大 寒 5    104句

大寒や夜中に起きて坐りけり   伊万里梅城

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寒の空を裂くかに鴉鳴く 岡佳代子 201002
大寒や塵一つなき窯の中 八染藍子 201002
寒も寒大寒の梅咲く墓苑 阿部ひろし 酸奬 201002
暖かな大寒の日の誕生日 仁平則子 201003
大寒の雪曼陀羅の寺苑歩す 小澤昭之 201003
大寒の船も重たく動きをり 鈴木多枝子 あを 201003
大寒の海は鈍色日航機 鈴木多枝子 あを 201003
遠い地鳴り大寒の夜の口乾く 田中藤穂 あを 201003
大寒を揺るがさむとて「ねぶた」の来 東亜未 あを 201003
大寒の朝の目薬注し損ず 木村茂登子 あを 201003
大寒の月に寄り添ひ金の星 北條清子 201004
大寒の湖おだやかに鳰の群 木戸宏子 201004
大寒の赤城離さぬ雲一朶 木山白洋 馬醉木 201004
暮れがての大寒の空はがね色 大谷昌子 馬醉木 201004
大寒や鳥鋭角に現るる 小林朱夏 201004
大寒の匙鳴る卓の老姉妹 中村恭子 201004
大寒や右耳に聴く海の音 高田令子 201004
大寒や二度寝三度寝ゆるされよ 小林正史 201004
大寒の沼きんきんと深眠り 荒木甫 201004
大寒や俎の烏賊発光す 浜口高子 火星 201004
大寒の山中にゐて槌の音 戸栗末廣 火星 201004
大寒の土間より大黒柱聳つ 池田光子 風土 201004
大寒のあと少々の利かぬ齢 辻直美 201004
大寒や刃物が帛を裂くやうに 中島あきら 201004
大寒の真つ赤な闇の底で寝る 丸井巴水 京鹿子 201004
大寒の熱にチーズホンデユーかな 石脇みはる 201004
大寒の十指に腹のありにけり 大島翠木 201004
大寒や縦横無礙の鳥つぶて 冨松寛子 201004
大寒の朝刊を待ちゐたりけり 中島和昭 春燈 201004
風呂に水張りて大寒ゆるびなし 宮崎紗伎 春燈 201004
大寒の空の深さを沼湛ふ 松本三千夫 末黒野 201004
大寒の富士や十日の明けの月 森清尭 末黒野 201004
大寒や秘仏のおはす暗き堂 小澤昭之 201004
曇りぐせ今日大寒の比叡山 小澤昭之 201004
大寒や庭草深く根を下し 井関祥子 酸漿 201004
大寒の蒸籠湯気噴く小豆飯 中川悦子 酸漿 201004
大寒の一日画室にこもりけり 家塚洋子 酸漿 201004
大寒の光遍し大甍 井口初江 酸漿 201004
大寒の丘に見つけし犬ふぐり 吉野さと 酸漿 201004
大寒の鎮守の杜で見渡す田 渡邉孝彦 やぶれ傘 201005
大寒に病み伏せるのみ伏せるのみ 北村香朗 京鹿子 201005
大寒の底を歩いて富士仰ぐ 中村江利子 京鹿子 201005
大寒の晴明の杜白狐跳ぶ 北村淳子 ろんど 201005
大寒や夫の遺せし書の積まれ 松林順子 雨月 201005
大寒の砂一粒が靴に入る 内藤静 風土 201005
大寒の香煙溢れ大香炉 田宮勝代 酸漿 201005
大寒や今日うらはらの日和なる 大房帝子 酸漿 201005
大寒の月光に映ゆ里の山 矢崎暉文 酸漿 201005
真つ白き飯大寒の最中なり 若井新一 201006
大寒の川に水切りしてみたり 國保八江 やぶれ傘 201006
大寒や白波上げて日蓮岬 吉永すみれ 風土 201009
大寒の空へ煙草の煙吐く 竹下昭子 ぐろっけ 201102
大寒や古紙回収車取り逃がす 石川かおり 201103
大寒の虹の根あたり仄明り 松岡和子 201103
