
大寒や医師にあまえる高齢者 中村風信子 馬醉木 201904
大寒や堂もて守る磨崖仏 服部鹿頭矢 馬醉木 201904
大寒に負けじと背筋立てにけり 大橋淳一 雨月 201905
大寒の袋に入れる遺品かな 直江裕子 京鹿子 201905
大寒の日向日向に鳥の声 石田蓉子 201905
大寒や神鈴の中たてこもる 江見巌 六花 201905
大寒の鴉の騒ぎ鎮まらず 小田嶋野笛 末黒野 201905
大寒や機械に払ふ診療費 石黒興平 末黒野 201905
大寒や何処歩いてもカメラの目 直江裕子 京鹿子 201905
大寒やビルが切りとる空の青 服部早苗 201906
大寒やまた食べすぎの腹さする 津田このみ 船団 201906
大寒や闇夜なれども星二つ 江口九星 201907
大寒と対す豪気のこころもて こと枝 雨月 202001
大寒の産毛つきたる卵かな 竹内悦子 喜悦 202002
大寒や馨しき花に癒さるる 長崎桂子 あを 202003
大寒に入りても凛と寸の草 藤岡紫水 京鹿子 202003
つやつやとして大寒の霊枢車 きくちきみえ やぶれ傘 202003
大寒やビンに桃色金平糖 はしもと風里 202003
大寒や影も小さくうづくまる 出利葉孝 202004
あたたかき大寒の日が暮れてゆく 岩木茂 風土 202004
大寒の竹小気味良き割かれやう 森岡正作 202004
大寒の竹切る音の響きかな 東木洋子 春燈 202004
大寒や採血痕の絆創膏 佐渡谷秀一 春燈 202004
大寒やこの日すべてに抗はず 芝田幸惠 末黒野 202004
大寒の深淵碧を沈めたる 前田美恵子 202004
大寒の夜半駆けて来る又三郎 近藤紀子 202004
大寒の水の滴る男かな 高橋将夫 202004
大寒とは名ばかりなりし暦かな 三浦純子 202005
昼下がり猫大寒の庭過る 湯本正友 やぶれ傘 202006
大寒や血を吸ひ上ぐる注射針 秋津令 202006
大寒や血を吸ひ上ぐる注射針 秋津令 202007
大寒の光の中へ産衣干す 小坂尚子 202101
大寒や一斉に点く街路灯 小島良子 202102
大寒の街の更地にショベルカー 安藤久美子 やぶれ傘 202103
大寒の湯気より掴む中華饅 南うみを 風土 202104
大寒波夜中に灯油切れの音 森高武 風土 202104
大寒や母子に違ふ夜の来し 山田暢子 風土 202104
大寒や白き灯の地下の駅 柿沼盟子 風土 202104
大寒のふくら雀の嘴ひかる 小原芙美子 風土 202104
大寒を穿つ杜氏の仕込み唄 澤田英紀 202104
大寒や押し出され来し受験生 善野行 六花 202104
大寒の朝の筋トレ日本晴 小倉純 末黒野 202104
眠られぬ大寒の夜を烏鳴く 秋川泉 あを 202104
大寒や頂蒼き富士を見つ ふなかわのりひと 202104
大寒の水もて磨く杉丸太 岩木茂 風土 202105
大寒や晨鐘の音の重々し 岡野里子 末黒野 202105
大寒の賑はひなほも中華街 鍋島武彦 末黒野 202105
大寒の底で座職の煮る膠 森村江風 202105
をさまりし風大寒の星の数 山田閏子 ホトトギス 202106
大寒の水を砥石へまた垂らす 柴田佐知子 202107
大寒や入る余地なき猫だんご 服部早苗 202107
大寒や競り合つてゐる野面積 森田明成 202107
大寒の夜を魔物が背を叩く 沼田巴字 京鹿子 202201
大寒に耐えるものとし一仏書 沼田巴字 京鹿子 202201
大寒の河の蛇行を眩しめり 松本鷹根 京鹿子 202203
大寒や藁葺屋根が蹲る 出利葉孝 202204
大寒の漢にありて泣黒子 土井三乙 風土 202204
大寒の鴉のこゑは腹より出 平田紀美子 風土 202204
大寒の鉄棒掴む小さな手 高橋まき子 風土 202204
大寒の一歩確かむ稲荷山 本郷公子 京鹿子 202205
大寒や背骨の軋むストレッチ 沼崎千枝 末黒野 202205
大寒の磨きあげたるステンレス 小泉里香 やぶれ傘 202206
大寒の山へ口笛鳴らしけり 戸栗末廣 202208
大寒や子の持ち来る大吟醸 林徹也 202208
大寒や公園整備の砂あまた 三井所美智子 202210
大寒の百年生くるポプラかな 小坂尚子 202210
大寒と記す日記の真新し 安立公彦 春燈 202304
大寒や影もろともに沈む鯉 浜田はるみ 202301
大寒の松の揺るるや日のひかり 臼居澄子 末黒野 202304
大寒や尖る山稜際立ちて 森清堯 末黒野 202305
大寒の風荒ぶ日や句に耽て 岡野里子 末黒野 202305
大寒波ヒートテックに鍋料理 七郎衛門吉保 あを 202303
大寒の銭湯バブルを腰に当つ 篠田純子 あを 202303
大寒の歩道橋へと星を見に 竹内文夫 やぶれ傘 202306
大寒の指に血豆を作る朝 貫井照子 やぶれ傘 202306
大寒の門扉に掛かる回覧板 野口希代志 やぶれ傘 202306
大寒→ 1

 

2024年1月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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