大 寒 4     99句

大寒や水吹かれ軍鶏きほひたつ  高島茂  軍鶏

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寒の味はひ深き師の書展 長瀬恒子 遠嶺 200605
大寒の河の蛇行を眩しめり 松本鷹根 京鹿子 200605
大寒の根無し雲行く嵯峨野かな 北川孝子 京鹿子 200605
病むわれに大寒几帳面過ぎる 八木柊一郎 ぐろっけ 200605
大寒の蝋涙垂るる友の葬 木暮剛平 万象 200605
大寒や持病のいくつ御し難し 久保晴子 雨月 200605
大寒や塵一つなき座禅堂 加瀬美代子 200605
北塞ぎ山居いよいよ大寒に 浅井青陽子 ホトトギス 200606
大寒の灯と火に抱かれゐるピエタ 岩垣子鹿 ホトトギス 200606
父を埋め大寒の月にまかせる子等 八田木枯 晩紅 200606
大寒やモーツアルトを聴く夕べ 花島みゆき 八千草 200607
我魂や大寒の空たもとほる 後藤一秋 ホトトギス 200608
鼻固くして大寒の墓地歩く 田中藤穂 あを 200701
大寒や土やわやわと植物園 東亜未 あを 200701
大寒の関東平野眩しめり 鈴木政子 200702
大寒や耳にてのひら当てて聴く 神蔵器 風土 200703
大寒の屋根に瓦屋仁王立 田中藤穂 あを 200703
大寒や通天閣の灯り透き 坂上香菜 時流 200703
大寒の鱒さ走りぬ泉川 手島靖一 馬醉木 200704
大寒の滝の威享けぬただ一人 手島靖一 馬醉木 200704
懸命に人大寒の灯を点す 服部菰舟 雨月 200704
大寒の口に転ばす生姜飴 仙石君子 雨月 200704
大寒の夜の茶の葉をかへにけり 大山文子 火星 200704
大寒の薔薇湯に六十路沈めけり 高橋芳子 火星 200704
大寒のタイルにナイフ落しけり 片山タケ子 200704
大寒や就職内定通知あり 池崎るり子 六花 200704
大寒や手玉のやうに蒸万頭 東亜未 あを 200704
大寒の夕映ゆるとき山河あり 長沼三津夫 200704
大寒の雪なき町を淋しめり 稲田節子 200704
大寒の道具屋筋に鐘の音 雨村敏子 200705
大寒の月の明るき刃物店 小林愛子 万象 200705
大寒や二双櫓のものがたり 松下幸恵 六花 200705
大寒や箱根細工の匣納まる 岡村一郎 200705
大寒の夜の底なる轍かな あさなが捷 200801
大寒の金こそよけれ金閣寺 遠藤若狭男 200803
大寒やふくみて水のやはらかき 神蔵器 風土 200803
大寒や時期過たず襲ひ来し 若江千萱 雨月 200803
大寒の三十三間堂沁みる 北川英子 200803
大寒や湯舟溢らせひと日終へ 芝宮須磨子 あを 200803
大寒や横断歩道両手あげ 芝宮須磨子 あを 200803
大寒や地球儀廻す無聊の手 和田政子 200804
大寒の神に海桐は実を弾く 田中佐知子 風土 200804
大寒の浦抱き寄せて若狭冨士 岩木茂 風土 200804
大寒の静かなりけり鴨の水 藤田素子 火星 200804
大寒や繰り言細る厨妻 水成玲子 春燈 200804
大寒やひと日籠りぬ不精髭 大内佐奈枝 万象 200804
獅子舞や大寒の町賑やかに 宮口文泰 万象 200804
大寒やふくらんでゐる枝の先 加藤みき 200804
大寒やあけぼの色の貝の紐 栗栖恵通子 200804
大寒やひらひら返る熱帯魚 寺田すず江 200804
一塵もなき大寒の畳踏む 下平しづ子 雨月 200804
大寒のアポロン像の冷えまさる 遠山みち子 200804
大寒の指にからめて紐を抜く 田村園子 200804
大寒のゼブラゾーンを鶺鴒馳す 松崎鉄之介 200804
大寒の風染む首の火傷あと 梅里全子 200804
大寒の底ひを灯油販売車 上谷昌憲 200804
喜寿祝ふ大寒の空深くあり 伊藤いな栄 酸漿 200804
大寒の雀色時雪の舞ふ 中川悦子 酸漿 200804
大寒の雨が消すなり雪景色 小山ナオ子 酸漿 200804
大寒の遠嶺白き朝かな 設楽唱子 酸漿 200804
大寒やからす二三歩づつ歩み 大崎紀夫 やぶれ傘 200804
大寒の水吐くホース魚市場 大崎紀夫 やぶれ傘 200804
大寒や夜の雲焦がす油井の火 飯田酔亥 200805
大寒の下枝泣きけり古戦場 数長藤代 200805
大寒の三日すぎたる人の声 松本桂子 200805
大寒に旧友集ふ我が個展 奥田妙子 ぐろっけ 200805
大寒の青竹肌を寄せ合へる 山村修 酸漿 200805
湧き出づる大寒の湯に浸かりけり ことり 六花 200902
大寒の星屑となり父の骨 水野恒彦 200903
大寒や竹の根この地を走り 神蔵器 風土 200903
大寒のルカ伝背筋伸ばし読む 荒井千佐代 200903
大寒の鎮もる村に救急車 井関祥子 酸漿 200903
大寒や大動輪の黒鋼 笠井清佑 200904
大寒のこの身一つをいとしまむ 中島和昭 春燈 200904
大寒の固まつてをる霊気かな 高橋将夫 200904
大寒や千丈椰子の折れ知らず 栗栖恵通子 200904
大寒の身の内覚めてゐたりける 前田美恵子 200904
大寒や磨きてキュッと哭く鏡 森ゆみ子 炎環 200904
大寒やびつくり水を足す饂飩 佐藤午後 炎環 200904
大寒や噺家の声遠くまで 三村八郎 炎環 200904
大寒とふ大気の底に耐ふるのみ 大橋晄 雨月 200904
大寒や明日の寒さを語り合ひ 山口天木 雨月 200904
大寒の木戸を裏より押す力 高木嘉久 200904
大寒や野良猫野良に生ききれる KOKIA 六花 200904
大寒の一舟もなき舟屋かな 山本耀子 火星 200904
大寒や乳房に触るる聴診器 岩井ひろこ 火星 200904
大寒や井戸のまはりの昼の闇 佐藤博美 200905
大寒のはがね光りに山湖かな 柴出良二 雨月 200905
大寒や残月尖る暁の空 大泉美干代 雨月 200905
大寒の古刹に栗鼠の迎へけり 小浦遊月 酸漿 200905
大寒を缶コーヒーに温もれり 松村光典 やぶれ傘 200905
闘志にも似て大寒の野路辿る 浅井青陽子 ホトトギス 200906
大寒や「無」一文字の床の軸 西宮舞 200906
ふところに陽や大寒の戸を閉ぢる 伊藤希眸 京鹿子 200906
大寒の噴水として華やげり 村上すみ子 200907
大寒や亭を閉ざせるまろき石 柿沼盟子 風土 200911
この日和明日大寒といふ不思議 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
大寒の今日身ごしらへ心して 稲畑汀子 ホトトギス 201001
大寒といふこと忘れたる出先 稲畑汀子 ホトトギス 201001
大寒→ 5      

 

2021年1月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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