大寒やひと口だけの水を飲む 常田創 201103
大寒や古紙回収車取り逃す 石川かおり 201103
利根川を越え大寒と気づきけり 吉田政江 201103
大寒や万象凛冽たる寒気 古田考鵬 雨月 201103
大寒の行者発止と九字を切り 古田考鵬 雨月 201103
大寒の満月を浴び身を洗ふ 坂本鴻 六花 201103
大寒や目覚めて鳥に応へたる 田尻勝子 六花 201103
大寒の晴れて真昼の庭に立つ 阿部ひろし 酸漿 201103
大寒の鎖とぐろを巻いてゐる 田中藤穂 あを 201103
大寒の満月の露地鐘渉る 東亜未 あを 201103
大寒の竹林うごき止まりをり 早崎泰江 あを 201103
大寒の水に禊の絹豆腐 宮崎左智子 201104
大寒の冷気ひしひし朝の窓 山口キミコ 201104
大寒の水に禊ぎの絹豆腐 宮崎左智子 201104
大寒や閉ざせしままの部屋ひとつ 宮崎左智子 201104
大寒やほのと明るき庭の内 加藤みき 201104
大寒や米櫃に米満たしをり 石脇みはる 201104
大寒の水晶宮に迷ひをり 栗栖恵通子 201104
大寒の麹に塩を混ぜてをる 雨村敏子 201104
大寒やかんばせ締むる阿修羅仏 神谷文子 馬醉木 201104
大寒や座せば話のながくなり 金森涼 春燈 201104
大寒の土踏まへ立つ一樹かな 金森涼 春燈 201104
大寒の四角に揃へ男下駄 及川澄江 風土 201104
大寒の足裏貼りつく庭の下駄 直井たつろ 風土 201104
大寒や餌をくはへて鳴く鴉 大坪景章 万象 201104
大寒の待合室の日向かな 原田達夫 201104
大寒や大逆の刑百年に 鈴木阿久 201104
大寒のことに遠くを二上山 高松由利子 火星 201104
大寒の鴉ひと声づつ句切り 藤田素子 火星 201104
大寒の駅員の笛ひかりけり 福本郁子 火星 201104
大寒の堂庇も深く金剛界 豊田都峰 京鹿子 201104
大寒の足滑らして六十三 貝森光洋 六花 201104
大寒や暁月夜凛々と 中川悦子 酸漿 201104
大寒の月まるまると明るき夜 和南城ふみえ 酸漿 201104
大寒や人里遠き休み窯 田中清子 雨月 201104
大寒のこころに柾目あるごとし 細川洋子 201104
大寒や瘤りゆうりゆうと神の樟 荒井千佐代 201104
大寒の市ヶ谷上空機影さす 竹内弘子 あを 201104
大寒や五更の月の塔照らす 中石士亮 万象 201105
大寒にタクシーを呼ぶ医者通ひ 谷泰子 ぐろっけ 201105
大寒の床に高鳴る杖の音 藤井久仁子 ぐろっけ 201105
大寒のよく磨かれてうすき天 服部早苗 201105
血は鉄の味大寒の夜を学ぶ すずき巴里 ろんど 201105
大寒の日に俎板をさらしけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201105
大寒や見舞はば会へる母のゐて 鈴木榮子 繭玉 201105
大寒の色といふもの失せし沼 柴田良二 雨月 201105
大寒の水のくらりと鯉の鰭 秋葉貞子 やぶれ傘 201106
大寒の玉砂利に靴ぬかりけり 鳳蛮華 201106
大寒や着火不良はご愛矯 松本文一郎 六花 201106
大寒の花舖の一隅鉢売場 野沢しの武 風土 201107
大寒→ 6      

 

2021年1月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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